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それで行こう!
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ちょうど俺達が、実家からもっち君を連れ帰った翌日。
そろそろ王都に向けて飛び立とうかと考えていた矢先の出来事。
アーデ、アーム、アーフェンを拾うため、朝食を終えた俺は隣領の領都リーカにある実家へと連絡をしようかと席を立った。
食堂の扉を開けた瞬間、玄関の扉をノッカーで丁寧に叩く音が聞こえた。
ドワーフメイドさんが、来客を出迎える為に玄関に早足で向かう後ろを、俺は何となくついて行った。
「はいはい、いま開けまんねんよ」と、ドワーフメイドさんが玄関扉を開けた。
もはやドワーフメイドさんの言葉遣いにはツッコむ気すら起きない…どこの方言なんだよ、それ…。
っと、それはそれとして、扉の向こうには見知った顔が並んでいた。
モフリーナ、モフレンダ、ボーディのダンジョンマスター達であった。
何でまたこんなに朝早くから?
「おはようございます、トールヴァルド様。実はご相談がございまして、朝早くご迷惑かとも思いましたが、お伺いさせて頂いた次第です…。よろしければ少しお時間を頂けないでしょうか?」
モフリーナが、丁寧に腰を折って頭を下げた後、そう言った。
「別に迷惑じゃないし、そんなに丁寧に話さなくてもいいよ。んじゃ、玄関先ってのも何だから、応接室にでも行こうか」
俺はそう言って、3人を屋敷に迎え入れた。
「何んぼぞ、粗茶だてが」
もはや何語かすら分からない言葉遣いで、ドワーフメイドさんが俺達の目の前にあるローテーブルにお茶の入ったカップを置く。
改めて見たら、ドワーフメイドさんの見分けが付かないなあ…聞いた事なかったけど、もしかして4つ子?
んな分けないか。ただ全員がそっくりなだけだよな…だよね?
お茶を出し終わったメイドさんは、俺の斜め後ろで黙って控えていた。
ちなみに彼女が出すお茶と言えば、基本的には緑茶だ。
ドワーフの村で茶の樹は栽培されているそうで、我が家ではこれが定番となっている。
ちなみに、紅茶とウーロン茶もドワーフの村で製造されているそうだ…ま、同じ茶の樹が元だけど…。
余談ではあるが、ごく偶に出て来る抹茶は別として、普通の緑茶は嫁ーずも気に入っている。
ってな事で、俺達の目の前には、木製の茶托に乗った、ちょっと肉厚な陶器製の白い湯飲みが並んでいた。
その湯飲みを手に、唇を濡らす程度に集めの緑茶を啜った俺は、
「んで、何の用で来たの?」
単刀直入にモフリーナへと尋ねた。
モフリーナは俺の問いに、特に構えるでも無く驚くでも無く、淡々とパンゲア大陸であった出来事を話し始めた。
「はあ…なるほど。んで、俺のとこに相談に来たと?」
モフリーナの理路整然とした話で、一体パンゲア大陸で何があったのかは理解出来た。
確かに、俺は単純に国を3つ同時に建国しちまえばいいじゃん。
王はダンジョンマスターの配下にしちまえばいいじゃん。
何て考えていたが、住民の意思とか心情、ましてや信仰とかまでは、一切考えていなかった。
きっちろ平等に3等分したら問題が出た…そりゃそうだわな。
住民達は物じゃない、ちゃんと心もある人なんだからな。
「はい…誠に申し訳ないのですが、パンゲア大陸を治める3人の王として発表して間もないのですが、太陽神、月神、大地神の各宗教の教会トップとして再度発表する事になるのですが、どの様な名目で発表しようかと思いまして」
ふむふむ…なるほどな。
「うん、普通に3人は各宗教の教皇でいいじゃね?」
「教皇? 教王じゃ無くて…ですか?」
俺の言葉にモフリーナが疑問の声をあげた。
「教王…きょうおう…か、それも良いな」
確か、地球でも昔は祭政一致もあったんだったから、この世界でも違和感無さそうだし…国のトップが宗教のトップでもいいんでね?
そう言えば、大昔の日本もだけでなく、世界中の多くの古代~中世までの文明においては、祭政一致の国々が主だったんだ。
ちなみに、政教一致とは意味が違うから注意してくれ、テストに出るぞ?
明治維新以降は、政教分離が法的に明文化されたから、表面上は政治と宗教は切り離されてはいるが、大戦での戦没者慰霊の行事とか、国会議員の靖国参拝とか、祭政一致の名残は残ってると言われているんだけど、それはまた別のお話し。
「なるほど、流石はトールヴァルド様です。では、各王には宗教の頂点となってもらい、政治と宗教の両面で頂点に君臨して貰いましょう」
モフリーナが、何度もうんうんと頷き、そう言った。
「そうだな。んじゃ、発表の時は、俺も行くよ」
これからパンゲア大陸で人々に仲良く暮らして貰うには、女神ネスの使徒としての立場の俺の登場も必要だろう。
但し、顔だけは隠させてもらうけどな。
「トールヴァルド様が来られるのですか?」
何で? って顔しているモフリーナに、
「ああ。ただ3人が宗教のトップだと宣言したところで受け入れられないかもしれないから、俺が聖なる女神ネスの使徒として、ネスとかの女神達と一緒に3人を宗教のトップとして大々的に認定しに行くよ」
つまりは、久々に登場の3D投影装置の出番…かな?
「「「なる程!」」」
どうやらダンジョンマスターズも納得してくれたところで、今回はお開き。
さて、王都にも行かなきゃならないし、またちょっと忙しくなるかな?
