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歓迎!
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「あ~、ますたーのたいぷは、ばんのうがたでちゅよ!」
『ばんのうがた?』
あらためてもふりんの口から、モフリーナのダンジョンタイプが告げられた。
「めいろもめいきゅうも、どっちもいけまちゅ!」
「ああ、万能型と言いたいのですわね?」
ウルリーカが、もふりんが言った事を理解して言葉を返すと、
「はい、でち!」
それを肯定する言葉が返って来た。
もふりんの話を要約すると、モフリーナは迷宮型ダンジョンをベースとして、迷路型ダンジョンの作成も行え、また両方の特徴を備えた、いわばハイブリッド的なダンジョン作成までこなす、万能型なのだという。
「何というか…それはちょっと反則ですわね…」
メリルがそう思うのも無理はない。
「いえいえ、なんでもできまちゅが、のうりょくてきにこすとがとってもかかるんでちゅ」
しかし、どうやらそう簡単な事では無い様だ。
「能力的にコストがかかる…つまり、モフレンダさんやボーディさんよりも、多くのコストを必要としていると?」
「そのとおりでち!」
何でも出来ると言う事は、それなりに大変な様だ。
「うむ。もふりんが言った様に、それぞれのダンジョンマスターには得意とするダンジョン構築の型があるのですが、最もコストパフォーマンスが悪いのが万能型なのです。迷路型と比較すると、同じダンジョンを作成するのに倍以上のエネルギーが必要かと」
カジマギーの捕捉で、万能型…つまり何でも出来るモフリーナの欠点というか短所もはっきりとわかる。
「でも…そんな大事な事…私達に、言っても…いいの?」
ここまで色々とカジマギーやもふりんからダンジョンの秘密を聞いてきたミレーラは、それが少しばかり不安になった様だ。
「はいでち! みなさんにひみつにすることなんてないでちゅよ」
「ええ、ご安心ください、大丈夫です。トールヴァルド様より、多大なる恩恵を賜っておりますれば、すでに我々の身内と同義。さすれば、トールヴァルド様の身内であらせられる皆様も、また我々の身内にございますから」
2人の言葉は、全員の気持ちを高揚させるものであった。
ダンジョンという、人の身では到底造る事が不可能な領域を自在に造り上げ操る人外の存在である彼女らではある。
そんな彼女らが、アルテアン一家にとって脅威となる事は無いにしても、まさか身内と言われるなど思ってもいなかった。
特にウルリーカやミルシェは、アルテアン領がモフリーナのダンジョンのおかげで、大きく発展した事を目の当たりにしている。
ミルシェにとっては子供の頃、ウルリーカにしても若かりし事、小さな寒村でしか無かったアルテアン領にダンジョンが現れた日の事を、懐かしく思い出していた。
あの日、あの時、まだ子供だったトールヴァルドが剣を握りしめて村の為にスタンピードに立ち向かった姿。
村の責任者として、大剣を携えて、逸るでも恐れるでもなく、ただ真っすぐにその現場へと向かうヴァルナルの大きな背中を。
2人は未だに鮮明に思い出す事が出来る。
まあ、その後に会ったモフリーナの胸を見たウルリーカとミルシェは、敵認定していたのも、また懐かしい思い出なのだが。
「皆様、歩かせてしまい申し訳ありません。ここから先が、ご用意させて頂いた訓練用の区画となっております。本来、迷路の出口とは探索者達からは目立たぬ様に設えてあるのですが、今回は終着点として分り易く造って御座います。出現するモンスターも、皆様にとっては手ごたえが無いでしょうが、お怪我をさせるわけには行きませんので、ご容赦ください」
前方に何故か【歓迎! アルテアン御一行様】と書かれた門が設置してあった。
どうやら、あれが入り口らしい。
「あ、わたちもいちおう、うしろをついていきまちゅ」
「はい、私も手は出しませぬが、同行させて頂きますゆえ、そこもご容赦くださいませ」
見学兼アドバイザー的な立ち位置なのだろうか、2人もついて来るらしい。
「ええ、大丈夫ですわよ。訊ねたい事があったら、声を掛けても大丈夫なのかしら?」
ウルリーカが確認のために言葉をかけると、
「はいでち!」「無論です」
2人からは、肯定の返事が貰えたので、深く頷いた。
その後、ゆっくりと深呼吸したウルリーカは、
「ではみなさん、心の準備はよろしいですわね?」
嫁ーずに一言かけると、
