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まだまだ子供だなあ
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いつもの我が家のメンバーが大集合した、ホワイト・オルター号。
きちんと偵察という名目で、フライトの許可は取って来た。
だって、夜も遅くにこんな巨大な飛行船が飛び立ったらおかしいからな。
昔なら夕飯を食って、家族で〇時だよ全員集合! のエンディングを見ている様な時間。
つまりは9時ちょっと前って事だ。
真っ白で巨大な飛行船は、ゆっくりと音もなく空へと舞い上がった。
この世界には航空法なんて物は無いから、飛行船に航空灯や位置灯なんて物は無い。
いくら真っ白で巨大な飛行船だとはいえ、星明りしかないこの世界の夜空では、高度数百メートルほど上昇すれば、非常に視認は難しくなる。
星の光が遮られたりするから良く見れば分かるんだけど、それでも星明りの中飛行船の底部は影になるから、まあ見難いのは間違いないだろう。
いや、ほんとにこの月の無い夜空って違和感バリバリだなあ…転生して17年も生きて来たのに、まだ地球基準で考えてるからなんだろうな。
なんて事を考えながら、コクピットの窓から外を眺めつつ、ぼけ~っと考えていた。
「お兄ちゃん…まだ明かり点けたらだめ?」
そんな俺にコルネちゃんが話しかける。
「ん? もしかして怖いのか?」
室内の明かりは全て消してもらってるから、船内は真っ暗。
何だ、12歳になったとはいえ、暗闇が怖いとかまだまだ子供だなあ~。
「そうかそうか、仕方ないなあ。お兄ちゃんが寝るまで一緒に居てあげるよ」
ちゃんと添い寝してあげるから、怖くないよ~。
「え、別に怖くないから、いいよ。おトイレとかが不便だな~って思っただけだから」
…お兄ちゃんの添い寝は不要と? そ、そうか…成長したなぁ…でも、
「ユリアちゃんは怖くて部屋で震えてないかな? きっとお兄ちゃんと一緒に寝たがってるんじゃないかな~」
そ、そうだよユリアちゃんなら、きっと今頃怖くて震えているはず…
「え? お母さんと一緒に寝ちゃったけど?」
………。
「そ、そうなんだ、母さんとね…それなら安心だね…はははは…」
「私もお母さんと一緒に寝るね~。お仕事頑張ってね~。おやすみなさ~い」
「う、うん…ありがと…おやすみ…」
母さん人気者だなあ…ちくしょう!
「「ぷっ!」」
おい、サラ、リリアさん。陰からコソコソ除くな! そして笑うな!
「「どんまい!」」
うるせ!
妹に添い寝を拒否されて、ささくれてしまった心のまま、俺は真っ暗な食堂へと足を運んだ。
すでに食堂には嫁5人とナディア達4人、そして父さんにユズユズが待っていた。
「みんな、お待たせ」
そう声を掛けながら食堂へと入ると、俺に続きサラとリリアさんも続いた。
「では、今から本作戦の肝心要の仕込みに付いて話したいと思います。取りあえず近くの席に着いて」
取りあえず、全員に席に着く様にと、声を掛けた。
食堂の船窓から見える夜空は、ほんの少しの星明かりを反射して、ぼんやりとした光を室内に届けていたので、真っ暗闇の食堂では無くなっていた。
きっと雲が光を反射しているらしいので、多分かなりの高度まで上昇したんだろう。
だが、実の所、出発地点からそんなに遠くまで来たわけではない。
所定の高度まで徐々に上昇した後は、同じところをぐるぐる周っているだけなのだ、
「今回の相手は大軍です。基本的に敵対行動をとる兵達は殲滅する所存です。ですが、直接手に掛けるのではありません」
まあ、俺が何言ってるのか分かんないだろうな。
「それがこの作戦のミソです。これを見て下さい…あ、暗すぎて見えないか…えっと、ユズキに持ってきてもらった、ダンジョンの欠片です」
聡い方ならすぐわかるだろう。
そう、きっとあの大陸を、ダンジョンに改造した時の事を思い出したに違いない。
モフリーナに頼んで、出発前にユズキに渡してもらったのだ。
そして当然ながら、この欠片には、細くて切れない糸が付いている。
そう、第9番ダンジョンから続く細い糸…実は便宜上、糸と表現しているが、厳密には糸では無い。
これは、魂のエネルギーを細く細くしたもので、あらゆる障害物を通り抜けてしまうという、ダンジョンの不思議仕様。
幻〇旅団のマ〇が使ってた、念の糸みたいな物だと思ってもらったら間違いない。
現在のモフリーナであれば、有り余るダンジョンのエネルギーを使って、この大陸の全てをダンジョン化する事だって可能だろう。
だが、そうできない理由があるのだ。
それは、他のダンジョンの存在と、今後発生するであろうダンジョンのためだ。
ダンジョンの領域というのは、いくらエネルギーが沢山あるからと言って、自分勝手にガンガン広げてもいいと言う分けでは無い。
そんな事をすれば、他のダンジョンの拡張の妨げになるし、これから発生するであろうダンジョンの場所を奪ってしまい、発生を妨げてしてしまう。
少なくとも管理局にとってのダンジョンとは、ある種の魂のエネルギーの回収装置でもある分けだし、この世界の人々にとっては、魔石採掘場というかモンスターの狩猟場という側面も持っているので、その成長を妨げるような事は好ましくない。
例外的に、新大陸の様な所であれば、誰憚る事なく拡張できるのだが…、多くの人々が暮らすこの大陸ではちょっと難しい。
なので、今回は一時的にダンジョンの領域を、飛び地的に拡張しようという事だ。
「トールよ…ダンジョン大陸に付いては聞いているし、保護した者とか殲滅した者とかの話も知ってはいるが…、今度はこんな所と領地を繋げて何をしようって言うんだ?」
父さんも良く分からない様だ。
あ、雰囲気で分からないのは、父さんとイネスと…ユズカぐらいか?
別に隠したいわけでも無いんで、この辺で全容を発表しましょうか。
「うん、実はね…敵対勢力や悪行を行ってるような奴らを、全部あっちの大陸に送っちゃおうと思って。そしてあっちで綺麗さっぱり殲滅するつもりなんだ」
俺の作戦と言うか案と言うか…意味が理解できないのか、みんな不思議そうな顔をしていた。
きちんと偵察という名目で、フライトの許可は取って来た。
だって、夜も遅くにこんな巨大な飛行船が飛び立ったらおかしいからな。
昔なら夕飯を食って、家族で〇時だよ全員集合! のエンディングを見ている様な時間。
つまりは9時ちょっと前って事だ。
真っ白で巨大な飛行船は、ゆっくりと音もなく空へと舞い上がった。
この世界には航空法なんて物は無いから、飛行船に航空灯や位置灯なんて物は無い。
いくら真っ白で巨大な飛行船だとはいえ、星明りしかないこの世界の夜空では、高度数百メートルほど上昇すれば、非常に視認は難しくなる。
星の光が遮られたりするから良く見れば分かるんだけど、それでも星明りの中飛行船の底部は影になるから、まあ見難いのは間違いないだろう。
いや、ほんとにこの月の無い夜空って違和感バリバリだなあ…転生して17年も生きて来たのに、まだ地球基準で考えてるからなんだろうな。
なんて事を考えながら、コクピットの窓から外を眺めつつ、ぼけ~っと考えていた。
「お兄ちゃん…まだ明かり点けたらだめ?」
そんな俺にコルネちゃんが話しかける。
「ん? もしかして怖いのか?」
室内の明かりは全て消してもらってるから、船内は真っ暗。
何だ、12歳になったとはいえ、暗闇が怖いとかまだまだ子供だなあ~。
「そうかそうか、仕方ないなあ。お兄ちゃんが寝るまで一緒に居てあげるよ」
ちゃんと添い寝してあげるから、怖くないよ~。
「え、別に怖くないから、いいよ。おトイレとかが不便だな~って思っただけだから」
…お兄ちゃんの添い寝は不要と? そ、そうか…成長したなぁ…でも、
「ユリアちゃんは怖くて部屋で震えてないかな? きっとお兄ちゃんと一緒に寝たがってるんじゃないかな~」
そ、そうだよユリアちゃんなら、きっと今頃怖くて震えているはず…
「え? お母さんと一緒に寝ちゃったけど?」
………。
「そ、そうなんだ、母さんとね…それなら安心だね…はははは…」
「私もお母さんと一緒に寝るね~。お仕事頑張ってね~。おやすみなさ~い」
「う、うん…ありがと…おやすみ…」
母さん人気者だなあ…ちくしょう!
