システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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命令だ!

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 俺、只今、絶賛困惑中。
 目の前には、俺を神と崇め祈りを奉げる、3人のホムンクルス。
 それを呆然と見つめるダンジョンマスターズの3人&ちびっこ2人。
 振り返ると、今日が無の目で俺を見つめる嫁ーずの5人&ドワーフメイド衆の4人。
 頭を抱えてるサラとリリアさんとナディア。
 ぷっ! と噴き出したユズキと、お腹を抱えて笑うユズカ。
 何だコレ!?

「私に魂を吹き込んで頂いたのは、貴方ですね…神よ…」
 見た感じJDっぽいホムンクルスのディー・アーナが、俺の前で跪きながらそう言った。
「え~っと…」
 続いて、美少女JC系ホムンクルスのテーラ・マテールが、
「邪神の眷属により傀儡人形として造られた我身ですが、神の御力でその呪縛より解放されました」
「えっと、えっと…」
「我々に与えられたのは真っ黒な闇と色の無い世界でした。そこに光と多くの色を与えてくださったのは、神の御心なのでしょう」
 めちゃくちゃイケメンのヘーリ・オースが感動した様な顔で俺を見上げていた。
「んっと…」
 俺、どう答えたらいいんだろうか。
『さあ、我々に命令を!』
 3人が揃って俺に命令をしてくれって言ってきたけど、どうすんだ?

「じゃからお主等を造り出したのは、サラとリリアの協力を得た妾とモフリーナとモフレンダじゃ! そ奴はお主等が目覚める為のエネルギーを注入したにすぎんのじゃ!」
 ボーディが怒鳴りながら俺とホムンクルスの間に割りこんで来た。
『だから?』
 ホムンクルス3人がハモッて一言。  
「じゃから、妾達に従うのじゃ!」
 まあ、その為に造ったんだし、ボーディの言う事はご尤もです。
『嫌ですけど?』
 だけど、ホムンクルス3人が、またもやハモッて一言で斬って捨てた。
「ふんぎゃーーーーーーー!!!」
 あ、ボーディが頭を掻きむしりながらのたうち回ってる…。
「テーラ・マテールさん…どうしても私達には従ってくれる気はないのですか?」
 モフリーナが美少女に尋ねると、
「そもそも、この身体を造ってくれたというだけで、何故あなたに従わなければならないのですか?」
「あう…」
 モフリーナ、反論できず。
「………だめ?」
 モフレンダが、自分よりも少々大人な雰囲気のディー・アーナに尋ねた。
「駄目」
 会話が瞬間で終了し、モフレンダは膝を抱えてしくしく泣き始めた。

 さて、状況を整理しよう。
 つまり、ボディを製造して様々な知識とかを植え付けたダンジョンマスターズではなく、起動の為のエネルギーを注入した俺崇め奉っているって事だよな?
 んで、ダンジョンマスターズの言う事は聞かないらしく、ホムンクルスの言葉からして、俺の命令に従うって事だよな?
『大河さん…壊したのはリミッターじゃなく、どうやら基本的な行動原理を壊しちゃったみたいですね…』
 行動原理って?
『それは、まあ…私の造語ですけど。要は、あらゆる行動の原点とも言える、生物の根本的な部分と言いますか…』
 あ、何となくサラの言いたい事分かったかも。
 つまり、精神的とか社会的とか遺伝子的に、何を優先するとかいう思考とか情動とか本能的なやつだろ?
『あ、そうです! そんな感じのアレです!』
 んで、それを俺が壊しちゃったと。
 元はあの3人が上位存在になるはずだったんだよな?
『まあ、そうですね…はい』
 それが俺になったと。
『そうだんたんですね!』
 どうした、ナディア?
『それはとても喜ばしい事では無いですか、マスター!』
 何が喜ばしいのですかな、ナディアさん?
『あの3人は、いわば私の後輩! 先輩として色々とマスターの事を教えなければ!』
 ナディア、すとーーーっぷ! どうどう、ハウスだハウス!
『マスター、私は馬でも犬でもありませんが?』
 お前、あいつ等に何を教えようとしてるんだ?
『ある事ない事全部ですけれども』
 無い事まで言ってどうすんだよ! ってか、教えんでいい!
『え~~~~!?』
 え~じゃない! ってか、ちょっと性格変わり過ぎじゃねーか、ナディア?
『気のせいです』
 いや、気のせいじゃないと思う…。

 サラが言うように、あの3人の中の基本的な指示命令系統とかが壊れちゃったんなら、元に戻せばいい。
 あ、壊れた物は元に戻せないだろうけど、元通りの命令系統を作っちゃったら言いわけだよな?
 なら、答えは簡単じゃねーか。
 よし、善は急げだ。

「あ~、ディー・アーナ、ヘーリ・オース、テーラ・マテールよ、よく聞きなさい」
 俺は3人のホムンクルスに向かって、言葉をかける事にした。
 さっき、『さあ、我々に命令を!』って、確かに聞いたからな。
 だから、命令だ!
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