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結界って…自由?
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「なあ、コルネちゃん、ちょっと聞いてもいいかな?」
こんな時なんだが、ふと気になった事があったので、俺の背後で黙って俺を見ていたコルネちゃんに声を掛けた。
「ひゃ、ひゃい! なんですか、お兄ちゃん!」
何をテンパってるのか分からないが、
「あのさ、ブレンダーとクイーンはどこいった?」
確かにこの飛行船に乗り込んでたはずなんだが、そういえばここ数日、あいつらの姿を見て無い気がする。
「え? ブレちゃんとクイーンちゃんは、上で寝てるけど?」
そう言って、天井を指さすコルネちゃん。
「上? …天井?」
思わずコルネちゃんの指さす天井を見上げた俺だが、
「違うよー! 荷物室の事だよ!」
怒らりた…
「カーゴルームで…寝てる?」
上って、カーゴルームの事? そこで惰眠を貪ってるの? 忠実なペットなのに?
「うん。ずっと大人しく寝てるよ?」
そ、そうですか…まあ、あいつらが蟲に寄生されたら、どんな事態が引き起こされるかわからんから、引きこもってくれるのは構わないんだが、寝てるのか…そっか…後で、拳骨くれてやろう。
「急にどうしたの?」
「いや、最近とんと姿を見ないなあと思ってね…寝てるならいいんだ、寝てるならね」
うん、どうせ今回は戦力にならないから、どうでもいいか。
さて、では本題です。
「皆、心配かけたみたいだね…ごめん。もう落ち着いたから。それで、あの結界の中で見た物の事を話そうと思うから、席に着いてくれないかな…」
全員が席に着くのを待ち、俺は結界の中に見たあいつの話を始めた。
俺が見た結界内の様子と、あいつその物の話だ。
「俺があの結界のドームの中で見たのは、得体の知れない物だった…どう表現すればいいんだろうか…俺が思う心の闇というか人が根源的に恐怖する物というか…いや、闇や恐怖その物を固めて人の形にしたのが、アレになんじゃないかと思う…」
その姿を想像したのか、誰も言葉を発さない。
しんと静まった食堂で、俺は話を続けた。
「あの豪炎でも燃やし尽くせぬ耐久力と生命力を持つ生物なんて、正直言ってどうやって倒せばいいのか、皆目見当がつかない…何か、良い案はないだろうか?」
もう切羽詰まってるんだ。
俺の貧弱な発想力とかじゃ、とてもじゃないがもう倒す方法を思いつかん!
「トールよ…良い案と言ってもだなあ…」
あ、脳筋の父さんには、もともと期待してないから。
「おにいちゃん、こるね、すっごくかんがえたんだけど」
おお! 愛しの妹天使ちゃん! 何を考えたのかな? お兄ちゃん、すっごく聞きたい!
「えいっ! ってみんなでなぐったらいいとおもう!」
「うん、そうだね…それもいいね」
幼女に期待した俺が馬鹿だった。
「伯爵様、ちょっといいですか?」
「ん? ユズキ、何かいいアイディアでもあるのか?」
こいつは、内緒にしてるけど現代地球からの転移者だからな。
知識は豊富にあるはず…あるよね?
「いえ、そのそも何でアレは変質したんでしょうか?」
「ん? そりゃ、あのダンジョン蟲に寄生されたからじゃね?」
「ですよね。それならば、その蟲を造りだしたダンジョンマスターなら、いいアイディアがあるんじゃないですか?」
「あっ!」
そうだ、そうだよ! こんな重要な事を忘れてたなんて!
「そう言えばそうですね。造り出した時とは、違ってしまったかもしれませんけれど、何かヒントがあるかもしれませんね」
マチルダもその考えには賛同の様だな。
「なるほど、確かにユズキの言う様に、ダンジョンマスターに聞くのも手ですわね」
メリルもか…。
ならば、ここでやる事は1つだな。
「よし! あいつを倒すのは一先ず後回しにして、取りあえず最初の目的通り、ダンジョンマスターを助け出そう!」
力強くそう俺が宣言すると、全員が『おぅー!』と天に拳を突き上げた。
訂正、コルネちゃん以外でした。
「お兄ちゃん…アレは地面を溶かしちゃうんでしょ? 倒す方法が見つかるまで、閉じ込めておけるの?」
おお、そうだった。
一応、土の精霊さんが地面を固めてくれるとか言ってたけど、保険を掛けるとすっか。
「ああ、うん。地面は魔法で硬く硬くしたから、多分大丈夫だと思うけど、結界をあいつの下まで伸ばしておくよ」
「「「「伸ばす?」」」」
何故かこれに妖精族4人が反応した。
あ、普段から結界使ってるから、そんな使い方が出来るのかっていう疑問からかな?
