357 / 1,466
見事な死体ですよ
しおりを挟む
俺は薄暗い部屋のベッドに寝かされていた。
周囲を見回すと、すぐ横のベッドに薄い布を掛けられただけのサラが横たわっていた。
いや、良く見るとその向こうにもベッドが何台か並べられており、その全てにサラが寝ている。
え? 俺…夢見てるのか?
体を起こそうとしたのだが、上半身が動かない。
いや、手も足も動かない! ベッドに縛り付けられている様だ。
辛うじて動く首を動かして、自分の胸あたりを見てみると…そこから赤い管が伸びていた…って、上半身裸じゃねーか!
あ、意識がはっきりしてきたぞ。確かリリアさんに催眠術を掛けられたんだった…よな?
それで眠らされて、あのぶっとい針を刺されたって事なのか? あの赤い管、よく見たら俺の血が流れてるんじゃねーのか?
え、まさかサラに輸血? 俺の血を? 何で? どういう事だよ!
「リリアさん、どうなってんだよ!?」
思わず大声をあげてしまったのだが、
「はい、呼びましたか?」
俺の足の方から声が聞こえてきた。
「コレ、どうなんてんの!?」
「え? 説明したじゃないですか。複合素粒子電池に起動のために、エネルギーを分けてもらうって」
確かに聞いたけれど、
「いやいや、俺の血をサラに輸血してんじゃん!」
「してませんよ?」
「え?」
でも…明らかに赤い管が繋がってるよね?
「ああ、それですか? エネルギーを可視化しただけです。血なんて抜きませんよ~吸血鬼じゃないんですから」
へっ? そうなの?
「痛くもかゆくも無いでしょう?」
確かに…
「チクッとするのも嫌そうだったので全身麻酔をしてみましたが、なぜかその状態でも寝返りをうったりされるので、已む無く拘束しました」
そなの? って、あれは催眠術じゃねーか!
「そうですよ? あれが由緒正しい全身麻酔です」
自信満々に言い切ったな…そうか、あれが管理局の全身麻酔か…
しかし、俺って寝返りできちゃうんだ…それはそれですごくね?
「目覚めたのなら、もう拘束は解いても良さそうですね。…ボンテージの手枷足枷がまさかこんな所で役立つなんて…」
「ちょっとまてーーーーーーーー!」
まさか、あの革製の手枷足枷? 鎖とかでX字型とか十字型の磔台に拘束する鎖のついたアレ? 場合によっては、天井から吊り下げられる時のアレ?
「私の趣味ではありませんが、細マッチョの少年が拘束される姿というのも、一定数の需要がありそうですね」
「おいおいおいおいおいおいおい! さっさと外せ! こんな姿を見られたら、お婿に行けなくなる!」
婚約者~ずに見られでもしたら、えらい事になる。
「まあ、起動も出来ましたからもう解放しますよ。いや~、ちょっとだけサイズを変えてみたんですが、やはり見事に拒絶されてしまいましたね」
ん? サイズって、なんの事? そこに並んでるサラの事かな?
「まあ、見てください…よっこいしょっと…」
俺に掛かっていた白い布をめくり、リリアさんが俺の手足の拘束具を外したので、体を起こす…と、
「何でボンデージ ファッションなんだよ!」
黒い革製の身体にピッタリ張り付く、露出の激しい服を、俺は着せられていた。
「この服は何だよ!?」
「私物ですが?」
「そういう事を聞いてるんじゃねーよ! 何で俺がこんな服を着させられてるのかって事だよ!」
「気分です」
「気分?」
「雰囲気ともいう」
「え~っと…何で?」
理解できん…
「手枷と足枷を嵌めて見たところ、何かこう…物足りないと言いますか、ドSの血が騒ぎまして、取り合えず全部脱がして着せてみました」
「ちょ!」
「あ、私ガチレズですので、ショタのヤングコーンなどに興味ナッシングですので、ご安心を」
あ、安心出来る要素がどっこにも見当たらん!
「まあ、管理局のログには、しっかり映像は残りますので、後で映像を見て小躍りしながら愉しむ誰かが居るかもしれませんけれども」
それ、絶対にサラだろーが!
「まあまあ、サラを見て気を晴らしてください。見事な死体ですよ」
リリアさんに言われるまで忘れてたのだが、横のベッドに視線をやると…
「うっわ! マジで死体だ!」
3人? 3体? のサラが、口から血? を一筋流してベッドに横たわっていた。
「こっちは、バストをAAカップからAに変更したんですが、見事に起動失敗しましたね。こっちは身長を1cmだけ高くしたんですが、同じくダメでした」
ああ、水槽に入ってたのはこれか…あれ? 電子頭脳は?
「電子頭脳はまだ移植してないんですが、複合素粒子電池が何故か暴走して、過電流で素体の神経組織が焼き切れました…」
「その電池って新品なんだよな?」
「ですが、元のボディーとの接続に使ってた端子を使いまわしてますからねえ」
端子が電池を支配したのか!? 意思を持ったのか、端子よ!
「まさか、電池にまで拒否されるとは…興味深い!」
サラって一体…
「とにかく、これでサラもあのネタが使えるというものです」
「あのネタ?」
「私はたぶん3人目だと思うから…って」
「ヤメローーー!!!」
周囲を見回すと、すぐ横のベッドに薄い布を掛けられただけのサラが横たわっていた。
いや、良く見るとその向こうにもベッドが何台か並べられており、その全てにサラが寝ている。
え? 俺…夢見てるのか?
