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脳筋嫁
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大樹救出作戦…ってほど大げさじゃないけど、取りあえず出来る手は打ってみた。
人魚さん達にも、大量の生贄じゃ無くって、ええっと…集めまくった男性達の奮闘で、そっちも片付きそうだ。
いや、まだフィーバーしてるみたいだし、げっそりしながら報告してくれた蜂さん達によれば、人魚さん達がガンガン入れ替わってるとか聞いたけど…それは、もう勝手にしてくれたら良い。
人魚さん達にも、しっかりと繁殖してもらう必要があるんだから、そこは目をつぶっちゃう。
参加してくれた彼等の尊い犠牲は、来週中ぐらいは忘れないだろう。
母さんと父さんの装備問題も、何か嫌な感じはするが、一応は完成した。
これで、あのクソみたいな戦争での後始末というか、残った問題と言うか、そういった諸々も終わりかな?
あ、まだダンジョン大陸関係が残ってるのか。
でも、そっちはダンジョンマスターの自主性に任せるつもりだから、ほっといてもいいかな。
そんな事を考えながら、通信を終えた俺は、執務室へと向かった。
「あ、トール様。お義母様とのお話しは終わりましたか?」
執務室では、すでにメリルが書類を仕分けしていた。
仕分けってのは、俺の判断が必要な物か、俺がサインする必要がある物と、そうで無い物を分別するって事だ。
んで、俺が必要な物だけを、俺の執務室の机の上にある書類箱に緊急度や重要度に応じて入れてくれるんだ。
「いつも手伝ってもらって悪いね、助かるよ」
やはりきちんと感謝は言葉にしないとね。
「そんな…私は仕分けしか出来ませんし、これも貴族家の妻の務めですから」
ちょっと、はにかみ乍らそういうメリル。
うん、王城からこの地にやってきて、もう何年も経つが、あの頃のまま可愛いな。
これは口には出さないけど。
「それに、隣の部屋でその他の書類を処理しているマチルダの方が、貢献していると思いますわ」
「まあ、処理能力は俺よりも高いからなあ。後で、ありがとうって言っておくよ」
マチルダは、嫁達お笑い戦隊…もとい、G戦隊ジェムファイターの頭脳だからな。
そりゃ処理能力も高かろうて。
隣の部屋で書類と格闘していたマチルダにねぎらいの言葉をかけ、同じくお仕事のお手伝い中だったミルシェとミレーラにも、感謝の言葉をかけておいた。
あれ? イネスは?
「イネスさんは…邪魔なので、お昼寝してもらってます…」
言い難そうにミレーラが告げ口。
「ほう、なるほど。最近、修練をさぼっていたから、丁度いい。イネスを引っ張って裏庭でちょっと身体を動かして来るよ」
居間のソファーでお腹をぼりぼり掻きながら、鼾をかいて寝てるイネスを蹴り起こし、驚き慌てて何が起こったか分からずにアワアワしている駄嫁の首根っこひっ捕まえて、裏庭まで引きずって行きました。
この後、無茶苦茶修練した。
はぁ~、良い汗かいた。
「これは…ちょっと…酷くないかな…と…」
久々に素手で組み手を行い、殴りかかって来るイネスをぽーんずばーんと投げまくり、蹴りかかって来るイネスの足を掬いあげては地に転がしまくったせいで、イネスは泥だらけのボロボロ状態。
「皆が仕事しているというのに、鼾かいて寝ているのが悪いのだ」
「でも…邪魔だって、寝とけって言われたから…」
泥だらけのまま、地面に女の子座りで、微妙にいじけてしまった。
普段は豪快で凛々しいイネスも、結構こういう風に可愛い所もあるのを、俺は知っている。
「だからと言って、本当に寝る奴があるか。何か出来る事があるだろう? 分からなければ俺の所に出も聞きに来い。ちゃんと仕事を割り振ってやるから」
「う、うん…」
落ち込みが酷いな…何か常勤できる仕事を与えた方が良いか?
「それじゃ、1つイネスに仕事を与えよう。この街の警備はエルフさん達が担っているのを知っているな?」
「それは、勿論」
だよな。
「今度、そのエルフさん達をアルテアン運輸で長距離の荷物運送業務と旅客業務に同行させるつもりだ」
「え、今までは?」
「大抵の場合、長距離移動する冒険者とか騎士とか兵士さんを、護衛してくれる代わりに格安で乗せてたんだよ。だけど、専門の護衛を同乗させようかと思ってね。エルフさんで警備商会を創業するつもりだ」
あの筋肉至上主義のエルフさんは、筋肉が踊る戦いが大好き。
ところが俺の領地って、ほとんど犯罪が発生しないので、暇を持て余してたのだ。
って事で、エルフさんの新しい職場を提供っと。
長距離便は、道中で獣との遭遇率は100%だし、野盗の類は討伐してもしても後から後から湧いて来る。
少なくとも護る対象がはっきりしてて、長期間の運行の間、緊張状態が続く仕事だけど、それこそが戦いを求めるエルフさん達が求めていた職場…だったらしい。
俺には、エルフの考えている事が、さっぱり理解できん。
「それで、そのエルフ達の会社が私の仕事と、どう関係が?」
やっぱ脳筋は察しが悪いな。
「うむ。初代アルテアン警備商会の副会頭をイネスに任せるつもりだ。エルフさん達のアルテアン運輸への出向シフトや、普段の戦闘訓練の指揮など、仕事は多岐にわたってある。会頭は俺で、エルフの取りまとめは、エルフの長の娘が担当する。創設は再来月の予定だが、今からでも仕事はしっかりあるから、頑張ってくれたまえ」
すると、もの凄く嬉しそうに、
「は、はい! 頑張ります!」
めっちゃ泥だらけのまま、やる気に満ちてフンスフンスと鼻息荒くしているけど…頭も使うからね?
まぁ、これでこの脳筋嫁もそうそう暇にはならないだろう。
働かざる者食うべからずだからな、我が家は。
人魚さん達にも、大量の生贄じゃ無くって、ええっと…集めまくった男性達の奮闘で、そっちも片付きそうだ。
いや、まだフィーバーしてるみたいだし、げっそりしながら報告してくれた蜂さん達によれば、人魚さん達がガンガン入れ替わってるとか聞いたけど…それは、もう勝手にしてくれたら良い。
人魚さん達にも、しっかりと繁殖してもらう必要があるんだから、そこは目をつぶっちゃう。
参加してくれた彼等の尊い犠牲は、来週中ぐらいは忘れないだろう。
母さんと父さんの装備問題も、何か嫌な感じはするが、一応は完成した。
これで、あのクソみたいな戦争での後始末というか、残った問題と言うか、そういった諸々も終わりかな?
あ、まだダンジョン大陸関係が残ってるのか。
でも、そっちはダンジョンマスターの自主性に任せるつもりだから、ほっといてもいいかな。
そんな事を考えながら、通信を終えた俺は、執務室へと向かった。
「あ、トール様。お義母様とのお話しは終わりましたか?」
執務室では、すでにメリルが書類を仕分けしていた。
仕分けってのは、俺の判断が必要な物か、俺がサインする必要がある物と、そうで無い物を分別するって事だ。
んで、俺が必要な物だけを、俺の執務室の机の上にある書類箱に緊急度や重要度に応じて入れてくれるんだ。
「いつも手伝ってもらって悪いね、助かるよ」
やはりきちんと感謝は言葉にしないとね。
「そんな…私は仕分けしか出来ませんし、これも貴族家の妻の務めですから」
ちょっと、はにかみ乍らそういうメリル。
うん、王城からこの地にやってきて、もう何年も経つが、あの頃のまま可愛いな。
これは口には出さないけど。
「それに、隣の部屋でその他の書類を処理しているマチルダの方が、貢献していると思いますわ」
「まあ、処理能力は俺よりも高いからなあ。後で、ありがとうって言っておくよ」
マチルダは、嫁達お笑い戦隊…もとい、G戦隊ジェムファイターの頭脳だからな。
そりゃ処理能力も高かろうて。
隣の部屋で書類と格闘していたマチルダにねぎらいの言葉をかけ、同じくお仕事のお手伝い中だったミルシェとミレーラにも、感謝の言葉をかけておいた。
あれ? イネスは?
