431 / 1,466
恐怖のずんどこ
しおりを挟む
「そんなに怖がらなくても大丈夫だよ。よく見てみろって、こいつら可愛いじゃん」
俺の言葉に照れたのか、テーブルの上でぐねぐね身を捩る、イノセント型モンスター軍団達。
「ちゃんと紹介するから、こっちゃ来てみ」
ちょいちょいと手招きすると、漸く皆がテーブルの周りに集まって来た。
「んじゃ紹介するね。彼(?)が蠅型魔物のベルゼ君。彼は蚊型魔物のモスキー君。蝶型魔物は、バタフリャー君。蛾型魔物は、モスラーヤ君、蟻型の魔物のアントン君に、最後は蜘蛛型魔物のアサグモ君。ほら、挨拶挨拶」
全員の紹介が終わると、並んで嫁~ず及びユズユズにペコリと挨拶をする魔物達。
うん、やっぱ可愛いわ。
「た、確かによく見ると可愛い…かも」
おお、メリルも分ってくれたか。
「でもちょっと大きくないですか?」
「うん、ミルシェのいう通り、ちょっとだけ大きくしてるんだよ」
サイズ的には倍ぐらいかなあ。
「どうして…大きくしたのですか?」
「それはね、あまりに小さいと活動範囲が狭くなりすぎつからなんだよ、ミレーラ君」
なるほど~と感心した顔で、マジマジと虫達を見つめるミレーラ。
「それで、この魔物は強いんですか?」
やっぱイネスは強い弱いが知りたいのか…脳筋だなあ。
「いんや、全然弱い!」
「え? それでは、彼等は何が出来るんですか?」
さすが嫁~ずの情報収集担当マチルダ。詳しく知りたいとな? 良かろう、説明して進ぜよう。
「では彼等の能力を紹介しよう!」
蠅型魔物のベルゼ君は、敵と認識した者の周囲を飛び回りイラつかせる。あと、情報収集担当。
蚊型魔物のモスキー君は、先に説明したんで省略。
蝶型魔物のバタフリャー君は、優雅に飛んで敵の油断を誘う。あと、敵の幻惑担当。
蛾型魔物のモスラーヤ君は、鱗粉を振りまき、敵を不愉快にさせる。あと、夜間監視担当。
蟻型の魔物のアントン君は、大軍で敵の食料を食い散らかす。あと、輸送担当。
蜘蛛型魔物のアサグモ君は、敵の顔とかに蜘蛛の巣をくっ付けて何だこりゃ! と言わせる。あと、虫型魔物の指揮担当。
そしてここには居ない、最悪の嫌がらせ担当の"虫"もまだ複数いるのだが、きっと全員にひかれるのは間違いないなので、内緒にしておく。
俺の説明を聞いた一同は、もの凄く微妙な顔で虫達と俺の顔を見た。
「伯爵様、1つ聞いてもいいですか?」
「ん? どうしたユズキ」
今までじっと黙ってたユズキからの質問であれば、答えるのも吝かではないかもしれない様な気がしないでも無い。
「結局は、敵対者への嫌がらせが、虫達の役割なのですか?」
「その通り! と言いたい所ではあるが、もちろん本当の役割は他にあるよ。モスキ―君みたいにね…(完全な嫌がらせ担当も造っているけど…)」
その俺の回答を聞いたユズキは、
「すると、蟻だと蟻酸で敵を攻撃したり、蛾や蝶だと鱗粉に麻痺とか毒の効果があったり、蠅とか蚊は疫病を媒介したり、蜘蛛だったら敵の捕縛とか…いや、まさかそんな単純じゃないですよねえ。はっ! まさか自爆攻撃とか!?」
「……………」
ユズキ…こいつ…
「え? 伯爵様、ユズキの言った事、当たってる?」
ユズカよ、嬉しそうに言うな!
「…ほぼ正解…」
くっそーーーー!
『え? 本当に!?』
「ホントのホントだよ! 最終手段として、自爆攻撃もあるよ! どうせ俺は単純だよ!」
ぷっ…って、誰だ、今笑った奴は!
いいよいいよ! もう泣くからな! 泣いちゃうからな!