「ああ、伸ばす。本来、結界の形というのは、自由な物なんだ。ドームの様にして自分の周りに張ったり、強固な板状にして敵の攻撃を防ぐのは、皆も知っていると思う」
全員、コクコクと頷き、静かに俺の話の続きを待っている。
「その形っていうのは、あくまでも使いやすいからその形状にしているだけなんだよ。普通、足の下から攻撃されないだろ? だからドーム型。背後に敵がいないのであれば、前面だけ防御出来ればいいから、盾の様な板状」
俺の説明に、ふむふむと考える一同。
「でもよく考えてみて。ホワイト・オルター号は、球状の結界でしょ?」
おおっ、確かに! って顔してるな、皆。
「ユズキの装備の両の拳からから放たれるのは、超高速振動を伴った高強度の結界だでしょ?」
ユズキが恥ずかしがってるが、ユズカはもの凄い勢いで首を縦に振ってるな…ユズカ、本当に分ってるか?
「つまりは、結界の形状ってのは、本来自由なんだよ。だから、あのドーム状の結界の外周に沿って、あそこから真下に向かって円筒状の結界を張る。地面はがちがちに固めたけど、それでも溶かされないって保証はないから、幾ら掘っても横には逃げ出せない様にね」
俺に説明に、どうやら納得してくれた様だ。
あとで、ちょっと結界の設定を変えておこう。
「よし、そうと決まれば、さっさと皇都のゾンビを殲滅しよう! 様子見とかいらないから、全力で行くよ!」
俺の全力全開宣言に、突入組は気合を入れ直すのであった。
こんな時なんだが、ふと気になった事があったので、俺の背後で黙って俺を見ていたコルネちゃんに声を掛けた。
「ひゃ、ひゃい! なんですか、お兄ちゃん!」
何をテンパってるのか分からないが、
「あのさ、ブレンダーとクイーンはどこいった?」
確かにこの飛行船に乗り込んでたはずなんだが、そういえばここ数日、あいつらの姿を見て無い気がする。
「え? ブレちゃんとクイーンちゃんは、上で寝てるけど?」
そう言って、天井を指さすコルネちゃん。
「上? …天井?」
思わずコルネちゃんの指さす天井を見上げた俺だが、
「違うよー! 荷物室の事だよ!」
怒らりた…
「カーゴルームで…寝てる?」
上って、カーゴルームの事? そこで惰眠を貪ってるの? 忠実なペットなのに?
「うん。ずっと大人しく寝てるよ?」
そ、そうですか…まあ、あいつらが蟲に寄生されたら、どんな事態が引き起こされるかわからんから、引きこもってくれるのは構わないんだが、寝てるのか…そっか…後で、拳骨くれてやろう。
「急にどうしたの?」
「いや、最近とんと姿を見ないなあと思ってね…寝てるならいいんだ、寝てるならね」
うん、どうせ今回は戦力にならないから、どうでもいいか。
さて、では本題です。
「皆、心配かけたみたいだね…ごめん。もう落ち着いたから。それで、あの結界の中で見た物の事を話そうと思うから、席に着いてくれないかな…」
全員が席に着くのを待ち、俺は結界の中に見たあいつの話を始めた。
俺が見た結界内の様子と、あいつその物の話だ。
「俺があの結界のドームの中で見たのは、得体の知れない物だった…どう表現すればいいんだろうか…俺が思う心の闇というか人が根源的に恐怖する物というか…いや、闇や恐怖その物を固めて人の形にしたのが、アレになんじゃないかと思う…」
その姿を想像したのか、誰も言葉を発さない。
しんと静まった食堂で、俺は話を続けた。
「あの豪炎でも燃やし尽くせぬ耐久力と生命力を持つ生物なんて、正直言ってどうやって倒せばいいのか、皆目見当がつかない…何か、良い案はないだろうか?」
もう切羽詰まってるんだ。
俺の貧弱な発想力とかじゃ、とてもじゃないがもう倒す方法を思いつかん!
