513 / 1,466
母さん楽しみ~!
しおりを挟む
ユリアちゃんとコルネちゃんと遊んでくれた騎士さん達は、実に楽しそうだった。
みんな、『…ははははは…』と良い笑顔で笑っていたのだから。
もちろん二人の妹も、嬉しそうにはしゃぎ回っていた。
二人と遊ぼうと近寄った騎士さん達に、どーーん! と飛び込んだり、どかーーん! と燃える火の玉をぶつけたり、がつーーん! とシールドで弾き返したりと、遊びながらコルネちゃんが実演してユリアちゃんを指導していた。
本当に妹思いなお姉ちゃんだよなあ~コルネちゃんは。
でも、お兄ちゃん、ちょっと言いたい。
淑女は決して自分から男の人に飛び込んじゃだめだぞ?
それはお兄ちゃんだけにしなさい。
あと、火の玉も火事になったら危険だから、めっ! 水か土にしなさい。
シールドは素晴らしい! コルネちゃんを穢そうとするやつは、全部弾き返しちゃってOKだからね。
ユリアちゃんにも、ちゃんと教えておくように。
「あの…トール様。全部聞こえてますけど…」
メリルは、そんな馬鹿な事を言わないように。
俺の心の声が聞こえる訳ないだろう?
「トール様、全部声に出てますよ?」
またまた。ミルシェも俺を引っかけようったって、そうはいかないぞ?
「えっと…多分、ミルシェさん…そんなこと考えてないと思いますけど…?」
ミレーラまで、そんな事を言うのか?
「現実を受け入れたくないのは理解できますが、目の前の事は現実ですよ?」
ん? マチルダ、何言ってんだ?
「騎士20人対少女2人。燃える展開だな、トール様!」
イネスの脳筋はどうでもいいが、萌えるの間違いだろ?
あれ?
「おかしいな? 何故か嫁達との会話が成立している気がする」
『間違いなく、成立してます!』
え?
「何で?」
「ですから、全部声に出てますから!」
何故かメリルに怒られた。
「まさか、…盗み聞き?」
『何でですか!』
今度は全員に怒られた…
そうか、声に出てたか。
「全部聞こえてましたよ? しかも欲望まで駄々洩れで」
「ミルシェ君、失礼だな。どこに欲望が漏れていたというんだね?」
「幼女と少女に飛び込んでもらいたいとか、欲望以外の何物でもありませんが?」
ぐっ…マチルダめ…なんと的確な分析なのだ…
「私がトール様の元に来たのも、確かその頃でしたが…飛び込んでいいとは言われませんでしたわね」
メリルは11歳だったか…しかしだ、
「いや、その時は俺も11歳だったし…」
同年齢だったらセーフだよな?
「では…トール様は、5歳以上離れた年齢の若い女性が良いと…?」
「…冗談ではなく?」
「幼女趣味?」
「はっはっは!殴っていいか?」
ちょっと待ってくれ!
「いやいや、ミルシェ。それは誤解だ! ミレーラ、冗談だぞ? マチルダ、お前は何ちゅう事を言うんだ! ってか、イネスよそのファイティングポーズはヤメロ!」
嫁たちの圧が怖い! 俺は至って正常なはずだ!
「変な誤解は止めてくれ。可愛い妹達が、むさ苦しい騎士たちに突撃するのが、見るに堪えなかっただけだからな? 決して変な性癖とかは無いからな! いいな?」
強引にこの話題を打ち切らねば、俺の沽券に関わる。
すると嫁たちが円陣を組んで何やらごにょごにょ話し出した。
「…確かに…夜は…」
「トール様は…おっぱいが…」
「でもでも…小さいのも…」
「顔を挟んでくれと…」
「それはマチルダが大きいからだろう。私には、もっと強く激しくと…」
えっと、メリル君は何を想像してたのかな?
ミルシェ君、それは男のロマンに関しての話題だろうか?
ミレーラ君、大きさに貴賤は無いのだ! 俺はどっちも好きだ!
マチルダ君、俺は、一回パフパフしてみたかっただけなんだ! 毎回おねだりしてる様に言うな!
イネス君、君の声はほぼ丸聞こえだ。そもそも、強く激しくって言ったか?
俺そんな事言ったか?
ってか、お前ら!
母さんとドワーフメイド衆のすぐ横で、何ちゅう話をしてんだよ!
見てみろ! 母さんめちゃくちゃ笑ってるじゃねーか!
ドワーフメイドさん達、興味津々で耳がダンボになってるじゃねーか!
あ、母さんと目が合った…
「トールちゃん。母さんは信じてますからね?」
「何をだよ!」
何を信じたんだよ!
「やることはやってるのね…ぷっ」
「おおおおおーーーーいいい!」
母さん、あんた露骨すぎだろ!
「孫を抱ける日も近いわね~。母さん楽しみ~!」
そういう母さんの顔は、もの凄い笑顔だった。
だが、俺は知っている。
あれは孫を抱く自分を想像しての笑顔ではない。
俺を弄って楽しんでいる、悪魔の母さんの顔だ…デビルばばぁ…
「トールちゃん、何か変なこと考えてない?」
「そんな事御座いません! いつまでも若く美しいお母様に見とれていただけです!」
あの真っ黒なオーラを纏った母さんに、俺が勝てるはずない。
近くにいた嫁たちでさえ、ガクガクブルブルと震えまくっている。
「そ? ならいいわ。そろそろ、あの二人を止めないとね。お昼ご飯の時間だし」
何も無かった様に、ドス黒いオーラを引っ込めた母さんは、そういってドワーフメイド衆を引き連れて、砂煙を巻き上げて模擬戦している皆の方へとスタスタと歩いて行った。
マジで怖かった…
みんな、『…ははははは…』と良い笑顔で笑っていたのだから。
もちろん二人の妹も、嬉しそうにはしゃぎ回っていた。
二人と遊ぼうと近寄った騎士さん達に、どーーん! と飛び込んだり、どかーーん! と燃える火の玉をぶつけたり、がつーーん! とシールドで弾き返したりと、遊びながらコルネちゃんが実演してユリアちゃんを指導していた。
本当に妹思いなお姉ちゃんだよなあ~コルネちゃんは。
でも、お兄ちゃん、ちょっと言いたい。
淑女は決して自分から男の人に飛び込んじゃだめだぞ?
