システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
629 / 1,466

バーサーカー爆誕!

しおりを挟む
『ぉーーーーほっほほ…かかってきなさーーーーい! うりゃーーーーーー!』
 ……あれが皇都を暴れ回り破壊の限りを尽くしている魔王…じゃなく、我が母です。

 着替えが済んで、ウルスラグナに乗り込んだ母さん、そしてサラとリリアさん。 
 サラとリリアさんの事は、何の心配もしていない。
 きっと、すぐにこいつを乗りこなすだろう。
 ただ、母さんが慣れるまでには、相当な時間が掛かるだろうと思っていた。
 何せ、元は平民で戦いとは無縁の世界に居た人だ。
 元々負けん気の強い性格だし、女性だからとか母親だからとかを別としても、芯の強い女性なのは確かだ。
 だが、戦争で両親を無くしてしまっている人だし、こういった直接的に暴力を揮うって事を嫌ってると考えていた。 
 だからいつも直接的な暴力からはなるべく遠ざけていたのだが、父さんの戦闘力が今回はどうしても欲しくなったんだ。
 今回の皇都殲滅は、スピードが最優先なのだから、あの戦闘力を放っておくのは勿体ない。
 そこで、蟲に寄生される事の無いウルスラグナに乗せて、共に戦おうと思ったんだ。
 もちろんサラとリリアさんも参加。
 そうすると、母さんだけがホワイト・オルター号に残る事になる。
 いや、ブレンダーやクイーン達も残るには残るのだが、やっぱり寂しいだろう…と。
 ならば、父さんに付いて行く事が出来る様に、ウルスラグナに乗せちゃえって思ったんだけど、結果がアレでした。
 
 父さんとサラは、巨大なバスターソードを武器に選択し、母さんとリリアさんは、これまた巨大なハルバードを選択した。
 搭乗した当初はもたついていたが、さすが筋肉バカ…いや、高い運動能力を持つ父さん。
 すぐに順応して、バスターソードを振りまわし始めた。それも、めっちゃ高速で。
 まあ、サラもリリアさんも、謎の管理局員能力で、簡単に乗りこなせるだろうから特に気にもしてないのだが、問題は母さんだ。
 我が家において最強の女帝ではあるが、それはあくまでも精神的な物であって、身体はいたって普通の女性。
 いつも戦う父さんを背後でニコニコと見守っている母さん。
 怒ると怖いけど、本当は誰よりも家族想いな母さん。
 俺が何かしでかしても、絶対に俺の味方でいてくれる母さん。
 そんな母さんだからこそ、取りあえず歩かせることが出来たらいいなあ、寂しくない様に、父さんのあとを付いていければいいなあ…ぐらいの考えで、あれに乗せたのだが…何と、瞬時に乗りこなしてしまった。
 しかも、どっかの映画で見た、青龍偃月刀を揮う関羽雲長の様に、豪快にして華麗な槍捌きを披露した。
 これには、一同唖然呆然、言葉も出なかった。 
 
「お義母さま…流石ですわ…」
「流石です!」
「お義母さま…す、すごい!」
「あれほどの技を、どこで…」
「お義母さま、ぜひとも手合わせを!」
 嫁達は、口々に母さんを褒め讃え(?)、妹達は、
「お母さま、いつの間に練習を?」
「おかあさん、かっこいい!」
 そう口にしていた。

 まさか母さんまでもが人外だったとは…というのが、俺の素直な感想だ。
 母さんが人外だと分ったのなら、もうあとはどうにでもなれ!

「それじゃ、全員用意出来たみたいなので、皇都殲滅作戦を開始します! あ、ウルスラグナ組は、突入前に背中に油樽を括り付けるからね。自分で叩き切って、自分で焼いてください」
 ウルスラグナ組は、武器を軽く挙げて了承の意を表し、残るメンバーはこっくりと頷く。
「突入は、ウルスラグナ組とアーデの5人で1チーム、コルネちゃんユリアちゃんと、ユズキとユズカ、ナディアとアームの6人で1チーム、メリル、ミルシェ、ミレーラ、マチルダ、イネスとアーフェンの6人で1チーム。これで皇都のゾンビを根絶やしにして欲しい。俺はダンジョンを探し出して、ダンジョンマスターを救出する」
 俺はゆっくりと全員に視線を巡らせた後、
「作戦は以上! では、諸君の健闘を祈る。作戦開始!」
 俺達は、一斉に変身し、皇都へと突入した。
 そして…巨大なハルバードを揮い、縦横無尽に皇都を駆け周り、ゾンビを一刀両断するバーサーカーが誕生したのであった。

 俺は悪くない…多分、悪くない…。
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

処理中です...