「トールよ…良い案と言ってもだなあ…」
あ、脳筋の父さんには、もともと期待してないから。
「おにいちゃん、こるね、すっごくかんがえたんだけど」
おお! 愛しの妹天使ちゃん! 何を考えたのかな? お兄ちゃん、すっごく聞きたい!
「えいっ! ってみんなでなぐったらいいとおもう!」
「うん、そうだね…それもいいね」
幼女に期待した俺が馬鹿だった。
「伯爵様、ちょっといいですか?」
「ん? ユズキ、何かいいアイディアでもあるのか?」
こいつは、内緒にしてるけど現代地球からの転移者だからな。
知識は豊富にあるはず…あるよね?
「いえ、そのそも何でアレは変質したんでしょうか?」
「ん? そりゃ、あのダンジョン蟲に寄生されたからじゃね?」
「ですよね。それならば、その蟲を造りだしたダンジョンマスターなら、いいアイディアがあるんじゃないですか?」
「あっ!」
そうだ、そうだよ! こんな重要な事を忘れてたなんて!
「そう言えばそうですね。造り出した時とは、違ってしまったかもしれませんけれど、何かヒントがあるかもしれませんね」
マチルダもその考えには賛同の様だな。
「なるほど、確かにユズキの言う様に、ダンジョンマスターに聞くのも手ですわね」
メリルもか…。
ならば、ここでやる事は1つだな。
「よし! あいつを倒すのは一先ず後回しにして、取りあえず最初の目的通り、ダンジョンマスターを助け出そう!」
力強くそう俺が宣言すると、全員が『おぅー!』と天に拳を突き上げた。
訂正、コルネちゃん以外でした。
「お兄ちゃん…アレは地面を溶かしちゃうんでしょ? 倒す方法が見つかるまで、閉じ込めておけるの?」
おお、そうだった。
一応、土の精霊さんが地面を固めてくれるとか言ってたけど、保険を掛けるとすっか。
「ああ、うん。地面は魔法で硬く硬くしたから、多分大丈夫だと思うけど、結界をあいつの下まで伸ばしておくよ」
「「「「伸ばす?」」」」
何故かこれに妖精族4人が反応した。
あ、普段から結界使ってるから、そんな使い方が出来るのかっていう疑問からかな?
「ああ、伸ばす。本来、結界の形というのは、自由な物なんだ。ドームの様にして自分の周りに張ったり、強固な板状にして敵の攻撃を防ぐのは、皆も知っていると思う」
全員、コクコクと頷き、静かに俺の話の続きを待っている。
「その形っていうのは、あくまでも使いやすいからその形状にしているだけなんだよ。普通、足の下から攻撃されないだろ? だからドーム型。背後に敵がいないのであれば、前面だけ防御出来ればいいから、盾の様な板状」
俺の説明に、ふむふむと考える一同。
「でもよく考えてみて。ホワイト・オルター号は、球状の結界でしょ?」
おおっ、確かに! って顔してるな、皆。
「ユズキの装備の両の拳からから放たれるのは、超高速振動を伴った高強度の結界だでしょ?」
ユズキが恥ずかしがってるが、ユズカはもの凄い勢いで首を縦に振ってるな…ユズカ、本当に分ってるか?
「つまりは、結界の形状ってのは、本来自由なんだよ。だから、あのドーム状の結界の外周に沿って、あそこから真下に向かって円筒状の結界を張る。地面はがちがちに固めたけど、それでも溶かされないって保証はないから、幾ら掘っても横には逃げ出せない様にね」
俺に説明に、どうやら納得してくれた様だ。
あとで、ちょっと結界の設定を変えておこう。
「よし、そうと決まれば、さっさと皇都のゾンビを殲滅しよう! 様子見とかいらないから、全力で行くよ!」
俺の全力全開宣言に、突入組は気合を入れ直すのであった。
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