システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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時空を超えて

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 もふりんが起動と言ったが、これといって目に見える変化は起きなかった。
 ただカプセルが床に、すう~っと吸い込まれるかの様に消えて行ったぐらいだ。

 「ところで、もふりん。あのカプセルって何?」
 モフリーナの話の後、思いっきり知ったかぶりして、もふりんにカプセルを出して設置するように言ったけど、じつはアレが何なのか知らないのだ! どうだ、まいったか! いや、威張る事じゃないか。
「あれは、ますたーがつくりだした、【ダンジョン拡張用のセットアップ用カプセル】でち!」
 めっちゃ胸張って回答してくれたが…いや、それじゃぜんぜんわからんのだが。
「あたらちくダンジョンをかくちょうするための、あれやこれやのつめあわせでち!」
 うん、聞いた俺が悪かった。もう、モフリーナが不思議パワーで創りだした何かだと思っておこう。
「そうか…良く分かったよ。それで、ダンジョンはいつできるんだ?」
 良くはないけど、別に内容を知らなくても問題はない。要は狭い範囲でも構わないのでダンジョン化が出来ればいいのだから。
「ん~~~…もうできまちた! ますたーに、ほうこくちまちゅ」
「え、もう出来たの?」
 もふりんの答えにびっくり仰天! って、言い回しが古いな。とにかくおどれーたぜ。
「ええ、もう出来ました。この階層は、すでに第9番ダンジョンの一部となっております」
 俺の背後からそう言ったのは、なんとモフリーナ。
『えっ!?』
 おれも含めて、全員がびっくりたまげた門左衛門!

 突如として姿を現したのは、なんとこの星の真裏にある、俺達が住む大陸の、もっと言えば俺と父さんの領地の境にある山脈に燦然と立つ第9番ダンジョンのマスターであるモフリーナ。
「ここが私の管理するダンジョンの一部となった事を確認する為に、移動して来ました。無事にダンジョン化に成功した様です。とは言っても、まだ半径5m程ですが」
 転移できるって事は、確かにマスター権限が間違なく使えている証拠だな。
「っという事は…本格的にこの大陸全土ををダンジョンへと改造出来るってわけだな」
「はい、仰る通りです。つきましては、かなりのエネルギーを頂戴したいのですが、体調は如何ですか? まずはごくごく少量ですが…」
 この大陸全てを改造するんだから、並大抵のエネルギーじゃすまないはず。
 だが、俺は男だ。いいさ、やってやろうじゃないか。
「俺は世界を壊し、世界を創る!」
 ふっ…決まったぜ!
『大河さん。あんた、神聖ブリ〇ニア帝国にでも叛逆する気ですか?』
 …そんな気は、毛頭ないぞ、サラ。
『毛根ない? とうとう死滅しましたか。それは…ご愁傷様です…』
 毛頭だよ、も・う・と・う! 毛根は生きとるわ! そのネタはヤメロ! そろそろ、マジで泣くぞ?
『嘘の涙は人を傷つける、嘘の笑顔は自分を…』
 意味わかんねーよ! お前はC・〇様かよ!
『違うと言っただろう。下衆な発想しかできん男だ』
 いや、そのまんまだわ! マジでヤメロよな!
『いいからさっさとモフリーナの指示に従って、エネルギー注入しなさい! あんたはモバイルバッテリー代わりなんですから』
 ちくしょう…いつか泣かせてやる…

 モフリーナが手にしているのは、水晶っぽい丸い透明な球。
 まだこの塔のダンジョン化が半径数メートルの範囲でしか完了していないため、時空を超えて持ち込める物が小さいんだとか。
 なので、この小さな水晶玉っぽいのに溜めたエネルギーで、ダンジョン領域をある程度拡大してから、大エネルギーを消費して一気に変えるらしい。
 ってなわけで、その水晶玉に指を触れて…エネルギー流れろ~流れろ~…俺が目を閉じて念じていると、水晶玉が光り始めた。もふりんの持ってたカプセルみたいな感じと考えてもらったらいいかな。
「そろそろ止めて頂いて結構です。では、始めます…」
 俺達を見回したモフリーナは、何の脈絡も無く、いきなり手に持ってた水晶玉をぽいっと放り投げた。
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