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縦ロール似合うな…
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前世の俺は、ホームセンターや家電の量販店とか好きだった。
特に何を探し求めるでもなく、休日はぶらぶらと立ち寄っては、新製品や珍しいものを見て回ったりしたもんだった。
特に好きだったのは、電動工具のコーナーとか、ホームセンターの片隅に有る家電製品のコーナー。
電動工具って、見たり触ったりするだけで楽しかった。
警備の仕事で色々な現場に行ったが、作業員が電動インパクトドライバーとか使ってる姿とか、大工さんが充電式の小型の丸ノコ誓ってる姿とか、めっちゃ格好よく見えたもんだ。
家電なんかは、日本の製品はなかなか壊れなかった。
俺が死ぬその日まで使っていた3合炊きの炊飯器なんかは、実に製造年から30年も経った強者だ。
きっと最新式の方がお米が美味しく炊けるだろうって事は分かってはいたのだが、何分にも壊れないで現役バリバリの30年選手を買い替え難かった。
家電量販店にふらっと立ち寄っては、買いもしない炊飯器を良く眺めてはいじくりまわしていたもんだ。
だからなのかもしれないが、この世界でも身近な物を便利な呪法具にしたい、皆の生活を豊かにしたいと考えたのかもしれない。
試作段階でも十分に使えるが、やはりメイド・イン・ジャパンみたいに、アルテアン商会の品は小型で高品質で壊れにくいと言われたいじゃないか。
あの炊飯器の様に、何十年も壊れず、共に人生を歩んでくれる様な。
だから、日々ユズユズと改良を重ねて来たんだが…。
「この製品は、ここのボタンに直接魔力を流し込んで…」
と、嫁ーずの誰かが使用人さんに説明をしたり、
「ユリアちゃん、ちょっとこっちに来て…ほら、こうすれば可愛いカールの出来上がり!」
「きゃー! かみのけが、くるんってなった~!」
ミルシェがユリアちゃんの髪で遊んで…ユリアちゃん、縦ロール似合うな…。
「ここに洗剤と水を洗濯物と一緒に…終わったらこの木筒の間に洗濯物を通して水を絞って…」
マチルダが丁寧に洗濯機を説明したり、
「お義父さま、ぜひお手合わせを!」
「うむ、あちらで手合わせしよう」
イネスが父さんに手合わせを…コレは違う気がする。
「お義母さま、この呪術式加熱調理器具でしたら、冷めた料理もすぐに温められます」
「素晴らしいわね!」
メリルが母さんと調理人やメイドを前にレンジを説明してたり、
「こ、この呪術式卓上計算機試でしたら…ぜ、税金とかの計算が、か、簡単で…です」
執事さんたちに囲まれたミレーラが、一生懸命に電卓…じゃない、計算機の説明をしたりしていた。
うん、俺の思いなんてどうでもいいのかもしれないな。
ま~皆初めて目にして物珍しいだろうから、この状況も仕方ないかな。
故国への郷愁を覚えた俺の感情なんて、誰にも伝わらないんだ…。
…いいんだ…いいんだ…どうせ、たかが炊飯器だし…安物だったし…。
んんっん! さあ、気持ちを切り替えてっと。
俺的には、この中では目覚まし時計がお薦めかな。
でも、ミカン箱ぐらいの大きさで、カチコチと秒針が煩いのが問題点なんだけど。
掌に乗るぐらいの大きさで、音がしないのを造るのが今の所の目標だ。
いや、実はこの世界にも魔道具で時計ってのはあるけど、超高価なうえにクソでっかいから、せいぜい街の時計塔とかに付いてるだけで、個人宅で所有している人はほとんど居ないんだ。
だから、一家に数個ぐらい時計があったら、とても便利なんじゃないだろうか?
現状でもかなり小型化出来てはいるのだが、最終的には腕時計とか造りたい。
この何でもありな世界なら、いつかきっと実現すると信じて頑張ろう!
母さんやコルネちゃんユリアちゃん、そして使用人さん達が、試作品に群がって楽しそうにワイワイガヤガヤやってるのを見ながら、いつか来るであろう未来に俺は思いをはせていた。
その向こうで、カンカンキンキンと剣を打ち合ってる父さんとイネスは…見なかったことにしておこう。
一通りいじくりまわして満足したんだろうか。
母さんが、試作品を使用人と共に必要と思われる部署を話し合いながら、運搬と設置の指示を出した。
ユリアちゃんは、髪の毛を簡単にロールできるヘアアイロンがいたく気に入ったらしく、握りしめていた。
コルネちゃんは、ちょっと音がうるさいが時計がお気に入りらしく、屋敷の正面ロビーに設置できるように、母さんに改装をおねだりしていた。
執事さん達は、計算機を全力で確保して、執務室に持ち帰ると主張していた。
メイドさん達は、呪術式加熱調理器具…つまりはレンジをどこに設置すべきか、調理人と検討中。
うん、結構いい感じ。
これなら更なる改良を施したら、きっとバカ売れ間違いないだろう。
「ところでトールちゃん、あなたが乗って来た車も、随分改良されてるわよね?」
………ギクッ!
「えっと…あれは本当にまだ試作中の試作品で、まだテスト中なんだけど…」
まさかアレも献上しろと言うのか、母さんは!?
「という事は、あなたの屋敷に行けば、最新式の車にも乗れるという事なのね?」
「え、う…うん、まあ、そうだけど…」
そりゃまあ、車の研究開発から最新型の製造までしてるアルテアン領だからなぁ。
「あなたは関わってるの、開発に?」
「え、うん…そりゃ当然関わってるけど…」
イッタイ、ナンノオハナシデショウカ?
「そ、だからなのね。ちょっとあなた達…今夜は第96回アルテアン家の女会議をしますので、応接室に後程集合です」
「「「「「「「 はいっ! 」」」」」」」
えっ!? また会議すんの??
ってか、一体さっきまでの話の流れのどこに会議に突入する切っ掛けが!?
※ こっそり新作投稿しています。
【姫様はおかたいのがお好き】
不定期更新ですが、( `・∀・´)ノヨロシクオネガイシマス!
※ 第15回ファンタジー小説大賞 に参加させて頂いてます。
もしも気に入って頂けましたら、是非ぽちっとして頂けますよう、
よろしく <(_ _)> お願いします By 大国 鹿児
特に何を探し求めるでもなく、休日はぶらぶらと立ち寄っては、新製品や珍しいものを見て回ったりしたもんだった。
特に好きだったのは、電動工具のコーナーとか、ホームセンターの片隅に有る家電製品のコーナー。
電動工具って、見たり触ったりするだけで楽しかった。
警備の仕事で色々な現場に行ったが、作業員が電動インパクトドライバーとか使ってる姿とか、大工さんが充電式の小型の丸ノコ誓ってる姿とか、めっちゃ格好よく見えたもんだ。
家電なんかは、日本の製品はなかなか壊れなかった。
俺が死ぬその日まで使っていた3合炊きの炊飯器なんかは、実に製造年から30年も経った強者だ。
きっと最新式の方がお米が美味しく炊けるだろうって事は分かってはいたのだが、何分にも壊れないで現役バリバリの30年選手を買い替え難かった。
家電量販店にふらっと立ち寄っては、買いもしない炊飯器を良く眺めてはいじくりまわしていたもんだ。
だからなのかもしれないが、この世界でも身近な物を便利な呪法具にしたい、皆の生活を豊かにしたいと考えたのかもしれない。
試作段階でも十分に使えるが、やはりメイド・イン・ジャパンみたいに、アルテアン商会の品は小型で高品質で壊れにくいと言われたいじゃないか。
あの炊飯器の様に、何十年も壊れず、共に人生を歩んでくれる様な。
だから、日々ユズユズと改良を重ねて来たんだが…。
「この製品は、ここのボタンに直接魔力を流し込んで…」
と、嫁ーずの誰かが使用人さんに説明をしたり、
「ユリアちゃん、ちょっとこっちに来て…ほら、こうすれば可愛いカールの出来上がり!」
「きゃー! かみのけが、くるんってなった~!」
ミルシェがユリアちゃんの髪で遊んで…ユリアちゃん、縦ロール似合うな…。
「ここに洗剤と水を洗濯物と一緒に…終わったらこの木筒の間に洗濯物を通して水を絞って…」
マチルダが丁寧に洗濯機を説明したり、
「お義父さま、ぜひお手合わせを!」
「うむ、あちらで手合わせしよう」
イネスが父さんに手合わせを…コレは違う気がする。
「お義母さま、この呪術式加熱調理器具でしたら、冷めた料理もすぐに温められます」
「素晴らしいわね!」
メリルが母さんと調理人やメイドを前にレンジを説明してたり、
「こ、この呪術式卓上計算機試でしたら…ぜ、税金とかの計算が、か、簡単で…です」
執事さんたちに囲まれたミレーラが、一生懸命に電卓…じゃない、計算機の説明をしたりしていた。
うん、俺の思いなんてどうでもいいのかもしれないな。
ま~皆初めて目にして物珍しいだろうから、この状況も仕方ないかな。
故国への郷愁を覚えた俺の感情なんて、誰にも伝わらないんだ…。
…いいんだ…いいんだ…どうせ、たかが炊飯器だし…安物だったし…。
んんっん! さあ、気持ちを切り替えてっと。
俺的には、この中では目覚まし時計がお薦めかな。
でも、ミカン箱ぐらいの大きさで、カチコチと秒針が煩いのが問題点なんだけど。
掌に乗るぐらいの大きさで、音がしないのを造るのが今の所の目標だ。
いや、実はこの世界にも魔道具で時計ってのはあるけど、超高価なうえにクソでっかいから、せいぜい街の時計塔とかに付いてるだけで、個人宅で所有している人はほとんど居ないんだ。
だから、一家に数個ぐらい時計があったら、とても便利なんじゃないだろうか?
現状でもかなり小型化出来てはいるのだが、最終的には腕時計とか造りたい。
この何でもありな世界なら、いつかきっと実現すると信じて頑張ろう!
母さんやコルネちゃんユリアちゃん、そして使用人さん達が、試作品に群がって楽しそうにワイワイガヤガヤやってるのを見ながら、いつか来るであろう未来に俺は思いをはせていた。
その向こうで、カンカンキンキンと剣を打ち合ってる父さんとイネスは…見なかったことにしておこう。
一通りいじくりまわして満足したんだろうか。
母さんが、試作品を使用人と共に必要と思われる部署を話し合いながら、運搬と設置の指示を出した。
ユリアちゃんは、髪の毛を簡単にロールできるヘアアイロンがいたく気に入ったらしく、握りしめていた。
コルネちゃんは、ちょっと音がうるさいが時計がお気に入りらしく、屋敷の正面ロビーに設置できるように、母さんに改装をおねだりしていた。
執事さん達は、計算機を全力で確保して、執務室に持ち帰ると主張していた。
メイドさん達は、呪術式加熱調理器具…つまりはレンジをどこに設置すべきか、調理人と検討中。
うん、結構いい感じ。
これなら更なる改良を施したら、きっとバカ売れ間違いないだろう。
「ところでトールちゃん、あなたが乗って来た車も、随分改良されてるわよね?」
………ギクッ!
「えっと…あれは本当にまだ試作中の試作品で、まだテスト中なんだけど…」
まさかアレも献上しろと言うのか、母さんは!?
「という事は、あなたの屋敷に行けば、最新式の車にも乗れるという事なのね?」
「え、う…うん、まあ、そうだけど…」
そりゃまあ、車の研究開発から最新型の製造までしてるアルテアン領だからなぁ。
「あなたは関わってるの、開発に?」
「え、うん…そりゃ当然関わってるけど…」
イッタイ、ナンノオハナシデショウカ?
「そ、だからなのね。ちょっとあなた達…今夜は第96回アルテアン家の女会議をしますので、応接室に後程集合です」
「「「「「「「 はいっ! 」」」」」」」
えっ!? また会議すんの??
ってか、一体さっきまでの話の流れのどこに会議に突入する切っ掛けが!?
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不定期更新ですが、( `・∀・´)ノヨロシクオネガイシマス!
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