システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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格好いいな、それ

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「これは…ユリアーネなのか…?」
 遥か遠くで訓練していた、父さんと騎士さん達が砂浜を駆けて来て、父さんがユリアちゃんを見た時の第一声がこれだ。
 種人格でり、隊長格でもある父さんの娘に対して、騎士さん達が何かを言えるわけも無いのだが、全員の目が語っていた。
『マジで隊長の娘ってヤベエ!』

 母さんやドワーフメイド娘達もやって来て、ユリアちゃんを中心に取り囲んだ。
「す、すっごーい! 凄い凄い! ユリアちゃんすっごーーい!」
 コルネちゃんは、驚きすぎてしたが回らないのか頭が回らないのか、凄いを繰り返していた。
 嫁達は、お口をあんぐりと開けて、ユリアちゃんをただただ見つめるだけ。
 ユズカは、大興奮で、
「ユニ〇ーン…じゃないね、これはフェ〇クス? いや~神様も趣味に走ったねえ~!」
 ユズキは冷静に、
「これはデス〇ロイモードですね?」
 などと分析していた様だが、サラやリリアさんも言っていたが、俺には良くわからん。
 俺の中は、あくまでもモデルは天空〇記シ◇ラトなのだ。
 しかし、デスト〇イモードか…格好いいな、それ。

 しばらく光の粒子の中で浮かんでいたユリアちゃんであったが、段々と落ち着いてきたのか粒子の輝きも薄れて行き、やがて抉れた砂浜の真ん中に静かに降り立った。
 見た目…蟻地獄に捕まった蟻みたいだな…
 俺は迷わずその蟻地獄の中に滑り込み、ユリアちゃんへと駆け寄った。
「ユリアちゃん、何処か怪我してない? 痛い所無い? 気分は悪くない? ええ…っと、とにかく大丈夫?」
 俺自身も焦ってたのか、ただただ心配だったのか、言葉がおかしい気もする。
「ん? どこもいたくないよ、おにいちゃん。なんか、このへんからこえがきこえたんだけど、それをきいたら…んっと、からだのなかからなにかが、ぱーーん! ってはじけたみたい! すっごくきもちいい!」
 うん、抑圧されてたエネルギーが解放されたのかな? でも最後の一言は、お兄ちゃん以外の人の前で言わない様に。
「そっか。それで、ユリアちゃん…ちょっとここから出たいんだけど…あそこまで出れる?」
 俺が指さしたのは、3m以上の高さがある、皆のいる砂浜の一角で、コルネちゃんのすぐ傍。
 この穴の中から見上げると、皆で穴の中を覗き込んでて、ちょっと面白い。 
「ん~? できそう…」
 ちょっと自信なさげだが、そう言ったユリアちゃんに、俺からアドバイス。
「良し、それじゃ~力をいっぱい溜めて、あそこに向かって、ジャンプだ!」
 俺のアドバイス(になってるのかな?)に従い、両手を握りしめてちょっと中腰で力をグググッと溜めた後、ユリアちゃんは、
「むむむむむむ………じゃ~んぷ!」
 俺の目の前から、小さな砂煙だけを残して消えた。
 比喩では無い、本当に一瞬で消えた…どこいった?

『ひゃあぁぁぁあああぁぁぁぁあぁぁあああああぁぁぁぁ!!!』
 微かに耳に届いた可愛いユリアちゃん声を辿り、俺は…いや、全員が空を見た。
 そして、バタバタしながら落ちて来るユリアちゃんを目にした。
 呆気に取られている皆をよそに、俺は…いや、我が家で装備を持つ全員が、瞬時に変身していた。
「変身!」
 俺が、
「メタモルフォーゼ!」
 コルネちゃんが、
『ジェムファイター・ゴー!』
 嫁達が、
「いっくよー!」「いざ、参る!」
 ユズカとユズキが、それぞれ変身して、ユリアちゃんを受け止めるべく空へと…ちょっと待て待て待て!
 おいおい、そんなにいっぺんにユリアちゃんに向かったら、事故起きる事故が!
 俺の心配をよそに、ユリアちゃんはまたもや光の粒子に包まれて、落下が急激に緩やかになった。
 俺達が何とか上手くぶつからない様、それぞれが当たる寸前に互いを躱して着地して、未だ落ちて来ているはずのユリアちゃんを見上げた。
 そのユリアちゃんは、ゆっくりゆっくりと輝く球状の粒子に囲まれたまま降りて来た…また穴の中に…。
 周囲の皆も、そのゆっくりと降りてゆくユリアちゃんを目で追う。
 そしてユリアちゃんは、何事もなく無事に着地を果たした…元の穴の中だけど。
「びっくりした~」
 着地したユリアちゃんの言葉に苦笑いする俺達だったが…みんなの表情は仮面で見えるはずも無かった。
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