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頑張りなさい
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虎バスは、変身した嫁ーず&容姿端麗・文武両道で才色兼備(姉は胸の大きさがちょっとコンプレックス気味)な、史上最高の美少女である妹達と、ユズキの8人が変身し、厳重な警護体制の元、虎バスは樹海の中を突っ走った。
物言わぬ虎バスではあるが、やたらと周囲を警戒する屋根の上のユズキを、何故かとても迷惑がっていると俺は感じた…。
とにかく、ドワーフの村の前、エルフの村の前を無事に通過し、終着地点である保護地区の出入り口前まで戻って来た。
ここからは、嫁ーずの乗って来た黒塗りのミニバン風蒸気自動車にユズユズ夫婦に、メリルとミルシェとイネス、そしてとナディアを乗せて、俺が運転する事に。
ユリアちゃんとマチルダはきつねさん号、コルネちゃんとミレーラはくまさん号に分乗し、大人数で一路魔族さんのお医者さんの居る温泉スパリゾートに向かう事になった。
まあ、何事があるはずも無く、無事に温泉スパに隣接して建てられている病院に到着した俺達は、魔族の女医さんにユズカが診察を受けている間、何故か全員で待合室を檻の中のクマの様にウロウロと歩きまわっていた。
いや、正確には俺とユズキ、そしてイネスの3人だけがウロウロしていただけなのだが…何か、落ち着かないんだよね、待合室。
そして待つ事暫し。
診察室から出て来たユズカは、ニッコリ笑ってVサインをしたのを見た俺達は、
「やったーーー!」「ばんざーーーい!」「おめでとーーー!」「きゃーーーー!!」
などなど、全員が大歓声。
途端に魔族のお医者さんに、
「静かにしなさーーーーーい!」
めっちゃ大声で怒られました。
ごめんちゃい。
「貴方が旦那さんネ? 奥さんおめでたアルヨ。ちゃんと食べさせて適度な運動させるアルヨ。ワカタカ?」
微妙に言葉遣いが脱・怪しい外国人化してきている魔族の女医さんから、妊娠初期の女性に対する注意事項をしっかりと聞くユズキは、無茶苦茶真剣な顔で何度も頷いていた。
この女医さんは、母さんの定期健診に我が屋敷に往診に来て貰う事になっているので、ついでにユズカも今後は面倒を見てもらえる様にお願いをしておいた。
母さんもだけど、万全の態勢で出産に臨んでほしいからな。
医療技術が未発達なこの世界では、出産とは母子ともに本当に命の危険を伴う。
新生児の死亡率も高く、母体死亡率も決して低くは無い世界。
文字通り、この世界で女性が出産するのは痛くて苦しい、命がけの一大イベントなのだ。
だからこそ、全員が必死になるのは十分に分かるよ、うん。
ユズカのお腹の子の父親はユズキだけど、何故か俺も懐妊告知を待つ父親の様な気分になってたからな。
けど、やっぱ全員やりすぎだよな…変身までして警護とか…まあ、誰に迷惑けてる訳でもないから良いけど。
さて、病院を後にした俺達は、どこにも寄り道する事も無く、真っすぐに我が家へと戻った。
一緒に帰ってきたメンバー全員で手分けして、屋敷中の皆を食堂に集める。
到着後すぐに、母さん、ドワーフメイド衆、サラ&リリアさん、アーデ、アーム、アーフェン、屋敷に常駐している妖精さん達&もっち君、ブレンダーにクイーンと配下の蜂、あとは滅多に顔を見せない猫又のノワールと、屋敷に住む全員を食堂に集めた。
そして、ユズキとユズカを食堂の長テーブルのお誕生日席に並ばせて、2人に全員に向けて発表させた。
勿論、妊娠報告だ。
「あ、あの……じゃない、こ、この度、ゆ、柚香が…に、妊娠いたしました事を、ご…報告いたします」
緊張からかどもりながらも、ユズカとしっかりと手を繋いで全員に向けて発表したユズキに、集まった全員が盛大な拍手をした。
「ユズキさん、おめでとう。ユズカさん、出産経験者として、私が色々と教えて差し上げますので、心配などいりませんよ」
母さんもにこやかにユズカに話しかけた。
「もちろん、メリルさん、ミルシェさん、ミレーラさん、マチルダさん、イネスさん、あなた達も良い機会ですから、しっかりと妊娠と出産に関して勉強するのですよ?」
そういや、母さんが我が家に来くるとなった時、そんな話もしてたな。
『はいっ!』
うぬぬ…全員しっかり返事したのはいいけど…母さんの含み笑いが気になる…。
「トールちゃん。使用人夫婦にも、こうやって子供が出来たのです。早く私も孫の顔が見たいわ。頑張りなさい」
『はいっ!』
何で嫁ーずが張り切って返事してんだよ!
しかも、全員で声を揃えて!
頑張るのは…きっと…俺…だよな?
嫁ーずが頑張ったら…俺は…、ん? 結局同じ事なのか?
あ、嫁ーずの俺を見る目が、完全に獲物を捕捉した肉食獣の目だ…。
やっぱ俺が枯れるのか? 絞り取られるんだな!?
