システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
596 / 1,466

むっふー!

しおりを挟む
 嫁たちにそこまで言わせておいて、いつまでもグダグダしているようじゃ、男じゃない。
 やるだけやってやらー! と、俺も銀ピカ仮面(仮称)に変身をした。

 ところで今回の皇都殲滅作戦は、恐怖の大王戦と幾分違いが有る。
 最大の違いは、父さんに代わりユリアちゃんが産駒戦に参加するという事だ。
 あの蟲達の成虫は、生身の人に卵を産み付けるそうだ。
 どっかの宇宙人の卵みたいに、カニみたいなのが顔に貼り付くというわけでは無く、素肌の部分に産卵管をぶっすりと刺すんだそうだ。
 それも、1人に付き1匹なわけも無く、無数の蟲が寄ってたかって…らしい。
 なので、多分普通の人の範疇に収まってる? と思われる父さんは、今回は裏方。
 代わりに実はスーパー幼女ユリアちゃんが参戦するのだ。

 ナディアを筆頭に、アーデ、アーム、アーフェンの3人と妖精たちには、油を撒いて貰ったり、常時シールドで身を守りつつ、吸いとーる君で俺たちが焼き尽くしたゾンビと蟲を吸い取る役に徹してもらう。
 あの蟲が、俺の創った最高傑作の妖精達に寄生するのかどうかは不明だが、用心するに越した事は無い。

 全員が変身およびシールドを展開し終え、妖精たちが吸いとーる君を装備しようとした時、ちょうどモフリーナが俺たちの元にやって来た。
 もとい、彼女の陰で分かりにくいが、モフレンダを連れてやって来た。
「お待たせいたしました。用意されていた油を、皇都入口にお持ちしました」
 そういいつつ、何故か大量の柄杓を俺に手渡すモフリーナ。
 いやそれ、油の所に置いて来いって…何で持って来たんだよ…
 仕方が無いので、ナディアをちょいちょいっと手招きして、柄杓を手渡していると、
「あ…あの…」
 モフリーナの背中から顔だけ出したモフレンダが、
「…ダンジョン…たすけて…」
 っと、声を掛けて来たので、ちょっとびっくり。
「トールヴァルド様。どうかよろしくお願い致します」
 モフリーナも、そういって頭を下げた。
 ちらっと背後を見ると、ナディア達も嫁たちも固まっているのがよく分かる。
 助ける云々じゃなく、モフレンダが自ら話しかけてきた事にびっくり。
 人が怖くて話せない(モフリーナ談)モフレンダが、勇気を出してお願いしてきたんだ。
 お願いされた俺としては、頑張らねばなるまい!
「モフリーナ、モフレンダ。俺達アルテアン一家にまるっとまとめて任せとけ!」
 ケモ耳娘達に向かって、サムズアップで応えると、
「お願いします」「…うん…」
 そういって、モフリーナは、もう一度深々と頭を下げ、モフレンダは、小さく手を振ってくれた。

 うっし、それじゃ作戦開始しますかね!
 あ、そだ…
「ユリアちゃ~ん! あの壁の向こうに着いたら、パワー全開にするから、もうちょっと大人しくしててね~。ここで暴れたらダメだよ?」
 コルネちゃんに手を引かれて歩き出したユリアちゃんだが、めっちゃ嬉しそうに繋いだ手をぶんぶん振ってる。
 仕草は可愛いんだけど、2人共変身してるから、何とも微妙な光景さだ。
「は~い! あっちいったら、えいっ! ってしてもいいんだよね?」
 うん、えいっ! てする相手はゾンビだからね?
「うん、全力全開でやったんさい! お兄ちゃんが許可する!」
「わ~い! やった~!」
 めちゃ喜んどるな。
「あ~コルネちゃん、ナディア…ごめんだけど、ユリアちゃんの面倒見てあげてね。ちょっと…いや、もの凄く、お兄ちゃん心配…」
 お兄ちゃん、本当に本当に心配です。
「「ぷっ!」」
 何故か2人は小さく噴き出した。
「お兄ちゃん、心配しすぎ! 生身でユリアちゃんに傷付けられる相手なんて、父さんぐらいだよ」 
「マスター、私も激しく同意します。空から隕石でも振って来ない限り、傷なんてつきません」
 2人の言葉に思わず納得…って、コルネちゃんって、父さんの事、何だと思ってるんだろう?
「むっふー! ぜんぶ、ぱんちしちゃうぞー!」
 褒められた(?)のが嬉しいのか、もんの凄く張り切るユリアちゃん。
 最後尾のユズキとユズカも、嫁たちも、小さく肩をすくめてるけ。
 それって、絶対にヤレヤレってポーズだよね?
 俺に対してじゃないよね?
 ユリアちゃんの言葉に対してだよね?   

『ヤレヤレ、いつまでも妹離れできないシスコン兄貴だなー。By 周囲の人々の呆れた心の声』
 …サラ、お前いつの間に折れ以外の人の心を読めるようになったんだよ…
『貴方様は馬鹿ですか? 読まなくとも、皆さんの考えていることぐらいわかります』
 う、嘘だろ!
『マスター…流石にこればかりは擁護できません…』
 ナディアまで!?
『シスコン』『ロリコン』『ド変態』
『『『全部まとめて通報乙!』』』
 アーデ、アーム、アーフェン! その変なオチはヤメロ!
『『『『『『この場にいる全員の総意です!』』』』』』
 
 あぅ…
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

処理中です...