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マジか!?
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人魚さん達にサバト…ではなく、大お見合い大会の開催を迫られたり、新鮮な魚介類の浜焼きを食べたり、嫁ーずやコルネちゃん、ユリアちゃんとの会話を楽しみながら、仕事を忘れ久々にのんびりした時間をすごしていた。
季節感が無いこの星なので、真夏のギラギラ太陽とかは縁が無いのだが、それでも今日は結構な日差しだ。
バギー発着場となっている木製の台の隅に座り、俺がのんびり陽の光を反射してキラキラ輝く海を眺めている時、それは起こった。
人魚さんと我が家のメンバーが何やら遠く波打ち際で話しているのは知っていたのだが、そこから突然大きな叫び声があがった。
まさか、海棲の魔獣が出現したのか!?
俺は砂浜をダッシュしながら、「へ…ん…しん!」と、叫んだ。
これ、特撮番組だったら、なかなか良いシーンでは無かろうか?
走りながら変身し、舞い上がった砂煙の中から銀色の戦士が飛び出す…ちょーかっこういいんですけど!
いや、そんな馬鹿な事は今は考えてちゃ駄目だ! 敵は…魔獣はどこだ!?
砂煙を巻き上げ乍ら、砂浜を爆走した俺が嫁ーずの元にたどり着いた時、何故か全員が呆れた様な顔で俺を見ていた。
「あの…トール様は何で変身してるんですか?」
俺の姿を見たメリルが、もの凄く残念な子を見る様な目でそう言った。
「え…だって、海からモンスターが…出たんじゃなかって…皆が危ないって…」
そう言うと、我が家のメンバーだけでなく、人魚さん達からも「こいつ何言ってんだ?」的な目で見られた。
「トール様、私達全員変身できますよ?」
結婚記念日を忘れた残念な旦那を見る様な目をしたミルシェに、そう言われた。
いや、どんな目だよと言われても困るけど…。
「急に何か出て来ても…ユリアちゃんも居ますし…」
ミレーラの言う事は尤もだ。
「そもそも、そんな危険な魔獣が居るところに、人魚さん達は住んでませんよ?」
はい、そりゃそうですね、マチルダさん…。
「まあ、皆、そうトール様を責めるな。トール様は、愛しい私達が心配でたまらなかっただけなんだよ。な、トール様!」
何か、イネスに言われると、ちょっと傷つくのは何でだろう…。
「……それじゃ、いきなり何を大声出してたんだ?」
俺は変身を解いて、先程の大声について聞いてみた。
「あ、そうだった! トール様、重大事件…じゃなくて問題…じゃなくて事案? でも無いわね…こんな時は何ていうのかしら?」
ん? メリルが何だか普段と違って、妙に混乱してるぞ?
「そうですねえ…トールヴァルド伯爵家にとっての…では無いですね、シラス家にとっての重要案件です」
ん、シラス家? ああ、ユズキの名字か。
すっかり忘れてた…そう言えば、結婚前は、ユズキ・シラスと、ユズカ・セオだったな。
結婚したから、ユズカがシラス家の嫁になったって事だよな…すまぬ…もうずっと名字なんて忘れてたよ…。
「んで、何が重要案件なんだ?」
まあ、こんな時は、ストレートに訊くのが良かろう。
すると、ちょっと赤い顔でモジモジしているユズカとユズキをちらりと見たマチルダが、少しだけ逡巡した後、
「ユズカが妊娠してるらしいんです」
「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
その瞬間、まるで辺り一帯の音が消え、俺の声だけが辺りに響き渡った。
どうやら、俺の意識は天の彼方へと飛んで行っていたらしい。
意識を取り戻すまで、どれほどの時が過ぎたのだろう。
全員が一言もしゃべらず、押し黙ったまま、この砂浜に打ち寄せては引いていく音だけが広がっていた。
「はっ! びっくりしたぁ…ユズカが妊娠とか、変な夢見ちゃったよ」
「夢ではありませんよ?」
真顔のマチルダにそう言うが、
「はっはっは! マチルダも冗談が上手くなったじゃないか」
俺がそんな冗談を真に受けるはずないではないか。
「トール様、冗談ではありませんよ?」
俺の言葉に、即座に反応したミルシェにそう窘められた。
「あのぉ…人魚さん達が…ユズカから妊娠した匂いがするって…」
人魚さん達のせいか! ってか、人魚さんには妊娠を嗅ぎ分ける特殊能力でもあるのかよ! あり得ないだろ!?
「人魚さん達曰く、数少ない男性を共有するうえで必須の能力だそうです」
男を共有って…あいつ等にとって男って種族は繁殖の道具なのか?
「まあ、そりゃそうだろうな。女だらけの人魚さん達ならば、妊娠したならさっさと男を回せ、子種を寄こせって思ってるだろうしな」
イネスよ…お前、ストレートすぎるぞ!
「余裕のよっちゃんよ!」
まだ若い(?)人魚さんが、そう言いながらダブルピースしながら、そう言った。
ってか、マジか!?
マジでユズカ、妊娠してるの!?
