システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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解放魂魄統轄庁 

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「すまん、転生の事、話してなかったな…」
 ダンジョン関連の奴らには。すっかり話してたと思ってたが、どうも話なんてしてなかったらしい。
 今後の関係も考えて、素直にここは謝る事に…
「いんや、全員それは知っておるぞ?」
 したんだが…え、知ってたの? んじゃ、ボーディのさっきの驚きは何?
「いや、転生の事はモフリーナに聞いておったが、あいつに転生させられたというのは、初耳じゃ」
 俺に向かって、何やら渋面で語る、のじゃロリ。
「転生じゃ無くて、そっちに驚いてた…とか?」
 俺の言葉に、この場の全員が大きく頷く。
 えっと……、管理局の局長が驚きポイントって事?
「まあ…ここに居るのは、転生して来たトールヴァルドとダンジョンマスター、あとは眷属達じゃから、これぐらいは話してもええじゃろ。妾達、オリジナル・ダンジョンマスターの50人は、元は輪廻転生管理局と同等の組織である、解放魂魄統轄庁に生み出されたのじゃ」
「かいほうこんぱくとうかつちょう?」
 何じゃそりゃ?
「簡単に言えば、肉体の内に宿る魂とは業を持っておるものなのじゃ。一般的に魂が肉体から離れる時…つまり生物にとっての死じゃな。その時、魂は輪廻の輪に戻され、次の肉体を得た時、また現世へと至るのじゃ。これが、いわゆる輪廻転生の輪じゃな。妾を生み出したのは、その輪廻転生の輪からの解脱した魂を統括している所なのじゃ」
 ちょっと待ってくれよ…つまり…、
「輪廻転生管理局の輪廻転生システム? の輪から外れるって事?」
「うむ、簡単に言えばそうじゃが、ちょっと違うぞ。単に輪廻転生の輪から外れた程度では、解放魂魄統轄庁の管轄にはならんのじゃ。必要なのは業からの解脱じゃな」
 ボーディが俺の問いかけに答えるように、更なる説明をしてくれた。
「元々、魂というのは純粋なエネルギーの塊なのじゃ。しかし、受肉するとその生命体の生涯において、だんだんと魂には業が蓄積されてゆくものじゃ。肉体が滅んだとしても、なかなかは魂は業から解放されぬ。まあ、業とは一種の呪縛じゃな。つまりは魂の汚れとも言う」
 なるほど…全然、分からん。
「汚れ…つまり、下水の下に長い間眠っていたボーディの様なものか…」
「ちゃうわ、ボケ!」
 うぉ! ツッコミが鋭くなってきたな、汚ロリめ!
「別の表現じゃと、悟りじゃ! 自ら業から解脱する事によって、肉体を捨て去る行為じゃな。つまりは、人であればその種の持つ業から離れる事じゃな。知識、思考、行為の全てを正しく行い、肉体の持つ業を完全かつ厳粛に制御する事によって、魂が元より持っている純なる状態へとなるべく、肉体から解放される事を悟りと言うのじゃ。ま、ごく簡単な説明じゃがな」
 うん、全然わからん。
 が、1つだけ分かった事がある。
「つまり、俺の魂は解脱はしてないって事だな? だって、そんな難しい事、考えて無かったからな…前世では」
 だって、今だに前世の記憶を持ってるし、きっちり業は残ってると思うな。
「うむ、お主は解脱はしておらぬ。が、解脱への道筋は見えておる様じゃの」
「えっ、そうかなぁ?」

 悟りとか解脱とか考えては…いや、確かに輪廻転生システムの事を感がえてた時、そこに考えが至ったのは間違いなけど…。
「…モークシャマールガ…」
「なんじゃ、やっぱり知っておるではないか」
 俺の呟きを拾い上げたボーディが、鼻息荒く答えた。
「生と死のくり返しからの解放、それこそが最も簡単な解脱への道なのじゃ」
 あの言葉の裏が何となく見えてきた気がするな…。
「なるほど。つまり、俺は輪廻転生のシステムの機能上、システムに動作不良を起こす不良品か、もしくは一定の規格から逸脱した存在…って事なのか?」 
 確かにそう考えると、俺の魂のエネルギーがクソでかいってのも、システムの分から外れた一因としては納得できるな。
 普通は輪廻転生の為のエネルギーが不足してて、管理局が貸し付けるとか言ってた気が…待てよ?
「ちょっと待てよ。そうすると、管理局ってのは、わざと解脱させない様にしてるんじゃないのか?」
 そう考えると、何か色々と話が繋がる気がする。
「うむ、その通りじゃ。そして、解脱にたどり着いた魂を統括しておるのが、妾を生み出した所、つまりお主に分かりやすく言えば、真実の神の国じゃの」
「真実の神の国!?」
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