そうなんだな!?
※こっそり新作投稿しています。
姫様はおかたいのがお好き
不定期更新ですが、( `・∀・´)ノヨロシクオネガイシマス!
物言わぬ虎バスではあるが、やたらと周囲を警戒する屋根の上のユズキを、何故かとても迷惑がっていると俺は感じた…。
とにかく、ドワーフの村の前、エルフの村の前を無事に通過し、終着地点である保護地区の出入り口前まで戻って来た。
ここからは、嫁ーずの乗って来た黒塗りのミニバン風蒸気自動車にユズユズ夫婦に、メリルとミルシェとイネス、そしてとナディアを乗せて、俺が運転する事に。
ユリアちゃんとマチルダはきつねさん号、コルネちゃんとミレーラはくまさん号に分乗し、大人数で一路魔族さんのお医者さんの居る温泉スパリゾートに向かう事になった。
まあ、何事があるはずも無く、無事に温泉スパに隣接して建てられている病院に到着した俺達は、魔族の女医さんにユズカが診察を受けている間、何故か全員で待合室を檻の中のクマの様にウロウロと歩きまわっていた。
いや、正確には俺とユズキ、そしてイネスの3人だけがウロウロしていただけなのだが…何か、落ち着かないんだよね、待合室。
そして待つ事暫し。
診察室から出て来たユズカは、ニッコリ笑ってVサインをしたのを見た俺達は、
「やったーーー!」「ばんざーーーい!」「おめでとーーー!」「きゃーーーー!!」
などなど、全員が大歓声。
途端に魔族のお医者さんに、
「静かにしなさーーーーーい!」
めっちゃ大声で怒られました。
ごめんちゃい。
「貴方が旦那さんネ? 奥さんおめでたアルヨ。ちゃんと食べさせて適度な運動させるアルヨ。ワカタカ?」
微妙に言葉遣いが脱・怪しい外国人化してきている魔族の女医さんから、妊娠初期の女性に対する注意事項をしっかりと聞くユズキは、無茶苦茶真剣な顔で何度も頷いていた。
この女医さんは、母さんの定期健診に我が屋敷に往診に来て貰う事になっているので、ついでにユズカも今後は面倒を見てもらえる様にお願いをしておいた。
母さんもだけど、万全の態勢で出産に臨んでほしいからな。
医療技術が未発達なこの世界では、出産とは母子ともに本当に命の危険を伴う。
新生児の死亡率も高く、母体死亡率も決して低くは無い世界。
文字通り、この世界で女性が出産するのは痛くて苦しい、命がけの一大イベントなのだ。
だからこそ、全員が必死になるのは十分に分かるよ、うん。
ユズカのお腹の子の父親はユズキだけど、何故か俺も懐妊告知を待つ父親の様な気分になってたからな。
けど、やっぱ全員やりすぎだよな…変身までして警護とか…まあ、誰に迷惑けてる訳でもないから良いけど。
さて、病院を後にした俺達は、どこにも寄り道する事も無く、真っすぐに我が家へと戻った。
一緒に帰ってきたメンバー全員で手分けして、屋敷中の皆を食堂に集める。
到着後すぐに、母さん、ドワーフメイド衆、サラ&リリアさん、アーデ、アーム、アーフェン、屋敷に常駐している妖精さん達&もっち君、ブレンダーにクイーンと配下の蜂、あとは滅多に顔を見せない猫又のノワールと、屋敷に住む全員を食堂に集めた。
そして、ユズキとユズカを食堂の長テーブルのお誕生日席に並ばせて、2人に全員に向けて発表させた。
勿論、妊娠報告だ。
「あ、あの……じゃない、こ、この度、ゆ、柚香が…に、妊娠いたしました事を、ご…報告いたします」
緊張からかどもりながらも、ユズカとしっかりと手を繋いで全員に向けて発表したユズキに、集まった全員が盛大な拍手をした。
「ユズキさん、おめでとう。ユズカさん、出産経験者として、私が色々と教えて差し上げますので、心配などいりませんよ」
母さんもにこやかにユズカに話しかけた。
「もちろん、メリルさん、ミルシェさん、ミレーラさん、マチルダさん、イネスさん、あなた達も良い機会ですから、しっかりと妊娠と出産に関して勉強するのですよ?」
そういや、母さんが我が家に来くるとなった時、そんな話もしてたな。
『はいっ!』
うぬぬ…全員しっかり返事したのはいいけど…母さんの含み笑いが気になる…。
「トールちゃん。使用人夫婦にも、こうやって子供が出来たのです。早く私も孫の顔が見たいわ。頑張りなさい」
『はいっ!』
何で嫁ーずが張り切って返事してんだよ!
しかも、全員で声を揃えて!
頑張るのは…きっと…俺…だよな?
嫁ーずが頑張ったら…俺は…、ん? 結局同じ事なのか?
あ、嫁ーずの俺を見る目が、完全に獲物を捕捉した肉食獣の目だ…。
やっぱ俺が枯れるのか? 絞り取られるんだな!?
そうなんだな!?
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