システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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ここが今日から君の家だよ!

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 将来生れてくるであろう子供に関して、若干…いやかなりの不安要素は残るものの、俺の身体に関しての疑問は何とな~く解決したというか、分かったというか、とにかくモヤモヤした物は晴れた気がする。
 元々がイレギュラー的な存在なんだから、多少変な所があったって今更だしな。
 どうせどっか変な所がある気がしてたんだから、管理局がいじくった遺伝子だろうが身体だろうが関係ない。
 普通の生活をすれば普通に、やる気を出せばそれなりらしいから。
 リリアさんの打ち明け話は難解ではあったが、これで終了。
 モフリーナに連絡をして、皆の要る部屋へと戻してもらった。

 管理室に戻してもらうと、放っておかれてちょっとオコなユリアちゃんが居た。
「おにいちゃん、どこいってたの!!」
 はい、オコ頂きました! 有難うございます!
「大事な話をリリアさんとしてたんだよ、ごめんね。今から、お兄ちゃんの奥さん達の所にいくからね」
 そう告げると、ユリアちゃんは目に見えてご機嫌になった。
 まあ、子供だから目先の興味の方向を変えてあげりゃ、機嫌も変わるってなもんよ。
「わ~い! たのしみ~!」
 うんうん、かわゆいなあ~。
「それじゃ帰るとしますかね。もふりん、次はちょっと時間空けてくるんで、例の奴の始末は頼むな」
 あんま直接的な表現はどうかと思って、ぼかした言い方になったが、もふりんはビシッっと敬礼で応えてくれた。
 あの様子なら安心だろう。面倒な奴らには、この世界からご退場願いましょう。
 退場とは言っても、管理局のシステムでどこかに転生させてもらえるんだから、次の人生ではお幸せにねってしか言えないけど。
「よし、今日のダンジョン島でのお仕事は、これで終了! お家に帰ろう!」
 俺の宣言に合わせて、モフリーナが一塊になった俺達一行と共に、アルテアン領のダンジョン塔へと転移をした。
 はあ、やっとお家に帰れるよ…マジで疲れたなあ。

 帰って来たダンジョン塔でモフリーナと分かれた俺達は、蒸気自動車に乗り込んで、我が家を目指す。
 本日の運転手はサラ。暴走しない様に、しつこく何度も言い含めると、嫌そうな顔されたけど。
 さて、ダンジョンから蒸気自動車で外に出ると、あたりはまだ薄暗い。
 夜明けにはまだ少々時間がある様だが、ここでひと悶着起きるかと思ったが、さにあらず。
 地動説を信じているこの世界の人々の様に、長々と解説が必要かと思っていたのだが、よく考えたらユリアちゃんが目覚めたのは薄暗いダンジョン島の管理室。
 外界に出た事が無いから、昼夜の感覚が元々無かった。 
 良い事なのか悪い事なのかそこは微妙だが、まあ《お外は太陽の出入りで外が明るくなったり暗くなったりする。夜は寝て朝に起きる》と説明するだけで、なんか理解してくれた様だ。
 そんな話をしつつトンネルに突入し、やがてそれを抜けると、いつもの様に眼前に広がるキラキラと光る美しいネス湖の湖畔。
 ユリアちゃんは大興奮だが、そろそろ俺は眠くなってきた…けど、もちろん可愛い妹に付き合いますよ。
 俺の領地の観光名所なんかの話をしているうちに、我が家の門を通過した。
 美しい俺の屋敷を見たユリアちゃん、これまた大興奮!
 しかも出迎えてくれたのが、俺の屋敷のメンバー全員だった。
 いや、もちろんカエルコールしたからだけど、嫁達もドワーフメイド衆もユズユズも、ユリアちゃんを心待ちにしていた様だ。
 嫁達の関心が俺から離れたのは良い事じゃないかとも思うけど、寂しい気持ちもちょっとあったりする。
 玄関前に蒸気自動車を、無駄にスライドさせながら駐車したドヤ顔のサラは無視して、興奮するユリアちゃんを宥めつつもエスコートして俺は車から降りて嫁達の前へと進み出た。
 そして、是非とも言いたかったセリフを。
「さあ、ユリアちゃん。ここが今日から君の家だよ!」
 歓迎の意味を込めて、両手を広げて言ってみた。けど、これって何のセリフだっけ?
『ようこそユリアちゃん!』『ユリアーネ様、ようこそいらっしゃいました!』
 言わずもがな、嫁達の言葉と、ユズユズ+ドワーフメイド衆の言葉だ。
 うんうん、みんな歓迎してくれてる様で俺は嬉しいよ。

 ところで、俺にお帰りは?
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