システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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Yes,My lord!

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 当初の目的は達成できたって事で、良しとするか…いやいや、そもそもこの星にはあの大陸しか無いと、俺は教えていたよな?
 言ってたよな、間違いなく。
「はい、確かにマスターからはその様にお聞きしておりましたよ?」
 可愛く小首を傾げ、唇に人差し指をあてるなんていう小賢しい真似をしても、俺は絶対に誤魔化されんぞ!
「いや、だったらどうして何も無いって分かってる海まで来たんだよ! それも全員で四方八方から!」
「マスター、4人ですから四方だけです。八方からは無理です」
「突っ込むのはソコじゃねー! 単なる言葉の綾だよ!」
 海しかないこの座標に、全員でやって来た事が問題なんだ。
「あ、それはですね、アラブの地理学者の様な首都を中心とした地図や、伊能忠敬の様な中途半端に沿海線を辿るだけの地図などでは無く、この星全体のきちんとした地形の縮尺と起伏を図面化した3次元地図を作成するためです」
 誰がそこまでしろと言った! ってか日本全土を行脚した伊能さんに謝れ!
「………俺、グーダイド王国の周辺国家を探って地図作ってくれって言わなかったっけ?」
「「「「そうでしたっけ?」」」」
「お前等、人の話を最後までちゃんと聞けーーー!」
 とうとう俺の怒りが爆発(?)した。

「このダンジョン大陸は、先月までは存在しなかったんだよ。俺が創った大陸だから、地図にも絶対に載せるなよ」
 大量転移者の受け皿として、急きょ造ったダンジョン大陸。
 いきなり現れたこの特殊で巨大な大陸を地図に載せたりして、それが流出したりしたら…各国が大型帆船を大量製造して、船団をつくって大海原に乗り出す、いわゆる大航海時代が始まってしまう…かも?
 当然、各国の船団がいくら探してもこの大陸しか無いんだから、やがて全ての船団がここに集まって来てしまうだろう。
 もちろんこの大陸の構造上、上陸はほぼ不可能に近いし、妨害工作も激しく行う予定なのだが、それでももしも上陸したら…間違いなく魔物の餌食であの世行き。
 この大陸を秘匿するのは最重要案件なんだから、俺達が取る行動は…当面の間は死人に口なし…に、なっちゃうからな。
 俺がこの大陸を開放するまでは、絶対に誰にも漏らしてはいけないのだ。
「「「「了解しました」」」」
 とても良い笑顔で返事をする4人だが、本当に事の重大さを理解しているんだろうか? いや、俺が慎重すぎるのか? んにゃ! 慎重すぎるぐらいが丁度いいのだ! 

「んで、ここまで来たって事は、もうこの星中を調査し終わったのか? まだ2ヶ月も経ってないけど」
「はい、マスターより仰せつかった課題は、概ね達成できたはずです。あとは紙に描き起こすだけです」
 ふむ…それなら、まあ良しとするか。
「妖精達も蜂達も、ここに全員揃ってるんだな?」
「「「「Yes,My lord!」」」」
 …その言い方は、うちの父さんまでにしとけよ…王族には間違ってもしちゃ駄目だぞ。何で駄目なのかは、自分で調べろ。

「分かった。それじゃ、ちょっと手伝ってもらおうか…」
 流石に手一杯だからな…3千ものモニターをチェックするのは、1人では無理だ。
 もちろんモフリーナやもふりんも手伝ってはくれるが、最終的な判断は俺がしてるからな…処分の方向性で。
 俺と思考が完全に繋がってるこの4人なら、確実に問題をあぶり出してくれるはずだ。
 サラとリリアさんは、火御華の新ボディー作成準備に忙しいだろうし、そもそも真面に協力するとも思えん。
 なので、各モニターに映る転移者達の様子を、モフリーナ及びもふりんと協力して、4人にはしっかりと監視してもらおうという寸法だ。
 俺のヤル気ゼロの仕事丸投げとも言えなくはないが…。

 とにかくヤル気全開の妖精達4人にお任せして、俺は火御華ちゃんのボディーのデザインでもしようかね。
『大河さん、目が嫌らしいです』
『貴方の顔…緩みまくっててキモイです』
 おい、サラもリリアさんも酷い言い様だな!
 嫌らしい事なぞ、目クソほども考えて無いわ! リリアさんよ、この俺様の端正な顔立ちの何処が緩んでるというのだ! 
『『鏡って知ってますか?』』
 知っとるわ! 見た事もあるわ! ってか、屋敷の全室に付いてんだろうが! 
『大河さん、ちゃんと見た事があってそれですか…』『なんと残念な思考の持ち主か…』
 こいつら、この事案が解決したら、絶対絶対にいつか必ず泣かせてやる!
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