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誰も居ない森の奥で
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若くて活きの良いピチピチ男子(かどうか分からないのもいるけど)の大量捕獲に成功した俺達は、父さんの領地での書類仕事や、アルテアン家が直接経営する店舗や商店のお仕事を、嫁ーずと手分けして確認し、処理をした。
基本的には、この屋敷の優秀な巨乳メイドさん達が全部やってくれはするのだが、どうしても商会や店舗のトップの決済が必要な案件もあったからであって、これだけは経営者一族が頑張らねばならない。
ほとんどの書類は確認とサインだけだから楽だけど、それでも数が多すぎてサイン書きすぎて腱鞘炎になりそうだ。
普段は、この屋敷の運転好きなメイドさんが、通信用に渡してある蒸気自動車をぶっ飛ばして俺の屋敷までサインを貰いに来るのだが、数ヶ月も留守にしたため、運ぶことが出来ない程の量になったそうだ。
事情はよっくわかるので、全員が山積みになった書類と、ひーこら言い乍ら日が暮れるまで格闘した。
書類仕事に勤しんだ日は、父さん不在だが領主館で一泊して、翌日の昼前には俺のお家へと戻る事にした。
そんなに急いでどうしたんだっ…て? そりゃ、急いで人魚さんの乱こ…サバト…狂宴の場を整える為だ。
前回は魔族さんがのんびりと放牧をしているあの牧草地帯を会場としたのだが、何というか…あそこは声がよく響くのだ。
その声に感化されたのか刺激されたのか、我が領内ではとても夫婦やカップルが頑張っちゃったみたいで、沢山の子供が今年生れた…のは、良い事かもしれない。
いや、良い事だけど、今回はちょっと規模が大きい。
前回同様に、冒険者ギルドや役所にもお見合いパーティ参加者募集の張り紙も同時に出していたので、集まったのが何と300人強! 俺が父さんの領で捕獲した活きのいいのは約150人の、合計450人!
対する人魚さんは、ここ最近他の海域に住んでいる人魚さん達も合流して、とても大人数。
前回参加者の2.5倍以上の380人にまで膨れ上がった。
800人近くが乱こ…もとい、数日間あの魔族さんの放牧地で夜通し狂宴を繰り広げてしまうと、その嬌声の刺激でとんでもない事になりそうなので、ちょっと別の場所に宴会場を造ろうと思ったんだ。
だって、前回同様だと、俺が嫁ーずに色々と搾り取られる未来しか見えないもん。
さて、そうなると場所の選定なんだが…そこそこ広くて人魚さん達が海と行き来しやすいように水場が近く、街まで声が届かない場所にしたい。
こんな時は、地図作成のスペシャリストである、我がペットのクイーンと愉快な働き蜂の登場だ。
普段はごろごろ昼寝してるんだから、こんな時は協力しろ! あ、ついでにブレンダーも。
確かこの土地を父さんから譲られた時、エルフさんやドワーフさん達が住む現在の保護地区も詳しく(?)調査して周ったけど、どこか最適な場所ってなかったかなあ。
クイーン、覚えてる? え、良い場所がある?
どこどこ!? ん?働き蜂さんが先導してくれる?
よっしゃ、ブレンダーそこへ行くぞ! 早速出発だ!
嫁ーずに宴会場の下見に行くと説明し、俺はブレンダーに跨って、早速蜂さんに先導されて目的地へと出発した。
いや、クイーンはついてこなくてもいいんだけど…一緒にお出かけしたい? そっか、んじゃ背中にくっ付いときな。
そんなわけで、ブレンダーはネス湖をう回して保護地区へと突入。
目には見えないが、俺と俺の関係者、指定の種族、そして許可の無い物は通る事が出来ない結界を抜けて、深い森の中へとやって来た。
鬱蒼と茂る木々や草などお構いなしに、ブレンダーは先導する蜂さんを追いかけて、もの凄いスピードで森を駆け抜ける。
ガンガン走り続ける事、数十分。
だんだん木々が疎らになり、やがて耳に轟轟と水が流れ落ちる音が届くようになると、ようやく俺もここを思い出した。
あの熊が居たでっかい滝か! この川は海まで続いてたんだよな、確か! おお、良いじゃないか! ここに決めよう!
