システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
577 / 1,466

悪人に人権など無い!

しおりを挟む
 悪漢どもの退治と被害者たちの救出は、実に順調に進んだ。
 これはモフリーナの領域拡大によって、被害のあった村々へと瞬時に移動できたのが大きい。
 ホワイト・オルター号すらも瞬時に転送できるという、恐るべき能力が分かってからは、更にその救出スピードは上がった。
 モジモジしながらもモフリーナについて来たモフレンダさんへ、せっかくなのでモフリーナを通じてエネルギー充填済みの水晶を手渡すと、モフリーナとこの先の土地の半分ほどを領域化した。
 相変わらず何もしゃべってくれないのだが…恥ずかしがり屋さんなんだろうか? 
 まだ完全に信用できないうちから、エネルギーを渡したくは無かったのだが、まあ廃品の再利用が世の為、人の為、ダンジョンの為になるのであれば、それもいいかと思い直したからだ。
 ちなみに、姿を見るだけで人々が卒倒するあの巨大な黒竜さんは、一仕事終えるごとにダンジョンに戻って御休憩だ。
 でっかいから、常に姿を見せていると、目立って仕方ないしな。
 
 さて、あのクソ皇帝が通ってきた国々だが、残っている男どもが全員が全員、悪行を働くというわけでも無い。
 多くの男性は惨殺されたりしているわけだが、一部は監禁されていたりした。
 惨殺された多くはその国の貴族とか大商人とかで、そのほとんどは元々民衆に何らかの悪事を働いていたり、大きな恨みを買っていた奴らしいので殺されたところで心は痛まない。
 だが、悪漢どもに最後まで抵抗していた真面目な貴族や市民達が殺されるのは、流石に残念だ。
 未だにレジスタンスの様に、必死に市民を守ろうと抵抗しているらしい。
 なので、妖精さん達に命じて、陰から彼等を助けさせていたのだが、その救助にも向かわねばならない。
 戦う力が残ってるんだから、申し訳ないが後回しにさせてもらおう。
 妖精さんだけでなく、精霊さんにも協力を願って、増援部隊を派遣するので、もう少し待ってて欲しい。

 ところで、俺達の変身した姿は、普通の人から見たらかなり怪しいのは確かだ。
 下衆共をバッサバサと斬り捨てる俺達を、さすがに味方だと考えている様だが。
 もちろん、その現場を目にした人々は、俺達の言葉に素直に従って避難と救助活動を率先して手伝ってくれているから、今の所は問題ないのだが。
 俺達の誘導と、お手伝いの方々によって、虐げられていた人々は街や村を出る。
 多くの避難民や被害者達は、その身一つで村や街から出て、モフリーナの転移によって、ダンジョン島へと送られ、保護されている。
 
 街や村に残って、俺達に向かって攻撃してくるのは、もう腐れ外道共だけなので、遠慮なく動けない様になるまでボコる!
 レジスタンスの方々や、囚われていた善良なる人々も、俺達が開放してあげると、すでに俺達によってボコられたアホを、全力でボコる! 
 忘れちゃいけないのが、こいつらの息の根を止めたら駄目だって事。
 それが一番簡単なのだが、それをするとダンジョンの養分にならない。
 なので、ストレスが溜まるけれども、半殺しで我慢する。
 こいつらはどうなるのかと言うと、モフリーナのダンジョンから連れて来られたモンスター軍団(単なる荷運び要員)によって、モフリーナとモフレンダの領域へとエッチラオッチラと運ばれていく。
 いくら暴れようとも、モフリーナの連れて来たモンスター軍団に叶うはずも無い。
 いや、そもそも動ける奴も居ないんだけど…。
 鬼畜野郎が集められたダンジョン領域には、呼ばれた黒竜さんが準備万端で待機していて、一気にブレスでどーーん! と、処刑される。
 ダンジョン領域で死んだ畜生共は、その肉体すら完全にダンジョンに吸収され細胞の一欠けらも残さずこの世から消え去り、エネルギーへと変換される。

 最後の仕上げは、この死体だらけの街や村だが、愛すべき夫や子供、家族や友人、街や村の為に戦った勇敢な兵達の亡骸も有るだろうが、腐ってしまった亡骸を放っておくわけにもいかない。
 しかし、一体ずつ身元を確認して埋葬している時間も無い。
 よって、最初の村と同様に、黒竜のスペシャルなブレスでどーーん! と、更地に変えるか、怒れる精霊さん達の合体技で跡形もなく消しさる事にしている。
 ちなみに怒れる精霊さんの本気の合体技を遠くで見させてもらったが、爆炎がキノコ雲だった…核じゃないよね?

