システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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 俺とメリルは、ホワイト・オルター号に乗り込み、颯爽と蒼く晴れた空へと旅立った。

 今回このホワイト・オルター号に積み込み、陛下へと献上するのは、ユリアちゃんのきつねさん号をベースとして開発を進めて来た、あの蒸気機関搭載の小型バギーと人生遊戯盤。

 小型バギーは今回3台持ち込む予定で、人生遊戯盤は合計10セット。
 小型バギーが3台なのは、実は王城という広い場所で、ゴルフカートの様な使い方も出来るんじゃないだろうかという、メリルの考えが元となっている。
 ゴルフカートって、知らない? ゴルフ場で、ゴルフバッグとか乗せて、コースの端っこのカート専用の道を走ってる車。
 電気自動車だったり、エンジン付きの物もあったりする、あのゴルフカート。
 たまにゴルフの中継とかで、ちらっと画面に映ってたりするから、見たことある人も居ると思う。
 あんな風に、王城のだだっ広い敷地を。騎士さんとか衛兵さんとか、色んな人が移動に使ったら便利かなあっと思って。
 まぁ、これ以上欲しけりゃ、注文してねって意味も含んではいるけれど、間違いなく売れると思う。
 ちなみに、今回持ち込む小型バギーには、オプションで牽引トレーラーを一台くっ付けて来た。
 とは言っても、大した大きさでは無く、せいぜい人が3~4人程度乗っかれるぐらいの物。
 だけど、絶対にこれで移動したりしたら、欲しくなること請け合いだ。
 だって、騎士とか衛兵とかって仕事の人は、必ず仕事中はクソ重たい鎧を身に着けている。
 アニメとか漫画では、それを着けて平気な顔で普通に動いているけど、実際にやてみ? そんなん無理だから。
 金属製のフルプレートアーマーだと、下に着こむチェーンメイルとかと合わせたら、総重量は30~40kgにもなるんだぞ?
 例え軽鎧だとしても、金属製ならば15kgほどは有るというが、そんなの着こんで普通に歩けると思うか?
 漫画やアニメ、小説なんかでそんなのを登場人物に着させてるやつは、間違いなく鎧を知らないと断言出来るね。
 リアル舐めんな!
 例え身体強化とかっていう特殊な能力を持っていて、肉体を強化したから重量が気にならなくても、太陽の下に1時間でも立っていたら、熱中症とか脱水症状とかになるんだからな? そんな所まで強化出来んのか? 出来ねーだろーが!
 一応、グーダイド王国では、有事の時以外は、革製の胸当てや籠手、ブーツも革製って事になっているから、金属鎧なんて普段は身に着けてはいない。
 だけど、いつどこで何が起こるか分からないから、常に装備一式は身近な所に置いておくのが、ルールとなっているそうだ。
 立哨の場所移動の度に、装備一式持って行くって? 
 そりゃそれも仕事の内かもしれないけど、鬼畜の所業だよな。
 まあ、所々に備品置き場があるにはあるけど、勤務交代の時にいちいち運ぶのも大変な重労働で、俺なら初日に止めてるぞ、絶対に。
 城に勤めている軍務関連の人が筋肉質な人ばっかりってのも頷ける…って、そうじゃ無くって、装備一式を持ち運ぶのが大変だよって事。
 それなら、小型バギーがあれば、楽~に荷物も運べて便利じゃね? って感じで、軍務系の人達は、きっと提供した3台の小型バギーの有用性を見出すと思うんだ。
 もちろん、元王女殿下のメリルが、実父である陛下にそれとなく使い方を耳打ちしてくれる事になってはいるけどね。
 ってところで、まずは蒸気機関搭載の小型バギーでした。

 次に控えますは、我が家で散々遊び倒して高評価だった、人生遊戯盤。
 こいつは、最大5人まで同時に時間を潰す事が出来る。
 何度か遊んで確かめてみたんだが、1ゲーム当たりの平均遊戯時間は、約1時間半ほどだった。
 取りあえず、国王陛下御一家だけでなく、お城の多くの人達の暇つぶしに丁度よかんべ? んでお城で人気が出たら、きっと一般人にもそれとなく噂は広まり…ぐへへへへ…バカ売れする事間違いなっしんぐ!
 勿論、前世の人〇ゲームの様に、複数のバリエーション作成も簡単に出来るので、民衆を飽きさせない事には自信があります!
 モロにパクリだけど…。

 そんな感じで、荷物を積んだホワイト・オルター号は、一路王都へ。
「トールさまと2人きりなんて、久しぶりですわね」
 俺にぴったりと寄り添うメリルが、嬉しそうに俺の耳元で囁いた。
 うん、そこは止めようか…めっちゃゾワゾワするから。
「そう言えば、いつ以来だっけ…いつも、もう何人か一緒にいるよなあ」
 誰かと2人きり…って、記憶にないなあ。
 あ、ガチャ玉での創造の時に、サラと2人きりで山の中とかに行った記憶はあるな。
「まあ、トールさまがお忙しいというのも分りますし、私達妻を平等に愛してくださっているのも十分に分かるのですが…たまにはこうして2人きりになって、独占したくなるのです…よ?」
 そう言って、そっと目を閉じたメリルが顔を近づけて来た。
 まあ、俺もそう言った事…嫌いじゃありません! むしろ好きです!
 ただ、普段、複数の嫁に絞り取られて辛いってだけの事で。
 2人きりでしっぽりなら、全然OKです!
 
 俺は、メリルの唇に、そっと俺の唇を押し付けるのであった。
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