そうと決まれば、開拓と建築は、毎度おなじみの精霊建設さんの出番だ。
っというか、俺が頼む前に土木工事の匂いを嗅ぎつけた大量の精霊さんが、わらわらと俺の周囲に集まっていた。
例によって各属性の精霊さんの親方は俺の傍に控えている。
う~~~~ん…ちょっとクーンさん、この周辺の詳細な地図って描ける? あ、紙が無いか…んじゃ地面で良いや。
紙が無いと聞いた土の精霊さんは、俺の目の前の地面をサラサラのきめ細かい土で平らに均した。
あ、ここに描けってことなのね。
蜂さんが、ぶ~~~んっと跳びながら、器用に前足で線を次々に線を描き加えて行き、俺達がいる場所を中心とした地図が出来上がった。
ふむふむ…なるほど…あ、ネス湖の方角ってどっち? あ、こっちか。
よっし! では、精霊さん達、この地図のここからここまでの樹々を伐採して平地に。
んで、伐採した樹々で、獣が入ってこない様に、周囲に柵を。
あ~部屋は…長屋だと数が多すぎだなぁ…。
以前造ってもらった地下都市でもいいけど、このナイアガラの様な滝っていうロケーションは外したくないなあ。
そう言えば、元々俺の領地は観光地にしたいとか考えてたっけ。
将来的に利用できるように、思い切って旅館風のホテルでも造っちゃう?
えっと、簡単に言ったら、地下都市を地上に…待てよ、ダンジョン島のあの塔をモデルにしたらいいんじゃね?
あ~基本設計はこんな感じで、円周上にこう部屋があって、階数は…
んで、森の中にネス湖をこうやってう回する道を…
あ、そうか! 保護地区は通らなくても行ける様にしなきゃ! だったら…
お風呂とトイレは必須だから、下水の排水処理は俺が考えるとして…
将来的には観光用ホテルにしたいから、スペースに余裕を持たせて…
こうした打ち合わせを経て、精霊建設さんと俺によって、誰も居ない森の奥で、ひっそり堂々と巨大建築が出来上がったのだった。
基本的には、この屋敷の優秀な巨乳メイドさん達が全部やってくれはするのだが、どうしても商会や店舗のトップの決済が必要な案件もあったからであって、これだけは経営者一族が頑張らねばならない。
ほとんどの書類は確認とサインだけだから楽だけど、それでも数が多すぎてサイン書きすぎて腱鞘炎になりそうだ。
普段は、この屋敷の運転好きなメイドさんが、通信用に渡してある蒸気自動車をぶっ飛ばして俺の屋敷までサインを貰いに来るのだが、数ヶ月も留守にしたため、運ぶことが出来ない程の量になったそうだ。
事情はよっくわかるので、全員が山積みになった書類と、ひーこら言い乍ら日が暮れるまで格闘した。
書類仕事に勤しんだ日は、父さん不在だが領主館で一泊して、翌日の昼前には俺のお家へと戻る事にした。
そんなに急いでどうしたんだっ…て? そりゃ、急いで人魚さんの乱こ…サバト…狂宴の場を整える為だ。
前回は魔族さんがのんびりと放牧をしているあの牧草地帯を会場としたのだが、何というか…あそこは声がよく響くのだ。
その声に感化されたのか刺激されたのか、我が領内ではとても夫婦やカップルが頑張っちゃったみたいで、沢山の子供が今年生れた…のは、良い事かもしれない。
いや、良い事だけど、今回はちょっと規模が大きい。
前回同様に、冒険者ギルドや役所にもお見合いパーティ参加者募集の張り紙も同時に出していたので、集まったのが何と300人強! 俺が父さんの領で捕獲した活きのいいのは約150人の、合計450人!
