システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
799 / 1,466

泣きますよ?

しおりを挟む
 ユリアちゃんの車が、考えても居ない方向に仕上がってしまったのは、このアホ新妻のユズカのせいか! いや、成果なのか?
 確かに安全性を重視する様にドワーフ親方に発注したけど、これは幾らなんでも無いだろう。
 ユリアちゃん専用車がこれだとしたら、もしかして…。
「お前、コルネちゃんの車にも何かしてないだろうな?」
 喜々としてユリアちゃんの車のオプションという名の、武装アタッチメントを解説してたユズカを問い詰めると、
「あ~え~っと…どうでしたっけかねぇ…」
 めっちゃ目がバタフライしそうなほどに泳いでた。 
「お前、絶対に何かしただろー! 正直に言え、何をした!?」
 あの、一見すると嫁ーず専用車のうさぎちゃん号と変わらないボディーのくまさん号。
 だが、是体に何かユズカがやらかしてるはずだ。
「えっと…実はボンネットの中にタンクがありまして…」
「タンク?」
 何でそんな物がボンネットの中に?
「ボタン一つで、ボンネットから2連式の火炎放射器が飛び出します!」
「はぁ~!?」
 火炎放射器って、おま…ちょ…!
「しかも、トランクの下部からは、煙幕が出るんです! すごいでしょう!?」
「いや、マジでお前は俺の妹に何と対決させようとしてんだよ!」
 危なすぎんだろ、こんな車。
「いえ、西〇警察のス〇パーZの機能を再現したくて」
「何で、そんな古いの知ってんだよ!」
 そういや、ガルウィングの黒金ツートンのZに乗って、ショットガン撃ちまくってたな…〇門さんが。

「古いのだけじゃありません! 私は武器や兵器にも詳しいんです、えっへん!」
「どこのマニアだよ! ってか、お前の趣味はどうでもいいが、それでコルネちゃんやユリアちゃんを魔改造すんな!」
 前世でもいたな、こんな奴…マイカーを改造しまくってた奴。
 だけど、こいつって中学卒業~高校入学前に転移して来たはずだよな? 
 ってことは、子供の時からのガチのマニアなのか?
「何を言ってんですか! さっきも言いましたけど、伯爵様の可愛い可愛い妹達に何かあったら、どすんですか!?」
 そ、それを言われると、言い返せない気もするけど…でも、
「方向性がおかし過ぎるだろ!」
 そもそも、将来的には王都で乗る予定なのに、何でそんな武装が必要なんだ…よ…おい、まさか…?
「おい…あの2台の黒いミニバンには何もしてないよな?」
「ふひゅーひぃーふー」
 吹けない口笛吹こうとすんな! ってか、絶対にこいつ何かしやがったな?
「何をした? 正直に吐け!」
「…走行を厚くして、対戦車ミサイルで狙撃されても大丈夫な様に頑丈に…あと、地雷を踏んでも乗員が安全な様に、底もちょこっとだけ厚く…」
 …こいつは…、
「どこに対戦車ミサイルや地雷なんてもんがあるんだよ!」
「わからないじゃないですか! ボーガンとかで狙われないとも限らないし、どこぞの馬鹿な魔法使いとかが居るかもしれないでしょ!? そもそも常盤〇のエースが超電磁砲ぶっ放さないと、なんで言い切れるんですか!?」
「言い切れるわ、このアホ垂れがーーーーー!」
 どこの世界にアニメの主人公が実在して、しかも攻撃してくるとか考える馬鹿が居るんだよ!
 まあ、ボーガンは無いとは言い切れないけど、そもそも王都でしか乗らないんだぞ? あり得ないだろ。
「大丈夫です、この後、うさぎちゃん号にも武装を…いえ、魔改造を施して…」
「やめろーーーーーー!」
 はぁはぁはぁ…突っ込み過ぎて、息が切れて来たわ!
 何でお前はそんなドヤ顔で胸張ってられるんだよ、ユズカよ…。

「でもでも、よく見てください、伯爵様。あの嬉しそうなコルネリア様とユリアーネ様を! あんなに喜んでる2人から、車を取り上げるつもりなんですか? 絶対に泣きますよ、2人とも」
 そうユズカに言われて車に目を向けると、確かにめっちゃ2人とも喜んでいる。
 特にユリアちゃんなんて、今まで見た事も無いほどに光り輝く笑顔だ。
「ぐ…そう言われると…」
「あとあと、ドワーフ職人さん達だって、絶対に泣きますよ?」
 ドワーフさん職人さん…髭も無いロリッ子だらけだからなぁ…泣かせたら罪悪感が半端無いだろうなあ…。
「職人さん達が総出で造りあげた最高傑作とか言ってましたからねぇ…伯爵様、彼等を泣かせますか?」
 うぐ…最高傑作…そりゃそうだろうな…。
「んんんんんんん…わかった! もうこのままでいい! この4台はこのまま納車だ」
 俺の言葉を聞いたユズカは、ぽそりと呟いた。
「ふっ…勝った…」 
 くっ…負けた…。


※こっそり新作投稿しています。
 姫様はおかたいのがお好き
 不定期更新ですが、( `・∀・´)ノヨロシクオネガイシマス!
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...