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その頃、あの大陸では…
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さて、トールヴァルドがもちもち妖精と遊んでいた時、ダンジョン大陸…もとい、パンゲア大陸はドタバタ大騒ぎとなっていた。
トールヴァルド断っての願いにより、ディー・アーナ、ヘーリ・オース、テーラ・マテールにより、同時に3ヶ国の建国がなされたのだが、住民となる人々は、自分が一体どこの国の所属になるのかでちょっとした騒動が起こっていた。
騒動と言ってはいるが、別段戦が起きるなどという、危ない騒動では無い。
では、一体どんな騒動なのかと言うと…それは、先にも述べてはいるが、誰がどの国に所属するかという事に端を発する。
ディー・アーナ、ヘーリ・オース、テーラ・マテールとモフリーナ、モフレンダ、ボーディによる会議によって、年齢・性別・種族などを考慮し、3ヶ国でほぼ平等になるように住民の割り振りが行われ、それが発表された時の事。
元々大地神を信仰していたとある民衆の一部が、ディー・アーナ…つまりは月神の眷属として周知した国に割り振られてしまっていたため、大地神の眷属であるテーラ・マテールの国への転籍? を希望した。
すると、数は少ないが月神信仰の民がディー・アーナの国を希望し、太陽神を信仰していた人々はヘーリ・オースの国を希望し始めてしまったのだ。
3人の王とダンジョンマスターは、完全な平等という形で住民を割り振ったのではあるが、人々の信仰や感情などという面は完全に切り捨てて…というか、考えても見なかったのである。
さらに、輪廻管理システムのバグで送り込まれてきた人々も割り振りに意を唱えた。
この長い避難生活を共に過ごして来た仲間であり、親交を深めて来た友である。
それが完全なデジタルで割り振りされてしまったのだから、彼等の心情的には堪ったものでは無い。
とは言っても、あの大粛清の対象外の無害な転移者や幼い子供達で占められた転移者である。
変に騒ぎ立てたりはしなかったが、無言で仲の良い者同士で塊り、その場から動かなくなってしまったのだ。
この無言の抵抗により、3ヶ国への転移者の移動が出来なくなってしまった。
いや、ダンジョンマスターからすれば、そんな抵抗程度であれば、問答無用で移動は可能だ。
何せこの大陸は、全てがダンジョン。
だが、その強権を発動するのは躊躇われた。
なぜなら、ダンジョンマスターはあくまでも裏方…というか、表に出ないと言う事になっているのだから。
それでも、それを内緒にしたままで、ディー・アーナ達が神の力を使って移動したという事にしても良いのだが、それをしてしまうと彼等が信仰している神に対する不信感が高まってしまう。
何せ、あの戦争で避難・保護した人々は、全員が太陽神・月神・大地神の3神のいずれかの信徒なのである。
自ら侵攻している神の眷属であるディー・アーナ、ヘーリ・オース、テーラ・マテールが揃っているのに、勝手に移動させられた等となれば、神眷属としての権威に影が差す。
もう、ニッチもサッチも、どうにもブルド〇グ状態である。
ってなわけで、また3人の王と3人のダンジョンマスターは、人々の割り振りに頭を悩ます事態となったのである。
さて、この6人がうんうん唸りながら会議をしていると、そこに救世主が舞い降りた。
それはお茶運びをしていた、もふりん。
ある日、朝から頭を抱えつつも会議を続けていた6人を見て、
「くにをみっつにちないといけないんでちょうか?」
そう呟いたのである。
「ん? もふりんよ、それはどういう意味だ?」
その決して大きくない呟きを拾ったのは、ボーディ。
「あ、いえ…あのぉ…」
連日の会議でやや窶れた顔のボーディが普通に問い返しただけなのだが、もふりんにはその迫力ある顔というか鬼気迫る様子に、思わず後退った。
さすがは幼女とはいえダンジョンマスターのボーディである。
「いやいや、怒っている分けではないぞ? 先程のお主の言葉の意味が知りたかったのじゃ。何というかのぉ…さっきのお主の言葉に、何かこう…引っ掛かりを覚えたというか…な。じゃから、お主の話も聞いてみたかっただけじゃ」
そう優しく語ったボーディに、もふりんはゴクリと唾を飲みこんで、ゆっくりと、頭の中で何を言えばいいのか整理した。
そして語り始めた内容は、この場に居る6人の頭をズガン! と、どっかのカオリさんの持つ100tハンマーで殴られたかのようだった。
もふりん曰く、
「無理に大陸を3つに分ける必要は無いのではないか」
「巨大なパンゲア国として、その中に3神を祀る3つの教会を建てたたらどうか?」
「3人の王では無く、3人の最高責任者…例えば宗教的指導者として、大司教とか大司祭とか教王とかではどうか?」
「人々には、自分の進行する教会の周囲に住んでもらい、特に信仰の無い人は一か所に集まって貰う」
「3つの教会は三角形の頂点に位置する様に各所に建築し、その周辺にドーナッツ状に信者の街を、三角形の中心に無信仰の人達の街をつくる」
などなどの意見を述べた。
この意見は一部を修正しつつ採用される事となった。
そして、現在はこの大地に乱立する巨大な塔の位置関係を確認しつつ、内外装に手を入れている最中である。
もふりんの意見では教会建立がアイデアに練り込まれていたが、既存の塔を使用する事で、時間とコストをカット。
そして大ジャングルと言っても過言では無い、このパンゲア大陸の大整備が始まったのである。
3人の王として大々的に発表した後ではあるが、この整備が完了したら、またまた一大発表を行う事となる。