「いえ、…私は、びっくりしましたよ?」
メリルよ、口元が笑ってるぞ。慰めてくれるなら、表情を何とかしてからにして欲しい。
良いんだ、単純でも…現在すでに各イノセント型モンスターは、数億匹に達しているし、まだまだ増える予定だ。
この大陸にやって来た奴らを、すでに恐怖のずんどこ…じゃない、どん底に叩き落とす事も可能な数なんだからな。
いくら笑われようと、馬鹿にされようと、この大陸で全部の始末を、俺はつけるつもりだ。
もしも転移者が俺達の住む大陸に来ようと企んだ時は、このイノセント型モンスター全員が転移者に張り付いて確実に息の根を止める事になっている。
もし俺達に敵対せず、なお且つ仲良くしたいと望む性格の良い奴がいれば、もちろんそんな手段は取らない。
そういう奴は保護して、ちゃんと俺達の住む大陸にご招待するつもりだ。
だが敵対するのであれば容赦はしない。
俺がずっと昔に誓った様に、俺と俺の家族、大切な物を護るためなら、何だってやってやる! 人道に外れようとも構わない。この手を血に染める事になろうとも、躊躇ったりはしない。
だからこいつらをモフリーナに造らせたんだ。
もちろん、更なる能力も持ってはいるし、更に恐ろしいイノセント型モンスターも控えてはいるが…見せたり聞かせるべきではないだろう。
どこかのB級パニック映画の様な事になると、色々と後が面倒だし。
ま、これで転移者を受け入れる準備は整った。
後はこの大陸を撤退して、モフリーナと共に遠い俺達の住む街から、高みの見物でもしましょうかね。
『高みの見物ですか…』
そうだぞ~サラ! 前線に出てドンパチなんて面倒だからな。
『それにあの例の"虫"は、完全に嫌がらせですわよね?』
もちろんですとも! リリアさんの言う通り!
『大河さんは、いい性格してますね』
だろ? もっと褒めてくれてもいいんだぞ、サラ。
『サラは褒めてるわけじゃ無いと思いますが…』
ふっ…そんな事は分かってるさ、リリアさん。
『『やっぱいい性格してるよ、あんたは!』』
俺の言葉に照れたのか、テーブルの上でぐねぐね身を捩る、イノセント型モンスター軍団達。
「ちゃんと紹介するから、こっちゃ来てみ」
ちょいちょいと手招きすると、漸く皆がテーブルの周りに集まって来た。
「んじゃ紹介するね。彼(?)が蠅型魔物のベルゼ君。彼は蚊型魔物のモスキー君。蝶型魔物は、バタフリャー君。蛾型魔物は、モスラーヤ君、蟻型の魔物のアントン君に、最後は蜘蛛型魔物のアサグモ君。ほら、挨拶挨拶」
全員の紹介が終わると、並んで嫁~ず及びユズユズにペコリと挨拶をする魔物達。
うん、やっぱ可愛いわ。
「た、確かによく見ると可愛い…かも」
おお、メリルも分ってくれたか。
「でもちょっと大きくないですか?」
「うん、ミルシェのいう通り、ちょっとだけ大きくしてるんだよ」
サイズ的には倍ぐらいかなあ。
「どうして…大きくしたのですか?」
「それはね、あまりに小さいと活動範囲が狭くなりすぎつからなんだよ、ミレーラ君」
なるほど~と感心した顔で、マジマジと虫達を見つめるミレーラ。
「それで、この魔物は強いんですか?」
やっぱイネスは強い弱いが知りたいのか…脳筋だなあ。
「いんや、全然弱い!」
「え? それでは、彼等は何が出来るんですか?」
さすが嫁~ずの情報収集担当マチルダ。詳しく知りたいとな? 良かろう、説明して進ぜよう。
「では彼等の能力を紹介しよう!」
蠅型魔物のベルゼ君は、敵と認識した者の周囲を飛び回りイラつかせる。あと、情報収集担当。
蚊型魔物のモスキー君は、先に説明したんで省略。
蝶型魔物のバタフリャー君は、優雅に飛んで敵の油断を誘う。あと、敵の幻惑担当。
蛾型魔物のモスラーヤ君は、鱗粉を振りまき、敵を不愉快にさせる。あと、夜間監視担当。
蟻型の魔物のアントン君は、大軍で敵の食料を食い散らかす。あと、輸送担当。
