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ニューヴァージョン変身
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新し〇朝が来た~希望〇朝だ~喜び〇胸を開け、大空仰げ……
えぇ…ゴホン! さて、作戦決行の朝です。
俺は歌に合わせて、体の節々をゆっくりと伸ばしていた。
周囲では、歌に合わせて、めっちゃ精霊さん達もストレッチ中。
その丸っこい体でストレッチしても、あんまし意味ないんじゃないだろうか?
まあ、俺以外の誰にも精霊さんの姿は見えないはず。
いや、何故か変身した人には精霊自体は感じる事が出来る様だし、妖精達にはある程度その姿が、サラやリリアさんにははっきりと見える様だけど。
サラやリリアさんはどうでもいいけど、父さんや母さんを始め、家族達がこんなに可愛い精霊さん達の姿を見る事が出来ないなんて残念な事だ。
んで、冒頭の歌は何だったんだって?
そりゃ、清々しい早朝といえば、思いだすのはこの歌でしょう。
え、そう思ってるのは、せいぜい昭和のおっさんだけだってか?
やかましいわ!
平成の子供達だって、絶対しってるはずだ!
え? すでに地球では…日本では、平成が終わってるんだぞって?
そうでした…ごめんなさい…
軽く空手の型練習をしつつ、周りで真似をしている可愛い精霊さんに癒されていると、不意に頭の中にサラの声が響いた。
『朝から、何を妄想しながら鍛錬してるんですか?』
いや~ついつい、この朝の静謐な空気というか、寝起きで上がった体温を鎮めるかのように肌を撫でる冷たい風が、夏休みの早朝のラジオ体操を思い出させたんだよ。
『ふ~~~ん。どうでもいいです』
お前が聞いてきたんだろうが!
『さっさと汗を流してご飯食べて下さい。片付きませんから』
…そうですね、ごめんなさい…
さて、シャワーで汗を流し、身だしなみを整え、朝食をすませた頃には、もう全員が準備万端で飛行船の前に集合していた。
事前に説明をしたが、はっきり言って、全員は必要ない。
基本的には、俺とユズ&ユズでやっちゃうつもりだ。
補助にモフリーナとモフレンダ、それと嫁達と妖精達を連れてはいくが、基本的には不要。
だって、シールドで囲って、俺の創りだした大量の新型メタン水和化合物をぶっかけて火を点けるだけの簡単なお仕事。
新型メタン水和化合物とは何ぞや? と思う方も居るだろう。
これは、常温常圧では安定しないメタンハイドレートと、サラが管理局のデータからお勧めできる、どっかの世界の化石燃料の一種を混合? 合成? した、新型燃料…を創造したカード。
とは言っても、良く分からんこの世界に無い物質と加工方法なので、もしもメタンハイドレートが見つかったとしても、世界で安定・恒常的に燃料として使用する事は出来ない、まさにこの為だけ、一回こっきりの燃料なのだ。
ヒルコをシールドで囲った後にこいつを投入して燃料をばらまき、精霊さんに着火してもらう。
火の精霊さんは、着火後にすぐにシールドの外に逃げてもらい、直後から風の精霊さんがシールドにガンガン新鮮な空気を送り込むことで、燃焼を加速。
排出されるガスは、シールドの天辺から排気され、煙に含まれる微細な塵や灰などは、シールドに引っかかる。
シールドの外に排出されたガスは、水の精霊さんが水をミスト状にして冷ます。
同様に内部の熱で高温となるであろうシールドも、冷やしてもらう。
ヒルコが燃え尽きたら、シールド内も冷やしてもらい、ついでに内部の塵も水と土の精霊さんの力で、水と土に閉じ込めてもらって、吸いとーる君で纏めて吸い取って終了。
言葉で説明すると、結構長くなってしまうが、やる事は大してない。
ほぼ精霊さん任せとも言う…。
んじゃ、何の盛り上がりも無いけれど、解説も終わった事だし、早速始めましょうかね。
『誰に対しての解説なのですか?』
細かいとこにツッコミ入れるなあ…視聴者の皆様だよ、リリアさん。
『…そ、そうですか…視聴者の皆様…ね。ほう…なる程…』
ん? リリアさんの返事が、何かおかしい…
『いえいえ、何もおかしくはありませんよ? ああ、そうですそうです、時間が無いのでしたね。さあ、早速始めましょう!』
……何か腑に落ちないけど…まあ、時間が無いのは確かだから、始めようか…腑に落ちないけど…
俺がシールド発生装置の元へと行き、遠くに見えるヒルコを睨み付けた後、そっと目を閉じて右手をその幹へと添える。
後ろには、ユズ&ユズを始め、我が家のメンバーが事の成り行きを見守っていた。
ゆっくりと大きく深呼吸をし、ゆっくりと目を開けて、
「シールド発生装置、起動!」
その声に呼び覚まされたのか、シールド発生装置の巨大な樹が、機械的な ヴヴヴヴヴヴヴ…と低周波音を響かせた。
次いで、微かに発生装置が光ったと思ったら、光の奔流が巨大な樹からヒルコへと向かって一直線に飛ぶ。
光の奔流は、ヒルコへと到達すると、その巨体を飲み込み、微かに輝く半球状のドームとなり、ヒルコをその中へと閉じ込めた。
うっし! 第一段階、クリアーだ。
「目標を結界に閉じ込める事に成功。次は、あいつを結界の中で燃やすぞ!」
別に誰かに聞かせる為じゃなく、自分を鼓舞する意味で、俺は大きな声で吠える。
「「「「「はい!」」」」」
だが、背後から、力強く同調する声が聞こえる。
振り返らなかったので、誰かはわからない。
だが、嫁達であると思いたいし、信じたい。
だって、その声は、俺に途轍もない勇気を与えてくれたのだから。
俺は、ゆっくりと…そう、ゆっくりと1歩1歩ヒルコに向かい歩み出した。
それじゃ、ここでらで一丁、ニューヴァージョン変身やっときますか。
「姓はアルテアン…名はトールヴァルド…」
トール君、逝きまーーーーす!
