600 / 1,466
どこで使う気?
しおりを挟む
蟲に操られてはいると言っても、まだ辛うじて生きている状態の人…いや、ゾンビ。
人としての活動が蟲にとって重要だから、頭や生命維持活動に必要な臓器なんかには寄生してない様だが…そこが狙い目。
せいやっ!
迫りくるゾンビに恐怖心が芽生えないとは言わないが、いかんせん動きのトロイ奴らなので、対処は簡単だ。
エネルギー・ブレードを抜く必要性を感じないほどには、簡単に対処できる。
せりゃっ!
ずっと鍛え続ててきた突きと蹴りだけで、ゾンビは粉砕出来る。
おぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!
フラフラと目の前に出て来た、商人風の服を着た男に蹴りを入れ、蹴り足が地面を掴んだ瞬間に突きを町娘風のゾンビに。
どちらも狙いは顔面…というか脳だ。
人間の脳は非常にもろい。
それこそ、揺さぶられただけでも、脳を守る為の頭骨に当たって損傷をするほどに。
ただでさえ筋力を大幅に向上するこの装備を身に付けた俺の突き蹴りだ。
真面に当たって無事なはずが無い。
もっとドロドロに腐って溶け堕ちた顔とか身体であれば、きっと心も痛まなかっただろう。
だが、顔色も悪く、視線も虚ろで、動きこそトロイものの、生きた人。
心が痛まないわけは無いだろう。
今世では運が無かったな…せめて、来世では幸福な人生を…そう願わずにはいられない。
俺には精霊さんが付いて来てくれているので、倒したゾンビは即座に燃やし尽くしてくれる。
最初に殴り倒したゾンビからは、いきなり口からわらわらと蟲達が逃げ出して来たのを見て、キモすぎてビビってしまった。
だから、その次からは即座に燃やしてもらう様に、精霊さんにお願いしたのだ。
建物の中も確認せねば…え? その建物の中には何にもいない? 精霊さん、ありがとう。
でもね、ちょ~~っと用事があるんだよ、ごめんね。
ってなわけで、俺は建物の扉を開け…開けて…鍵掛かってんのかよ!
ならば、全力で蹴り破るまでよ! そーーーい!
どっがーーーん! と、簡素な気で出来た扉は、木っ端みじんになった…足型に…失敗失敗。
思ったよりも薄かったんだな、この建物の扉は。
今度は蝶番あたりを狙って蹴ろう。
んでは、ちょっとお邪魔しますよっと。
今頃、嫁達は西へ、妹ペアは東に、ユズユズ・コンビは街壁に沿って時計回りにゾンビを狩っているはず。
辺りを見回してみるが、精霊さん以外には居ない…よね? 誰も見てませんね? 妖精さん、隠れてたら出て来てね。
うん、誰も居ないの確認!
では、ひっさびさにガチャ玉使っちゃおうかな~っと。
ではでは…イメージはすでに固めてあるし、サラにも一応伝えてあるけど、念の為。
『サラ~! そろそろ創っちゃうぞ~!』
『はいはい、お待ちしておりましたよ、大河さん』
念話って便利だなあ。
『んじゃ、このマーブル模様のガチャ玉で…イメージイメージ…』
『むむむむむ? なんかお聞きしていたイメージにおまけが付いてますが?』
『うるさいな! あれからちょっと考えたのもイメージに組み込んだんだよ!』
集中してんのに、やかましい奴だ。
『ふ~ん…まあ、どうでもいいですけど…そもそも、これってどこで使う気ですか?』
ど、どっかで…
『使う機会があったら、相手に同情しますね…』
だろ? これならユリアちゃんにも勝てる!
『基準がそこって、兄としての威厳皆無ですねえ…』
っ! だから創るんだよ! いいから、さっさと承認してもらえや!
『はいはい。んっと…ハイ、承認完了。勝手に開封してくださいニャ!』
その語尾!
まあ、いいや…んじゃ、いざ開封の儀!
そしてガチャ玉を開封して出てきた物は、俺のイメージ通りの一品だった。
「ゆりあちゃん、ぱーーーんち! あーんど、きーーーっく!」
ずがーーーーん! どがーーーーん!
「ユリアちゃん。あなたは侯爵家の娘なのですから、もう少しお淑やかにですね…んぎゃーーー! キモイから近づくなーーー! 炎の嵐よ、燃やし尽くせ!」
コルネリアの持つ巨大な杖から渦巻く炎が飛び出し、ユリアーネの殴り倒したゾンビを燃やし尽くす。
すかさずアーフェンが吸いトール君で、灰まで残さず跡形も無く吸い取る。
「は~い…あ、もっかい、ゆりあちゃんきーーーーっく!」
「もう! 言ってるそばから…キモ! マジでキモ!」
ユリアーネに淑女教育をしつつ? 次々とゾンビを焼き尽くすコルネリア。
そんな姉妹を見ていたナディアが、どっちもどっちでは? と、感じたかどうかは分からないが、
「お2人共。そんな事では、奥様に淑女教育のお時間を増やされますよ?」
そう注意すると、2人は慌てて、
「そ、それじゃ、おねえさま…あそこのおぞんびさまに、ゆりあーねがおててでおしおきいたしますので、おあとをおねがいいたしますわ…おほほほ」
いえ、ユリアーネ様…何にでも"お"を付けたら淑女という訳では…
「そ、そうね。では、ユリアーネのお仕置きの後は、私にお任せなさいな…おほほ」
コルネリア様…今更、口調を変えても遅いですよ?
などと、2人を見ていたナディアが思ったとか思わなかったとか。
ちなみに…吸いとーる君を手に持ち、油の詰まった樽を背負ったアーフェンは、淑女とはとても呼べない姉妹を、冷たい目で見て黙って見つめていた。
人としての活動が蟲にとって重要だから、頭や生命維持活動に必要な臓器なんかには寄生してない様だが…そこが狙い目。
せいやっ!
迫りくるゾンビに恐怖心が芽生えないとは言わないが、いかんせん動きのトロイ奴らなので、対処は簡単だ。
エネルギー・ブレードを抜く必要性を感じないほどには、簡単に対処できる。
せりゃっ!
ずっと鍛え続ててきた突きと蹴りだけで、ゾンビは粉砕出来る。
おぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!
フラフラと目の前に出て来た、商人風の服を着た男に蹴りを入れ、蹴り足が地面を掴んだ瞬間に突きを町娘風のゾンビに。
どちらも狙いは顔面…というか脳だ。
人間の脳は非常にもろい。
それこそ、揺さぶられただけでも、脳を守る為の頭骨に当たって損傷をするほどに。
ただでさえ筋力を大幅に向上するこの装備を身に付けた俺の突き蹴りだ。
真面に当たって無事なはずが無い。
もっとドロドロに腐って溶け堕ちた顔とか身体であれば、きっと心も痛まなかっただろう。
だが、顔色も悪く、視線も虚ろで、動きこそトロイものの、生きた人。
心が痛まないわけは無いだろう。
今世では運が無かったな…せめて、来世では幸福な人生を…そう願わずにはいられない。
俺には精霊さんが付いて来てくれているので、倒したゾンビは即座に燃やし尽くしてくれる。
最初に殴り倒したゾンビからは、いきなり口からわらわらと蟲達が逃げ出して来たのを見て、キモすぎてビビってしまった。
だから、その次からは即座に燃やしてもらう様に、精霊さんにお願いしたのだ。
建物の中も確認せねば…え? その建物の中には何にもいない? 精霊さん、ありがとう。
でもね、ちょ~~っと用事があるんだよ、ごめんね。
ってなわけで、俺は建物の扉を開け…開けて…鍵掛かってんのかよ!
ならば、全力で蹴り破るまでよ! そーーーい!
どっがーーーん! と、簡素な気で出来た扉は、木っ端みじんになった…足型に…失敗失敗。
思ったよりも薄かったんだな、この建物の扉は。
今度は蝶番あたりを狙って蹴ろう。
んでは、ちょっとお邪魔しますよっと。
今頃、嫁達は西へ、妹ペアは東に、ユズユズ・コンビは街壁に沿って時計回りにゾンビを狩っているはず。
辺りを見回してみるが、精霊さん以外には居ない…よね? 誰も見てませんね? 妖精さん、隠れてたら出て来てね。
うん、誰も居ないの確認!
では、ひっさびさにガチャ玉使っちゃおうかな~っと。
ではでは…イメージはすでに固めてあるし、サラにも一応伝えてあるけど、念の為。
『サラ~! そろそろ創っちゃうぞ~!』
『はいはい、お待ちしておりましたよ、大河さん』
念話って便利だなあ。
『んじゃ、このマーブル模様のガチャ玉で…イメージイメージ…』
『むむむむむ? なんかお聞きしていたイメージにおまけが付いてますが?』
『うるさいな! あれからちょっと考えたのもイメージに組み込んだんだよ!』
集中してんのに、やかましい奴だ。
『ふ~ん…まあ、どうでもいいですけど…そもそも、これってどこで使う気ですか?』
ど、どっかで…
『使う機会があったら、相手に同情しますね…』
だろ? これならユリアちゃんにも勝てる!
『基準がそこって、兄としての威厳皆無ですねえ…』
っ! だから創るんだよ! いいから、さっさと承認してもらえや!
『はいはい。んっと…ハイ、承認完了。勝手に開封してくださいニャ!』
その語尾!
まあ、いいや…んじゃ、いざ開封の儀!
そしてガチャ玉を開封して出てきた物は、俺のイメージ通りの一品だった。
「ゆりあちゃん、ぱーーーんち! あーんど、きーーーっく!」
ずがーーーーん! どがーーーーん!
「ユリアちゃん。あなたは侯爵家の娘なのですから、もう少しお淑やかにですね…んぎゃーーー! キモイから近づくなーーー! 炎の嵐よ、燃やし尽くせ!」
コルネリアの持つ巨大な杖から渦巻く炎が飛び出し、ユリアーネの殴り倒したゾンビを燃やし尽くす。
すかさずアーフェンが吸いトール君で、灰まで残さず跡形も無く吸い取る。
「は~い…あ、もっかい、ゆりあちゃんきーーーーっく!」
「もう! 言ってるそばから…キモ! マジでキモ!」
ユリアーネに淑女教育をしつつ? 次々とゾンビを焼き尽くすコルネリア。
そんな姉妹を見ていたナディアが、どっちもどっちでは? と、感じたかどうかは分からないが、
「お2人共。そんな事では、奥様に淑女教育のお時間を増やされますよ?」
そう注意すると、2人は慌てて、
「そ、それじゃ、おねえさま…あそこのおぞんびさまに、ゆりあーねがおててでおしおきいたしますので、おあとをおねがいいたしますわ…おほほほ」
いえ、ユリアーネ様…何にでも"お"を付けたら淑女という訳では…
「そ、そうね。では、ユリアーネのお仕置きの後は、私にお任せなさいな…おほほ」
コルネリア様…今更、口調を変えても遅いですよ?
などと、2人を見ていたナディアが思ったとか思わなかったとか。
ちなみに…吸いとーる君を手に持ち、油の詰まった樽を背負ったアーフェンは、淑女とはとても呼べない姉妹を、冷たい目で見て黙って見つめていた。
1
お気に入りに追加
1,833
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』
ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。
誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる