システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

文字の大きさ
上 下
378 / 1,466

死屍累々

しおりを挟む
 父さんの王都の邸宅に戻って来た俺達は、今夜はここで一泊。
 結婚初夜だが、何もしなかったぞ。いや、マジですよ、これは!
 ネス湖の畔でする結婚式が本番で、本番はその後です…下ネタで申し訳ないが…
 という事で、結婚式の為に集まっていた皆様とは、晴れて法的には親類と相成りました。
 いや、本当に目出度い!
 父さんはここぞとばかりに酒を呑みまくって…いや、王城での式の前から呑んでたから今更か?
 何にせよ、おっさん共は夜が更けるまで呑みまくってたそうだ。
 あんた等…明日が移動日だって事、すっかり忘れてるだろ…二日酔いなっても知らんぞ…

 明くる朝、案の定二日酔いのおっさんが、うーうー唸ってました。
 奥様方は、皆呆れ顔でゾンビの様に唸るおっさん共を蹴りまわしてました。
 いつまでもこのままにしてても仕方が無いので、文字通り奥様が旦那衆を荷物と共に引きずって馬車に投げ込んで、一路ホワイト・オルター号へ向けて出発します。
 もちろん名実ともに俺の嫁となった5人と俺とは同じ馬車です。 
 王城の裏手にある騎士の訓練場に着陸しているホワイト・オルター号にやってきた我が家+新親族となった面々は、タラップから乗り込みます。
 まだ二日酔いの抜けないおっさん連中は、さっさとそれぞれの船室に放り込んで、奥様方及び子供達はコックピット後部のスペースでお茶をします。
 お城の騎士さん達が見守る中、俺はゆっくりとホワイト・オルター号を発進させる。
 一応、王家と縁続きとなったアルテアン家だけあって、騎士さん達も非常に丁寧な対応をしてくれた。
 今も上昇する飛行船に手を振って、俺達を見送ってくれている。
 初めて国王陛下に謁見した時は、近衛騎士のおっさんから物言いがついて、模擬戦する羽目になったのも、いい思い出だ。
 
 上空から眺める王都を堪能しながら、女性陣+子供達は、甘い焼き菓子とお茶で賑やかに談笑。
 俺や嫁達の思い出話などしていると、あっという間に郊外へと船は空を進む。
 本当はサラとリリアさんに操縦を任せてしまえば良かったのだが、このコクピットの後ろを見て欲しい。
 女性比率が飛んでも無く高い空間を。
 そんな所に混ざってしまえば、茶飲み話のネタにされる事間違いなしだ。
 もちろんいつまでも逃げ切れるわけでも無いが、少しでも被害が少なくなる様にと、操縦席に逃げ込んだってわけ。
 早くおっさん共、復活しないかなあ…
 
 結局、サラに操縦席を奪われてしまいました。
 そして、おっさん連中は誰も復活せず、茶飲み話の輪の中に引っ張り込まれました。新たに親類縁者となった奥様(義母)方に、俺の過去の恥ずかしい話を母さんが暴露して爆笑されてしまいましたとさ。
 母さん、そんなに息子を笑いものにして楽しいか!? 
 え、楽しい?…そうですか…

 おっさん連中が復活したのは、もう日が暮れるという夕方寸前。
「腹減った…」と、父さんが復活したのを皮切りに、次々と復活を遂げた。
 怒り狂う母さん+義母連盟の、「今夜は、禁酒です!」の一言で、飢えた肉食獣の前に放り出された幼気な子ウサギの様に、プルプルと脅え震えていたが…もしかして全員尻に敷かれてるのか? と思ったが、口に出す様な愚かな真似はしなかったトール君であった。
 だって、俺もそうなる未来しか想像できなかったから…

『亭主関白よりも、かかあ天下の方が、夫婦仲は良いと聞きますよ?』
『ええ、サラの言う通りです。夫が嫁の尻に敷かれるのが夫婦円満の秘訣と言われていますからね』
 サラ、リリアさん、為になる言葉を有難う。 
『どうせ大河さんは初夜も尻に敷かれるでしょうけど』
 どういう意味だよ、サラ!
『多分サラが言いたいのは、逃げる貴方様を嫁達が押さえ付けて騎〇位で…』
 具体的な説明有難う、リリアさん。だが、年齢制限に掛かりそうな発言はしない様に。
『Mっ気があって優柔不断で主体性が無い大河さんは、女性の尻に敷かれる運命なのです』
 そ、そんな事は無い…と思うぞ?
『そうですねえ…ドSの立場から言わせてもらえば、責めれば開花する才能をお持ちだと思います…Mの才能ですが』
 やめろよ!? 絶対にやめろよ! フリじゃねーからな!?
『ご安心しください。その辺の開発方法は、すでに奥様方にレクチャー済みです』
 リリアーーーーーーーーーーー! 何してくれてんだーーーーーーーーーー!
『奥様方は大変にお喜びでしたが、何か? 』
『良かったですね、大河さん。すぐに悦びに目覚めますよ』
 ぎゃーーーーーーーーーーーー!  
しおりを挟む
感想 725

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!

drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。 この物語は異世界テンプレ要素が多いです。 主人公最強&チートですね 主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください! 初めて書くので 読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。 それでもいいという方はどうぞ! (本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』

ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。 誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~

春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。 冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。 しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。 パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。 そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。

成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?

後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。 目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。 日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。 そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。 さて、新しい人生はどんな人生になるのかな? ※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします! ◇◇◇◇◇◇◇◇ お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。 執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇ 9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます! 9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~

はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま) 神々がくじ引きで決めた転生者。 「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」 って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう… まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか

処理中です...