システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
621 / 1,466

言質とったどーー!

しおりを挟む
 銀ピカの鎧に身を包んだ俺は、またもやドームの最上部まで、一気に駆け上がった。
 もちろん、そのクルミみたいな奴の様子を、よく見る為だ。
 俺が天辺にたどり着くと、なぜか後からナディアやアーデ、アーム、アーフェンと、男の夢が現実化したような、可憐で可愛い手乗りサイズの妖精さんが、美しい羽根をパタパタさせながら、いっぱい近寄って来た。
 あの聖なる戦士のエンディングで、全裸で軽やかに駆ける妖精の姿は、俺のハートをガッチリつかんで今でも目を閉じれば浮かんでくる、美しい姿だった。
 あれを元にデザインした妖精さん達なのだから、可愛くないはずが無い! いや、可愛いに決まっている!
 本当は、あの可愛らしいハイレグのレオタード姿にしたかったんだが…なぜか、最近の妖精さんの服装は、露出が減る一方だ。
 
 俺以外には、その姿をはっきりとは見る事が出来ない精霊さん。
 いや、何故か装備越しだと精霊さんの姿が見えたり、存在を感じる事が出来るそうだが、その姿は見た人によって結構違いがある様に感じる。
 俺が見てる精霊さんの姿も、本当は違うのかもしれないのだけど…丸っこくて可愛いんだよなあ。
 そんな精霊さんの服装は、作業服だったり、レオタードだったり、ピチピチのボディースーツだったり、忍者だったりと様々だが…元が丸いから、エロくも無くて、何だか微笑ましく見えるだけ。
 そう、色気なんて全然感じないのだよ…残念だ。

『マスターは、そのレオタードというのがお好みなのですか?』
 ぶはっ! な、何を言い出すんだね、ナディア君!
『仰っていただけたら、すぐに脱ぎますが?』
『『『そうですそうです!』』』
 ナディア、何を言ってるんだ!
 アーデもアームもアーフェンも、そんな事を言っちゃいけません!
 君達は、そのままが一番可愛いんだから、脱ぐとか言っちゃだめです!
『でも、マスターはいつか私達と子作りしますよね?』
 …はぁ? 
『ずっと前に、約束してもらいましたから』
『はっきりと』『間違いなく』『聞きました』
 いや、言ってないぞ! 言ってないからな!
『そうですか? では、奥様方にもう一度相談しなくては…』
 ちょっと待てーーーい! もう一度? 今、もう一度って言ったよな?
『はい、言いましたが、何か?』
 もしかして、俺の嫁さん達に、それ言ったの?
『ええ、勿論です』
『当然!』『ずっと前に!』『結婚式の後に!』
 うぇ? 4人共?
『はい、奥様達とお話ししましたけど?』
『『『奥様が先なら、全然かまわないって言われました!』』』
 ぬぉ!? 嫁さんが先なら…え? 何がとは聞いたらまずいんだろうな…多分、話の流れからすると…
『『『『子作りです!』』』』
 やっぱそうか!
『ですので、いつでも仰って下さったら、脱ぎますよ?』
『『『全裸です!』』』
 だめだめだめだめだめーーーーーーーーー!
 皆には、清い身体のままでいて欲しいの! 
『なるほど…それも奥様に相談してみましょう』
 …そう言えば、さっきも相談とか言ってたな…
『ええ、奥様が懐妊したら、ローテーションに入れて頂けると』
 ローテーション…って、嫌な予感が…
『もちろん、夜の営みのです』
 すとっぷすとっぷ、ストーーープッ!
 無いからな? 嫁さん達に相談しても、ローテーションには入れないからな?
『安心してください。マスターのお手は煩わせません。ローテーション管理は、奥様序列1位のメリル様がしているそうですから』
 ナニ、ソレ…ハジメテキイタンダケド…。
 俺、管理されてたんだ…夜の事まで…。
『ですから、相談するのは当然かと…そう言えば、サラもローテーション入りを希望していた様です』
 何だよ、ローテーション入りって。プロ野球の、先発投手陣かよ…。
 じゃ無くて、サラだけは絶対に無い!
『そうですか? わかりました』
 ほっ…分ってくれて良かったよ。
『念の為にもう一度だけお聞きしますが、サラだけは絶対に無いのですね? 男に二言は無いですよね?』
 え、ああ…うん…あれ? 俺、何かやらかしたか?
『では、その様に奥様方にはその様に報告しておきます。サラだけは無い…つまり、私達ならOKだと。言質とったどーー!』
 んぎゃーーーーーーーーーーーーー! 
『二言は無いそうです。アーデ、アーム、アーフェン、楽しみですね』
『『『楽しみですね~♪』』』
 ………自爆しちゃったのか、俺?

 微妙に落ち込み、ドームの天井にがっくりと手を付き膝まづいて落ち込んでいると、何だか違和感が。
 その正体は、視線。
 どこからか、視線を感じたんだ。
 でも、どこから?
 辺りをキョロキョロと見まわしたが、妖精族が俺の周りには居るだけ。
 もちろん、全員が俺に視線を向けているわけだけど…そんな視線じゃない。
 こう…憎悪とか怒りとか…ドス黒くドロドロとした纏わりつくような、恨みというか負の感情というかが籠った視線。
 何気なく真下…ドームの中を見てみると、視線をもっと強く感じた。
 よく目を凝らしてみると、クルミの割れ目のその奥から、それは俺に向けて放たれていた。
「げっ!」
 そう、視線の主は、クルミの割れ目から、俺を見ていた目玉だったのだ。  
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...