ちょっと恥ずかしい事ではあるが、その時の言い別けに関しては、トールヴァルドに相談する事にしようと、3人のダンジョンマスターと3人の王の会議で満場一致で決定したのであった。
トールヴァルド断っての願いにより、ディー・アーナ、ヘーリ・オース、テーラ・マテールにより、同時に3ヶ国の建国がなされたのだが、住民となる人々は、自分が一体どこの国の所属になるのかでちょっとした騒動が起こっていた。
騒動と言ってはいるが、別段戦が起きるなどという、危ない騒動では無い。
では、一体どんな騒動なのかと言うと…それは、先にも述べてはいるが、誰がどの国に所属するかという事に端を発する。
ディー・アーナ、ヘーリ・オース、テーラ・マテールとモフリーナ、モフレンダ、ボーディによる会議によって、年齢・性別・種族などを考慮し、3ヶ国でほぼ平等になるように住民の割り振りが行われ、それが発表された時の事。
元々大地神を信仰していたとある民衆の一部が、ディー・アーナ…つまりは月神の眷属として周知した国に割り振られてしまっていたため、大地神の眷属であるテーラ・マテールの国への転籍? を希望した。
すると、数は少ないが月神信仰の民がディー・アーナの国を希望し、太陽神を信仰していた人々はヘーリ・オースの国を希望し始めてしまったのだ。
3人の王とダンジョンマスターは、完全な平等という形で住民を割り振ったのではあるが、人々の信仰や感情などという面は完全に切り捨てて…というか、考えても見なかったのである。
さらに、輪廻管理システムのバグで送り込まれてきた人々も割り振りに意を唱えた。
この長い避難生活を共に過ごして来た仲間であり、親交を深めて来た友である。
それが完全なデジタルで割り振りされてしまったのだから、彼等の心情的には堪ったものでは無い。
とは言っても、あの大粛清の対象外の無害な転移者や幼い子供達で占められた転移者である。
変に騒ぎ立てたりはしなかったが、無言で仲の良い者同士で塊り、その場から動かなくなってしまったのだ。
この無言の抵抗により、3ヶ国への転移者の移動が出来なくなってしまった。
いや、ダンジョンマスターからすれば、そんな抵抗程度であれば、問答無用で移動は可能だ。
何せこの大陸は、全てがダンジョン。
だが、その強権を発動するのは躊躇われた。
なぜなら、ダンジョンマスターはあくまでも裏方…というか、表に出ないと言う事になっているのだから。
それでも、それを内緒にしたままで、ディー・アーナ達が神の力を使って移動したという事にしても良いのだが、それをしてしまうと彼等が信仰している神に対する不信感が高まってしまう。
何せ、あの戦争で避難・保護した人々は、全員が太陽神・月神・大地神の3神のいずれかの信徒なのである。
自ら侵攻している神の眷属であるディー・アーナ、ヘーリ・オース、テーラ・マテールが揃っているのに、勝手に移動させられた等となれば、神眷属としての権威に影が差す。
もう、ニッチもサッチも、どうにもブルド〇グ状態である。
ってなわけで、また3人の王と3人のダンジョンマスターは、人々の割り振りに頭を悩ます事態となったのである。
さて、この6人がうんうん唸りながら会議をしていると、そこに救世主が舞い降りた。
それはお茶運びをしていた、もふりん。
ある日、朝から頭を抱えつつも会議を続けていた6人を見て、
「くにをみっつにちないといけないんでちょうか?」
そう呟いたのである。
「ん? もふりんよ、それはどういう意味だ?」
その決して大きくない呟きを拾ったのは、ボーディ。
「あ、いえ…あのぉ…」
連日の会議でやや窶れた顔のボーディが普通に問い返しただけなのだが、もふりんにはその迫力ある顔というか鬼気迫る様子に、思わず後退った。
さすがは幼女とはいえダンジョンマスターのボーディである。
「いやいや、怒っている分けではないぞ? 先程のお主の言葉の意味が知りたかったのじゃ。何というかのぉ…さっきのお主の言葉に、何かこう…引っ掛かりを覚えたというか…な。じゃから、お主の話も聞いてみたかっただけじゃ」
そう優しく語ったボーディに、もふりんはゴクリと唾を飲みこんで、ゆっくりと、頭の中で何を言えばいいのか整理した。
そして語り始めた内容は、この場に居る6人の頭をズガン! と、どっかのカオリさんの持つ100tハンマーで殴られたかのようだった。
もふりん曰く、
「無理に大陸を3つに分ける必要は無いのではないか」
「巨大なパンゲア国として、その中に3神を祀る3つの教会を建てたたらどうか?」
「3人の王では無く、3人の最高責任者…例えば宗教的指導者として、大司教とか大司祭とか教王とかではどうか?」
「人々には、自分の進行する教会の周囲に住んでもらい、特に信仰の無い人は一か所に集まって貰う」
「3つの教会は三角形の頂点に位置する様に各所に建築し、その周辺にドーナッツ状に信者の街を、三角形の中心に無信仰の人達の街をつくる」
などなどの意見を述べた。
この意見は一部を修正しつつ採用される事となった。
そして、現在はこの大地に乱立する巨大な塔の位置関係を確認しつつ、内外装に手を入れている最中である。
もふりんの意見では教会建立がアイデアに練り込まれていたが、既存の塔を使用する事で、時間とコストをカット。
そして大ジャングルと言っても過言では無い、このパンゲア大陸の大整備が始まったのである。
3人の王として大々的に発表した後ではあるが、この整備が完了したら、またまた一大発表を行う事となる。
ちょっと恥ずかしい事ではあるが、その時の言い別けに関しては、トールヴァルドに相談する事にしようと、3人のダンジョンマスターと3人の王の会議で満場一致で決定したのであった。
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