システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
820 / 1,466

双六どうなったかな?

しおりを挟む
 朝食後から始めた、トールヴァルド邸大双六大会は、お昼前には終盤戦へと差し掛かっていた。

 コマが進んだ結果がどうなったかというと…。
 メリルはドジョウ髭をつけて付け黒子をほっぺに着けていた。
 ミルシェは運がいいのか、うさ耳カチューシャ以外の見た目はそのまま。
 ただし、踊ったり腕立てさせられたりと、結構肉体的な罰ゲームの餌食に。
 ミレーラは、顎髭とどっかのパーティーグッヅの様な眼鏡付のデカ鼻を付けて、アフロのかつら&うさ耳カチューシャを被っている。
 マチルダは…何というか運が無いというか…一人称はオラだし、語尾はにゃんだし、きつね耳と頭を貫通する矢のカチューシャ。
 更にはグラサンに、ちょび髭付きで、とどめにおでこには犬と書かれていた…ことごとく酷いマスに止まってるな…。
 イネスも見た目には特に変化なしだが、やっぱりミルシェ同様に肉体系の罰ゲームの餌食になっていた。
 ユズキは、ことごとく告白系の罰ゲームの餌食となっていたのだが…その告白内容は、砂糖をゲロゲロ吐きそうな内容だった。
 そしてその告白を聞いて満足気なユズカは、目の周りを黒く塗られてアライグマのコスプレ。頭にはきつね耳カチューシャ。
 サラとリリアさんは、何故か完璧に罰ゲームマスを躱している…怪しい…。
 コルネちゃんは、くま耳を付けただけだが、結構似合ってて可愛いぞ!
 ユリアちゃんは、うさ耳にちょび髭で語尾がにゃん…めっちゃ可愛い。
 母さんは、何故か妊婦は免除のマスばかりに止まっているので、何も無し…神か? ゴッド・母ちゃ…いえ、何でも無いです。
 そして俺は、おでこの真ん中に付け黒子、ほっぺにバッテン・マーク、ぐるぐるビン底眼鏡に、ゾウさんの鼻…微妙。

 まあ、そんな感じで双六は進んでいたのだが、ここでランチタイム。
 ドワーフメイドさん達が作ってくれたサンドウィッチを、この玄関ホールでわいわいおしゃべりしながら食べていた。
 互いの姿を見て笑い合ったり、この先の罰ゲームマスを見て震撼したり。
 ん? 約1人とっても静かなのは、マチルダか…このゲームが終わるまでが罰ゲームだからな…一言も喋らなくなった。
 そう言えば、このゲームの目的は、輪廻転生局によるマインドコントロールからの解放だったんだけど、誰にも何の変化も起きないなあ…マインドコントロールなんて無かったんだろうか?
 実はこんな状態でも、俺はこっそりと例のヘアピン(脳波遮断装置・たっちゃん)を着けているので、サラ達に思考が読まれる事は無いはずだ。
 まあ、どうやらゲーム中に俺の思考を読もうとしていたのか、チラチラ2人共俺の方を見ては首を傾げていたが、得意のポーカーフェイスで知らん顔してやった。
 今頃、自分の身体の中にある、超小型ポジトロン電子頭脳の不具合でも疑ってる事だろう。
 ふっふっふ…上手く彼奴等を欺く事が出来てる様でだな。
 この、脳波遮断装置・たっちゃんは、なかなか使えるぞ。
 今後もちょくちょく何かこっそりとする時には着けよう。
 さてさて、食事も終えて一服したら、双六の続きを開始しましょうかね。


『ってな具合で、一日中双六して終わりましたけど、あれでいいんですか?』
 薄暗い地下室で、跏趺坐でリリアと向かい合って冥想するサラが、今日の出来事を管理局長に報告していた。
『ああ、それで構わないよ。ちゃんと思考が読めない振りをしたかい?』
『ええ、それは完璧に演技しましたので、ご安心を』
 リリアがその問いに答えた。
『なら、いいよ。彼は思考を遮断できたと喜んでるんだろうけど、全部こっちには筒抜けなんだけどねえ』
 そう、トールの考えなんて全部丸っと筒抜けなのである。
『僕は見てなかったけど、双六の結果は?』
 そう言えば、と局長が訊ねると、
『双六作成者がビリという結果でしたね』
『そうそう、作った人がどんケツとか、笑わせますよ~』
 リリアとサラが、トールがビリだと報告した。
『それはそれは。それで君達は?』
『罰ゲームは全て回避しましたけど、何か?』
『あんな恥ずかしい格好とか嫌ですからね~♪』
 そう宣うリリアとサラ。
 その返事を聞いた局長は、頭を抱えて…た気がする…2人に、
『そんな事したら、管理局が何か手を回したと言ってる様なもんだろうが! 何dね全部回避するんだ! わざとどっかの罰ゲームでもしろよ!』
 局長の仰ることはご尤も。
『嫌ですよ、恥ずかしい』
『そうだそうだ! 証拠も残してないんだから、ばれるはず無いですよーだ!』
 病や体調不良などという物から最も遠い存在である管理局長は、この日初めて頭痛というものを味わったそうだ。
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...