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支援しちゃうぞ!
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その後の父さんとの話は、食休みにはちょうど良かった。
少し腹具合も落ち着いてきた頃合いを見計らい、父さんは騎士さん達に声を掛けて、午後の訓練を開始。
もちろん俺も、嫁達を騎士さん達の敵役として参加させた。
ってか、ブレンダーもクイーンもずっと姿を見なかったけど、何処にいたん? え、飛行船で寝てたの?
まあ、いいけど…それだと太るかもしれないから、ちょっと運動して来なさい。
具体的には騎士さん達を怪我させない程度に、嫁達と訓練参加だ。
訓練内容は、父さん対騎士さん達全員の模擬戦、嫁達+ブレンダー&クイーン対騎士さん達、父さん対嫁達+ブレンダー&クイーンというものらしいが…どう考えても父さんの立ち位置がおかしすぎる…脳筋って怖ぇ~!
さて、そんな訓練に参加させていないユズ&ユズは何をしているかというと、ちょっと俺が呼び寄せてちょっとアイデアを捻りだしてもらっている。
父さんには後方待機や支援を約束はしたが、俺は待機中に何もしないとは言ってない。屁理屈じゃないぞ?
これは戦争なんだし、相手は大軍だ。
そんな敵に対して何も持たずに突っ込んで行く兵達を、ただ指を咥えて見てるなんて事、俺には出来ない。
ヘタレと呼ばれようとも構わない。やっぱ味方が死ぬのは嫌だ。敵さんには申し訳ないけど、ここはガッツリ支援する気でいる。
具体的には、俺の開発した呪法具で、出来るだけ兵達が怪我を負ったりしない様にする工夫だ。
その為に、前世日本の感じがベースの呪法具開発に、ユズユズ夫婦を呼び寄せたのだ。
「それで伯爵様は、どんな物を造る気なんですか?」「ユズキ、きっと伯爵様は何か構想があるわよ! ね~?」
うん、2人の期待が籠った眼差しを直視できない…今思いつきました、何も考えてません…とは言い難いなあ。
どうすべ…あっ、そうだ!
「んんんっ…勿論、構想はある」
『おお~!』
ますます2人の目が輝いていく…俺、期待に応えられるんだろうか?
「まず第一に、前線の騎士や兵達が、怪我をしない様な呪法具。第二に、怪我を負った場合、速やかに治療出来る呪法具。そして第三に、兵達に指令や作戦が正しく伝わるような呪法具を造りたいと思っている」
俺が思いついたまま2人に告げると、ユズキが何やら思案顔。
「ん~…伯爵様、それってもしかして1つにまとめられませんかねえ…」
日本からユズカと共にこの世界にやって来た、このユズキという少年…いや、結婚したからもう青年と呼ぶべきか?…は、見かけと違い、かなり頭がいい。
だからこそ、その言葉はちゃんと聞いてやる必要がある。
「ん? 何かいいアイディアでもあるのか?」
だから、せっかくひねり出したアイディアならば、それをくみ取る度量も見せねば! なんせ、俺は一応は御主人様だからな。
「いえ、こう…インカムの様な形にして、その機能を詰め込めないかな…と」
いまいち、ピンとこないな。
インカムって、警備でも使ってたトランシーバーに付ける、外付けのマイクとイヤホンの事じゃ無かったっけ?
耳のイヤホンとタイピンみたいなマイクが栓で繋がってて、通話する奴だろ? 昔の携帯電話の奴みたいなのだよな?
確かに防水機能があったし、指示とかは耳に直接だし、話しだって出来るかもしれないけど、
「ちょっとそれは、この世界的にオーバーテクノロジーすぎないか?」
思わずそう言ってしまった。
だが、ユズキのアイディアは、俺も感心するほどに素晴らしい物だった。
「伯爵様がどんな物を想像したかは分かりませんが、私が考えた物はシンプルですよ」
「ほっほ~! 聞かせてもらおうか、そのシンプルなアイディアとやらを」
さすがは優等生だな。ちゃんと考えているとは。
「まず形状は、水と生命の神であるネス様の御守りの形です」
おお!
