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早死にしそう

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 本当に死ぬかと思った。
 やっと俺が眠りにつけたのは、嫁~ず全員が満足した後だったのは、言うまでもないだろう。
 どうやら知らぬ間に意識を失い、夢も見ずに眠っていたらしい。
 完徹な上に、肉体疲労の限界を迎え、精神のブレーカーが落ちたんじゃなかろうか? この歳からこんな生(性?)活してたら、早死にしそうな気がする。
 俺、真面目に仕事してただけなのになあ…いや、愛されてるという実感はもの凄くあるけど…これはちょっと違うと思うの…。

 ベッドの上で、嫁達が一糸纏わぬあられもない姿で寝ている横で、俺はふいに目が覚めた。
 この世界の空は、とても澄んでいる。窓の外には満天の星が煌めき美しい。
 いや、ベッドの上のあまりの乱れっぷりと対照的だな…。

 目が覚めたら考える事は1つ。もちろん、あの転移者達や恐怖の大王の事。
 転移者の実に70%が保護しなければならない可能性が高い弱者という事実は、この世界的には脅威が減って良かったとも言えるが、処遇を一任されている俺としては困った状況だ。
 早急に父さんや陛下と相談すべきか? いや、神の眷属が転移してくるとか大嘘つきまくってるのに、今更それは無理か。
 でも俺一人で何とかできる範疇の人数でもないし…頭の痛い問題だ。
 いっその事、全員が悪人だったら話は早く済んだんだが。
 もちろん全員物理的に消えてもらう、もしくはダンジョン塔で飼い殺しの方向で。
 それはそれで、後々心が痛むかもしれないが、国を巻き込んでの騒動にはならない分だけ楽だと思う。
 だけど、今回はそうも言ってられない。
 帰る前に確認しただけでも、確実に誰か保護者が必要な転移者が多すぎる。
 もはや管理局長の陰謀かと、疑いたくなるぐらいだ。

 一応、転移者保護政策の素案としては、あの子供や老人達は、一旦アルテアンのダンジョンの安全な区画内に転移させて生活してもらい、大陸に残った邪魔な奴を排除する。
 その後、ダンジョン大陸を巨大な孤児院・介護施設へと一部モフリーナに改造してもらってから戻す。
 これが現在考えられる中ではベストでは無かろうか?
 元々、俺達の住むこの大陸だけでは、やがて人口増加に耐えられなくなるっていう話だったんだから、そっちにあちこちから移住希望者を募れば、人手不足も何とかなるしな。もうこの案で強引に進めるしかないか。
 
 次の問題としては、危険生物と恐怖の大王だよな。

 あ、精神汚染の心配されるヲタッキーは完全無視! しぶとく生き残りそうだからな。もしあれが死んでも、心は痛まん!

 他種族を食らう奴は、他の転移者や魔物でも食べようとするのか観察中だが、行動に起こそうとした瞬間に、この世界から消えてもらうつもりだ。見た目はあまりにもグロテスクでモザイク案件だったが、触手の化け物だった。

 苗床にするとかいう奴は、『クッ殺せ!』なのか!? とか思ったが、どうやら獲物を仮死状態にして卵を産み付け、孵化した子供の餌にする奴らしい。シイタケの原木扱い? ジガバチもそんな習性だった気がする。
 要は、孵化した時に、新鮮な餌が食べられるようにしているとか…胸糞悪くなる話だ。
 どうも単為生殖が可能な種族らしく、この星で繁殖してしまう可能性が高い。
 サラの情報が正しい場合、こいつは即座に殲滅する。
 外来種の繁殖は、在来種の数を減らしたり、絶滅に追いやる危険性があるからな。
 こいつの見た目は、まんまエイリ〇ンだった…

 他種族を遊びで狩る奴に関しては、転移場所が全員バラバラで離れているため、本性がまだ見えないのだが、要保護者を収容した後だったら、好きにさせようかと思ってる。残った30%の危険生物たちを始末してくれる様なら、それはそれで手間が省けるし、もしも最後まで生き残ったのであれば、大物量作戦であの世に送ればいいだけの事。あわよくば、ついでに恐怖の大王も屠ってくれたら大助かりだしさ。

 まあ、サラが素直に全部の情報を吐くとも思えないし、局長が本当に全ての情報をサラに渡してるとも思えない。
 何か裏がありそうな気もするが、俺はそんな事知らんし、知ろうとも思わない。
 俺と、愛する家族が生きるこの世界が大事だし、ちょっとでも危険が及ぶ様なら、幼児でも老人でも容赦しない。
 直接俺が手をかける事は、出来るだけしたくないが…その覚悟もすでに出来ている。
 とは言っても、やっぱりその時は最初にダンジョンの大魔物軍団に特攻してもらうつもりだけどな。

 いくら格好つけたって、どっかの異世界物のラノベみたいに、平気で人を殺せるようなメンタルは持ち合わせてない。
 ヘタレと言われようと構わない。出来るだけ俺は普通で居たいんだ。
 いや、嫁達の乱れまくった寝姿を見たら、もはや普通とは言えないかもしれないけど…そこは見て見ぬ振りをして欲しいな。
『ま、格好付けのヘタレだけど、それでこそ大河さんってなもんですよ』
 サラ、うるせーぞ!
『それで、恐怖の大王対策は、どうしますか?』
 まあ、一応キノコ大王の時と同じ作戦で行こうかなっと思ってる。
 明日にでも創造すっから、そのつもりで。
『はいはい、このサラちゃんにお任せ! 泥船に乗ったつもりで、嫁さんと乳くり合っててください!』
 泥船かよ! 絶対に沈没するじゃん! まあ、サラだしな…
 それに、もう乳くり合わないし! これ以上やったら、マジで早死にするし!
 
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