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ゴミかよ!
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着替えたサラが戻って来たのを確認したリリアさんは、
「では、複合素粒子電池にまで拒絶された、憐れなサラの成れの果てを処理しましょう」
「あんた、言ってはならん事を…本人を目の前にして…」
ワナワナと怒りに打ち震えるサラであったが、当然の事ながら、
「事実ですから」
リリアさんに、一言で切って捨てられた。
「ぐぅ…」
おお! ぐうの音って、本当に出るものなんだな!
サラのぐうの音を見てそんな感想を抱いていた俺を見つめるサラの目が、氷点下の冷たさであったが、そんなもんはきっぱりと無視してやる。
「でも、すでにドロドロ状態になったんじゃ…あ!」
そうだ、よくよく考えたら、1体残ってるじゃないか。
「本人を目の前にして、今まで使っていたボディーが塵芥の様に分解されている様を見せつける…快感」
うっとりした目で、そんな事をほざくリリアさんに向かって、サラが叫んだ。
「この…悪魔め!!」
これ以上は、付き合い切れんな。
ぎゃーぎゃー騒ぐサラとリリアさんに向かって、
「あ~っと。これで無事にサラのボディー換装は終了って事で良いのかな?」
俺がそう言うと、リリアさんがサラをあしらいつつ、
「はい、これで終了です。ご協力、感謝いたします」
と、答えてくれた。
「んじゃ、後はお2人でごゆっくり」
「ちょ、大河さん! 何を勝手に退場しようとしてるんですか!?」
サラが何か言ってるけど…
「いや、だって俺はもう用済みだろ?」
自分自身を右手の親指で、ちょっと格好つけポーズを取りながら、指さしてみた。
「ええ、エネルギーの提供、有難うございました。そうそう、あの服一式は気に入られたようなので、後程お届けに…」
「いらんからな! 絶対に持って来るなよ? フリじゃないからな!?」
持って来られてたまるか! ってか、気に入ってねーわ!
「ちょ! どんな服なんですか? 私にも見せてくださいよ!」
こいつに見られたら、あっという間に屋敷中に広がっちまうわ!
「絶対に、い・や・だ!」
「リリア~! 見せてくださいよ~!」
分ってるよな、リリアさん。こいつには見せたりすんなよ…と、リリアさんに目で語りかけると、すかさず彼女は頷いた。
うん、やっぱり貴女は出来る女…じゃないよな…危険な女だよな…
「サラ、我儘を言ってはいけません。仮にも彼は将来的に貴女の上司になるお方ですよ?」
あ、そういう設定だったっけ…俺…
「う…そうかもしれませんけど…弱みは握っておきたいじゃないですか…」
こいつ、相変わらずクズだな!
「なるほど、一理ありますね」
あるのかよ! 納得するのかよ! リリアさん、考えなおせ!
「でしょでしょ~!」
くっ…サラが急に元気になりおった。
「でしたら、しっかりと管理局に私のログが残されてますから、後程ゆっくり観賞してください」
「やったーーー!」「オイ、コラチョットマテ!」
サラと俺の声が重なった。
「リリアさん、何を言い出すんだよ!」
「何を、と言いますと?」
くっ、とぼけやがって!
「俺のプライバシーだよ!」
「ああ、そこですか。大丈夫です、ご安心ください。ヤングコーンのログには、モザイクかけて保存してますから」
何故にドヤ顔なんだよ!
「そういう問題じゃねーわ!」
やんぐこ~ん、やんぐこ~ん、やっほっほいのほ~い!
サラがマジで小躍りしてやがる…リリアさんの予言めいたあの言葉が鮮やかに頭に甦ったよ。
喜び勇んでスキップしながら自分の部屋に駆け込んで行くサラを横目で見ながら、俺はしみじみと思った。
ちくしょー、やっぱ危険な女だった…もう管理局ヤダ!
この部屋に居たら、俺の被害が大きすぎる…さっさと退散しよう…
「取りあえず、その水槽は片付けておけよ…あと、前のサラのボディーも」
誰かに見つかる前に、さっさと片付けて欲しい。
あまりにも時間がかかると、婚約者~ずがここに突撃しないとも限らんからな。
「サラの身体が分解されてドロドロになるのを見て行かないんですか?」
「見たくねーわ!」
「残念です。良い出汁が出そうな腐れ具合ですのに…」
腐れ具合? まさか、サラをスープにするのか? 飲むのか?
「原始のスープの原料として、なかなかの素材ですよ、サラは」
原始のスープって、どっかの学者が提唱してた地球の生命の源じゃなかったっけ?
「まあいいです。完成したスープは、どっかの未開惑星にでもゴミとして捨ててきます」
「そこはリサイクルじゃないのかよ!」
「リサイクルですよ? 宇宙規模になりますけど」
そうか…それでどこかの星に生命が誕生するのか…って、まてよ?
「あの~もしもし? もしかして、地球にもそれを捨ててたりしてないですよね、管理局は」
「あ、確か捨ててましたね。22億年ぐらい前ですけど」
地球人の生命の起源って、管理局が捨てたゴミかよ!