「機能はもっと厳選しますが、簡単なシールドと治癒と受信機能だけです」
なるほど!
「そして、最大の目玉は、期間限定品であるという事です!」
おお…?
「つまりは、戦争の間しか使えない、戦争期間だけの呪法具にするのです」
んん? あの自信満々なユズキの顔からしたら、何か考えがある様だが…ああああ!
「そうか! 軍部の正式装備にはしないって事だな? もしもそんな装備を常から持っていたら、変な野心持った奴がいたら…」
「そうです! 怪我もしない、防御もしてくれる、正確に指令も届くような便利な物を正式装備にしたりしたら、こっちから戦争仕掛ける奴が出てきますから」
「お、お前…天才か!?」
こいつ、やっぱ頭良いな! それは俺も考えて無かった!
「さっすが私の旦那様!」
ユズカも絶賛…って、ラブラブのバカップルだからいつもの事か。
ってか、今までお前は何してたんだよ…
「いや~そんな事は…」
俺とユズカに褒められたユズキは、ちょっと照れてた。
「良し、ユズキの案を全面的に採用だ!」
なので、俺も即断即決。
『やった~~!』
いや、何故に何もしていないユズカが、そんなに喜んでるんだ?
え? 旦那の案が採用されたのが嬉しかった?
んで、お前は話し合いの最中に、どこで何してたんだ?
ユズキの後ろで寝てた? 最後だけ聞いてた? この戯けが!
「という事で、ユズキの案が全面的に採用されたので、当然ですが生産体制が整うまでの一切をユズキとユズカに一任します。異論は認めない。本日、帰宅後より完成まで家事手伝いは免除します。期間は7日間。死ぬ気で頑張ってください」
『えーーーーーーーー!!??』
ユズキの顔は、ガックリという感じだったが、ユズカの絶望に染まった顔は、見ていて気持ちよかった(笑)。
少し腹具合も落ち着いてきた頃合いを見計らい、父さんは騎士さん達に声を掛けて、午後の訓練を開始。
もちろん俺も、嫁達を騎士さん達の敵役として参加させた。
ってか、ブレンダーもクイーンもずっと姿を見なかったけど、何処にいたん? え、飛行船で寝てたの?
まあ、いいけど…それだと太るかもしれないから、ちょっと運動して来なさい。
具体的には騎士さん達を怪我させない程度に、嫁達と訓練参加だ。
訓練内容は、父さん対騎士さん達全員の模擬戦、嫁達+ブレンダー&クイーン対騎士さん達、父さん対嫁達+ブレンダー&クイーンというものらしいが…どう考えても父さんの立ち位置がおかしすぎる…脳筋って怖ぇ~!
さて、そんな訓練に参加させていないユズ&ユズは何をしているかというと、ちょっと俺が呼び寄せてちょっとアイデアを捻りだしてもらっている。
父さんには後方待機や支援を約束はしたが、俺は待機中に何もしないとは言ってない。屁理屈じゃないぞ?
これは戦争なんだし、相手は大軍だ。
そんな敵に対して何も持たずに突っ込んで行く兵達を、ただ指を咥えて見てるなんて事、俺には出来ない。
ヘタレと呼ばれようとも構わない。やっぱ味方が死ぬのは嫌だ。敵さんには申し訳ないけど、ここはガッツリ支援する気でいる。
具体的には、俺の開発した呪法具で、出来るだけ兵達が怪我を負ったりしない様にする工夫だ。
その為に、前世日本の感じがベースの呪法具開発に、ユズユズ夫婦を呼び寄せたのだ。
「それで伯爵様は、どんな物を造る気なんですか?」「ユズキ、きっと伯爵様は何か構想があるわよ! ね~?」
うん、2人の期待が籠った眼差しを直視できない…今思いつきました、何も考えてません…とは言い難いなあ。
どうすべ…あっ、そうだ!
