システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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ぐすん…

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 まさかのミリタリー・ヲタクであることが発覚したユズキにより、ユリアちゃん、コルネちゃん、そして母さんの専用蒸気自動車の魔改造が発覚した。
 まあ、おかしなオプションを装備をしなければ、ただの頑丈な車って事で何とかなる…かな?

 というか、変なオプションは造ってないよな?
「大丈夫です! すでに基本設計は完了してますから!」
「おいっっ!」
 何で、このヲタク新妻は、自信たっぷりのドヤ顔なんだよ!
「知ってますか、伯爵様。新型戦闘機も、アップグレードを繰り返すうちに、どんどん搭載できる兵装が増えていくんですよ?」
「んな事、知らんわ!」
 こいつ、ヲタクというより、もはやマニアだな。
 めっちゃ知識あるんじゃなかろうか?
 俺がそんな事を考えながら、ぼうっと喜ぶユリアちゃんを見ていると、視界の端で、
「ねえねえ、ユズキ。呪法使えば、もっと色んな武装出来るんじゃない?」
「そうだねえ…こうなったらいっそうの事、マッド〇ックスとかに出てくる車とか造らない?」
「私だったらぁ、ロボットとかに変形するのもアリだと思うの」
「おお、ユズカ、ナイス! それ、アリだね!」
「でしょでしょ! んで、悪と戦う戦士となって喋ったり出来るの!」
「いいねぇ!」
 こ、こいつらは…。
「アホかーーーー! そんなもん、造らせるか、この馬鹿夫婦がーーーーー!」
「「え~~~~~~~」」
 え~~…じゃねーわ! 
 異世界…異星か…に転してきて、トラ〇ォーマー造ろうなんて考える奴がいるんだよ!
「お前ら夫婦は、当分の間、蒸気自動車関係に手を出すのは禁止な」
 きっぱりと俺がそう告げると、
「んじゃ、オプションの武装でも開発しまーす!」
 などとユズカがぬかしやがったので、
「それも禁止だ、馬鹿野郎!」
 ふーふーふー…息切れそうだ…。
「野郎じゃないから、OKって事ですね」
「OKじゃねーわ!」
 もう、脳の血管切れそう…。
 ユズユズ夫婦は、ブー垂れてたが、これ以上変な改造されてたまるか!

 ま、まあ…あんなごついオフロード走行もへっちゃらっぽい車でも、ユリアちゃんは大はしゃぎだし、コルネちゃんも母さんも満足そうだから手に持ってる紙は? へっ、請求書?
 ああ、あの車のね…どれどれ…んぉ!? 普通の車が50台は造れる値段じゃねーか! 
 ちょ、親方、コレってマジ?
 とっておきの材料をふんだに使ってるから、ほとんど材料費?
 ま、マジっすか…。
 いや、払うよ、払いますとも。
 畜生…馬鹿垂れユズカのせいで、無茶苦茶な出費だ。
 地球だったら、間違いなく超高級スポーツカーの新車が5台は買える価格だよ…とほほ…。

 てんやわんや有ったユリアちゃんによる、この『おくるまほしい! 事件』は、何とか幕を閉じた。
 コルネちゃんとユリアちゃんは、もの凄く試運転したそうなので、例の滝が見えるホテルへと向かう林の中の一本道に限って、試乗を許した。
 まあ、定期便しか走っていないので、その運航の合間であれば何の問題も無い。
 どっかの山の中でドリフトかましまくる漫画みたいになっちゃうけど、まあそこは目を瞑ろう。
 そもそも2人共いざとなったら変身できるから、大けがなんてしないだろうし。
 いや、もしも野生の大型の動物…そう、昔見た熊とかが街道に飛び出して来たら…大丈夫か。
 ドラゴンでも出てこない限り、ロードキルしちゃいそうだしな。
 そもそも試乗する時には、妖精族にでも同乗してもらえば、結界で守ってもらえるわけだし。
 あれ? そう考えたら、そもそも武装なんていらんのじゃないか?
 このクソ高い車って、やっぱ要らんかったのでは…。
 いや、もう考えるのは止そう。もう、やっちまった後だからな…。
 でも、俺のお財布が滅茶苦茶軽くなった事だけは間違いない。  
 泣いても良いだろうか…ぐすん…。


 さてさて、納車された車なのだが、コルネちゃんもユリアちゃんも、連日の様に乗りまわして遊んでいる。
 ある日の朝食の後、ユリアちゃんとコルネちゃんがお弁当を持ち、ナディアを連れて、2人の専用車2台で揃ってどこかに車でお出かけした。
 何とな~く気になった俺と嫁ーずは、その後を見つからない様に、車で尾行をしたのだが、2人の乗るきつねさん号&くまさん号は、ネス湖をぐるっと回って、なんとドワーフやエルフさん達の住むあの保護地区へと迷うことなく進んで行った。
 
 俺と嫁ーずは、尾行の車の中で、揃って首を傾げた。
 あの2人、お弁当持って、どこへ行くつもりなんだ?



※こっそり新作投稿しています。
 姫様はおかたいのがお好き
 不定期更新ですが、( `・∀・´)ノヨロシクオネガイシマス!
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