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俺達がバージンロードの白い敷物に一歩踏み出すと同時に、荘厳な鐘の音が3回鳴り響く。
チャペルの中央に聳える…ってほど大きくも高くも無いのだが、鐘楼に吊るされた金色の鐘。
1回目は、無事に結婚を迎え新たな人生を迎える、自分達自身を祝福するため。
2回目は、ここまで大切に慈しみ育ててくれた両親への感謝を込めて。
3回目は、自分達を祝うために集まってくれた参列する人達への、感謝を表すため。
少し肌寒くはあるが、澄み切って晴れ渡るこのネス湖の湖畔に、チャペルの鐘の音が響き渡った。
その鐘の音が響くのを合図に、参列者が盛大な拍手で俺達を迎えてくれる。
そして魔族さん演奏のあの曲。
『ぱぱぱぱーん、ぱぱぱぱーん、ぱぱぱぱん、ぱぱぱぱん、ぱぱぱ…』
いや、このフレーズだけ延々と繰り返すだけなんで、ちょっとアレだけど…
バージンロードの中ほどに俺達が差し掛かると、魔族さんの演奏と交代するかのように、美しい歌声が流れ始め俺達を迎える。
最奥の祭壇前の1段高くなった所で、淡い青色に染められたキトンを纏ったアーデ、アーム、アーフェン、の3人の天鬼族が、美しい歌声で賛美歌っぽい歌をで俺達を迎えてくれているのだ。
ナディアは蒼を基調として金と銀の縁取りのキトンを身に纏う。これは水の女神と太陽神と月神を表しているらしい。
その美しい羽根を優雅に羽ばたかせ、優しく微笑みながら、天鬼族3人娘の後ろ、2段目で俺達を待つ。
そしてナディアの後ろ、祭壇にはコルネちゃんが何故か緋袴姿…あれ? なんでコルネちゃんがいるんだ?
そっとミルシェに視線を向けるも、ミルシェも困惑している感じだ。
マチルダも、ミレーラも、イネスも…メリルさえも、大っぴらに表情には出さないが、頭に疑問符が幾つも飛んでいるのがわかる。
もしや、これは親父たちの仕込みか!? ナディア達も知ってて黙ってたな? いや、別にいいんだが、びっくりしたぞ。
俺達がびっくりしながらも、一歩一歩ゆっくりとバージンロードを踏みしめ進むと、キラキラと光を纏いながら妖精達が虚空から姿を現し、俺達の頭上でその美しい羽根を羽ばたかせ飛びながら舞い踊る。
これには参列する人々も、ほう…とため息をつきながら、ただただその美しい舞に見入っていた。
いよいよアーデ達の待つ階段にたどり着くと、そっと3人はその場を譲る。
左右にそっと目で合図して、全員で一緒に一段上がると、ナディアもにっこりと笑顔でその場を譲る。
そのまま俺達が2段目に上がると、妖精さん達もそっと左右に別れて、虚空に溶け込むように消えて行った。
代わりなのかどうかわからないが、オープンチャペルの展開式屋根のために造られた真っ白い梁から望む空には、火・風・水の精霊さんが協力したのかな? 大きな虹がかかった。
多分、精霊さんの姿は俺にしか見えないだろうけど、隅っこで出番の無かった土の精霊さんがいじけてた。
うん、今度何か土の精霊さんにお願いして出番を作ってあげなくちゃ、こりゃだめだな。
そして最後、3段目に足を踏み出すと、コルネちゃんがゆっくりと両手をあげ、参列者の拍手の波を止めた。
波は席の先頭から後ろへとゆっくりと広がり、やがてチャペルに静寂が訪れた。
コルネちゃんは、場に静寂が訪れたのを確認すると、そっと両手を降ろしてゆっくりと袂から何やら取り出した。