蜘蛛型魔物のアサグモ君は、敵の顔とかに蜘蛛の巣をくっ付けて何だこりゃ! と言わせる。あと、虫型魔物の指揮担当。
そしてここには居ない、最悪の嫌がらせ担当の"虫"もまだ複数いるのだが、きっと全員にひかれるのは間違いないなので、内緒にしておく。
俺の説明を聞いた一同は、もの凄く微妙な顔で虫達と俺の顔を見た。
「伯爵様、1つ聞いてもいいですか?」
「ん? どうしたユズキ」
今までじっと黙ってたユズキからの質問であれば、答えるのも吝かではないかもしれない様な気がしないでも無い。
「結局は、敵対者への嫌がらせが、虫達の役割なのですか?」
「その通り! と言いたい所ではあるが、もちろん本当の役割は他にあるよ。モスキ―君みたいにね…(完全な嫌がらせ担当も造っているけど…)」
その俺の回答を聞いたユズキは、
「すると、蟻だと蟻酸で敵を攻撃したり、蛾や蝶だと鱗粉に麻痺とか毒の効果があったり、蠅とか蚊は疫病を媒介したり、蜘蛛だったら敵の捕縛とか…いや、まさかそんな単純じゃないですよねえ。はっ! まさか自爆攻撃とか!?」
「……………」
ユズキ…こいつ…
「え? 伯爵様、ユズキの言った事、当たってる?」
ユズカよ、嬉しそうに言うな!
「…ほぼ正解…」
くっそーーーー!
『え? 本当に!?』
「ホントのホントだよ! 最終手段として、自爆攻撃もあるよ! どうせ俺は単純だよ!」
ぷっ…って、誰だ、今笑った奴は!
いいよいいよ! もう泣くからな! 泣いちゃうからな!
「いえ、…私は、びっくりしましたよ?」
メリルよ、口元が笑ってるぞ。慰めてくれるなら、表情を何とかしてからにして欲しい。
良いんだ、単純でも…現在すでに各イノセント型モンスターは、数億匹に達しているし、まだまだ増える予定だ。
この大陸にやって来た奴らを、すでに恐怖のずんどこ…じゃない、どん底に叩き落とす事も可能な数なんだからな。
いくら笑われようと、馬鹿にされようと、この大陸で全部の始末を、俺はつけるつもりだ。
もしも転移者が俺達の住む大陸に来ようと企んだ時は、このイノセント型モンスター全員が転移者に張り付いて確実に息の根を止める事になっている。
もし俺達に敵対せず、なお且つ仲良くしたいと望む性格の良い奴がいれば、もちろんそんな手段は取らない。
そういう奴は保護して、ちゃんと俺達の住む大陸にご招待するつもりだ。
だが敵対するのであれば容赦はしない。
俺がずっと昔に誓った様に、俺と俺の家族、大切な物を護るためなら、何だってやってやる! 人道に外れようとも構わない。この手を血に染める事になろうとも、躊躇ったりはしない。
だからこいつらをモフリーナに造らせたんだ。
もちろん、更なる能力も持ってはいるし、更に恐ろしいイノセント型モンスターも控えてはいるが…見せたり聞かせるべきではないだろう。
どこかのB級パニック映画の様な事になると、色々と後が面倒だし。
ま、これで転移者を受け入れる準備は整った。
後はこの大陸を撤退して、モフリーナと共に遠い俺達の住む街から、高みの見物でもしましょうかね。
『高みの見物ですか…』
そうだぞ~サラ! 前線に出てドンパチなんて面倒だからな。
『それにあの例の"虫"は、完全に嫌がらせですわよね?』
もちろんですとも! リリアさんの言う通り!
『大河さんは、いい性格してますね』
だろ? もっと褒めてくれてもいいんだぞ、サラ。
『サラは褒めてるわけじゃ無いと思いますが…』
ふっ…そんな事は分かってるさ、リリアさん。
『『やっぱいい性格してるよ、あんたは!』』
1
お気に入りに追加
1,833
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』
ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。
誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる