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永遠に俺の妹なのだ!

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 火御華のボディーデザインは、一応決定した。
 サラとリリアさんに確認したが、問題は無いとお墨付きが出たが…出したのがこいつ等だからな…安心できんのだが。
 とにもかくにも、決定したのだ。
 元となるサラの予備素体から身長を25cmほど縮め、全体的に精神年齢相応に見える様に調整。
 この世界の生物と一線を画す様にするため、妖精達の能力の一部をその身体に植え付けた。
 さらに、ごく小規模で近距離にだけシールドを自在に展開出来、短時間ではあるが光学迷彩も発動可能で、エネルギーは周囲から自動的に吸引できるスキームも取り入れた。
 
 実は勘違いしている方も多いかと思うが、この世界に存在しない物というのは、俺が創るまでは存在しなかった物という意味で合って、俺が創造したからと言ってこの世界に存在する物にはならないという事だ。
 俺しか創造出来ないんだから、まあ自然発生的にこの世界に存在するはずが無いのは当然だ。
 そして、俺が創造出来るのだから、この世界で自然に生まれ出る様な事は、未来永劫あり得ないという証明でもある。
 まあ、そうでなければネスの空中立体映像投影装置なんて複製できるはずも無いし、延々とエネルギーの続く限り妖精が生み出される神樹の創造も不可能になる。
 まあ、これはあくまでも余談なのだが。

 さて、こうして決定した火御華の新ボディーなのだが、あまり高エネルギーを詰め込んだ生体ではまずいわけだし、年齢に応じて成長もしなくてはならないのがネックだ。具体的には俺の想像力が働かないのだ! どうすべ?
「簡単ですよ。コルネリアを思い出して創ればいいんです。ただし中身はあのモニターでお人形さん遊びをしている火御華になりますけどね」
 サラの的確かどうか良く分からぬ指摘を受けつつ、創造はしてみたものの…
「駄目だ…いつまでも変わらぬ可愛いコルネちゃんしか思い浮かばん! コルネちゃんは永遠に俺の妹なのだ!」
 くっ…俺のイメージが及ばない…イメージが貧困とか言うな!
 何てことだ! コルネちゃんを想像すればするほど、創りださねばならぬボディーとはかけ離れてしまう。
 俺の後ろを常に「お兄ちゃん、お兄ちゃん!」と笑顔で追いかけて来るコルネちゃんしか思い浮かばん!
 「お背中流してあげるね~」と一緒に風呂に入ったのはいい思い出だ。
 そう、あらは初めて魔法を見せた日の事だった…「お兄ちゃん、すっご~~~い!」と驚いた顔のコルネちゃんも可愛かった。
 コルネちゃんが初めて純白の創界シスターにメタモルフォーゼした時の、あの喜んだ顔は輝いてたなあ…。
「大河さん? あんたアホですか?」
「藪から棒に、失礼だなサラ! アホとは何だアホとは!」
 ぷんぷん! トール君だって怒る時は怒るんだぞ?
「コルネちゃんだって成長するんですよ? もう11歳なんですからね?」
「何を言う! 11歳なら、まだ日本では一緒に銭湯で男湯に入っても辛うじてセーフな年齢だろ!」
「ぶはっ! あんたどこまでロリなんだよ! 一部の都市部では、すでに7歳まで年齢が引き下げられてます!」
「な、なん…だと!? それではコルネちゃんと一緒にお風呂という俺の野望が…はっ! そうだ、家族風呂ならセーフだ!」
 そうだ、俺の屋敷の半露天風呂ならOKではないか!
「アウトだよ、このウジ虫が!」
「そうは言うが、合法ロリなドワーフメイドさんやお前だって乱入してきたじゃないか! コルネちゃんがそこに紛れたって、全然分からんはずだ! そうだ、この世界では全てが許されるのだ! そう、これはノーカン! ノーカンなのだ!」
「地下チンチロリンでイカサマを見破られた某班長っぽく主張したって駄目です! あの露天風呂に入れるのは、あんたに身体を許す覚悟のある者だけですから!」
「え、サラ…お前、そんな覚悟してたの?」
「もちろんです、エッヘン!」
「コルネちゃんならともかく…お前だけは丁寧に熨斗つけてお断りいたす!」
 こんなのイラン!
「コルネちゃんならともかくって、どういう意味ですか! あんたやっぱりロリコンだよ! シスコンだよ! 変態だよ!」
「ふっ…何とでも言うがいいさ! なせば大抵なんとかなる!」
「あんたは、結城〇奈かー! そっちの勇者は要らんのじゃ! もふりん、警察に通報だ!」
 傍でぼへっとしていたもふりんが、急に話を振られて困惑していたが、俺はすかさずこう答えた。
「馬鹿を言え。もふりんも許容範囲なのだから、一緒に風呂に入るに決まっとろうが!」  
「ま、ましたーーー! たちゅけてくだちゃーーーい! へんたいさんが、ここにいまちゅーーー!」
「し、真正の変態や! モフリーナ、もふりん連れて逃げてーーー!」
 ダンジョン管理室がとてもバタバタした様だが、俺は悪くない! 
 悪くないよね? 
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