「「ぷっ!」」
おい、サラ、リリアさん。陰からコソコソ除くな! そして笑うな!
「「どんまい!」」
うるせ!
妹に添い寝を拒否されて、ささくれてしまった心のまま、俺は真っ暗な食堂へと足を運んだ。
すでに食堂には嫁5人とナディア達4人、そして父さんにユズユズが待っていた。
「みんな、お待たせ」
そう声を掛けながら食堂へと入ると、俺に続きサラとリリアさんも続いた。
「では、今から本作戦の肝心要の仕込みに付いて話したいと思います。取りあえず近くの席に着いて」
取りあえず、全員に席に着く様にと、声を掛けた。
食堂の船窓から見える夜空は、ほんの少しの星明かりを反射して、ぼんやりとした光を室内に届けていたので、真っ暗闇の食堂では無くなっていた。
きっと雲が光を反射しているらしいので、多分かなりの高度まで上昇したんだろう。
だが、実の所、出発地点からそんなに遠くまで来たわけではない。
所定の高度まで徐々に上昇した後は、同じところをぐるぐる周っているだけなのだ、
「今回の相手は大軍です。基本的に敵対行動をとる兵達は殲滅する所存です。ですが、直接手に掛けるのではありません」
まあ、俺が何言ってるのか分かんないだろうな。
「それがこの作戦のミソです。これを見て下さい…あ、暗すぎて見えないか…えっと、ユズキに持ってきてもらった、ダンジョンの欠片です」
聡い方ならすぐわかるだろう。
そう、きっとあの大陸を、ダンジョンに改造した時の事を思い出したに違いない。
モフリーナに頼んで、出発前にユズキに渡してもらったのだ。
そして当然ながら、この欠片には、細くて切れない糸が付いている。
そう、第9番ダンジョンから続く細い糸…実は便宜上、糸と表現しているが、厳密には糸では無い。
これは、魂のエネルギーを細く細くしたもので、あらゆる障害物を通り抜けてしまうという、ダンジョンの不思議仕様。
幻〇旅団のマ〇が使ってた、念の糸みたいな物だと思ってもらったら間違いない。
現在のモフリーナであれば、有り余るダンジョンのエネルギーを使って、この大陸の全てをダンジョン化する事だって可能だろう。
だが、そうできない理由があるのだ。
それは、他のダンジョンの存在と、今後発生するであろうダンジョンのためだ。
ダンジョンの領域というのは、いくらエネルギーが沢山あるからと言って、自分勝手にガンガン広げてもいいと言う分けでは無い。
そんな事をすれば、他のダンジョンの拡張の妨げになるし、これから発生するであろうダンジョンの場所を奪ってしまい、発生を妨げてしてしまう。
少なくとも管理局にとってのダンジョンとは、ある種の魂のエネルギーの回収装置でもある分けだし、この世界の人々にとっては、魔石採掘場というかモンスターの狩猟場という側面も持っているので、その成長を妨げるような事は好ましくない。
例外的に、新大陸の様な所であれば、誰憚る事なく拡張できるのだが…、多くの人々が暮らすこの大陸ではちょっと難しい。
なので、今回は一時的にダンジョンの領域を、飛び地的に拡張しようという事だ。
「トールよ…ダンジョン大陸に付いては聞いているし、保護した者とか殲滅した者とかの話も知ってはいるが…、今度はこんな所と領地を繋げて何をしようって言うんだ?」
父さんも良く分からない様だ。
あ、雰囲気で分からないのは、父さんとイネスと…ユズカぐらいか?
別に隠したいわけでも無いんで、この辺で全容を発表しましょうか。
「うん、実はね…敵対勢力や悪行を行ってるような奴らを、全部あっちの大陸に送っちゃおうと思って。そしてあっちで綺麗さっぱり殲滅するつもりなんだ」
俺の作戦と言うか案と言うか…意味が理解できないのか、みんな不思議そうな顔をしていた。
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