「天が呼ぶ…地が呼ぶ…人が呼ぶ…。 悪を倒せと…俺を呼ぶ!」
俺の台詞と同時に、腰にいつものベルトが現れる。
「変身! 正義の戦士…メタルガーーーーーード!」
俺は両手のコイルスプリングを激しく合わせ…たりはしないぞ?
だって、変身にそんなギミックは仕込んで無いからな。
だが、俺はゆっくりと歩きながら、左手は握って腰に、右手は真っすぐ左斜め上に伸ばして、右へと大きく回す。右手が右斜め上45度にまできたら素早く握り腰に引き付け、左手を右斜め上へと真っすぐのばす。
ってか、そもそも、掛け声もポーズも必要ないんだけどね、変身には。
ヒルコにゆっくりと向かう俺の身体は、眩い光に包まれたかと思うと、次の瞬間には、銀色に輝くアーマーを身に纏った、メタルガードへと変身を完了した。
このゆっくり歩きながら変身する姿って格好いいよな? な?
『何故に、変身の台詞を変えたんですか?』
いや、そろそろ格好つけてもいいんじゃないかと思ったら、これが頭に浮かんできて…
『変なフラグにならなきゃいいですけど…』
いやなこというなよな、サラ…本当にフラグになってたら、どうしてくれんだよ。
えぇ…ゴホン! さて、作戦決行の朝です。
俺は歌に合わせて、体の節々をゆっくりと伸ばしていた。
周囲では、歌に合わせて、めっちゃ精霊さん達もストレッチ中。
その丸っこい体でストレッチしても、あんまし意味ないんじゃないだろうか?
まあ、俺以外の誰にも精霊さんの姿は見えないはず。
いや、何故か変身した人には精霊自体は感じる事が出来る様だし、妖精達にはある程度その姿が、サラやリリアさんにははっきりと見える様だけど。
サラやリリアさんはどうでもいいけど、父さんや母さんを始め、家族達がこんなに可愛い精霊さん達の姿を見る事が出来ないなんて残念な事だ。
んで、冒頭の歌は何だったんだって?
そりゃ、清々しい早朝といえば、思いだすのはこの歌でしょう。
え、そう思ってるのは、せいぜい昭和のおっさんだけだってか?
やかましいわ!
平成の子供達だって、絶対しってるはずだ!
え? すでに地球では…日本では、平成が終わってるんだぞって?
そうでした…ごめんなさい…
軽く空手の型練習をしつつ、周りで真似をしている可愛い精霊さんに癒されていると、不意に頭の中にサラの声が響いた。
『朝から、何を妄想しながら鍛錬してるんですか?』
いや~ついつい、この朝の静謐な空気というか、寝起きで上がった体温を鎮めるかのように肌を撫でる冷たい風が、夏休みの早朝のラジオ体操を思い出させたんだよ。
『ふ~~~ん。どうでもいいです』
お前が聞いてきたんだろうが!