「イネスさんは…邪魔なので、お昼寝してもらってます…」
言い難そうにミレーラが告げ口。
「ほう、なるほど。最近、修練をさぼっていたから、丁度いい。イネスを引っ張って裏庭でちょっと身体を動かして来るよ」
居間のソファーでお腹をぼりぼり掻きながら、鼾をかいて寝てるイネスを蹴り起こし、驚き慌てて何が起こったか分からずにアワアワしている駄嫁の首根っこひっ捕まえて、裏庭まで引きずって行きました。
この後、無茶苦茶修練した。
はぁ~、良い汗かいた。
「これは…ちょっと…酷くないかな…と…」
久々に素手で組み手を行い、殴りかかって来るイネスをぽーんずばーんと投げまくり、蹴りかかって来るイネスの足を掬いあげては地に転がしまくったせいで、イネスは泥だらけのボロボロ状態。
「皆が仕事しているというのに、鼾かいて寝ているのが悪いのだ」
「でも…邪魔だって、寝とけって言われたから…」
泥だらけのまま、地面に女の子座りで、微妙にいじけてしまった。
普段は豪快で凛々しいイネスも、結構こういう風に可愛い所もあるのを、俺は知っている。
「だからと言って、本当に寝る奴があるか。何か出来る事があるだろう? 分からなければ俺の所に出も聞きに来い。ちゃんと仕事を割り振ってやるから」
「う、うん…」
落ち込みが酷いな…何か常勤できる仕事を与えた方が良いか?
「それじゃ、1つイネスに仕事を与えよう。この街の警備はエルフさん達が担っているのを知っているな?」
「それは、勿論」
だよな。
「今度、そのエルフさん達をアルテアン運輸で長距離の荷物運送業務と旅客業務に同行させるつもりだ」
「え、今までは?」
「大抵の場合、長距離移動する冒険者とか騎士とか兵士さんを、護衛してくれる代わりに格安で乗せてたんだよ。だけど、専門の護衛を同乗させようかと思ってね。エルフさんで警備商会を創業するつもりだ」
あの筋肉至上主義のエルフさんは、筋肉が踊る戦いが大好き。
ところが俺の領地って、ほとんど犯罪が発生しないので、暇を持て余してたのだ。
って事で、エルフさんの新しい職場を提供っと。
長距離便は、道中で獣との遭遇率は100%だし、野盗の類は討伐してもしても後から後から湧いて来る。
少なくとも護る対象がはっきりしてて、長期間の運行の間、緊張状態が続く仕事だけど、それこそが戦いを求めるエルフさん達が求めていた職場…だったらしい。
俺には、エルフの考えている事が、さっぱり理解できん。
「それで、そのエルフ達の会社が私の仕事と、どう関係が?」
やっぱ脳筋は察しが悪いな。
「うむ。初代アルテアン警備商会の副会頭をイネスに任せるつもりだ。エルフさん達のアルテアン運輸への出向シフトや、普段の戦闘訓練の指揮など、仕事は多岐にわたってある。会頭は俺で、エルフの取りまとめは、エルフの長の娘が担当する。創設は再来月の予定だが、今からでも仕事はしっかりあるから、頑張ってくれたまえ」
すると、もの凄く嬉しそうに、
「は、はい! 頑張ります!」
めっちゃ泥だらけのまま、やる気に満ちてフンスフンスと鼻息荒くしているけど…頭も使うからね?
まぁ、これでこの脳筋嫁もそうそう暇にはならないだろう。
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