「では、複合素粒子電池にまで拒絶された、憐れなサラの成れの果てを処理しましょう」
「あんた、言ってはならん事を…本人を目の前にして…」
ワナワナと怒りに打ち震えるサラであったが、当然の事ながら、
「事実ですから」
リリアさんに、一言で切って捨てられた。
「ぐぅ…」
おお! ぐうの音って、本当に出るものなんだな!
サラのぐうの音を見てそんな感想を抱いていた俺を見つめるサラの目が、氷点下の冷たさであったが、そんなもんはきっぱりと無視してやる。
「でも、すでにドロドロ状態になったんじゃ…あ!」
そうだ、よくよく考えたら、1体残ってるじゃないか。
「本人を目の前にして、今まで使っていたボディーが塵芥の様に分解されている様を見せつける…快感」
うっとりした目で、そんな事をほざくリリアさんに向かって、サラが叫んだ。
「この…悪魔め!!」
これ以上は、付き合い切れんな。
ぎゃーぎゃー騒ぐサラとリリアさんに向かって、
「あ~っと。これで無事にサラのボディー換装は終了って事で良いのかな?」
俺がそう言うと、リリアさんがサラをあしらいつつ、
「はい、これで終了です。ご協力、感謝いたします」
と、答えてくれた。
「んじゃ、後はお2人でごゆっくり」
「ちょ、大河さん! 何を勝手に退場しようとしてるんですか!?」
サラが何か言ってるけど…
「いや、だって俺はもう用済みだろ?」
自分自身を右手の親指で、ちょっと格好つけポーズを取りながら、指さしてみた。
「ええ、エネルギーの提供、有難うございました。そうそう、あの服一式は気に入られたようなので、後程お届けに…」
「いらんからな! 絶対に持って来るなよ? フリじゃないからな!?」
持って来られてたまるか! ってか、気に入ってねーわ!
「ちょ! どんな服なんですか? 私にも見せてくださいよ!」
こいつに見られたら、あっという間に屋敷中に広がっちまうわ!
「絶対に、い・や・だ!」
「リリア~! 見せてくださいよ~!」
分ってるよな、リリアさん。こいつには見せたりすんなよ…と、リリアさんに目で語りかけると、すかさず彼女は頷いた。
うん、やっぱり貴女は出来る女…じゃないよな…危険な女だよな…
「サラ、我儘を言ってはいけません。仮にも彼は将来的に貴女の上司になるお方ですよ?」
あ、そういう設定だったっけ…俺…
「う…そうかもしれませんけど…弱みは握っておきたいじゃないですか…」
こいつ、相変わらずクズだな!
「なるほど、一理ありますね」
あるのかよ! 納得するのかよ! リリアさん、考えなおせ!
「でしょでしょ~!」
くっ…サラが急に元気になりおった。
「でしたら、しっかりと管理局に私のログが残されてますから、後程ゆっくり観賞してください」
「やったーーー!」「オイ、コラチョットマテ!」
サラと俺の声が重なった。
「リリアさん、何を言い出すんだよ!」
「何を、と言いますと?」
くっ、とぼけやがって!
「俺のプライバシーだよ!」
「ああ、そこですか。大丈夫です、ご安心ください。ヤングコーンのログには、モザイクかけて保存してますから」
何故にドヤ顔なんだよ!
「そういう問題じゃねーわ!」
やんぐこ~ん、やんぐこ~ん、やっほっほいのほ~い!
サラがマジで小躍りしてやがる…リリアさんの予言めいたあの言葉が鮮やかに頭に甦ったよ。
喜び勇んでスキップしながら自分の部屋に駆け込んで行くサラを横目で見ながら、俺はしみじみと思った。
ちくしょー、やっぱ危険な女だった…もう管理局ヤダ!
この部屋に居たら、俺の被害が大きすぎる…さっさと退散しよう…
「取りあえず、その水槽は片付けておけよ…あと、前のサラのボディーも」
誰かに見つかる前に、さっさと片付けて欲しい。
あまりにも時間がかかると、婚約者~ずがここに突撃しないとも限らんからな。
「サラの身体が分解されてドロドロになるのを見て行かないんですか?」
「見たくねーわ!」
「残念です。良い出汁が出そうな腐れ具合ですのに…」
腐れ具合? まさか、サラをスープにするのか? 飲むのか?
「原始のスープの原料として、なかなかの素材ですよ、サラは」
原始のスープって、どっかの学者が提唱してた地球の生命の源じゃなかったっけ?
「まあいいです。完成したスープは、どっかの未開惑星にでもゴミとして捨ててきます」
「そこはリサイクルじゃないのかよ!」
「リサイクルですよ? 宇宙規模になりますけど」
そうか…それでどこかの星に生命が誕生するのか…って、まてよ?
「あの~もしもし? もしかして、地球にもそれを捨ててたりしてないですよね、管理局は」
「あ、確か捨ててましたね。22億年ぐらい前ですけど」
地球人の生命の起源って、管理局が捨てたゴミかよ!
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