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もう、ええやん
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「はぁっはっはっは! では、使途殿の芝居に関しては、ひとまず第1幕と2幕の脚本は殿下にお任せしますかな」
「ええ、お任せください。3幕と4幕はべダム首長に」
それを聞いた俺と父さんは、永い永い諦めにも似たため息をついた。
どうせ何を言っても聞いてくれないんだから、 もう2人で勝手にしてください。
話は以上かな? だったらさっさと帰って、ダンジョン関係の事を詰めないと。
ポリンちゃんの話は、もう次の機会でいいや…疲れたから…。
「では、この辺りで失礼をば…」
父さんがそう言って席を立ったので、俺もそれに倣って頭を下げつつ席を立った。
今までニコニコと不穏な話をしていたダメダメ王子とバカ首長のコンビは、そんな俺達を見て、
「おっと、これは失礼。つい話に夢中になってしまっていたな…2人共、ちょっと待って欲しい」
ダメダメ王子が、そう言って俺と父さんを引き留めた。
もう、ええやん。疲れたから、はよ帰って寝たいねん…。
「ああ、使途殿! まだ話は済んでおりませぬ」
バカ首長さん、また今度にしようや…だるいねん…。
何故か、脳内では似非関西人の様な返事をしていた俺でした。
「まだ私共に何かお話が?」
俺が黙っていると、父さんが代わりに2人へと話しかけてくれた。
頑張って、父さん…俺は、黙ってるから…だって、面倒だから…。
「実はですな、使途殿よりお預かりした月神様の巫女見習いであるポリン殿の事なのです」
んぉ!? すっかり忘れられてたと思ってたが、ここでその名が出るか~?
「ポリンと言うと…トールヴァルドがお連れした、例の娘さんですな?」
父さん、分かってるだろ? あの宇宙からの電波を受信している不思議ちゃんだよ。
もちろん、覚えてるよね?
「ええ、多分卿が思い浮かべた方で間違いはないかと思います。実は、彼女の教育も終わった事ですし、そろそろ月神様の教会も建立した方が良いかと思い、ご相談をと思った次第です」
「「えっ!?」」
父さんと2人で、思わず声が出る程にびっくりだよ!
あの不思議ちゃんの教育が終了って…マジっすか!?
「私もべダム首長より、月神様の巫女見習いをお預かりして教育し、それが終了したとのお話を伺いました。そして月神様の教会をどこに建立するかという相談もうけました」
はあ、王子様にまで話してたのねん。
「ところがですな、此度の戦において、新たな女神様が降臨なされました」
まさか大地神の事か!?
「ええ、ええ。全くです。ネス様、太陽神様、月神様と新たな女神様。ネス様と太陽神様には聖地がございますが、月神様と新たな大地神様にも、もし聖地などがございますれば、失礼に当たるかと思い相談させて頂こうかと」
べダムさんに続き、王子様までそんな事を言い出した。
いや、演劇とかの時と一緒で、あんた等の好きにすればいいじゃん! とは、もちろん言えない。
「はぁ…それは、まあ…確かに…」
父さんも、絶賛困惑中。
「そこでですな、べダム首長ともご相談させて頂いたのですが…是非とも、アルテアン卿とトールヴァルド卿にも意見を出してもらいたいと思ったのですよ」
「「はぁ…」」
もう、俺と父さんは、やる気ナッシングなんですけどねえ。
「どうでしょう? 何か良い案はありませんかな?」
やたら圧迫感のあるむさ苦しい筋肉首長にそう迫られてもねえ…。
あ、そう言えば…!
「暗黒教ダークランド皇国の生き残りはどうなってますか?」
確か、多くの兵達はダンジョン大陸へと一旦送って、もふりんの審査を合格したのだけ、順次こっちに送り返されてるはず。
もちろん、これも戦の最中に通信の呪法具で本陣に伝えてあった事。
女神により別の次元へと送られた兵士達の中で、性格や思考に問題の無い者だけは、この地へと戻る事が許される。
順次、女神達の管理する地から送り返す…と。
その者達には罪は無いので、決して非人道的な扱いはしない様に。
とは言っても敵国の兵なので、最低限の衣食住だけ与えておけばよい…とね。
「ああ、それはもちろん捕虜として捕らえてはいますよ。勿論、女神様の意向通り、非人道的な扱いはしておりません。柵で囲ってはありますが、全てのケリが付くまでは伸び伸びと過ごしてもらっております」
「あの城壁と城壁の間ですよ」
べダム首長が解説してくれ、王子様が天幕の向こうを指さした。
そういや、何層か城壁築いたね。
その壁と壁の間の平地って事か。
左右は険しい崖だし、前後はとても登れそうにない高い壁だから、出入りさえ気を付けていれば逃げる事は出来ない…か。
「何人ぐらい女神様から戻されましたか?」
一応、確認。
「現在、約7万人近くが戻ってきておりますな…食料などは最低限しか与えられておりません。これ以上増える様でしたら、いささか問題が出るかと」
ふむ…王子様のお言葉、至極ご尤もです。
「女神様の援助により、毎日食料は山裾に送り込んで頂いてはおりますが…それでもこの人数では…」
首長さんも困ってるのか。
ってか、もふりんは食料も毎日送り込んでくれてるのか! ありがたやありがたや!
さて、どうすべか…いや、俺の中では大凡のプランは出来たんだが…ええい、ままよ!
「それでは、その辺の事情も加味しつつ、女神様達の意向をお伺いしてまいりますので、また明日にでもお時間を頂いてもよろしいでしょうか?」
プランを煮詰めるためにも、ここは帰って相談したい。
「「もちろん!」」
無事に2人から許可を頂いた事だし、ちゃちゃっとこの問題も解決しちゃいましょうかね!