そしてそれを一度恭しく両手で捧げ持って、総ガラス製の最奥の壁から見えるネス湖に向かって振り返りお辞儀をした。
もしかしてあれって、祝詞みたいなものなのかな? コルネちゃんの背中は、まるでお祈りをしている様だった。
嫁~ずも、何か思う所があるのか、そっと頭を下げる。え、そんな場面なの? んじゃ俺もそれに倣って頭を下げるとすっか…。
やがてお祈りが済んだのか、コルネちゃんが俺達の方に向き直ると、高らかに宣言した。
「これより、トールヴァルド・デ・アルテアンとメリル・ラ・グーダイド、ミルシェ、ミレーラ=マレス、マチルダ・スロスト、イネス・マリオンの結婚式をとりおこないます。みなさん、ごきりつください!」
ちょっと場違いだけど、可愛らしい声でそう宣言したコルネちゃんの言葉に従い、参列者が一斉に立ち上がる。
「きょうのよき日。水と生命の女神である聖なるネスさまの元で、6人は結婚いたします!」
そうコルネちゃんが宣言し、先ほど捧げ持った物をゆっくりと広げた。あ、それってセリフが書かれてたのね。
「愛はかんようなもの、じひぶかいものは愛。愛は、ねたまず、たかぶらず、ほこらない。みぐるしいふるまいをせず、自分のりえきをもとめず、おこらず、人のあくじをかぞえ立てない。ふせいを喜ばずに、人とともにしんりを喜ぶ。すべてをこらえ、すべてをしんじ、すべてを望み、すべてをたえしのぶ。愛は、決してほろびさることはない」
めっちゃ一生懸命読んでるなあ…それってキリスト教の言葉だっけ? 仕込みはサラか、リリアさんか?
確か前世での俺の結婚式で、司祭さんが朗読した聖書の一節だったはず。
「さいこうの道は愛である。新郎新婦のとわの愛を、今より聖なる女神ネスさまに誓っていただきます」
一生懸命なコルネちゃん…かわゆす!
『あんた、式の最中なんですから、もちょっと真面目にやりなさい!』
サラに怒らりた…
チャペルの中央に聳える…ってほど大きくも高くも無いのだが、鐘楼に吊るされた金色の鐘。
1回目は、無事に結婚を迎え新たな人生を迎える、自分達自身を祝福するため。
2回目は、ここまで大切に慈しみ育ててくれた両親への感謝を込めて。
3回目は、自分達を祝うために集まってくれた参列する人達への、感謝を表すため。
少し肌寒くはあるが、澄み切って晴れ渡るこのネス湖の湖畔に、チャペルの鐘の音が響き渡った。
その鐘の音が響くのを合図に、参列者が盛大な拍手で俺達を迎えてくれる。
そして魔族さん演奏のあの曲。
『ぱぱぱぱーん、ぱぱぱぱーん、ぱぱぱぱん、ぱぱぱぱん、ぱぱぱ…』
いや、このフレーズだけ延々と繰り返すだけなんで、ちょっとアレだけど…
バージンロードの中ほどに俺達が差し掛かると、魔族さんの演奏と交代するかのように、美しい歌声が流れ始め俺達を迎える。
最奥の祭壇前の1段高くなった所で、淡い青色に染められたキトンを纏ったアーデ、アーム、アーフェン、の3人の天鬼族が、美しい歌声で賛美歌っぽい歌をで俺達を迎えてくれているのだ。
ナディアは蒼を基調として金と銀の縁取りのキトンを身に纏う。これは水の女神と太陽神と月神を表しているらしい。
その美しい羽根を優雅に羽ばたかせ、優しく微笑みながら、天鬼族3人娘の後ろ、2段目で俺達を待つ。
そしてナディアの後ろ、祭壇にはコルネちゃんが何故か緋袴姿…あれ? なんでコルネちゃんがいるんだ?
そっとミルシェに視線を向けるも、ミルシェも困惑している感じだ。
マチルダも、ミレーラも、イネスも…メリルさえも、大っぴらに表情には出さないが、頭に疑問符が幾つも飛んでいるのがわかる。
もしや、これは親父たちの仕込みか!? ナディア達も知ってて黙ってたな? いや、別にいいんだが、びっくりしたぞ。
俺達がびっくりしながらも、一歩一歩ゆっくりとバージンロードを踏みしめ進むと、キラキラと光を纏いながら妖精達が虚空から姿を現し、俺達の頭上でその美しい羽根を羽ばたかせ飛びながら舞い踊る。
これには参列する人々も、ほう…とため息をつきながら、ただただその美しい舞に見入っていた。
いよいよアーデ達の待つ階段にたどり着くと、そっと3人はその場を譲る。
左右にそっと目で合図して、全員で一緒に一段上がると、ナディアもにっこりと笑顔でその場を譲る。
そのまま俺達が2段目に上がると、妖精さん達もそっと左右に別れて、虚空に溶け込むように消えて行った。
代わりなのかどうかわからないが、オープンチャペルの展開式屋根のために造られた真っ白い梁から望む空には、火・風・水の精霊さんが協力したのかな? 大きな虹がかかった。
多分、精霊さんの姿は俺にしか見えないだろうけど、隅っこで出番の無かった土の精霊さんがいじけてた。
うん、今度何か土の精霊さんにお願いして出番を作ってあげなくちゃ、こりゃだめだな。
そして最後、3段目に足を踏み出すと、コルネちゃんがゆっくりと両手をあげ、参列者の拍手の波を止めた。
波は席の先頭から後ろへとゆっくりと広がり、やがてチャペルに静寂が訪れた。
コルネちゃんは、場に静寂が訪れたのを確認すると、そっと両手を降ろしてゆっくりと袂から何やら取り出した。
そしてそれを一度恭しく両手で捧げ持って、総ガラス製の最奥の壁から見えるネス湖に向かって振り返りお辞儀をした。
もしかしてあれって、祝詞みたいなものなのかな? コルネちゃんの背中は、まるでお祈りをしている様だった。
嫁~ずも、何か思う所があるのか、そっと頭を下げる。え、そんな場面なの? んじゃ俺もそれに倣って頭を下げるとすっか…。
やがてお祈りが済んだのか、コルネちゃんが俺達の方に向き直ると、高らかに宣言した。
「これより、トールヴァルド・デ・アルテアンとメリル・ラ・グーダイド、ミルシェ、ミレーラ=マレス、マチルダ・スロスト、イネス・マリオンの結婚式をとりおこないます。みなさん、ごきりつください!」
ちょっと場違いだけど、可愛らしい声でそう宣言したコルネちゃんの言葉に従い、参列者が一斉に立ち上がる。
「きょうのよき日。水と生命の女神である聖なるネスさまの元で、6人は結婚いたします!」
そうコルネちゃんが宣言し、先ほど捧げ持った物をゆっくりと広げた。あ、それってセリフが書かれてたのね。
「愛はかんようなもの、じひぶかいものは愛。愛は、ねたまず、たかぶらず、ほこらない。みぐるしいふるまいをせず、自分のりえきをもとめず、おこらず、人のあくじをかぞえ立てない。ふせいを喜ばずに、人とともにしんりを喜ぶ。すべてをこらえ、すべてをしんじ、すべてを望み、すべてをたえしのぶ。愛は、決してほろびさることはない」
めっちゃ一生懸命読んでるなあ…それってキリスト教の言葉だっけ? 仕込みはサラか、リリアさんか?
確か前世での俺の結婚式で、司祭さんが朗読した聖書の一節だったはず。
「さいこうの道は愛である。新郎新婦のとわの愛を、今より聖なる女神ネスさまに誓っていただきます」
一生懸命なコルネちゃん…かわゆす!
『あんた、式の最中なんですから、もちょっと真面目にやりなさい!』
サラに怒らりた…
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