システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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カウントダウン!

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 目覚めの儀式とは、つまりこの新ボディーの幼女を覚醒させる事だ。
 間違ってないよね? 合ってるよね?
 俺達は、生命維持装置に繋がれて眠る幼女の側に立った。

 んん…では改めて、
「ではリリアさん、目覚めの時間となりましたので、彼女の覚醒をお願いします」
 俺はキリリと引き締まった顔に、ニヒルな笑みを浮かべつつ、リリアさんへとバトンを渡した。
「……顔がキモイ……」
「失礼な!」
 生命維持装置のすぐ横に立ったリリアさんに、ディスられた。
「まあ、今は良いです。では、覚醒させますよ。準備は良いですか?」 
 全員が黙って頷く。
 とは言っても、俺、サラ、モフリーナ、もふりん、そして管理室でセコセコと働くゴブリンやコボルトやスライムしかいないのだが。
 そもそも魔物は自分達の仕事を一生懸命していて、俺達の事なんて一瞥もくれない。
 こんだけ頑張ってるんだから、ちょっとは見てくれてもいいのになあ。
「はい、そこ! よそ見しない! ここが本日のメインイベントですよ! ちゃんと見ておくように」
 リリアさんに、怒られた…
「では、カウントダウン開始! 5、4、…」
 リリアさんが、そっと装置に指を伸ばした。
 あの鬼畜な所業からは創造も出来ない程、白くて綺麗な指だ。
 きっと白魚の様な指って、あんな指なんだろうなあ。
「3、2、1…意志なき者、我の力をもって目覚めよ! 陽天〇召来!」
「ちょっと待てーーーい! お前は守〇月天様か! まもって欲しいのか!? ってか、それ言いたかっただけだろ!」
「何を急に大声を出してるんですか? これも必要なプロセスなのですよ?」
「嘘つけーーーー! 」
 もう、色々と疲れた。
「そんな小さな事よりも、お姫様の目覚めの時ですよ」
 ベッドに寝かされていた幼女の頭部を覆っていたカバーが外され、幼女がゆっくりと目を開けようとしている所だった。
「あ、鳥のヒナの様に、初めて見た物を親と思うとかはありません。私の調整は完璧ですから」
 あ、そうなんだ。インプリンティングとかあるのかと思ったけど、それは無いんだ。
「まだ意識の覚醒にまでは到っていません。今は身体の各機能を自動試験及び点検中です。0歳から始めるのではないので、少々これにも時間がかかりますので、今のうちに進言しておきます」
 真面目な顔のリリアさんに、自然と俺の気持ちも引き締まる。
「名前は、貴方様が告げてあげてください。そして彼女の過去に関する一切を彼女に告げるタイミングも貴方様にお任せします。ただし、彼女は綺麗さっぱり過去に関する事は記憶にありませんし、思い出したりもしません。なので、新たな記憶情報として彼女の脳に書き込まれてしまいます。その点は十分にご注意ください」
 なるほど。確かに不用意に彼女の過去に関して告げたりするのは駄目だな。 
「また、今回は非常に残念ですが、名前以外では貴方様の妹という設定を焼きつけています。今回は記憶喪失としておりますが、貴方様やご家族様や我々に関して、顔と名前は情報として持っております。多少の齟齬はあるかもしれませんが、最初からきちんと認識できておりますので、彼女が自らの名前を訊ねた時に、教えてあげてください」
 なるほど…つまりは至れり尽くせりって事だな?
 見ていると、彼女が目を左右上下に動かしたり、口をパクパク動かしたりと、自分の身体の動作確認をしている様だった。
「各部の試験と点検が終了した段階で、問題が無ければ再起動に関しての最終確認が来ます。問題が発見された場合は、再度修正のために眠りにつきます。ここまではよろしいですね?」
「ああ、オッケーだ」
 俺は彼女から視線をずらす事なく、じっと様子を見つめ続けた。

「あ、貴方様にはとても残念なお知らせを忘れていました」
「ん??」
 残念って、何だ? 問題でもあるのか?
「この幼女に掛かっている布の下は、マッパではありません」
 なっ! なんだとーーー?
「ちゃんと、もふりん用の服を着せました。もちろん下着も込みです」
 もふりんが、何やら恥ずかしいのかモジモジしている…そんな事よりも、
「何でそんな余計な事を!」
『見る気満々かよ、この変態がーーーーーーーーーーーー!』
 あ、そんな気はありませんよ? 白い布の下は裸ってのが普通だと思っただけですから…決して見たいわけでは…ない…よ?
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