そろそろ王都に向けて飛び立とうかと考えていた矢先の出来事。
アーデ、アーム、アーフェンを拾うため、朝食を終えた俺は隣領の領都リーカにある実家へと連絡をしようかと席を立った。
食堂の扉を開けた瞬間、玄関の扉をノッカーで丁寧に叩く音が聞こえた。
ドワーフメイドさんが、来客を出迎える為に玄関に早足で向かう後ろを、俺は何となくついて行った。
「はいはい、いま開けまんねんよ」と、ドワーフメイドさんが玄関扉を開けた。
もはやドワーフメイドさんの言葉遣いにはツッコむ気すら起きない…どこの方言なんだよ、それ…。
っと、それはそれとして、扉の向こうには見知った顔が並んでいた。
モフリーナ、モフレンダ、ボーディのダンジョンマスター達であった。
何でまたこんなに朝早くから?
「おはようございます、トールヴァルド様。実はご相談がございまして、朝早くご迷惑かとも思いましたが、お伺いさせて頂いた次第です…。よろしければ少しお時間を頂けないでしょうか?」
モフリーナが、丁寧に腰を折って頭を下げた後、そう言った。
「別に迷惑じゃないし、そんなに丁寧に話さなくてもいいよ。んじゃ、玄関先ってのも何だから、応接室にでも行こうか」
俺はそう言って、3人を屋敷に迎え入れた。
「何んぼぞ、粗茶だてが」
もはや何語かすら分からない言葉遣いで、ドワーフメイドさんが俺達の目の前にあるローテーブルにお茶の入ったカップを置く。
改めて見たら、ドワーフメイドさんの見分けが付かないなあ…聞いた事なかったけど、もしかして4つ子?
んな分けないか。ただ全員がそっくりなだけだよな…だよね?
お茶を出し終わったメイドさんは、俺の斜め後ろで黙って控えていた。
ちなみに彼女が出すお茶と言えば、基本的には緑茶だ。
ドワーフの村で茶の樹は栽培されているそうで、我が家ではこれが定番となっている。
ちなみに、紅茶とウーロン茶もドワーフの村で製造されているそうだ…ま、同じ茶の樹が元だけど…。
余談ではあるが、ごく偶に出て来る抹茶は別として、普通の緑茶は嫁ーずも気に入っている。
ってな事で、俺達の目の前には、木製の茶托に乗った、ちょっと肉厚な陶器製の白い湯飲みが並んでいた。
その湯飲みを手に、唇を濡らす程度に集めの緑茶を啜った俺は、
「んで、何の用で来たの?」
単刀直入にモフリーナへと尋ねた。
モフリーナは俺の問いに、特に構えるでも無く驚くでも無く、淡々とパンゲア大陸であった出来事を話し始めた。
「はあ…なるほど。んで、俺のとこに相談に来たと?」
モフリーナの理路整然とした話で、一体パンゲア大陸で何があったのかは理解出来た。
確かに、俺は単純に国を3つ同時に建国しちまえばいいじゃん。
王はダンジョンマスターの配下にしちまえばいいじゃん。
何て考えていたが、住民の意思とか心情、ましてや信仰とかまでは、一切考えていなかった。
きっちろ平等に3等分したら問題が出た…そりゃそうだわな。
住民達は物じゃない、ちゃんと心もある人なんだからな。
「はい…誠に申し訳ないのですが、パンゲア大陸を治める3人の王として発表して間もないのですが、太陽神、月神、大地神の各宗教の教会トップとして再度発表する事になるのですが、どの様な名目で発表しようかと思いまして」
ふむふむ…なるほどな。
「うん、普通に3人は各宗教の教皇でいいじゃね?」
「教皇? 教王じゃ無くて…ですか?」
俺の言葉にモフリーナが疑問の声をあげた。
「教王…きょうおう…か、それも良いな」
確か、地球でも昔は祭政一致もあったんだったから、この世界でも違和感無さそうだし…国のトップが宗教のトップでもいいんでね?
そう言えば、大昔の日本もだけでなく、世界中の多くの古代~中世までの文明においては、祭政一致の国々が主だったんだ。
ちなみに、政教一致とは意味が違うから注意してくれ、テストに出るぞ?
明治維新以降は、政教分離が法的に明文化されたから、表面上は政治と宗教は切り離されてはいるが、大戦での戦没者慰霊の行事とか、国会議員の靖国参拝とか、祭政一致の名残は残ってると言われているんだけど、それはまた別のお話し。
「なるほど、流石はトールヴァルド様です。では、各王には宗教の頂点となってもらい、政治と宗教の両面で頂点に君臨して貰いましょう」
モフリーナが、何度もうんうんと頷き、そう言った。
「そうだな。んじゃ、発表の時は、俺も行くよ」
これからパンゲア大陸で人々に仲良く暮らして貰うには、女神ネスの使徒としての立場の俺の登場も必要だろう。
但し、顔だけは隠させてもらうけどな。
「トールヴァルド様が来られるのですか?」
何で? って顔しているモフリーナに、
「ああ。ただ3人が宗教のトップだと宣言したところで受け入れられないかもしれないから、俺が聖なる女神ネスの使徒として、ネスとかの女神達と一緒に3人を宗教のトップとして大々的に認定しに行くよ」
つまりは、久々に登場の3D投影装置の出番…かな?
「「「なる程!」」」
どうやらダンジョンマスターズも納得してくれたところで、今回はお開き。
さて、王都にも行かなきゃならないし、またちょっと忙しくなるかな?
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