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一番怖い人
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我が家で1番強いのは誰か?
そう問われたら、間違いなく父であるヴァルナル・デ・アルテアン侯爵であると、誰もが答えるだろう。
では、一番怖いのは? 怒らせてはいけない人は?
そう問われれば、全員一致で光の速さでこう答える。
母である、ウルリーカ・デ・アルテアン侯爵夫人、その人だと。
そう、それを俺は今目の前で目の当たりにしている。
『ぉーーーーほっほほ…かかってきなさーーーーい! うりゃーーーーーー!』
馬鹿でかい超重量級のハルバードを装備したウルスラグナは、ゾンビと見るや一刀両断。
即座に右手を分断されたゾンビに向けると、背中に背負った樽から繋がったホースから飛び出す油を振り撒きつつ、標準固定装備(精霊さん協力ありがとう)として右手に内蔵されている火弾を打ち込む。
火の精霊さんの力で実現した、簡易火炎放射器だ。
高笑いをしながら、左手でハルバードを振りまわし、右手で敵を焼き尽くす…悪役にしか見えん。
「お義母さまに続きますわよ!」「「「「はいぃ!」」」」
バーサーカーとなった母さんに刺激されたのか、メリル筆頭に嫁達のヤル気も燃え上がってしまった。
いや、良い事なんだけど…。
「死にさらせ―――!」
「もう、ほとんど死にかけですけどね」
ウルスラグナに乗るサラとリリアさんも、母さんに続けと剣と戦槍を揮う。
「お母さん、やるね~! ユリアちゃん、私達もいきましょう!」「はい、おねえちゃん!」
妹達も、滅茶苦茶にヤル気になっている。
え~っと…それじゃ、俺は皇都の中心にある、お城探索に行ってもいいかな? いいとも~!
1人で小芝居しながら、俺はお城の地下にあるというダンジョンの入り口を目指した。
お供には、ダンジョンの位置を把握している、精霊さんがいっぱい。
振り返らずとも、我が家の蹂躙が激しいのが分かる。
だって、ドッカンドッカンともの凄い音が背後でしてるから。
もう、誰も蟲に寄生される心配も無いし、あれだけ士気が上がってたら、まあ問題すら起きないだろう。
そんな事を考えながら、俺は人通りの無い通りを、散歩でもするような足取りで、真っすぐにお城へと向かった。
途中、稀にフラフラとゾンビが出てくるが、全て瞬殺。
即座に火の精霊さんが焼いてくれるので、肩にかけた吸いとーる君で、灰まで即座に回収。
俺の歩みを止める事は、誰にもできないのだよ!
な~んて事を考えながら、またもやぼっちらぼっちらと城を目指して歩くのだった。
皇都の城は、我がグーダイド王国の城よりも、少しだけ小さかった。
城を取り囲むお掘の水は薄汚れ、もはや汚水と言っても過言では無い状態だった。
もしかしたら、このゾンビ騒ぎのせいで、普段であれば流している綺麗な水がせき止められたままなのかもしれない。
こういった堀は、河川などから水を引きいれる事によって、淀まぬ様にしているはずなのだが、平地に造られたこの城の堀は、どうやら構造が違うらしい。
引き込んでるのは、地下水とかかな?
きっと、御城の地下とかには、こんこんと湧き出る水量の多い井戸か何かの水源があるのだろう。
よく見ると、堀から街へと続く水路の様な物の跡が見える。
すでに枯れている様だが、平時であれば、きっと綺麗な水を流している事だろう。
そんなお城に俺は精霊さんに導かれるまま足を踏み入れた。
城ってのは、洋の東西を問わず複雑な構造をしている物だ。
華やかな場となるダンスホールや晩餐会場、王に謁見するための部屋などは、大概が正面からいける場所に配置されている。
だけど、俺が探しているのは、汚水が流れる地下深く。
華やかさの対極にある様な、そんな汚れた場所なんて物は、ほぼ例外なく正面玄関の反対側…つまりは城の裏側だ。
もちろん精霊さんも、お城の庭をふよふよと飛んで周って行くので、俺も後をついて行く。
城を取り囲む庭は、普段はきちんと手入れされているんだろう。
管理する人が居なくなって、幾分雑草が生えたり木々の枝が不格好に伸びたりしているが、十分に整っていると言える。
そんな庭を歩いていると、時々ゾンビが物陰から出て来るので、即座に斬って焼き捨てる。
こうなると、お城の中もきれいに掃除した方が良いかな?
でも、隅々までゾンビを掃除してまわると、かなりの時間が掛かるんだよなあ。
ま、ダンジョンマスターを助け出して、あのヒルコを倒した後に、結界使って丸焼きでもいいかな。
アホな事を考えつつ掃除をしながら、俺と精霊さんはお城の裏にあると思われる、地下の暗い施設への入り口を目指した。
そう問われたら、間違いなく父であるヴァルナル・デ・アルテアン侯爵であると、誰もが答えるだろう。
では、一番怖いのは? 怒らせてはいけない人は?
