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燃えてます!
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アルテアン一家と、軍部の中心人物である第三王子と王子付きの騎士達、父さんによって選りすぐられた先陣となる騎士達、総合計250人を乗せたホワイト・オルター号は、王城横の練兵場を飛び立った。
向かうは両軍が激突すると予想される、決戦ポイントのあるアーテリオス神国。
これに先立ち、トールがかき集めたバスやトラックに、人も物資も満載してアーテリオス神国へとすでに出発していた。
このバスやトラックは、運転手を交代させながら昼夜走り続け、王国と神国との間をピストン輸送する予定だ。
過去の戦において、重要視されていたのは兵や騎士といった単純な戦力。
次いで裏方である輜重兵や部隊であり、その次に冒険者や義勇兵、そして最後に徴兵された者達。
つまり、普通の市民には戦に何ら貢献していない、出来ないものと考えられていた。
冒険者や義勇兵など、自ら志願した者達であれば、その士気も高いだろう。
だが、農民や商人、職人から徴兵された者達は、士気が高いはずも無かった。
しかし、この運転手たちの士気は驚くほど高かった。
運転手たちに戦う力はない。
だが、輜重兵よりも多くの物資をより早く大量に、兵や騎士に戦場までの輸送の足を提供する事により、疲労を軽減することにより、多大なる貢献が出来るという事をトールは丁寧に彼等に説いた。
今まで戦では役に立たず、ただ戦が終わる事を家で震えて待つだけだった運転手たち。
彼等はここで裏方である仕事が如何に大切であるか、そしてその働き移管でこの戦の行方が決まると知ると、燃えに燃えた。
さらに兵や物資を積みこんでいる最中に、軍務大臣である第三王子が訪れ、運転手たちに頭を下げて協力に感謝し、1人1人の手を握り礼の言葉を述べたのだ。
本当であれば、一生言葉をいただく事すら無いような高貴な方から、しかも手を握って感謝の言葉を、礼を言われたのだ。
運転手たちの中には、号泣する者も出たほどである。
「諸君らの働きこそが、この戦の要だ。どうか私に力を貸して欲しい」
王子様にそんな事を言われて、彼等が燃えないはずが無い。
商会トップのトールヴァルドには、兵と物資を安全に届けて欲しいと言われていた運転手たちは、安全に十分に配慮しつつも、体力と気力の限界までハンドルを握りしめた。
後日分かった事だが、こうして出来上がったピストン便によって、恐ろしいまでの速度で大量の兵士と騎士と物資を王国から神国へと運んだそうだ。
彼等が運んだ兵員数は実に3万人を数え、運んだ大量の物資は、兵士達に全く不自由させない程の量であったという。
全ての運送をやり切った運転手達は、この偉業を誰に誇るでもなく、ただ静かにアルテアンの領都リーカへと戻っていった。
正に隠れた英雄達であったと、軍務大臣の他、多くの者が国王陛下に戦後報告をしたという。
戦を裏側から支えた隠れた英雄達は、今日も安全運転で人や物を運んでいる。
雇い主であるトールヴァルド伯爵は、彼等の貢献を自慢するでもなく、ただただその奮闘を労い、多大なる報奨金を手渡したと、後の歴史書には残される…らしい。
アーテリオス神国に到着したホワイト・オルター号は、待っていたべダム首長率いる80名の聖騎士や参謀などを無理やり船倉にに詰め込み、今度こそ本当に決戦ポイントへの最短ルートを飛んだ。
王国を飛び立って、決戦ポイントまで到着するのにかけた時間は、たった2日。
トールが頼み込んで風の精霊さんが大集合した結果、飛行船の最大戦速を大幅に超える速度で飛び続けた結果だ。
決戦ポイントにほど近い場所へとホワイト・オルター号を着陸させたトールは、予定地点が地図と相違ない事を確認した後、両国のトップと最終打ち合わせを行った。
何ということは無い、通信の呪法具ですでに何時間も話し合ったのだから、単なる作戦の最終確認だけだ。
俺は、目の前に広がる、峡谷と言うにはあまりに広い土地を見まわしながら、我が家のメンバーと配下に指示を出した。
さあ、一丁やったるか!
俺は、妖精さんとクイーン&蜂さん達と精霊さん達とブレンダーに念話で指示。
妖精さんと蜂さん達は、敵の情報を委細漏らさず報告せよ。
クイーンとナディアは情報が入り次第、俺に教えてくれ。
あ、水と風と土火の核精霊さんは、妖精さん&蜂さんのチームに各属性から数人ずつ付いて行ってください。
敵の進軍を可能な限り遅らせるのだ。
手段は選ばんけど、敵は大軍だから決して無理はしない様に。
え? どの精霊さんがいいかって? 選抜はお任せします。
次いで、アーデ、アーム、アーフェン及びブレンダーは、指示があるまでコルネちゃんとユリアちゃんの護衛の任に付け。
指令内容を理解出来たら、全員散れ!
俺の言葉を合図に、一斉に飛び立つ妖精さんと蜂達。
ブレンダーとアーデ、アーム、アーフェンは、すすすっと妹達の方へと移動。
ナディアとクイーンは俺の背後に控える様に立った。
さてさて、お次は…っと、
「メリル、ミルシェ、ミレーラ、マチルダ、イネス、そしてサラにリリアさん。後程、俺が巨大防壁を造りあげるまで、ホワイト・オルター号にて待機。決戦まではまだ時間があるので、しっかりと身体を休めている様に。母さんは絶対に船から出ない事。コルネちゃんとユリアちゃんも、今は船内で頭の中で魔法のなかで想像して練習をしておいて。そして、父さんは…俺と来て」
真剣な眼差しの全員の顔を見まわして、
「それじゃそれぞれ、行動開始!」
はたして決戦まで後どれぐらいの時間が残ってるか…蜂達や妖精さん、精霊さんの妨害工作に掛けるしかないな。
俺はいつ敵が来ても良いように、この地を魔改造だ!
向かうは両軍が激突すると予想される、決戦ポイントのあるアーテリオス神国。
これに先立ち、トールがかき集めたバスやトラックに、人も物資も満載してアーテリオス神国へとすでに出発していた。
このバスやトラックは、運転手を交代させながら昼夜走り続け、王国と神国との間をピストン輸送する予定だ。
過去の戦において、重要視されていたのは兵や騎士といった単純な戦力。
次いで裏方である輜重兵や部隊であり、その次に冒険者や義勇兵、そして最後に徴兵された者達。
つまり、普通の市民には戦に何ら貢献していない、出来ないものと考えられていた。
冒険者や義勇兵など、自ら志願した者達であれば、その士気も高いだろう。
だが、農民や商人、職人から徴兵された者達は、士気が高いはずも無かった。
しかし、この運転手たちの士気は驚くほど高かった。
運転手たちに戦う力はない。
だが、輜重兵よりも多くの物資をより早く大量に、兵や騎士に戦場までの輸送の足を提供する事により、疲労を軽減することにより、多大なる貢献が出来るという事をトールは丁寧に彼等に説いた。
今まで戦では役に立たず、ただ戦が終わる事を家で震えて待つだけだった運転手たち。
彼等はここで裏方である仕事が如何に大切であるか、そしてその働き移管でこの戦の行方が決まると知ると、燃えに燃えた。
さらに兵や物資を積みこんでいる最中に、軍務大臣である第三王子が訪れ、運転手たちに頭を下げて協力に感謝し、1人1人の手を握り礼の言葉を述べたのだ。
本当であれば、一生言葉をいただく事すら無いような高貴な方から、しかも手を握って感謝の言葉を、礼を言われたのだ。
運転手たちの中には、号泣する者も出たほどである。
「諸君らの働きこそが、この戦の要だ。どうか私に力を貸して欲しい」
王子様にそんな事を言われて、彼等が燃えないはずが無い。
商会トップのトールヴァルドには、兵と物資を安全に届けて欲しいと言われていた運転手たちは、安全に十分に配慮しつつも、体力と気力の限界までハンドルを握りしめた。
後日分かった事だが、こうして出来上がったピストン便によって、恐ろしいまでの速度で大量の兵士と騎士と物資を王国から神国へと運んだそうだ。
彼等が運んだ兵員数は実に3万人を数え、運んだ大量の物資は、兵士達に全く不自由させない程の量であったという。
全ての運送をやり切った運転手達は、この偉業を誰に誇るでもなく、ただ静かにアルテアンの領都リーカへと戻っていった。
正に隠れた英雄達であったと、軍務大臣の他、多くの者が国王陛下に戦後報告をしたという。
戦を裏側から支えた隠れた英雄達は、今日も安全運転で人や物を運んでいる。
雇い主であるトールヴァルド伯爵は、彼等の貢献を自慢するでもなく、ただただその奮闘を労い、多大なる報奨金を手渡したと、後の歴史書には残される…らしい。
アーテリオス神国に到着したホワイト・オルター号は、待っていたべダム首長率いる80名の聖騎士や参謀などを無理やり船倉にに詰め込み、今度こそ本当に決戦ポイントへの最短ルートを飛んだ。
王国を飛び立って、決戦ポイントまで到着するのにかけた時間は、たった2日。
トールが頼み込んで風の精霊さんが大集合した結果、飛行船の最大戦速を大幅に超える速度で飛び続けた結果だ。
決戦ポイントにほど近い場所へとホワイト・オルター号を着陸させたトールは、予定地点が地図と相違ない事を確認した後、両国のトップと最終打ち合わせを行った。
何ということは無い、通信の呪法具ですでに何時間も話し合ったのだから、単なる作戦の最終確認だけだ。
俺は、目の前に広がる、峡谷と言うにはあまりに広い土地を見まわしながら、我が家のメンバーと配下に指示を出した。
さあ、一丁やったるか!
俺は、妖精さんとクイーン&蜂さん達と精霊さん達とブレンダーに念話で指示。
妖精さんと蜂さん達は、敵の情報を委細漏らさず報告せよ。
クイーンとナディアは情報が入り次第、俺に教えてくれ。
あ、水と風と土火の核精霊さんは、妖精さん&蜂さんのチームに各属性から数人ずつ付いて行ってください。
敵の進軍を可能な限り遅らせるのだ。
手段は選ばんけど、敵は大軍だから決して無理はしない様に。
え? どの精霊さんがいいかって? 選抜はお任せします。
次いで、アーデ、アーム、アーフェン及びブレンダーは、指示があるまでコルネちゃんとユリアちゃんの護衛の任に付け。
指令内容を理解出来たら、全員散れ!
俺の言葉を合図に、一斉に飛び立つ妖精さんと蜂達。
ブレンダーとアーデ、アーム、アーフェンは、すすすっと妹達の方へと移動。
ナディアとクイーンは俺の背後に控える様に立った。
さてさて、お次は…っと、
「メリル、ミルシェ、ミレーラ、マチルダ、イネス、そしてサラにリリアさん。後程、俺が巨大防壁を造りあげるまで、ホワイト・オルター号にて待機。決戦まではまだ時間があるので、しっかりと身体を休めている様に。母さんは絶対に船から出ない事。コルネちゃんとユリアちゃんも、今は船内で頭の中で魔法のなかで想像して練習をしておいて。そして、父さんは…俺と来て」
真剣な眼差しの全員の顔を見まわして、
「それじゃそれぞれ、行動開始!」
はたして決戦まで後どれぐらいの時間が残ってるか…蜂達や妖精さん、精霊さんの妨害工作に掛けるしかないな。
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