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いける、いけるぞ!
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ホワイト・オルター号で、元の街門前まで戻って来た俺達だったが、誰も声を発する事なく、しーんとしていた。
そりゃ、あんなのを目の当たりにし、しかもこのままだと大惨事が確実に起こると分っているのだから、こうもなるだろう。
取りあえず、今日は全員部屋で休息をとりつつ、有効そうなヒルコ対策を各自で考え、明朝発表する事になった。
有効な対策なんて、この世界の人だったらまず考え出す事は出来ないだろう。
それは重々承知している。
元の地球の様な航空戦力がある分けでも無く、一気に焼失させるための核兵器がある分けでも無い。
いや、核兵器があった所で使う気は無いが、それぐらいの熱量が必要なはずだ。
俺も色々と考えながら、自室に引っ込んだ。
もちろんだが、誰にも思考の邪魔はされたくないので、扉はガッチリ施錠し、ベッドに大の字で寝ころんだ。
さて、誰にも邪魔されたくないのは、何も考え事のためだけじゃない。
サラとリリアさん、ナディア達とこそこそ連絡を取り合い、相談したかったからだ。
いや、浮気の約束とかじゃ無いからな? 邪推すんなよ?
あのクソでっかいヒルコの処分に関してどうするか相談したいだけだ。
『で?』
ん~サラに聞きたいのは、あいつを一撃で屠れる様な兵器を創れるかって事かな。
『なるほど…ちなみに、どんな兵器を考えてるんです?』
これだけは創りたくなかったが…油脂焼夷弾…つまり、ナパーム弾かな。
『確かに核兵器を使用せずに、広範囲を高温で燃焼させる為でしたら、それは有効かと思いますが…ちょっと待ってくださいね』
核兵器はなあ…使用後の放射能が問題なんだよ。
そもそも、あんな兵器をこの世界に持ち込んだりしたくない。
ナパーム弾だって、創りたくない。
神の御業なんて言葉では誤魔化しきれない威力の兵器だし、俺が神の名の元にそんな兵器を所有しているなんて人々が知ったら、最悪俺がこの世界の人々の敵になりかねない。
『大河さん、管理局に確認しましたけれども…使用した時の威力と効果を考慮した結果、ナパーム弾の創造は却下だそうです。同じ理由から、核兵器は全種類却下との事です』
却下か…ちょっとほっとした気がする。
『それでどうします?』
どうすっかなあ…確か弱点は乾燥とか言ってたよなぁ。
『シリカゲルでも撒きますか? 少々の量では乾燥しないと思いますけど』
乾燥材ねえ…生石灰とか撒いても良いかもしれないけど、あの巨体だと何千トンとか必要なんじゃね?
それをホワイト・オルター号でちまちま運んで撒いてて、はたして間に合うのか?
あいつには再生能力も有るんだよな? もしも乾燥した表面を脱皮みたいにして自ら剥がして再生されたらどうしようもない。
そもそもそれだけだと、あの蟲達は死なないはず。
一斉に成虫になって、周辺に飛散されたら、もう手の打ちようがない。
『なる程、貴方様の危惧する事はもっともだと思います。でしたら、あれの対策は如何いたしますか?』
リリアさんも、ちょっとは考えてくれよ…そもそも、この事態を引き起こした原因は、間接的に管理局にもあるんだから。
『むむ…確かに、その通りですね…。ですが…う~~~ん…』
ありゃま、リリアさんも思考の海に沈んだか。
『あの…マスター。ちょっとよろしいですか?』
ん?ナディアか…ごめん、考え込んでたよ。
んで、どうした?
『色々と知らない名前の兵器でしょうか? を、考えられてた様ですが』
あ、ああ…ナディアには通じなかったか?
『申し訳ありません。我々には不要な知識かと思い、そう言った部分に関しては、マスターの記憶を確認しておりませんでした』
いや、謝らなくても良い。
ナディア達には不要な知識だし、この世界にそもそも無い兵器なんだから、知る必要も無いさ。
『有難うございます。そう言っていただけて、ほっといたしました』
うん、それで何か言いたい事あったんじゃないのか?
『はい。ヒルコに関してですが、マスターは新しい兵器を創ろうとされてますが、本当に新しい兵器は必要なのでしょうか?』
どういう意味だ?
『例えばですが、ヒルコが逃げられない様にした上で、時間をかけて焼くという方法もあるのではないかと』
ほう? 逃げられない様に…逃げられない様に!?
『ええ。例えばシールドで完全に囲ってしまって、その中で燃やすとか…』
お、おお!?
待て待て待て、動けないようにするには、シールド発生装置を使って座標と大きさを設定すれば可能だ。
燃やすには…油があれば…いや、油じゃ燃焼温度が低いし、燃焼速度も遅いな。
ってことは、燃やすための燃料を創りだせば、もしかしたら…いけるかも!?
『ナイスだ、ナディア! いける、いけるぞ! よーし、後は俺に任せとけ!』
『お役に立てましたか、マスター?』
ああ、ばっちりだ!
そりゃ、あんなのを目の当たりにし、しかもこのままだと大惨事が確実に起こると分っているのだから、こうもなるだろう。
取りあえず、今日は全員部屋で休息をとりつつ、有効そうなヒルコ対策を各自で考え、明朝発表する事になった。
有効な対策なんて、この世界の人だったらまず考え出す事は出来ないだろう。
それは重々承知している。
元の地球の様な航空戦力がある分けでも無く、一気に焼失させるための核兵器がある分けでも無い。
いや、核兵器があった所で使う気は無いが、それぐらいの熱量が必要なはずだ。
俺も色々と考えながら、自室に引っ込んだ。
もちろんだが、誰にも思考の邪魔はされたくないので、扉はガッチリ施錠し、ベッドに大の字で寝ころんだ。
さて、誰にも邪魔されたくないのは、何も考え事のためだけじゃない。
サラとリリアさん、ナディア達とこそこそ連絡を取り合い、相談したかったからだ。
いや、浮気の約束とかじゃ無いからな? 邪推すんなよ?
あのクソでっかいヒルコの処分に関してどうするか相談したいだけだ。
『で?』
ん~サラに聞きたいのは、あいつを一撃で屠れる様な兵器を創れるかって事かな。
『なるほど…ちなみに、どんな兵器を考えてるんです?』
これだけは創りたくなかったが…油脂焼夷弾…つまり、ナパーム弾かな。
『確かに核兵器を使用せずに、広範囲を高温で燃焼させる為でしたら、それは有効かと思いますが…ちょっと待ってくださいね』
核兵器はなあ…使用後の放射能が問題なんだよ。
そもそも、あんな兵器をこの世界に持ち込んだりしたくない。
ナパーム弾だって、創りたくない。
神の御業なんて言葉では誤魔化しきれない威力の兵器だし、俺が神の名の元にそんな兵器を所有しているなんて人々が知ったら、最悪俺がこの世界の人々の敵になりかねない。
『大河さん、管理局に確認しましたけれども…使用した時の威力と効果を考慮した結果、ナパーム弾の創造は却下だそうです。同じ理由から、核兵器は全種類却下との事です』
却下か…ちょっとほっとした気がする。
『それでどうします?』
どうすっかなあ…確か弱点は乾燥とか言ってたよなぁ。
『シリカゲルでも撒きますか? 少々の量では乾燥しないと思いますけど』
乾燥材ねえ…生石灰とか撒いても良いかもしれないけど、あの巨体だと何千トンとか必要なんじゃね?
それをホワイト・オルター号でちまちま運んで撒いてて、はたして間に合うのか?
あいつには再生能力も有るんだよな? もしも乾燥した表面を脱皮みたいにして自ら剥がして再生されたらどうしようもない。
そもそもそれだけだと、あの蟲達は死なないはず。
一斉に成虫になって、周辺に飛散されたら、もう手の打ちようがない。
『なる程、貴方様の危惧する事はもっともだと思います。でしたら、あれの対策は如何いたしますか?』
リリアさんも、ちょっとは考えてくれよ…そもそも、この事態を引き起こした原因は、間接的に管理局にもあるんだから。
『むむ…確かに、その通りですね…。ですが…う~~~ん…』
ありゃま、リリアさんも思考の海に沈んだか。
『あの…マスター。ちょっとよろしいですか?』
ん?ナディアか…ごめん、考え込んでたよ。
んで、どうした?
『色々と知らない名前の兵器でしょうか? を、考えられてた様ですが』
あ、ああ…ナディアには通じなかったか?
『申し訳ありません。我々には不要な知識かと思い、そう言った部分に関しては、マスターの記憶を確認しておりませんでした』
いや、謝らなくても良い。
ナディア達には不要な知識だし、この世界にそもそも無い兵器なんだから、知る必要も無いさ。
『有難うございます。そう言っていただけて、ほっといたしました』
うん、それで何か言いたい事あったんじゃないのか?
『はい。ヒルコに関してですが、マスターは新しい兵器を創ろうとされてますが、本当に新しい兵器は必要なのでしょうか?』
どういう意味だ?
『例えばですが、ヒルコが逃げられない様にした上で、時間をかけて焼くという方法もあるのではないかと』
ほう? 逃げられない様に…逃げられない様に!?
『ええ。例えばシールドで完全に囲ってしまって、その中で燃やすとか…』
お、おお!?
待て待て待て、動けないようにするには、シールド発生装置を使って座標と大きさを設定すれば可能だ。
燃やすには…油があれば…いや、油じゃ燃焼温度が低いし、燃焼速度も遅いな。
ってことは、燃やすための燃料を創りだせば、もしかしたら…いけるかも!?
『ナイスだ、ナディア! いける、いけるぞ! よーし、後は俺に任せとけ!』
『お役に立てましたか、マスター?』
ああ、ばっちりだ!
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