システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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誰?

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 もう、陽も天高く昇ったというのに、俺はなんて爛れた生活をしているんだろう。
『いつもの事ではないでしょうか?』
 リリアさん、あんたは何て事を言うんだ!
 俺は正しく生きようと、日々努力しているというのに。
『強引に押せば簡単に流されるじゃないですか。情事に関しては常時』
 上手い事、言ったつもり?
『浴場で欲情に対抗してみました』
 対抗せんでええ!
『いえ、こういうセンスを常から磨き続けなければ、廃退するのです! そして敗退…』
 もう、ええって!
『何事も努力しなければ!』
 いらん努力すな!
『おっと、こうしては居られません…ちょっと急用なので休養します!』
 まだ続くのか? って、急用? そんなのあったっけ?
 あれ、リリアさんや~~い! お~~~い!
 はて、返事がないな…ま、いっか。

 時間的に昼食を兼ねた朝食となってしまったのだが、ドワーフメイド衆もユズユズも何も言わずに、食堂のテーブルについた俺と嫁ーずの前に配膳をした。
 何も言って来ないってのは、ちょっと怖い。
 ユズカの奴は、俺と嫁ーずに向かってニヤニヤ顔をしているのが、特に怖い。
 あの笑顔には、全てお見通しといった意味が多大に込められていると思う。
 ユズキはため息をついているが…その憐れみ成分過多な目はよせ!
「頑張ってるなや!」「何回じゃろか?」「不潔でゃにゃーか」「子作りは大事じゃけん!」
 そこのドワーフメイドさん達や、聞こえてますが?
 はいはい、どうせこの屋敷中の全員に知られてる事ぐらい、俺にだって分かってますよ…。
 あれ、そう言えばサラとリリアさんは、どこいった?
「そう言えば、先程から姿を見ませんね」
 俺の前に食後のお茶を出しながら、ユズキが小首を傾げた。
「ユズカは見た?」
「見てないよ」
 ふむ…ユズユズ夫妻も知らないのか。
 確かにさっきまで頭の中で話してたんだがな、リリアさんと…は…、そういや、サラとは話してねえな?
 大概、スケベ関連になら首を突っ込んで来るはずなんだが、マジでどこ行ったんだろ?


 その頃、トールの屋敷の地下室の一画にある、サラとリリアの居住スペースで、事は静かに進行していた。
 何故か彼女達はベッドの上に胡坐をかき、目を閉じており、その様子はまるで瞑想している様であった。

『ふむ、なるほど。では計画の進捗状況としては、概ね70%といったところかね?』
『はい。ですが、思ったよりも固いですね』
『随分前から焚き付けては居るんですけどねえ。中々頑固というか、ヘタレというか…』
『それは仕方がない。前世での性格が反映されている事だしな』
『しかし、それでは計画に遅れが出るのではないですか?』
『そうですよ! あのヘタレにもっとエネルギーを使わせないと!』
『そう悪く言うもんじゃない。17年で70%は、予想より少し遅れている程度だぞ』
『そうだぞ、サラ、リリアよ。アレは私の分身でもあるのだから、そう悪口を言ってくれるな』
『あら、いらしてたんですか?』
『あんたの分身なんだから、あんたも協力しなさいよ!』
『そうは言ってもなぁ…別次元の同位体が…』
『おっと、そこまでだ。実験星での計画は概ね順調であるのだから、無理に進める事は無い。焦らずにやりなさい』
『はい、了解しました』
『うぃ~~っす』
『ま、俺の数ある同位体の1つだからな…それとなく嗾けてみるよ』
『そうしてくれると助かる』
『ええ、是非ともお願いします』
『…ちっ! 最初からそうしろての。このサラちゃんがどれだけ苦労したと思ってんのよ』
『いや、そこはマジですまないと思ってる。けど、イロイロト俺にも事情はあるんだよ』
『こちらの貴方様は、先程まで5人の奥様と色々と情事をなさってましたが?』
『リリアよ、覗いておったのか?』
『どうせ管理局で、この星の大河さんの活動ログは記録されてるでしょ? 後でアクセスしたら全部丸っと丸わかりじゃん』
『ええ、サラの言う通りです。ですがサラ…リアルタイムと録画では臨場感が違うのです!』
『…頼むから恥ずかしい所は見ないで欲しいんだが…一応は俺の同位体だし…』
『2人のログへのアクセスは拒否した方が良いのだろうか?』
『局長! 私の楽しみを取らないでください!』
『私は彼の視界に侵入できれば構いませんけどね』
『いやいや、それは…』
『なるほど、そう言われてみれば…』
『いーやーだー! 後で一気観がしたいんじゃーー…』
『サラもさぼってないで、ちゃんと監視してれば…』

 瞑想しているサラとリリアが、誰かと脳内で会話していた。
 それは、サラとリリアと輪廻転生管理局の局長の様だが、どうももう1人交じっている様である。
 それが誰なのかは、念話している彼等彼女等以外には分からない事ではあるが…。
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