「ええ、お任せください。3幕と4幕はべダム首長に」
それを聞いた俺と父さんは、永い永い諦めにも似たため息をついた。
どうせ何を言っても聞いてくれないんだから、 もう2人で勝手にしてください。
話は以上かな? だったらさっさと帰って、ダンジョン関係の事を詰めないと。
ポリンちゃんの話は、もう次の機会でいいや…疲れたから…。
「では、この辺りで失礼をば…」
父さんがそう言って席を立ったので、俺もそれに倣って頭を下げつつ席を立った。
今までニコニコと不穏な話をしていたダメダメ王子とバカ首長のコンビは、そんな俺達を見て、
「おっと、これは失礼。つい話に夢中になってしまっていたな…2人共、ちょっと待って欲しい」
ダメダメ王子が、そう言って俺と父さんを引き留めた。
もう、ええやん。疲れたから、はよ帰って寝たいねん…。
「ああ、使途殿! まだ話は済んでおりませぬ」
バカ首長さん、また今度にしようや…だるいねん…。
何故か、脳内では似非関西人の様な返事をしていた俺でした。
「まだ私共に何かお話が?」
俺が黙っていると、父さんが代わりに2人へと話しかけてくれた。
頑張って、父さん…俺は、黙ってるから…だって、面倒だから…。
「実はですな、使途殿よりお預かりした月神様の巫女見習いであるポリン殿の事なのです」
んぉ!? すっかり忘れられてたと思ってたが、ここでその名が出るか~?
「ポリンと言うと…トールヴァルドがお連れした、例の娘さんですな?」
父さん、分かってるだろ? あの宇宙からの電波を受信している不思議ちゃんだよ。
もちろん、覚えてるよね?
「ええ、多分卿が思い浮かべた方で間違いはないかと思います。実は、彼女の教育も終わった事ですし、そろそろ月神様の教会も建立した方が良いかと思い、ご相談をと思った次第です」
「「えっ!?」」
父さんと2人で、思わず声が出る程にびっくりだよ!
あの不思議ちゃんの教育が終了って…マジっすか!?
「私もべダム首長より、月神様の巫女見習いをお預かりして教育し、それが終了したとのお話を伺いました。そして月神様の教会をどこに建立するかという相談もうけました」
はあ、王子様にまで話してたのねん。
「ところがですな、此度の戦において、新たな女神様が降臨なされました」
まさか大地神の事か!?
「ええ、ええ。全くです。ネス様、太陽神様、月神様と新たな女神様。ネス様と太陽神様には聖地がございますが、月神様と新たな大地神様にも、もし聖地などがございますれば、失礼に当たるかと思い相談させて頂こうかと」
べダムさんに続き、王子様までそんな事を言い出した。
いや、演劇とかの時と一緒で、あんた等の好きにすればいいじゃん! とは、もちろん言えない。
「はぁ…それは、まあ…確かに…」
父さんも、絶賛困惑中。
「そこでですな、べダム首長ともご相談させて頂いたのですが…是非とも、アルテアン卿とトールヴァルド卿にも意見を出してもらいたいと思ったのですよ」
「「はぁ…」」
もう、俺と父さんは、やる気ナッシングなんですけどねえ。
「どうでしょう? 何か良い案はありませんかな?」
やたら圧迫感のあるむさ苦しい筋肉首長にそう迫られてもねえ…。
あ、そう言えば…!
「暗黒教ダークランド皇国の生き残りはどうなってますか?」
確か、多くの兵達はダンジョン大陸へと一旦送って、もふりんの審査を合格したのだけ、順次こっちに送り返されてるはず。
もちろん、これも戦の最中に通信の呪法具で本陣に伝えてあった事。
女神により別の次元へと送られた兵士達の中で、性格や思考に問題の無い者だけは、この地へと戻る事が許される。
順次、女神達の管理する地から送り返す…と。
その者達には罪は無いので、決して非人道的な扱いはしない様に。
とは言っても敵国の兵なので、最低限の衣食住だけ与えておけばよい…とね。
「ああ、それはもちろん捕虜として捕らえてはいますよ。勿論、女神様の意向通り、非人道的な扱いはしておりません。柵で囲ってはありますが、全てのケリが付くまでは伸び伸びと過ごしてもらっております」
「あの城壁と城壁の間ですよ」
べダム首長が解説してくれ、王子様が天幕の向こうを指さした。
そういや、何層か城壁築いたね。
その壁と壁の間の平地って事か。
左右は険しい崖だし、前後はとても登れそうにない高い壁だから、出入りさえ気を付けていれば逃げる事は出来ない…か。
「何人ぐらい女神様から戻されましたか?」
一応、確認。
「現在、約7万人近くが戻ってきておりますな…食料などは最低限しか与えられておりません。これ以上増える様でしたら、いささか問題が出るかと」
ふむ…王子様のお言葉、至極ご尤もです。
「女神様の援助により、毎日食料は山裾に送り込んで頂いてはおりますが…それでもこの人数では…」
首長さんも困ってるのか。
ってか、もふりんは食料も毎日送り込んでくれてるのか! ありがたやありがたや!
さて、どうすべか…いや、俺の中では大凡のプランは出来たんだが…ええい、ままよ!
「それでは、その辺の事情も加味しつつ、女神様達の意向をお伺いしてまいりますので、また明日にでもお時間を頂いてもよろしいでしょうか?」
プランを煮詰めるためにも、ここは帰って相談したい。
「「もちろん!」」
無事に2人から許可を頂いた事だし、ちゃちゃっとこの問題も解決しちゃいましょうかね!
応援ありがとうございます!
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