「それでは、そろそろ変身しましょう」
そう言って、ドレスの胸元からペンダントを引っ張り出した。
『ばんのうがた?』
あらためてもふりんの口から、モフリーナのダンジョンタイプが告げられた。
「めいろもめいきゅうも、どっちもいけまちゅ!」
「ああ、万能型と言いたいのですわね?」
ウルリーカが、もふりんが言った事を理解して言葉を返すと、
「はい、でち!」
それを肯定する言葉が返って来た。
もふりんの話を要約すると、モフリーナは迷宮型ダンジョンをベースとして、迷路型ダンジョンの作成も行え、また両方の特徴を備えた、いわばハイブリッド的なダンジョン作成までこなす、万能型なのだという。
「何というか…それはちょっと反則ですわね…」
メリルがそう思うのも無理はない。
「いえいえ、なんでもできまちゅが、のうりょくてきにこすとがとってもかかるんでちゅ」
しかし、どうやらそう簡単な事では無い様だ。
「能力的にコストがかかる…つまり、モフレンダさんやボーディさんよりも、多くのコストを必要としていると?」
「そのとおりでち!」
何でも出来ると言う事は、それなりに大変な様だ。
「うむ。もふりんが言った様に、それぞれのダンジョンマスターには得意とするダンジョン構築の型があるのですが、最もコストパフォーマンスが悪いのが万能型なのです。迷路型と比較すると、同じダンジョンを作成するのに倍以上のエネルギーが必要かと」
カジマギーの捕捉で、万能型…つまり何でも出来るモフリーナの欠点というか短所もはっきりとわかる。
「でも…そんな大事な事…私達に、言っても…いいの?」
ここまで色々とカジマギーやもふりんからダンジョンの秘密を聞いてきたミレーラは、それが少しばかり不安になった様だ。
「はいでち! みなさんにひみつにすることなんてないでちゅよ」
「ええ、ご安心ください、大丈夫です。トールヴァルド様より、多大なる恩恵を賜っておりますれば、すでに我々の身内と同義。さすれば、トールヴァルド様の身内であらせられる皆様も、また我々の身内にございますから」
2人の言葉は、全員の気持ちを高揚させるものであった。
ダンジョンという、人の身では到底造る事が不可能な領域を自在に造り上げ操る人外の存在である彼女らではある。
そんな彼女らが、アルテアン一家にとって脅威となる事は無いにしても、まさか身内と言われるなど思ってもいなかった。
特にウルリーカやミルシェは、アルテアン領がモフリーナのダンジョンのおかげで、大きく発展した事を目の当たりにしている。
ミルシェにとっては子供の頃、ウルリーカにしても若かりし事、小さな寒村でしか無かったアルテアン領にダンジョンが現れた日の事を、懐かしく思い出していた。
あの日、あの時、まだ子供だったトールヴァルドが剣を握りしめて村の為にスタンピードに立ち向かった姿。
村の責任者として、大剣を携えて、逸るでも恐れるでもなく、ただ真っすぐにその現場へと向かうヴァルナルの大きな背中を。
2人は未だに鮮明に思い出す事が出来る。
まあ、その後に会ったモフリーナの胸を見たウルリーカとミルシェは、敵認定していたのも、また懐かしい思い出なのだが。
「皆様、歩かせてしまい申し訳ありません。ここから先が、ご用意させて頂いた訓練用の区画となっております。本来、迷路の出口とは探索者達からは目立たぬ様に設えてあるのですが、今回は終着点として分り易く造って御座います。出現するモンスターも、皆様にとっては手ごたえが無いでしょうが、お怪我をさせるわけには行きませんので、ご容赦ください」
前方に何故か【歓迎! アルテアン御一行様】と書かれた門が設置してあった。
どうやら、あれが入り口らしい。
「あ、わたちもいちおう、うしろをついていきまちゅ」
「はい、私も手は出しませぬが、同行させて頂きますゆえ、そこもご容赦くださいませ」
見学兼アドバイザー的な立ち位置なのだろうか、2人もついて来るらしい。
「ええ、大丈夫ですわよ。訊ねたい事があったら、声を掛けても大丈夫なのかしら?」
ウルリーカが確認のために言葉をかけると、
「はいでち!」「無論です」
2人からは、肯定の返事が貰えたので、深く頷いた。
その後、ゆっくりと深呼吸したウルリーカは、
「ではみなさん、心の準備はよろしいですわね?」
嫁ーずに一言かけると、
「それでは、そろそろ変身しましょう」
そう言って、ドレスの胸元からペンダントを引っ張り出した。
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