『さっさと汗を流してご飯食べて下さい。片付きませんから』
…そうですね、ごめんなさい…
さて、シャワーで汗を流し、身だしなみを整え、朝食をすませた頃には、もう全員が準備万端で飛行船の前に集合していた。
事前に説明をしたが、はっきり言って、全員は必要ない。
基本的には、俺とユズ&ユズでやっちゃうつもりだ。
補助にモフリーナとモフレンダ、それと嫁達と妖精達を連れてはいくが、基本的には不要。
だって、シールドで囲って、俺の創りだした大量の新型メタン水和化合物をぶっかけて火を点けるだけの簡単なお仕事。
新型メタン水和化合物とは何ぞや? と思う方も居るだろう。
これは、常温常圧では安定しないメタンハイドレートと、サラが管理局のデータからお勧めできる、どっかの世界の化石燃料の一種を混合? 合成? した、新型燃料…を創造したカード。
とは言っても、良く分からんこの世界に無い物質と加工方法なので、もしもメタンハイドレートが見つかったとしても、世界で安定・恒常的に燃料として使用する事は出来ない、まさにこの為だけ、一回こっきりの燃料なのだ。
ヒルコをシールドで囲った後にこいつを投入して燃料をばらまき、精霊さんに着火してもらう。
火の精霊さんは、着火後にすぐにシールドの外に逃げてもらい、直後から風の精霊さんがシールドにガンガン新鮮な空気を送り込むことで、燃焼を加速。
排出されるガスは、シールドの天辺から排気され、煙に含まれる微細な塵や灰などは、シールドに引っかかる。
シールドの外に排出されたガスは、水の精霊さんが水をミスト状にして冷ます。
同様に内部の熱で高温となるであろうシールドも、冷やしてもらう。
ヒルコが燃え尽きたら、シールド内も冷やしてもらい、ついでに内部の塵も水と土の精霊さんの力で、水と土に閉じ込めてもらって、吸いとーる君で纏めて吸い取って終了。
言葉で説明すると、結構長くなってしまうが、やる事は大してない。
ほぼ精霊さん任せとも言う…。
んじゃ、何の盛り上がりも無いけれど、解説も終わった事だし、早速始めましょうかね。
『誰に対しての解説なのですか?』
細かいとこにツッコミ入れるなあ…視聴者の皆様だよ、リリアさん。
『…そ、そうですか…視聴者の皆様…ね。ほう…なる程…』
ん? リリアさんの返事が、何かおかしい…
『いえいえ、何もおかしくはありませんよ? ああ、そうですそうです、時間が無いのでしたね。さあ、早速始めましょう!』
……何か腑に落ちないけど…まあ、時間が無いのは確かだから、始めようか…腑に落ちないけど…
俺がシールド発生装置の元へと行き、遠くに見えるヒルコを睨み付けた後、そっと目を閉じて右手をその幹へと添える。
後ろには、ユズ&ユズを始め、我が家のメンバーが事の成り行きを見守っていた。
ゆっくりと大きく深呼吸をし、ゆっくりと目を開けて、
「シールド発生装置、起動!」
その声に呼び覚まされたのか、シールド発生装置の巨大な樹が、機械的な ヴヴヴヴヴヴヴ…と低周波音を響かせた。
次いで、微かに発生装置が光ったと思ったら、光の奔流が巨大な樹からヒルコへと向かって一直線に飛ぶ。
光の奔流は、ヒルコへと到達すると、その巨体を飲み込み、微かに輝く半球状のドームとなり、ヒルコをその中へと閉じ込めた。
うっし! 第一段階、クリアーだ。
「目標を結界に閉じ込める事に成功。次は、あいつを結界の中で燃やすぞ!」
別に誰かに聞かせる為じゃなく、自分を鼓舞する意味で、俺は大きな声で吠える。
「「「「「はい!」」」」」
だが、背後から、力強く同調する声が聞こえる。
振り返らなかったので、誰かはわからない。
だが、嫁達であると思いたいし、信じたい。
だって、その声は、俺に途轍もない勇気を与えてくれたのだから。
俺は、ゆっくりと…そう、ゆっくりと1歩1歩ヒルコに向かい歩み出した。
それじゃ、ここでらで一丁、ニューヴァージョン変身やっときますか。
「姓はアルテアン…名はトールヴァルド…」
トール君、逝きまーーーーす!
「天が呼ぶ…地が呼ぶ…人が呼ぶ…。 悪を倒せと…俺を呼ぶ!」
俺の台詞と同時に、腰にいつものベルトが現れる。
「変身! 正義の戦士…メタルガーーーーーード!」
俺は両手のコイルスプリングを激しく合わせ…たりはしないぞ?
だって、変身にそんなギミックは仕込んで無いからな。
だが、俺はゆっくりと歩きながら、左手は握って腰に、右手は真っすぐ左斜め上に伸ばして、右へと大きく回す。右手が右斜め上45度にまできたら素早く握り腰に引き付け、左手を右斜め上へと真っすぐのばす。
ってか、そもそも、掛け声もポーズも必要ないんだけどね、変身には。
ヒルコにゆっくりと向かう俺の身体は、眩い光に包まれたかと思うと、次の瞬間には、銀色に輝くアーマーを身に纏った、メタルガードへと変身を完了した。
このゆっくり歩きながら変身する姿って格好いいよな? な?
『何故に、変身の台詞を変えたんですか?』
いや、そろそろ格好つけてもいいんじゃないかと思ったら、これが頭に浮かんできて…
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