そりゃ大変だ! いや、大事件だ!
お…おいら、一体どないしたらよかんべか!?
※こっそり新作投稿しています。
姫様はおかたいのがお好き
不定期更新ですが、( `・∀・´)ノヨロシクオネガイシマス!
季節感が無いこの星なので、真夏のギラギラ太陽とかは縁が無いのだが、それでも今日は結構な日差しだ。
バギー発着場となっている木製の台の隅に座り、俺がのんびり陽の光を反射してキラキラ輝く海を眺めている時、それは起こった。
人魚さんと我が家のメンバーが何やら遠く波打ち際で話しているのは知っていたのだが、そこから突然大きな叫び声があがった。
まさか、海棲の魔獣が出現したのか!?
俺は砂浜をダッシュしながら、「へ…ん…しん!」と、叫んだ。
これ、特撮番組だったら、なかなか良いシーンでは無かろうか?
走りながら変身し、舞い上がった砂煙の中から銀色の戦士が飛び出す…ちょーかっこういいんですけど!
いや、そんな馬鹿な事は今は考えてちゃ駄目だ! 敵は…魔獣はどこだ!?
砂煙を巻き上げ乍ら、砂浜を爆走した俺が嫁ーずの元にたどり着いた時、何故か全員が呆れた様な顔で俺を見ていた。
「あの…トール様は何で変身してるんですか?」
俺の姿を見たメリルが、もの凄く残念な子を見る様な目でそう言った。
「え…だって、海からモンスターが…出たんじゃなかって…皆が危ないって…」
そう言うと、我が家のメンバーだけでなく、人魚さん達からも「こいつ何言ってんだ?」的な目で見られた。
「トール様、私達全員変身できますよ?」
結婚記念日を忘れた残念な旦那を見る様な目をしたミルシェに、そう言われた。
いや、どんな目だよと言われても困るけど…。
「急に何か出て来ても…ユリアちゃんも居ますし…」
ミレーラの言う事は尤もだ。
「そもそも、そんな危険な魔獣が居るところに、人魚さん達は住んでませんよ?」
はい、そりゃそうですね、マチルダさん…。
「まあ、皆、そうトール様を責めるな。トール様は、愛しい私達が心配でたまらなかっただけなんだよ。な、トール様!」
何か、イネスに言われると、ちょっと傷つくのは何でだろう…。
「……それじゃ、いきなり何を大声出してたんだ?」
俺は変身を解いて、先程の大声について聞いてみた。
「あ、そうだった! トール様、重大事件…じゃなくて問題…じゃなくて事案? でも無いわね…こんな時は何ていうのかしら?」
ん? メリルが何だか普段と違って、妙に混乱してるぞ?
「そうですねえ…トールヴァルド伯爵家にとっての…では無いですね、シラス家にとっての重要案件です」
ん、シラス家? ああ、ユズキの名字か。
すっかり忘れてた…そう言えば、結婚前は、ユズキ・シラスと、ユズカ・セオだったな。
結婚したから、ユズカがシラス家の嫁になったって事だよな…すまぬ…もうずっと名字なんて忘れてたよ…。
「んで、何が重要案件なんだ?」
まあ、こんな時は、ストレートに訊くのが良かろう。
すると、ちょっと赤い顔でモジモジしているユズカとユズキをちらりと見たマチルダが、少しだけ逡巡した後、
「ユズカが妊娠してるらしいんです」
「ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
その瞬間、まるで辺り一帯の音が消え、俺の声だけが辺りに響き渡った。
どうやら、俺の意識は天の彼方へと飛んで行っていたらしい。
意識を取り戻すまで、どれほどの時が過ぎたのだろう。
全員が一言もしゃべらず、押し黙ったまま、この砂浜に打ち寄せては引いていく音だけが広がっていた。
「はっ! びっくりしたぁ…ユズカが妊娠とか、変な夢見ちゃったよ」
「夢ではありませんよ?」
真顔のマチルダにそう言うが、
「はっはっは! マチルダも冗談が上手くなったじゃないか」
俺がそんな冗談を真に受けるはずないではないか。
「トール様、冗談ではありませんよ?」
俺の言葉に、即座に反応したミルシェにそう窘められた。
「あのぉ…人魚さん達が…ユズカから妊娠した匂いがするって…」
人魚さん達のせいか! ってか、人魚さんには妊娠を嗅ぎ分ける特殊能力でもあるのかよ! あり得ないだろ!?
「人魚さん達曰く、数少ない男性を共有するうえで必須の能力だそうです」
男を共有って…あいつ等にとって男って種族は繁殖の道具なのか?
「まあ、そりゃそうだろうな。女だらけの人魚さん達ならば、妊娠したならさっさと男を回せ、子種を寄こせって思ってるだろうしな」
イネスよ…お前、ストレートすぎるぞ!
「余裕のよっちゃんよ!」
まだ若い(?)人魚さんが、そう言いながらダブルピースしながら、そう言った。
ってか、マジか!?
マジでユズカ、妊娠してるの!?
そりゃ大変だ! いや、大事件だ!
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