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お前達、固いぞ!
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明けて翌日、もうすぐ昼になろうかという時刻に、ホワイト・オルター号は静かに王城横の練兵場へと着陸した。
後部にあるカーゴルームのスロープからは、父さんの部下である騎士さん達が。
キャビンから地面へと続くタラップからは、俺達家族、父さん母さん、そしてコルネちゃんとユリアちゃん、サラとリリアさん、そしてナディアと天鬼族3人娘。
ちなみに、我が家のペットのブレンダーとクィーン、猫又のクロちゃんとノワールは、飛行船でお留守番。
カーゴルームから手荷物(お土産込み)を持って降りた騎士さん達は、他の兵や騎士達と、どこかへ行く様だ。
俺達一行は、陛下直属の近衛騎士さん達がお出迎え。
どうやら彼等の話によると、そのまま城内へと案内されるらしい。
ちょっと小耳にはさんだのだが、どうやら昼食をご一緒するとか。
ん~~特に動いてないから、あんまりお腹減ってないんだけどなあ。
そうは思っても、陛下からのお誘いなら断るわけにもいかないので、そのまま案内役の騎士さんに付いてゾロゾロと我が家のメンバーがついて行く事に。
実際の所、公的に昼食に招待されたわけではないので、あくまでも知らんぷりしてなのだが。
サプライズでもしたいんだろうか? そんな事よりも、はやく戦争に関しての話をしたいんだがなあ。
「ヴァルナル…ここでは他にもアルテアン家があるから、あえてこう呼ばせてもらうぞ。ヴァルナル侯爵よ、よくぞ戻った。そしてトールヴァルド伯爵よ、遠い所ご苦労である」
「「はは~!」」
30~40人は一緒に昼食を食べれそうなでっかいテーブルのある部屋に案内された俺達は、部屋に入るなり陛下にこう声を掛けられた。
陛下の顔を確認するや、全員が一斉に片膝を付いて首を垂れたのは言うまでもない。
もちろん返答も、頭は下げたままだ。
でも、部屋に入った時にちらっと見えたんだが…陛下の周りにいっぱい居た様な…あれは、どちら様?
「ああ、ヴァルナルもトールヴァルドも楽にせよ。メリルも顔を上げよ」
とは言っても、マナー的には簡単に頭を上げたら駄目なのだ。
大体、3回ぐらい促されてから頭は上げるってのを忘れると、こっぴどく怒られたりする。
「いや、もう頭を上げてくれ! お前達はもう身内だろうが! 普通にしてくれ! おい、メリルも何とか言え!」
「陛下…私はすでに王族籍を抜け、アルテアン伯爵に嫁いだ身です。故に臣下の礼は主人であるアルテアン伯爵様、ひいては義父であるアルテアン侯爵様に準じねば、周囲への示しがつきませぬ」
公的な場では、俺や父さんをきちんと立てるメリルらしい言葉だ。
「いや、あのな。ここは身内だけだから、そういう建前はいいから、頭を上げてくれ。ってか、立ってもっと近くに!」
表情は見えないけど…陛下、なんか泣きそうだな…娘に拒絶される父…うん、想像するだけで確かに泣ける。
「はあ…わかりました、お父さま。不敬だのなんだのと騒がないでくださいよ?」
「そんな事言う訳ないじゃろーが!」
陛下、ちょっとキレた?
「あなた、義父さま…皆さん。普通にしてくださって構いませんよ。文句言って来たら、お母さまに言いつけて折檻してもらいますから、お父さまを」
えっと…お母さまって、あの怖いお妃さま達の事かな? 確か、結構なパンチをお持ちだった様な…
「いや、不敬だのなんだのと言うつもりはないから、それだけはやめてくれんかの…メリルよ」
ちょっと陛下の声が震えてるのが、妙にリアルだ。
まあ、そこまで言うんだからと、我が家のメンバーはゆっくりと立ち上がり、陛下に改めて頭を下げて礼をした。
「ヴァルナル・デ・アルテアン。只今、王都に帰還いたしました」
「トールヴァルド・デ・アルテアン。陛下への献策の為、登城させて頂きました」
俺と父さんが改めて挨拶すると、
「固い! お前達、固いぞ! もっと楽にせよ! とにかく、席に着け。昼食…は、まだであろう? 何か用意させるので、ああ、共に来た者も席に着く様に」
陛下の有り難いお言葉に従って、長いテーブルに家長である俺と父さんを先頭に、序列に従い着席した。
ちなみに、ユリアちゃんのマナーに関しては、一式全てが何故か基本知識としてインストールされていた様で、コルネちゃんが教えたりフォローしたりしなくても大丈夫な様だ。
サラとリリアさんは、すまし顔で俺の後ろに立ち、控えてたりする。
さて、着席して落ち着いて陛下の方を見ると、結構な人数の方々が、俺たちと陛下の間に着席されている。
これって一体、誰じゃらホイ?