対する人魚さんは、ここ最近他の海域に住んでいる人魚さん達も合流して、とても大人数。
前回参加者の2.5倍以上の380人にまで膨れ上がった。
800人近くが乱こ…もとい、数日間あの魔族さんの放牧地で夜通し狂宴を繰り広げてしまうと、その嬌声の刺激でとんでもない事になりそうなので、ちょっと別の場所に宴会場を造ろうと思ったんだ。
だって、前回同様だと、俺が嫁ーずに色々と搾り取られる未来しか見えないもん。
さて、そうなると場所の選定なんだが…そこそこ広くて人魚さん達が海と行き来しやすいように水場が近く、街まで声が届かない場所にしたい。
こんな時は、地図作成のスペシャリストである、我がペットのクイーンと愉快な働き蜂の登場だ。
普段はごろごろ昼寝してるんだから、こんな時は協力しろ! あ、ついでにブレンダーも。
確かこの土地を父さんから譲られた時、エルフさんやドワーフさん達が住む現在の保護地区も詳しく(?)調査して周ったけど、どこか最適な場所ってなかったかなあ。
クイーン、覚えてる? え、良い場所がある?
どこどこ!? ん?働き蜂さんが先導してくれる?
よっしゃ、ブレンダーそこへ行くぞ! 早速出発だ!
嫁ーずに宴会場の下見に行くと説明し、俺はブレンダーに跨って、早速蜂さんに先導されて目的地へと出発した。
いや、クイーンはついてこなくてもいいんだけど…一緒にお出かけしたい? そっか、んじゃ背中にくっ付いときな。
そんなわけで、ブレンダーはネス湖をう回して保護地区へと突入。
目には見えないが、俺と俺の関係者、指定の種族、そして許可の無い物は通る事が出来ない結界を抜けて、深い森の中へとやって来た。
鬱蒼と茂る木々や草などお構いなしに、ブレンダーは先導する蜂さんを追いかけて、もの凄いスピードで森を駆け抜ける。
ガンガン走り続ける事、数十分。
だんだん木々が疎らになり、やがて耳に轟轟と水が流れ落ちる音が届くようになると、ようやく俺もここを思い出した。
あの熊が居たでっかい滝か! この川は海まで続いてたんだよな、確か! おお、良いじゃないか! ここに決めよう!
そうと決まれば、開拓と建築は、毎度おなじみの精霊建設さんの出番だ。
っというか、俺が頼む前に土木工事の匂いを嗅ぎつけた大量の精霊さんが、わらわらと俺の周囲に集まっていた。
例によって各属性の精霊さんの親方は俺の傍に控えている。
う~~~~ん…ちょっとクーンさん、この周辺の詳細な地図って描ける? あ、紙が無いか…んじゃ地面で良いや。
紙が無いと聞いた土の精霊さんは、俺の目の前の地面をサラサラのきめ細かい土で平らに均した。
あ、ここに描けってことなのね。
蜂さんが、ぶ~~~んっと跳びながら、器用に前足で線を次々に線を描き加えて行き、俺達がいる場所を中心とした地図が出来上がった。
ふむふむ…なるほど…あ、ネス湖の方角ってどっち? あ、こっちか。
よっし! では、精霊さん達、この地図のここからここまでの樹々を伐採して平地に。
んで、伐採した樹々で、獣が入ってこない様に、周囲に柵を。
あ~部屋は…長屋だと数が多すぎだなぁ…。
以前造ってもらった地下都市でもいいけど、このナイアガラの様な滝っていうロケーションは外したくないなあ。
そう言えば、元々俺の領地は観光地にしたいとか考えてたっけ。
将来的に利用できるように、思い切って旅館風のホテルでも造っちゃう?
えっと、簡単に言ったら、地下都市を地上に…待てよ、ダンジョン島のあの塔をモデルにしたらいいんじゃね?
あ~基本設計はこんな感じで、円周上にこう部屋があって、階数は…
んで、森の中にネス湖をこうやってう回する道を…
あ、そうか! 保護地区は通らなくても行ける様にしなきゃ! だったら…
お風呂とトイレは必須だから、下水の排水処理は俺が考えるとして…
将来的には観光用ホテルにしたいから、スペースに余裕を持たせて…
こうした打ち合わせを経て、精霊建設さんと俺によって、誰も居ない森の奥で、ひっそり堂々と巨大建築が出来上がったのだった。
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