「んんんっ…勿論、構想はある」
『おお~!』
ますます2人の目が輝いていく…俺、期待に応えられるんだろうか?
「まず第一に、前線の騎士や兵達が、怪我をしない様な呪法具。第二に、怪我を負った場合、速やかに治療出来る呪法具。そして第三に、兵達に指令や作戦が正しく伝わるような呪法具を造りたいと思っている」
俺が思いついたまま2人に告げると、ユズキが何やら思案顔。
「ん~…伯爵様、それってもしかして1つにまとめられませんかねえ…」
日本からユズカと共にこの世界にやって来た、このユズキという少年…いや、結婚したからもう青年と呼ぶべきか?…は、見かけと違い、かなり頭がいい。
だからこそ、その言葉はちゃんと聞いてやる必要がある。
「ん? 何かいいアイディアでもあるのか?」
だから、せっかくひねり出したアイディアならば、それをくみ取る度量も見せねば! なんせ、俺は一応は御主人様だからな。
「いえ、こう…インカムの様な形にして、その機能を詰め込めないかな…と」
いまいち、ピンとこないな。
インカムって、警備でも使ってたトランシーバーに付ける、外付けのマイクとイヤホンの事じゃ無かったっけ?
耳のイヤホンとタイピンみたいなマイクが栓で繋がってて、通話する奴だろ? 昔の携帯電話の奴みたいなのだよな?
確かに防水機能があったし、指示とかは耳に直接だし、話しだって出来るかもしれないけど、
「ちょっとそれは、この世界的にオーバーテクノロジーすぎないか?」
思わずそう言ってしまった。
だが、ユズキのアイディアは、俺も感心するほどに素晴らしい物だった。
「伯爵様がどんな物を想像したかは分かりませんが、私が考えた物はシンプルですよ」
「ほっほ~! 聞かせてもらおうか、そのシンプルなアイディアとやらを」
さすがは優等生だな。ちゃんと考えているとは。
「まず形状は、水と生命の神であるネス様の御守りの形です」
おお!
「機能はもっと厳選しますが、簡単なシールドと治癒と受信機能だけです」
なるほど!
「そして、最大の目玉は、期間限定品であるという事です!」
おお…?
「つまりは、戦争の間しか使えない、戦争期間だけの呪法具にするのです」
んん? あの自信満々なユズキの顔からしたら、何か考えがある様だが…ああああ!
「そうか! 軍部の正式装備にはしないって事だな? もしもそんな装備を常から持っていたら、変な野心持った奴がいたら…」
「そうです! 怪我もしない、防御もしてくれる、正確に指令も届くような便利な物を正式装備にしたりしたら、こっちから戦争仕掛ける奴が出てきますから」
「お、お前…天才か!?」
こいつ、やっぱ頭良いな! それは俺も考えて無かった!
「さっすが私の旦那様!」
ユズカも絶賛…って、ラブラブのバカップルだからいつもの事か。
ってか、今までお前は何してたんだよ…
「いや~そんな事は…」
俺とユズカに褒められたユズキは、ちょっと照れてた。
「良し、ユズキの案を全面的に採用だ!」
なので、俺も即断即決。
『やった~~!』
いや、何故に何もしていないユズカが、そんなに喜んでるんだ?
え? 旦那の案が採用されたのが嬉しかった?
んで、お前は話し合いの最中に、どこで何してたんだ?
ユズキの後ろで寝てた? 最後だけ聞いてた? この戯けが!
「という事で、ユズキの案が全面的に採用されたので、当然ですが生産体制が整うまでの一切をユズキとユズカに一任します。異論は認めない。本日、帰宅後より完成まで家事手伝いは免除します。期間は7日間。死ぬ気で頑張ってください」
『えーーーーーーーー!!??』
ユズキの顔は、ガックリという感じだったが、ユズカの絶望に染まった顔は、見ていて気持ちよかった(笑)。
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