体を起こそうとしたのだが、上半身が動かない。
いや、手も足も動かない! ベッドに縛り付けられている様だ。
辛うじて動く首を動かして、自分の胸あたりを見てみると…そこから赤い管が伸びていた…って、上半身裸じゃねーか!
あ、意識がはっきりしてきたぞ。確かリリアさんに催眠術を掛けられたんだった…よな?
それで眠らされて、あのぶっとい針を刺されたって事なのか? あの赤い管、よく見たら俺の血が流れてるんじゃねーのか?
え、まさかサラに輸血? 俺の血を? 何で? どういう事だよ!
「リリアさん、どうなってんだよ!?」
思わず大声をあげてしまったのだが、
「はい、呼びましたか?」
俺の足の方から声が聞こえてきた。
「コレ、どうなんてんの!?」
「え? 説明したじゃないですか。複合素粒子電池に起動のために、エネルギーを分けてもらうって」
確かに聞いたけれど、
「いやいや、俺の血をサラに輸血してんじゃん!」
「してませんよ?」
「え?」
でも…明らかに赤い管が繋がってるよね?
「ああ、それですか? エネルギーを可視化しただけです。血なんて抜きませんよ~吸血鬼じゃないんですから」
へっ? そうなの?
「痛くもかゆくも無いでしょう?」
確かに…
「チクッとするのも嫌そうだったので全身麻酔をしてみましたが、なぜかその状態でも寝返りをうったりされるので、已む無く拘束しました」
そなの? って、あれは催眠術じゃねーか!
「そうですよ? あれが由緒正しい全身麻酔です」
自信満々に言い切ったな…そうか、あれが管理局の全身麻酔か…
しかし、俺って寝返りできちゃうんだ…それはそれですごくね?
「目覚めたのなら、もう拘束は解いても良さそうですね。…ボンテージの手枷足枷がまさかこんな所で役立つなんて…」
「ちょっとまてーーーーーーーー!」
まさか、あの革製の手枷足枷? 鎖とかでX字型とか十字型の磔台に拘束する鎖のついたアレ? 場合によっては、天井から吊り下げられる時のアレ?
「私の趣味ではありませんが、細マッチョの少年が拘束される姿というのも、一定数の需要がありそうですね」
「おいおいおいおいおいおいおい! さっさと外せ! こんな姿を見られたら、お婿に行けなくなる!」
婚約者~ずに見られでもしたら、えらい事になる。
「まあ、起動も出来ましたからもう解放しますよ。いや~、ちょっとだけサイズを変えてみたんですが、やはり見事に拒絶されてしまいましたね」
ん? サイズって、なんの事? そこに並んでるサラの事かな?
「まあ、見てください…よっこいしょっと…」
俺に掛かっていた白い布をめくり、リリアさんが俺の手足の拘束具を外したので、体を起こす…と、
「何でボンデージ ファッションなんだよ!」
黒い革製の身体にピッタリ張り付く、露出の激しい服を、俺は着せられていた。
「この服は何だよ!?」
「私物ですが?」
「そういう事を聞いてるんじゃねーよ! 何で俺がこんな服を着させられてるのかって事だよ!」
「気分です」
「気分?」
「雰囲気ともいう」
「え~っと…何で?」
理解できん…
「手枷と足枷を嵌めて見たところ、何かこう…物足りないと言いますか、ドSの血が騒ぎまして、取り合えず全部脱がして着せてみました」
「ちょ!」
「あ、私ガチレズですので、ショタのヤングコーンなどに興味ナッシングですので、ご安心を」
あ、安心出来る要素がどっこにも見当たらん!
「まあ、管理局のログには、しっかり映像は残りますので、後で映像を見て小躍りしながら愉しむ誰かが居るかもしれませんけれども」
それ、絶対にサラだろーが!
「まあまあ、サラを見て気を晴らしてください。見事な死体ですよ」
リリアさんに言われるまで忘れてたのだが、横のベッドに視線をやると…
「うっわ! マジで死体だ!」
3人? 3体? のサラが、口から血? を一筋流してベッドに横たわっていた。
「こっちは、バストをAAカップからAに変更したんですが、見事に起動失敗しましたね。こっちは身長を1cmだけ高くしたんですが、同じくダメでした」
ああ、水槽に入ってたのはこれか…あれ? 電子頭脳は?
「電子頭脳はまだ移植してないんですが、複合素粒子電池が何故か暴走して、過電流で素体の神経組織が焼き切れました…」
「その電池って新品なんだよな?」
「ですが、元のボディーとの接続に使ってた端子を使いまわしてますからねえ」
端子が電池を支配したのか!? 意思を持ったのか、端子よ!
「まさか、電池にまで拒否されるとは…興味深い!」
サラって一体…
「とにかく、これでサラもあのネタが使えるというものです」
「あのネタ?」
「私はたぶん3人目だと思うから…って」
「ヤメローーー!!!」
2
お気に入りに追加
1,833
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)

『転生したら「村」だった件 〜最強の移動要塞で世界を救います〜』
ソコニ
ファンタジー
29歳の過労死サラリーマン・御影要が目覚めたのは、なんと「村」として転生した姿だった。
誰もいない村の守護者となった要は、偶然迷い込んできた少年リオを最初の住民として迎え入れ、徐々に「村」としての力を開花させていく。【村レベル:1】【住民数:0】【スキル:基本生活機能】から始まった異世界生活。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる