システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
749 / 1,466

一言お願いいたします

しおりを挟む
 あれから少しだけ時は進み、俺の屋敷に、アーデ、アーム、アーフェンの3人と妖精さん達を迎え入れた。
 通信の呪法具で、母さんのお腹に宿った新たな命も、順調に育っているらしく、ちょっと一安心。
 もう少ししたら、領都リーカにある屋敷に連れてくるつもりだ。
 嫁ーずは、例のホテルを本格的に利用したブライダルプランを発表し、ネス湖の畔のチャペル風の結婚式場も一部改装。
 熱心なネス教(そう名付けられたそうだ)の信者による結婚式の申し込みが増えているという。
 もちろん、信者だけでなく、多くの人達からの申し込みがあり、すでに半年ほどは予約で埋まっているという。
 この世界だったら大安吉日と曜日とか関係ないから、意外な事にとても効率良い。
 アーデ達と妖精さん達が、交代で結婚式の演出に協力しているので、式も派手な物となっているそうだ。
 おかげで口コミでもこのブライダルプランが広がっており、先日はアーテリオス神国からも申し込みがあったとか。
 もう、税収がウハウハで、笑いが止まりません!

 さて、パンゲア大陸なのだが、漸く3人の王が、月、太陽、大地の教会をそれぞれ完成させたらしく(とは言っても、改装した巨大な塔の位置を、こっそり変えただけらしいが)、大陸中央の塔で落成式をするとかで、俺もおよばれした。
 もちろん、家族全員が呼ばれたわけで、ユズユズにドワーフメイドさん達だけでなく、アーデ達と妖精さん達、それにブレンダーにクイーンまで呼ばれたわけだ。
 何故かモフリーナに縁の深い眷属たるノワールは、自分の寝床から動かなかったが…お前、それでいいのか?
 パンゲア大陸にやって来た俺達は、例の如く前世で見た五つ星ホテルの様な宿泊施設でのんびり一泊した後、全員でちょっとだけおめかしして式典に出席。
 ドワーフメイド衆は、頑なにメイド服を着替えようとはしなかったけどね。
 ってか、何故かユズカがセーラー服で、ユズキが詰襟学生服を着ている。
 それ、どうしたの? 
 え、作ったって、ユズキが? 
 ユズキは男だろ? 手先が器用?
 はぁ…そですか。
 でも、セーラー服の造りを何でユズキが知ってるんだろう?
 それにもう2人共18歳のはず…セーラー服に学生服って…。
 
 式典は、高い塔の上からなので、住民達の姿が蟻の様にしか見えない。
 人がゴミのようだ…とは言わないけど、めっちゃ小さく見えるのは確か。
 そんな中で、式典は始まった。
 
 俺はこの日の為に、3D映像投影装置を寝る間を削ってまで、ガチャ玉で量産しておいた。
 すでに何度か過去に創造している物なので、管理局へのサラの創造申請はもちろん簡単に通り、パンゲア大陸の塔の数の4倍、つまりは400個をモフリーナに進呈しておいた。
 これを塔に付ける事によって、塔が見える場所からであれば、東西南北関係なく投影された映像が見えるって寸法だ。
 その装置を通して、式典の様子はパンゲア大陸全土にリアルタイムで伝わる。

 肝心の式なんだが、別段語る程の事は無かった。
 塔の屋上に造られた簡単なセットと、無駄に再現度の高いパイプ椅子が並んでいて、俺達はそこに腰かけて見ていた。
 式はディー・アーナとテーラ・マテールとヘーリ・オースが簡単な挨拶を行った後、女神が登場。
 俺が持ち込んだ、ネス達を立体投影する装置で、うさ耳巫女が「太陽神教、教王ヘーリ・オースを認める」、きつね耳巫女が「月神教、教王ディー・アーナを認める」、くま耳巫女が「大地神教、教王テーラ・マテールを認める」と宣言させ、3大女神に続き、聖なる女神ネスが、「この大陸を3人の教王が治める事を認める。力を合わせ治める様に」と、言わせたらお終い。
 そもそも、この大陸は3人の王が治めるって宣言してたんだから、あとは神様のお墨付きを与えただけ。
 一応、俺もそれっぽい書類を作成して、3人の王にそれを手渡すイベントとかもあったけど、場を盛り上げる為の演出だな。
 民衆の前に出る事になるから、一応仮面で素顔は隠しておいた。
 でも、モフリーナの「では、聖なる女神ネス様の眷属の方から、一言お願いいたします」っていう無茶振りには焦った。
 仕方がないので、どっかで聞いたようなスピーチをする事にした。
「このたび新教会ご完成の由、心よりお祝い申しあげます。これも3人の教王様はじめ皆様の並々ならぬご精励の賜物と拝察いたします。私、聖なる女神ネス様の眷属としましても、この善き日に全女神様がお出ましになり、教王様をお認めになり、この大陸の未来を照らしてくださったこの目出度い式典に出席させていただいた事に感謝をし、今後の皆様のますますのご発展を心からお祈り申し上げます」
 うん、なんだか緊張して意味不明になったけど、それっぽく言えたから良しとするか。
 3人の教王とがっしりと握手をし、そのバックの空には4人の女神が浮かぶ映像が、大陸中に配信されてお終いである。
 さ、これで大陸の問題も、一応は収まった感じだな。
 
 残る問題は、母さんの無事の出産と、コルネちゃんのお見合い問題…かな?
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...