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帰りましょう!
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結婚式を終えて、バカンスという名の新婚旅行に1週間。
帰ってから、来賓の皆様をお送りして、そのあとモフリーナと打ち合わせをと並行して準備を整え、ホワイト・オルター号に乗り込んでこの星の裏側へ。
大陸を創造した後、ダンジョン化を行い、魔物を生産&量産しまくって、転移者を誘導するために必要なあれやこれやをガチャ玉で創りまくり、その合間に嫁~ずに搾り取られて、やっと転移者を迎え入れる(?)全ての準備が整った。
「よし! これで全ての準備完了。取りあえず、一旦家に帰ろう!」
『わーーーい!』
嫁~ずもユズユズの嬉しそうだ。
ぶっちゃけ、ここには娯楽といえるものはダンジョンしかないから、飽きちゃったのだろう。
普段は楽しくもないが、領地の仕事も離れすぎるとやりたくなってくる不思議。
「そういえば、お仕事の方は大丈夫なのですか? 恐怖の大王との戦いの時とか、残って仕事してくれてたドワーフメイドさん達が悲鳴を上げてましたけど…」
「うん、メリルの言う通りだね。だからちゃんと、人魚さん達に最初からヘルプをお願いしてたんだ。まあ、またお見合いパーティーとかしなくちゃ駄目かもしれないけど…」
あの時のパーティーで、人魚さん達が結構な確率で妊娠したんだよな。
もう人魚さん達が狂喜乱舞して喜んで、またパーティーして欲しいって陳情が、毎日のように舞いこんで来る。
「ああ、例の…なパーティーですか」
ミルシェが遠い目をしている。きっと『…』の部分は記憶から消したいんだろう。
「うん、例のパーティー。男性参加者を募らないとなあ」
「参加者という名の生け贄ですよね」
マチルダ、そんなストレートに言わない!
「人魚さん達の相手してた男の方…あの後、死んだ魚の目の様に…人魚さん達は生き生きしてました…けど…」
ミレーラ、上手い事言うね。
「はっはっは! 狙った獲物は逃がさない! それでこそ野生で生きる人魚だな!」
いや、普通に温泉街で饅頭食ってるけど、人魚さん。
「ま、まあ…そういう訳だから、仕事は多分大丈夫だよ。俺の決済が必要な物だけが残ってるぐらいかな」
それでも急ぎの案件に関しては、父さんに通信の呪法具で指示を仰ぐように言ってるし、父さんも手伝いを了承している。
だから、残ってるのは必要最低限の仕事だけのはず。
早く帰って温泉街でゆっくりしたいよ…いや、またすぐに戻ってくる予定だから、そんなにゆっくりは出来ないけど。
「皆も温泉入ってエステ受けたいでしょ? 俺もゆっくりマッサージしてもらいたいしさ」
エステって単語で、女性陣の目の色が変わり、声を揃えて叫んだ。
『今すぐ帰りましょう!』
このホワイト・オルター号にも立派な風呂と一通りのスキンケア用品は揃えてはいるが、やはり本職に入念にして貰うのとでは効果が段違いなんだろう。
特にお肌には敏感だからな、女性って奴は。
俺とユズキにはそんなに違いなんてわからないけど、エステに行った後の女性陣は確かに輝いてる気がする。いや、違いが分からないなんて言ったら、極太の氷柱のごとき視線で刺し殺されるから、絶対に言わんけどな。
「大丈夫だよ。すぐに帰るつもりだから、最低限の手荷物だけ持ってね」
『手荷物だけ?』
「うん、手荷物だけね」
あれ? 何でそんなに不思議そうなの?
「あの、トール様。ホワイト・オルター号で帰るのですわよね?」
あ、なるほど! そうか、飛行船なら手荷物だけっておかしいもんな。
「ああ、うん…そうじゃないよ。ここからアルテアンのダンジョンまで、モフリーナに送ってもらうから、一瞬だよ」
『あっ!』
「ホワイト・オルター号は、ここに来た時のルートをそのまま逆に飛んで戻ってもらうから、取り急ぎ帰ってすぐに必要な物だけ持ってね。あまり荷物が多いと、モフリーナの負担になるから」
『はい!』
うん、理解してくれて嬉しいよ。
そうなのです、この大陸から俺の領地にあるダンジョンまでは、モフリーナの管理下にあるのです。
ということは、ダンジョン内であれば自由に人や物を好きな場所に移動させる事が出来るという、ダンジョンマスターの権限で、あっという間に帰る事が出来るのだ。
ホワイト・オルター号は、ちゃんと往路はお空を飛んできているので、航路のマップは完成している。つまりはオートパイロットで戻せるのだ。
ならば何日もかけて空を飛んで帰る必要なんて、全く無い!
楽が出来る方法があるのだから、俺は迷わずそっちを選択する。
この必殺のダンジョンマスターの権限とダンジョンのルールが、これからやって来るであろう転移者を苦しめるのだ!
あらゆる可能性を考慮して、入念に微に入り細に入り手を入れたこの大陸。
転移者共よ、この俺様の完璧なこのダンジョンで苦しみ藻掻くがいい!
『大河さん、それじゃ完璧に悪役でっせ?』
ふっ…何と言われようと構わない。俺はこの賭けに勝たなくてはならないのだ!
『バクチなんかに人生掛けんのはアホのするこっちゃで』
…どっかで聞いたセリフだな…ま、サラの言うとおりだけど。
『ところで質問なんですが、よろしいですか?』
ん? リリアさん、質問?
『ええ…なぜ昆虫型の魔物なのに、インセクトやバグはなくイノセント型なのですか?』
ああ…それはな、無垢な魔物って意味を込めてなんだ。ただ自然に溶け込み、ごく自然に敵近づき、命じられた事を何の疑いも無く実行する、無垢な魔物…本当は、昆虫型なのにも意味は無いんだよ。
『あ、私は単に大河さんが間違っただけだと思ってました!』
違うわボケ! ちゃんと考えてんだよ! インセクトとイノセントって微妙にかかってるだろ? まあ、駄洒落だよ。
『ふむ…これは30点ですね。もう少しひねりが欲しかった』
リリアさん、結構採点辛いな…
帰ってから、来賓の皆様をお送りして、そのあとモフリーナと打ち合わせをと並行して準備を整え、ホワイト・オルター号に乗り込んでこの星の裏側へ。
大陸を創造した後、ダンジョン化を行い、魔物を生産&量産しまくって、転移者を誘導するために必要なあれやこれやをガチャ玉で創りまくり、その合間に嫁~ずに搾り取られて、やっと転移者を迎え入れる(?)全ての準備が整った。
「よし! これで全ての準備完了。取りあえず、一旦家に帰ろう!」
『わーーーい!』
嫁~ずもユズユズの嬉しそうだ。
ぶっちゃけ、ここには娯楽といえるものはダンジョンしかないから、飽きちゃったのだろう。
普段は楽しくもないが、領地の仕事も離れすぎるとやりたくなってくる不思議。
「そういえば、お仕事の方は大丈夫なのですか? 恐怖の大王との戦いの時とか、残って仕事してくれてたドワーフメイドさん達が悲鳴を上げてましたけど…」
「うん、メリルの言う通りだね。だからちゃんと、人魚さん達に最初からヘルプをお願いしてたんだ。まあ、またお見合いパーティーとかしなくちゃ駄目かもしれないけど…」
あの時のパーティーで、人魚さん達が結構な確率で妊娠したんだよな。
もう人魚さん達が狂喜乱舞して喜んで、またパーティーして欲しいって陳情が、毎日のように舞いこんで来る。
「ああ、例の…なパーティーですか」
ミルシェが遠い目をしている。きっと『…』の部分は記憶から消したいんだろう。
「うん、例のパーティー。男性参加者を募らないとなあ」
「参加者という名の生け贄ですよね」
マチルダ、そんなストレートに言わない!