そう問われれば、全員一致で光の速さでこう答える。
母である、ウルリーカ・デ・アルテアン侯爵夫人、その人だと。
そう、それを俺は今目の前で目の当たりにしている。
『ぉーーーーほっほほ…かかってきなさーーーーい! うりゃーーーーーー!』
馬鹿でかい超重量級のハルバードを装備したウルスラグナは、ゾンビと見るや一刀両断。
即座に右手を分断されたゾンビに向けると、背中に背負った樽から繋がったホースから飛び出す油を振り撒きつつ、標準固定装備(精霊さん協力ありがとう)として右手に内蔵されている火弾を打ち込む。
火の精霊さんの力で実現した、簡易火炎放射器だ。
高笑いをしながら、左手でハルバードを振りまわし、右手で敵を焼き尽くす…悪役にしか見えん。
「お義母さまに続きますわよ!」「「「「はいぃ!」」」」
バーサーカーとなった母さんに刺激されたのか、メリル筆頭に嫁達のヤル気も燃え上がってしまった。
いや、良い事なんだけど…。
「死にさらせ―――!」
「もう、ほとんど死にかけですけどね」
ウルスラグナに乗るサラとリリアさんも、母さんに続けと剣と戦槍を揮う。
「お母さん、やるね~! ユリアちゃん、私達もいきましょう!」「はい、おねえちゃん!」
妹達も、滅茶苦茶にヤル気になっている。
え~っと…それじゃ、俺は皇都の中心にある、お城探索に行ってもいいかな? いいとも~!
1人で小芝居しながら、俺はお城の地下にあるというダンジョンの入り口を目指した。
お供には、ダンジョンの位置を把握している、精霊さんがいっぱい。
振り返らずとも、我が家の蹂躙が激しいのが分かる。
だって、ドッカンドッカンともの凄い音が背後でしてるから。
もう、誰も蟲に寄生される心配も無いし、あれだけ士気が上がってたら、まあ問題すら起きないだろう。
そんな事を考えながら、俺は人通りの無い通りを、散歩でもするような足取りで、真っすぐにお城へと向かった。
途中、稀にフラフラとゾンビが出てくるが、全て瞬殺。
即座に火の精霊さんが焼いてくれるので、肩にかけた吸いとーる君で、灰まで即座に回収。
俺の歩みを止める事は、誰にもできないのだよ!
な~んて事を考えながら、またもやぼっちらぼっちらと城を目指して歩くのだった。
皇都の城は、我がグーダイド王国の城よりも、少しだけ小さかった。
城を取り囲むお掘の水は薄汚れ、もはや汚水と言っても過言では無い状態だった。
もしかしたら、このゾンビ騒ぎのせいで、普段であれば流している綺麗な水がせき止められたままなのかもしれない。
こういった堀は、河川などから水を引きいれる事によって、淀まぬ様にしているはずなのだが、平地に造られたこの城の堀は、どうやら構造が違うらしい。
引き込んでるのは、地下水とかかな?
きっと、御城の地下とかには、こんこんと湧き出る水量の多い井戸か何かの水源があるのだろう。
よく見ると、堀から街へと続く水路の様な物の跡が見える。
すでに枯れている様だが、平時であれば、きっと綺麗な水を流している事だろう。
そんなお城に俺は精霊さんに導かれるまま足を踏み入れた。
城ってのは、洋の東西を問わず複雑な構造をしている物だ。
華やかな場となるダンスホールや晩餐会場、王に謁見するための部屋などは、大概が正面からいける場所に配置されている。
だけど、俺が探しているのは、汚水が流れる地下深く。
華やかさの対極にある様な、そんな汚れた場所なんて物は、ほぼ例外なく正面玄関の反対側…つまりは城の裏側だ。
もちろん精霊さんも、お城の庭をふよふよと飛んで周って行くので、俺も後をついて行く。
城を取り囲む庭は、普段はきちんと手入れされているんだろう。
管理する人が居なくなって、幾分雑草が生えたり木々の枝が不格好に伸びたりしているが、十分に整っていると言える。
そんな庭を歩いていると、時々ゾンビが物陰から出て来るので、即座に斬って焼き捨てる。
こうなると、お城の中もきれいに掃除した方が良いかな?
でも、隅々までゾンビを掃除してまわると、かなりの時間が掛かるんだよなあ。
ま、ダンジョンマスターを助け出して、あのヒルコを倒した後に、結界使って丸焼きでもいいかな。
アホな事を考えつつ掃除をしながら、俺と精霊さんはお城の裏にあると思われる、地下の暗い施設への入り口を目指した。
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