 
 ケモ耳市民さんが住むという小国の王都での救助活動&粛清中の話だ。
 保護した人々から王族が捕まっていると聞いた俺達一行は、王城へと向かった。
 城の中も直視に堪えない程の悲惨な状態であったが、悪漢共の1人から王族は地下牢に閉じ込めていると聞き出し、地下へと向かった。
 まあ、すでに妖精さんと精霊さんと蜂達によって、地下の悪漢共は息をするだけのオブジェになり果てていたのだが。
 そして見つけた地下牢は、絵にかいたような鉄柵の牢屋で、その中に鎖で繋がれた王族達を発見できた。
 ただ、王族の女性達は、かなり酷い事をされたのであろうと、誰の目にも分かるほどだった。
 衣服など一切身に着けておらず、モフリスト達が歓喜するであろうケモ耳や尻尾は斬り落とされ、御多分に漏れず女性達の股間からは流血してた。
 こういった惨状を度々目の当たりにするからだろうか、俺達の怒りはおさまる事を知らない。


 救護した者達の殆どがそうなのだが、皆の精神は無残なまでに壊れている。
 あまりの救護者の多さに、さすがに少数では手が回ら無くなって来た。
 なので、本陣に応援要請を出し、魔族さんと両国の女性兵士や老年の兵達を多数派遣してもらった。
 彼等ならば、きっと被害者達の心のケアにも力になってくれるだろう…と思って。
 嫁達にしても、母さん達にしても、彼女達の力になりたいと頑張って入るのだが、如何せん数が多すぎる。
 多くの場合、救助された事がわかった瞬間に、自ら死を選ぼうとする事が多い。
 母さんやサラやリリアさん達、そして我軍に詰めている魔族さん達やグーダイド軍とアーテリオス神国軍の女性兵士や老兵士達の懸命な介護と心のケアの甲斐あって、なんとかまだこの世に踏みとどまってくれ、輪廻の輪には戻って無い。
 ちなみに、応援の人々にも、黒竜さんや精霊さんの事は、ぼかして説明済みなので、少し驚かれただけで済んだ。
 ネス様の御力で、この地を浄化するのです…とか何とか言っておいた。

 今回救出した王族達…とりわけ王女様は、「死にたい…殺してください…」と、何度も口にしていたという。
 嫁達も必死に心のケアにあたっていたが、彼女達の怒りの炎はさらに燃え上がり、精霊さん達の怒りも限界突破してしまった。

 救助者全員を王都から連れ出して後送したり、一部をダンジョンに送ったりした後、半殺しにした外道も城から連れ出した。
 そして、黒竜さんの見守る中、俺達の手でこの世と永遠におさらばさせた。
 どうやったかはあまり言いたくないが、嫁達もユズユズも、そして俺自身も、怒りに任せて色々とやってしまい、周辺が血と臓物の溢れる地になったとだけ…。

 動けない奴らを、殺すなんて…せめて生かして罪を償わせれば…とか言う様な、偽善的な行いも考えも、俺達には一切無い。
 生きる価値が無いと俺が決めた奴は、殺す。
 独善的だと言われても良い。
 あんな事を平気で仕出かした奴らに、何の考慮が必要か。
 犯人も人権が有るんです! とか言ってる奴等は、自分が被害者になってないから言える事だ。
 被害者達の人権は、一体誰が保証してくれたんだ?
 犯人が被害者の人権を考慮してたって言うのか?
 しているわけがない。
 被害者の人権を考慮しなかった犯人の、クソの様な人権なんぞ、何で俺達が考慮せにゃならんのだ。

 前世では人を殺すなんて事は、当然ながらしたことは無いけれど、この世界ではそれを躊躇うと、自分が死ぬ。
 いや、俺が死ぬだけならばいい。
 家族や嫁達、仲間達にその害が及ぶことが有る。
 だから、一切の容赦はしない。
 そもそも奴らを大量に捕まえた所で、収容する施設などないし、こいつらを生かすための資金を一体誰が負担するというのだ。
 善良な、今回散々な被害に遭った人々が、こいつらを生かすための予算の一部を担うのか?
 そんな事、ナンセンスだ。
 いや、地球では人権だの何だのとうるさかったが、この世界では別だ。
 人権はこの世界にも、確かに有る。だが、悪人に人権など無い!

 嫁達もユズユズも、どう考えているかなど知らないし、知る必要も無い。
 ただ、同じ気持ちである事を願うだけだ。

 最後は、黒竜さんと、怒れる大魔神の如く合体した精霊さん(合体できたの!?)により、一瞬でお城までもがこの世から消え去り、ケモ耳の国の王都は、他と同様に更地へと変わった。
 大陸から国がまた1つ国が消えたのだった。

 俺達がこれまでにこの世から消し去った国は、大小合わせてこれで8個目になる。
 予定よりも多い気がするが、自治領とかも国扱いになるとか何とか。
 良く分からん…とにかく、残すは暗黒教ダークランド皇国ただ1つだ。
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

処理中です...