「人魚さん達の相手してた男の方…あの後、死んだ魚の目の様に…人魚さん達は生き生きしてました…けど…」
ミレーラ、上手い事言うね。
「はっはっは! 狙った獲物は逃がさない! それでこそ野生で生きる人魚だな!」
いや、普通に温泉街で饅頭食ってるけど、人魚さん。
「ま、まあ…そういう訳だから、仕事は多分大丈夫だよ。俺の決済が必要な物だけが残ってるぐらいかな」
それでも急ぎの案件に関しては、父さんに通信の呪法具で指示を仰ぐように言ってるし、父さんも手伝いを了承している。
だから、残ってるのは必要最低限の仕事だけのはず。
早く帰って温泉街でゆっくりしたいよ…いや、またすぐに戻ってくる予定だから、そんなにゆっくりは出来ないけど。
「皆も温泉入ってエステ受けたいでしょ? 俺もゆっくりマッサージしてもらいたいしさ」
エステって単語で、女性陣の目の色が変わり、声を揃えて叫んだ。
『今すぐ帰りましょう!』
このホワイト・オルター号にも立派な風呂と一通りのスキンケア用品は揃えてはいるが、やはり本職に入念にして貰うのとでは効果が段違いなんだろう。
特にお肌には敏感だからな、女性って奴は。
俺とユズキにはそんなに違いなんてわからないけど、エステに行った後の女性陣は確かに輝いてる気がする。いや、違いが分からないなんて言ったら、極太の氷柱のごとき視線で刺し殺されるから、絶対に言わんけどな。
「大丈夫だよ。すぐに帰るつもりだから、最低限の手荷物だけ持ってね」
『手荷物だけ?』
「うん、手荷物だけね」
あれ? 何でそんなに不思議そうなの?
「あの、トール様。ホワイト・オルター号で帰るのですわよね?」
あ、なるほど! そうか、飛行船なら手荷物だけっておかしいもんな。
「ああ、うん…そうじゃないよ。ここからアルテアンのダンジョンまで、モフリーナに送ってもらうから、一瞬だよ」
『あっ!』
「ホワイト・オルター号は、ここに来た時のルートをそのまま逆に飛んで戻ってもらうから、取り急ぎ帰ってすぐに必要な物だけ持ってね。あまり荷物が多いと、モフリーナの負担になるから」
『はい!』
うん、理解してくれて嬉しいよ。
そうなのです、この大陸から俺の領地にあるダンジョンまでは、モフリーナの管理下にあるのです。
ということは、ダンジョン内であれば自由に人や物を好きな場所に移動させる事が出来るという、ダンジョンマスターの権限で、あっという間に帰る事が出来るのだ。
ホワイト・オルター号は、ちゃんと往路はお空を飛んできているので、航路のマップは完成している。つまりはオートパイロットで戻せるのだ。
ならば何日もかけて空を飛んで帰る必要なんて、全く無い!
楽が出来る方法があるのだから、俺は迷わずそっちを選択する。
この必殺のダンジョンマスターの権限とダンジョンのルールが、これからやって来るであろう転移者を苦しめるのだ!
あらゆる可能性を考慮して、入念に微に入り細に入り手を入れたこの大陸。
転移者共よ、この俺様の完璧なこのダンジョンで苦しみ藻掻くがいい!
『大河さん、それじゃ完璧に悪役でっせ?』
ふっ…何と言われようと構わない。俺はこの賭けに勝たなくてはならないのだ!
『バクチなんかに人生掛けんのはアホのするこっちゃで』
…どっかで聞いたセリフだな…ま、サラの言うとおりだけど。
『ところで質問なんですが、よろしいですか?』
ん? リリアさん、質問?
『ええ…なぜ昆虫型の魔物なのに、インセクトやバグはなくイノセント型なのですか?』
ああ…それはな、無垢な魔物って意味を込めてなんだ。ただ自然に溶け込み、ごく自然に敵近づき、命じられた事を何の疑いも無く実行する、無垢な魔物…本当は、昆虫型なのにも意味は無いんだよ。
『あ、私は単に大河さんが間違っただけだと思ってました!』
違うわボケ! ちゃんと考えてんだよ! インセクトとイノセントって微妙にかかってるだろ? まあ、駄洒落だよ。
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