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わかるよね?
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夜間の空の上で行われたらしい、アルテアン家の女会議は、どうやら一瞬で終わった様だ。
結果は推して知るべし…そう、計画を強力に後押しする事が満場一致で決まったらしい。
アルテアン家の女では無いにも拘らず、何故か妖精族代表として参加していたナディアがそう伝えて来た。
当の本人の意向は、一切反映されなかったらしい…無念…。
俺は、まんじりともせずベッドの上で天井を見上げていた。
天井を見上げ思うのは、あのパンゲア大陸の至る所に立っている俺の像。
ネスや太陽神、月神、大地神の像を造るのは一向に構わない。
教会とかに飾られているマリア像とかと一緒で、綺麗な女性や少女達の像は、見ていて苦にならない。
ある種の芸術と言ってもいいぐらいだ。
信者たちにも、心に安らぎを与えてくれるだろう。
そこに俺の像?
そんな物を見て、人々はどう思う?
神社とかお寺に有る様な仏像とかでもないんだぞ?
単なる男の俺の立像って、需要あるのか?
前世でもたまにどっかの駅前とか公園とか商店街の端っことかに、何の変哲もないどっかのおっさんの像とか建ってるのを見たことあるが、あんなの誰の像か名前すら知らねえし興味もねえ。
それと同列になるんだぞ、俺の像。
きっと、パンゲア大陸の人々も、ネスの像の添え物として造られた俺の像を見て、『こいつ、誰?』ってなるに違いない。
はぁ…祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり…いや、全然関係はないけど、そんな気分だなあ…。
ぼへぇっと意味も無い事をあれやこれやと考えているうちに、いつの間にか俺の意識はまどろみの彼方へと沈んでいった。
翌朝、最高にして最低な目覚めの時を俺は迎えた。
何が最高かって?
もちろんユリアちゃんが、
「お・に・い・ちゃ・ん…あっさだよぉぉぉぉ!」
っと、起こしに来てくれた事だ。
んじゃ何が最低なんだってか?
それは、「どーーーーん!」とか言いながら、ユリアちゃんが全力で寝ている俺に駆け寄ってランニング・ボディ・プレスをかましてくれたからだな。
うん、この狭い部屋で全力で助走してからのジャンピングは、強烈だったよ。
お兄ちゃん、思わず内臓がお口とお尻から飛び出しそうだった。
まあ、出たのが『ぐぇ!』っていう、カエルが潰れたた時の様な声だけだったけど。
腹を抱えて悶絶している俺を見たユリアちゃんは、けたけたと俺を指さして笑顔で喜んでいたけど、
「ほ、他の人にはしちゃだめだから…ね? お約束だから、ね?」
と、注意だけはしておいた。
注意を聞いてくれる気があるのかどうか分らんけど、
「そんなことより、ごはんいこう!」
と、身だしなみも整えてない俺の手を引っ張って(かなりの馬鹿力)、食堂へと走る幼女。
お兄ちゃん、まだパジャマなんだけどなあ…家族しかいないから、まあいっか。
食堂では、女性陣全員が、身なりをきちんと整えて俺を出迎えてくれた。
…ぼさぼさ髪とパジャマ姿でこの女性陣の前に出るのは恥ずかしいけど、こればっかりは仕方ない。
だって、ユリアちゃんに手を引っ張られ(肩が抜けるぐらいの力で)たら、嫌とは言えないだろ?
俺が恥ずかしい思いをするぐらいは、我慢できるってもんだ。
まあ、女性陣からのとてもとても残念な人を見るような視線が、俺の精神をがりがりと削ったが…。
冷たい視線にゾクゾクしながら(変な性癖は覚醒してないぞ?)も朝食を終えた俺は、一旦自室にて身だしなみを整えたのち、操縦席へと座った。
相も変わらずコックピットの後ろでは、女性陣が楽しそうにワイワイとお茶しながら談笑している。
まだ着陸までは間が有るのでここに座る必要も無いんだが、あの輪の中に入るのを躊躇われたから、ここに一人で座ってるってわけ。
俺の気持ち、わかるよね?
え、分かんない?
そっか…分かんないかぁ…。
あ、でも味方が一人は居たんだ!
それはコックピットに座る俺のお膝の上に座って、両足をプラプラしているユリアちゃん。
操縦席に座ってみたいって言ったけど、流石に一人では何をするか分からなかったから、俺がこうして半分抱っこする形にして一緒に座ってるってわけ。
それを味方と呼んでいいのかって? 良いんだよ、俺の気持ちの問題だ!
本来であれば、飛行船本体のせいで、上を向いても何も見えるはずがないキャビンの中で、唯一それが見える場所であるキャビンは、ユリアちゃんにとってはとても興味深い物だったらしい。
勿論だがキャビンの後方なんて見えるはずもないのだが、それもモニターっぽい物に映し出されており、全周が見えるこの席は、ユリアちゃんにとっては、憧れの席だったとか。
まあ、今はオートパイロット中なので、それを解除するボタンを押さない限りは問題ない。
嬉しそうに、あっち見たりこっち見たりするたびに、両足がバタバタするユリアちゃん。
うん、ちょっと落ち着いてじっとしようね…お兄ちゃん、地味に太ももが痛くなるから…。
※ こっそり新作投稿しています。
【姫様はおかたいのがお好き】
不定期更新ですが、( `・∀・´)ノヨロシクオネガイシマス!
※ 第15回ファンタジー小説大賞 に参加させて頂いてます。
もしも気に入って頂けましたら、是非ぽちっとして頂けますよう、
よろしく <(_ _)> お願いします By 大国 鹿児
結果は推して知るべし…そう、計画を強力に後押しする事が満場一致で決まったらしい。
アルテアン家の女では無いにも拘らず、何故か妖精族代表として参加していたナディアがそう伝えて来た。
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俺は、まんじりともせずベッドの上で天井を見上げていた。
天井を見上げ思うのは、あのパンゲア大陸の至る所に立っている俺の像。
ネスや太陽神、月神、大地神の像を造るのは一向に構わない。
教会とかに飾られているマリア像とかと一緒で、綺麗な女性や少女達の像は、見ていて苦にならない。
ある種の芸術と言ってもいいぐらいだ。
信者たちにも、心に安らぎを与えてくれるだろう。
そこに俺の像?
そんな物を見て、人々はどう思う?
神社とかお寺に有る様な仏像とかでもないんだぞ?
単なる男の俺の立像って、需要あるのか?
前世でもたまにどっかの駅前とか公園とか商店街の端っことかに、何の変哲もないどっかのおっさんの像とか建ってるのを見たことあるが、あんなの誰の像か名前すら知らねえし興味もねえ。
それと同列になるんだぞ、俺の像。
きっと、パンゲア大陸の人々も、ネスの像の添え物として造られた俺の像を見て、『こいつ、誰?』ってなるに違いない。
はぁ…祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり…いや、全然関係はないけど、そんな気分だなあ…。
ぼへぇっと意味も無い事をあれやこれやと考えているうちに、いつの間にか俺の意識はまどろみの彼方へと沈んでいった。
翌朝、最高にして最低な目覚めの時を俺は迎えた。
何が最高かって?
もちろんユリアちゃんが、
「お・に・い・ちゃ・ん…あっさだよぉぉぉぉ!」
っと、起こしに来てくれた事だ。
んじゃ何が最低なんだってか?
それは、「どーーーーん!」とか言いながら、ユリアちゃんが全力で寝ている俺に駆け寄ってランニング・ボディ・プレスをかましてくれたからだな。
うん、この狭い部屋で全力で助走してからのジャンピングは、強烈だったよ。
お兄ちゃん、思わず内臓がお口とお尻から飛び出しそうだった。
まあ、出たのが『ぐぇ!』っていう、カエルが潰れたた時の様な声だけだったけど。
腹を抱えて悶絶している俺を見たユリアちゃんは、けたけたと俺を指さして笑顔で喜んでいたけど、
「ほ、他の人にはしちゃだめだから…ね? お約束だから、ね?」
と、注意だけはしておいた。
注意を聞いてくれる気があるのかどうか分らんけど、
「そんなことより、ごはんいこう!」
と、身だしなみも整えてない俺の手を引っ張って(かなりの馬鹿力)、食堂へと走る幼女。
お兄ちゃん、まだパジャマなんだけどなあ…家族しかいないから、まあいっか。
食堂では、女性陣全員が、身なりをきちんと整えて俺を出迎えてくれた。
…ぼさぼさ髪とパジャマ姿でこの女性陣の前に出るのは恥ずかしいけど、こればっかりは仕方ない。
だって、ユリアちゃんに手を引っ張られ(肩が抜けるぐらいの力で)たら、嫌とは言えないだろ?
俺が恥ずかしい思いをするぐらいは、我慢できるってもんだ。
まあ、女性陣からのとてもとても残念な人を見るような視線が、俺の精神をがりがりと削ったが…。
冷たい視線にゾクゾクしながら(変な性癖は覚醒してないぞ?)も朝食を終えた俺は、一旦自室にて身だしなみを整えたのち、操縦席へと座った。
相も変わらずコックピットの後ろでは、女性陣が楽しそうにワイワイとお茶しながら談笑している。
まだ着陸までは間が有るのでここに座る必要も無いんだが、あの輪の中に入るのを躊躇われたから、ここに一人で座ってるってわけ。
俺の気持ち、わかるよね?
え、分かんない?
そっか…分かんないかぁ…。
あ、でも味方が一人は居たんだ!
それはコックピットに座る俺のお膝の上に座って、両足をプラプラしているユリアちゃん。
操縦席に座ってみたいって言ったけど、流石に一人では何をするか分からなかったから、俺がこうして半分抱っこする形にして一緒に座ってるってわけ。
それを味方と呼んでいいのかって? 良いんだよ、俺の気持ちの問題だ!
本来であれば、飛行船本体のせいで、上を向いても何も見えるはずがないキャビンの中で、唯一それが見える場所であるキャビンは、ユリアちゃんにとってはとても興味深い物だったらしい。
勿論だがキャビンの後方なんて見えるはずもないのだが、それもモニターっぽい物に映し出されており、全周が見えるこの席は、ユリアちゃんにとっては、憧れの席だったとか。
まあ、今はオートパイロット中なので、それを解除するボタンを押さない限りは問題ない。
嬉しそうに、あっち見たりこっち見たりするたびに、両足がバタバタするユリアちゃん。
うん、ちょっと落ち着いてじっとしようね…お兄ちゃん、地味に太ももが痛くなるから…。
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