それはお兄ちゃんだけにしなさい。
あと、火の玉も火事になったら危険だから、めっ! 水か土にしなさい。
シールドは素晴らしい! コルネちゃんを穢そうとするやつは、全部弾き返しちゃってOKだからね。
ユリアちゃんにも、ちゃんと教えておくように。
「あの…トール様。全部聞こえてますけど…」
メリルは、そんな馬鹿な事を言わないように。
俺の心の声が聞こえる訳ないだろう?
「トール様、全部声に出てますよ?」
またまた。ミルシェも俺を引っかけようったって、そうはいかないぞ?
「えっと…多分、ミルシェさん…そんなこと考えてないと思いますけど…?」
ミレーラまで、そんな事を言うのか?
「現実を受け入れたくないのは理解できますが、目の前の事は現実ですよ?」
ん? マチルダ、何言ってんだ?
「騎士20人対少女2人。燃える展開だな、トール様!」
イネスの脳筋はどうでもいいが、萌えるの間違いだろ?
あれ?
「おかしいな? 何故か嫁達との会話が成立している気がする」
『間違いなく、成立してます!』
え?
「何で?」
「ですから、全部声に出てますから!」
何故かメリルに怒られた。
「まさか、…盗み聞き?」
『何でですか!』
今度は全員に怒られた…
そうか、声に出てたか。
「全部聞こえてましたよ? しかも欲望まで駄々洩れで」
「ミルシェ君、失礼だな。どこに欲望が漏れていたというんだね?」
「幼女と少女に飛び込んでもらいたいとか、欲望以外の何物でもありませんが?」
ぐっ…マチルダめ…なんと的確な分析なのだ…
「私がトール様の元に来たのも、確かその頃でしたが…飛び込んでいいとは言われませんでしたわね」
メリルは11歳だったか…しかしだ、
「いや、その時は俺も11歳だったし…」
同年齢だったらセーフだよな?
「では…トール様は、5歳以上離れた年齢の若い女性が良いと…?」
「…冗談ではなく?」
「幼女趣味?」
「はっはっは!殴っていいか?」
ちょっと待ってくれ!
「いやいや、ミルシェ。それは誤解だ! ミレーラ、冗談だぞ? マチルダ、お前は何ちゅう事を言うんだ! ってか、イネスよそのファイティングポーズはヤメロ!」
嫁たちの圧が怖い! 俺は至って正常なはずだ!
「変な誤解は止めてくれ。可愛い妹達が、むさ苦しい騎士たちに突撃するのが、見るに堪えなかっただけだからな? 決して変な性癖とかは無いからな! いいな?」
強引にこの話題を打ち切らねば、俺の沽券に関わる。
すると嫁たちが円陣を組んで何やらごにょごにょ話し出した。
「…確かに…夜は…」
「トール様は…おっぱいが…」
「でもでも…小さいのも…」
「顔を挟んでくれと…」
「それはマチルダが大きいからだろう。私には、もっと強く激しくと…」
えっと、メリル君は何を想像してたのかな?
ミルシェ君、それは男のロマンに関しての話題だろうか?
ミレーラ君、大きさに貴賤は無いのだ! 俺はどっちも好きだ!
マチルダ君、俺は、一回パフパフしてみたかっただけなんだ! 毎回おねだりしてる様に言うな!
イネス君、君の声はほぼ丸聞こえだ。そもそも、強く激しくって言ったか?
俺そんな事言ったか?
ってか、お前ら!
母さんとドワーフメイド衆のすぐ横で、何ちゅう話をしてんだよ!
見てみろ! 母さんめちゃくちゃ笑ってるじゃねーか!
ドワーフメイドさん達、興味津々で耳がダンボになってるじゃねーか!
あ、母さんと目が合った…
「トールちゃん。母さんは信じてますからね?」
「何をだよ!」
何を信じたんだよ!
「やることはやってるのね…ぷっ」
「おおおおおーーーーいいい!」
母さん、あんた露骨すぎだろ!
「孫を抱ける日も近いわね~。母さん楽しみ~!」
そういう母さんの顔は、もの凄い笑顔だった。
だが、俺は知っている。
あれは孫を抱く自分を想像しての笑顔ではない。
俺を弄って楽しんでいる、悪魔の母さんの顔だ…デビルばばぁ…
「トールちゃん、何か変なこと考えてない?」
「そんな事御座いません! いつまでも若く美しいお母様に見とれていただけです!」
あの真っ黒なオーラを纏った母さんに、俺が勝てるはずない。
近くにいた嫁たちでさえ、ガクガクブルブルと震えまくっている。
「そ? ならいいわ。そろそろ、あの二人を止めないとね。お昼ご飯の時間だし」
何も無かった様に、ドス黒いオーラを引っ込めた母さんは、そういってドワーフメイド衆を引き連れて、砂煙を巻き上げて模擬戦している皆の方へとスタスタと歩いて行った。
マジで怖かった…
1
お気に入りに追加
1,833
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』
ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。
誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる