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ブルブルガクガク…
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「え、一泊するの? うんうん…ああ、うん、そう…了解。ゆっくりしておいで」
もう深夜になろうかという頃合いに、メリルから通信が入った。
どうもダンジョン大陸まで出かけて戦闘訓練をしたらしいのだが、こんな時間になってしまったそうだ。
時差を考慮するとこちらではもう深夜なので、今夜は一泊して明日帰るとの事。
ま、好きにしてくれたらいい。
何泊でもしてくれて結構ですよっと。
母さんと嫁達が居ない屋敷は、とっても静かで、俺の心も身体も超リラックス出来ている事だし。
さ、んじゃのんびり寝るとしますかね。
「…どうもおかしいですわね…」
通信を切ったメリルが、ぼそりと呟いた。
「何がおかしいんです?」
それを聞きつけたミルシェがメリルに訊ねると、
「こっちで一泊するとお話ししたんですが、トール様が微妙に嬉しそうでした」
『えっ?』
メリルの言葉に、思わず声をあげる嫁ーず。
「もしかすると、私たちのいない間に、浮気でもしているとか…」
マチルダが、とんでも予想をすれば、
「と、トールさまは…大丈夫だと…」
少々不安になりながらも、トールを信じるとミレーラは言い、
「はぁっはっはっは! まだ嫁を増やすつもりか。旦那様は元気だなぁ!」
イネスは高笑いしていた。
「イネスさん、何が元気なのです?」
ミルシェが聞かなくても良いのに、ついつい聞いてしまうと、
「もちろん、ナニに決まってるじゃないか! これなら、もっと搾り取っても大丈夫だな!」
声高にイネスが恐ろしい事を宣言していた。
そして、その様子を黙って聞いていたウルリーカは、
「なるほど…と、いう事は…ヴァルナルもかしら?」
嫁ーず全員がその声にハッと振り返ると、ドス黒いオーラを全身から立ち昇らせている鬼がそこには居た。
「ちょっと、家に連絡をしてみようかしら」
言うが早いか、ドレスの懐から通信の呪法具を取り出して起動させたウルリーカ。
全員が押し黙ってその様子を見守る。
誰かが唾をごくりと飲み込んだ。
「あら、あなた…愛する妻からの通信に、随分時間が掛かったわね?」
どうやら、ヴァルナル侯爵その人が通信に出た様だ。
「ああ、そうね…そっちは夜中だったわね。それじゃ、今はどちらに? 屋敷? 部屋で寝ている? あら、そう…それじゃコルネリアを起こして代わって下さる? え、出来ない? 何でかしら? もちろん、寝ているのは分かってますよ。コルネリアが怒ったら、私が責任を取ります。はぁ? だから、それがどうしたというのです? 今、部屋なんですよね? 2つ隣の部屋でしょう? 朝に通信? 何を馬鹿なことを言ってるのかしら? いいから、さっさと代われっていってるのよ!」
ヴァルナルがグダグダと言っている様だが、それを一喝するウルリーカ。
「疾しい事が無いなら代われるでしょう!? 何か後ろめたい事でもあるの? 無いなら、さっさとコルネリアの部屋まで走れ!」
とうとう、ウルリーカがブチ切れた様だ。
さっきまで気勢をあげていた嫁ーずは、抱き合い一塊になって、ブルブルガクガク震えながらその様子を見ていた。
「あ、コルネちゃん? お父さんは何してるのかしら? お部屋まで行ってくれる? …お父さんが…ええ…良いから行ってベッドの様子を見てくれるかしら。……ええ、あらそうなのね…ええ、ええ…へぇ~~なるほど…よく分かったわ、ありがとうねコルネちゃん。それじゃお父さんに代わって」
呪法具の先では、コルネリアがヴァルナルの部屋を見に行き、ウルリーカに詳しく報告したようだ。
「……あなた、コルネリアに聞きましたけど…今夜は誰と一緒にいたのかしら? え、1人? そう、あなたは一人で寝てベッドを乱すの? おかしいわねぇ…私と寝ているとき、ベッドが乱れる事なんて、あの時ぐらいしか記憶にないのだけれども」
話題は段々と危険な流れになって来た。
「まさか、メイドに手をつけたりしてないでしょうね?」
この一言は、嫁ーずだけでなく、ナディアまでも震え上がらせた。
「そう? わかりました。では、帰ってからじっくりと話をしましょう」
それだけ言うと、ブチっと通信を切った。
そして、にっこりと笑ったウルリーカは、一言いい放った。
「明日は早めに帰りましょうね」
それを聞いた嫁ーずとナディアは、真っ青な顔でガタガタと震えながら、カクカクと首を縦に振る事しか出来なかった。
「な…何かもの凄い悪寒が…」
その頃、巨大なベッドの隅っこで小さくなって寝ていたトールは、俄かに襲いきた寒気に震え、更に丸まって小さくなって寝ていた。
この突如襲った悪寒の原因が、己の母親が元だと知ったら、きっと“おかん”だけにね…とか言ったかもしれない…。
もう深夜になろうかという頃合いに、メリルから通信が入った。
どうもダンジョン大陸まで出かけて戦闘訓練をしたらしいのだが、こんな時間になってしまったそうだ。
時差を考慮するとこちらではもう深夜なので、今夜は一泊して明日帰るとの事。
ま、好きにしてくれたらいい。
何泊でもしてくれて結構ですよっと。
母さんと嫁達が居ない屋敷は、とっても静かで、俺の心も身体も超リラックス出来ている事だし。
さ、んじゃのんびり寝るとしますかね。
「…どうもおかしいですわね…」
通信を切ったメリルが、ぼそりと呟いた。
「何がおかしいんです?」
それを聞きつけたミルシェがメリルに訊ねると、
「こっちで一泊するとお話ししたんですが、トール様が微妙に嬉しそうでした」
『えっ?』
メリルの言葉に、思わず声をあげる嫁ーず。
「もしかすると、私たちのいない間に、浮気でもしているとか…」
マチルダが、とんでも予想をすれば、
「と、トールさまは…大丈夫だと…」
少々不安になりながらも、トールを信じるとミレーラは言い、
「はぁっはっはっは! まだ嫁を増やすつもりか。旦那様は元気だなぁ!」
イネスは高笑いしていた。
「イネスさん、何が元気なのです?」
ミルシェが聞かなくても良いのに、ついつい聞いてしまうと、
「もちろん、ナニに決まってるじゃないか! これなら、もっと搾り取っても大丈夫だな!」
声高にイネスが恐ろしい事を宣言していた。
そして、その様子を黙って聞いていたウルリーカは、
「なるほど…と、いう事は…ヴァルナルもかしら?」
嫁ーず全員がその声にハッと振り返ると、ドス黒いオーラを全身から立ち昇らせている鬼がそこには居た。
「ちょっと、家に連絡をしてみようかしら」
言うが早いか、ドレスの懐から通信の呪法具を取り出して起動させたウルリーカ。
全員が押し黙ってその様子を見守る。
誰かが唾をごくりと飲み込んだ。
「あら、あなた…愛する妻からの通信に、随分時間が掛かったわね?」
どうやら、ヴァルナル侯爵その人が通信に出た様だ。
「ああ、そうね…そっちは夜中だったわね。それじゃ、今はどちらに? 屋敷? 部屋で寝ている? あら、そう…それじゃコルネリアを起こして代わって下さる? え、出来ない? 何でかしら? もちろん、寝ているのは分かってますよ。コルネリアが怒ったら、私が責任を取ります。はぁ? だから、それがどうしたというのです? 今、部屋なんですよね? 2つ隣の部屋でしょう? 朝に通信? 何を馬鹿なことを言ってるのかしら? いいから、さっさと代われっていってるのよ!」
ヴァルナルがグダグダと言っている様だが、それを一喝するウルリーカ。
「疾しい事が無いなら代われるでしょう!? 何か後ろめたい事でもあるの? 無いなら、さっさとコルネリアの部屋まで走れ!」
とうとう、ウルリーカがブチ切れた様だ。
さっきまで気勢をあげていた嫁ーずは、抱き合い一塊になって、ブルブルガクガク震えながらその様子を見ていた。
「あ、コルネちゃん? お父さんは何してるのかしら? お部屋まで行ってくれる? …お父さんが…ええ…良いから行ってベッドの様子を見てくれるかしら。……ええ、あらそうなのね…ええ、ええ…へぇ~~なるほど…よく分かったわ、ありがとうねコルネちゃん。それじゃお父さんに代わって」
呪法具の先では、コルネリアがヴァルナルの部屋を見に行き、ウルリーカに詳しく報告したようだ。
「……あなた、コルネリアに聞きましたけど…今夜は誰と一緒にいたのかしら? え、1人? そう、あなたは一人で寝てベッドを乱すの? おかしいわねぇ…私と寝ているとき、ベッドが乱れる事なんて、あの時ぐらいしか記憶にないのだけれども」
話題は段々と危険な流れになって来た。
「まさか、メイドに手をつけたりしてないでしょうね?」
この一言は、嫁ーずだけでなく、ナディアまでも震え上がらせた。
「そう? わかりました。では、帰ってからじっくりと話をしましょう」
それだけ言うと、ブチっと通信を切った。
そして、にっこりと笑ったウルリーカは、一言いい放った。
「明日は早めに帰りましょうね」
それを聞いた嫁ーずとナディアは、真っ青な顔でガタガタと震えながら、カクカクと首を縦に振る事しか出来なかった。
「な…何かもの凄い悪寒が…」
その頃、巨大なベッドの隅っこで小さくなって寝ていたトールは、俄かに襲いきた寒気に震え、更に丸まって小さくなって寝ていた。
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