「トールヴァルドよ、不思議そうな顔をしとるな? ふっふっふ…見た事がある顔もあるじゃろう?」
そう言われて、今まで直視しない様にしていた方々の顔を、そろ~りと見まわすと、
「あっ…」
おっと、声が出てしまった。
陛下の直ぐ目の前に座ってるのは、何とスベルド先王陛下。
つまりは、メリルのおじいちゃん。
目が合った先王陛下は、にこやかに手を振ってくれたけど…陛下の御前で、振り返すわけには行かないので、苦笑い。
「あら、おじいさま。まだ生きていたのですね」
静かな食堂に響いた、メリルの吐いた毒が、俺の背筋を凍らせたのであった。
後部にあるカーゴルームのスロープからは、父さんの部下である騎士さん達が。
キャビンから地面へと続くタラップからは、俺達家族、父さん母さん、そしてコルネちゃんとユリアちゃん、サラとリリアさん、そしてナディアと天鬼族3人娘。
ちなみに、我が家のペットのブレンダーとクィーン、猫又のクロちゃんとノワールは、飛行船でお留守番。
カーゴルームから手荷物(お土産込み)を持って降りた騎士さん達は、他の兵や騎士達と、どこかへ行く様だ。
俺達一行は、陛下直属の近衛騎士さん達がお出迎え。
どうやら彼等の話によると、そのまま城内へと案内されるらしい。
ちょっと小耳にはさんだのだが、どうやら昼食をご一緒するとか。
ん~~特に動いてないから、あんまりお腹減ってないんだけどなあ。
そうは思っても、陛下からのお誘いなら断るわけにもいかないので、そのまま案内役の騎士さんに付いてゾロゾロと我が家のメンバーがついて行く事に。
実際の所、公的に昼食に招待されたわけではないので、あくまでも知らんぷりしてなのだが。
サプライズでもしたいんだろうか? そんな事よりも、はやく戦争に関しての話をしたいんだがなあ。
「ヴァルナル…ここでは他にもアルテアン家があるから、あえてこう呼ばせてもらうぞ。ヴァルナル侯爵よ、よくぞ戻った。そしてトールヴァルド伯爵よ、遠い所ご苦労である」
「「はは~!」」
30~40人は一緒に昼食を食べれそうなでっかいテーブルのある部屋に案内された俺達は、部屋に入るなり陛下にこう声を掛けられた。
陛下の顔を確認するや、全員が一斉に片膝を付いて首を垂れたのは言うまでもない。
もちろん返答も、頭は下げたままだ。
でも、部屋に入った時にちらっと見えたんだが…陛下の周りにいっぱい居た様な…あれは、どちら様?
「ああ、ヴァルナルもトールヴァルドも楽にせよ。メリルも顔を上げよ」
とは言っても、マナー的には簡単に頭を上げたら駄目なのだ。
大体、3回ぐらい促されてから頭は上げるってのを忘れると、こっぴどく怒られたりする。
「いや、もう頭を上げてくれ! お前達はもう身内だろうが! 普通にしてくれ! おい、メリルも何とか言え!」
「陛下…私はすでに王族籍を抜け、アルテアン伯爵に嫁いだ身です。故に臣下の礼は主人であるアルテアン伯爵様、ひいては義父であるアルテアン侯爵様に準じねば、周囲への示しがつきませぬ」
公的な場では、俺や父さんをきちんと立てるメリルらしい言葉だ。
「いや、あのな。ここは身内だけだから、そういう建前はいいから、頭を上げてくれ。ってか、立ってもっと近くに!」
表情は見えないけど…陛下、なんか泣きそうだな…娘に拒絶される父…うん、想像するだけで確かに泣ける。
「はあ…わかりました、お父さま。不敬だのなんだのと騒がないでくださいよ?」
「そんな事言う訳ないじゃろーが!」
陛下、ちょっとキレた?
「あなた、義父さま…皆さん。普通にしてくださって構いませんよ。文句言って来たら、お母さまに言いつけて折檻してもらいますから、お父さまを」
えっと…お母さまって、あの怖いお妃さま達の事かな? 確か、結構なパンチをお持ちだった様な…
「いや、不敬だのなんだのと言うつもりはないから、それだけはやめてくれんかの…メリルよ」
ちょっと陛下の声が震えてるのが、妙にリアルだ。
まあ、そこまで言うんだからと、我が家のメンバーはゆっくりと立ち上がり、陛下に改めて頭を下げて礼をした。
「ヴァルナル・デ・アルテアン。只今、王都に帰還いたしました」
「トールヴァルド・デ・アルテアン。陛下への献策の為、登城させて頂きました」
俺と父さんが改めて挨拶すると、
「固い! お前達、固いぞ! もっと楽にせよ! とにかく、席に着け。昼食…は、まだであろう? 何か用意させるので、ああ、共に来た者も席に着く様に」
陛下の有り難いお言葉に従って、長いテーブルに家長である俺と父さんを先頭に、序列に従い着席した。
ちなみに、ユリアちゃんのマナーに関しては、一式全てが何故か基本知識としてインストールされていた様で、コルネちゃんが教えたりフォローしたりしなくても大丈夫な様だ。
サラとリリアさんは、すまし顔で俺の後ろに立ち、控えてたりする。
さて、着席して落ち着いて陛下の方を見ると、結構な人数の方々が、俺たちと陛下の間に着席されている。
これって一体、誰じゃらホイ?
「トールヴァルドよ、不思議そうな顔をしとるな? ふっふっふ…見た事がある顔もあるじゃろう?」
そう言われて、今まで直視しない様にしていた方々の顔を、そろ~りと見まわすと、
「あっ…」
おっと、声が出てしまった。
陛下の直ぐ目の前に座ってるのは、何とスベルド先王陛下。
つまりは、メリルのおじいちゃん。
目が合った先王陛下は、にこやかに手を振ってくれたけど…陛下の御前で、振り返すわけには行かないので、苦笑い。
「あら、おじいさま。まだ生きていたのですね」
静かな食堂に響いた、メリルの吐いた毒が、俺の背筋を凍らせたのであった。
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