350 / 1,466
使わねーよ!
しおりを挟む
色々と衝撃的な内容の話が連続するんだが、リリアさんの真の姿がポンコツであるという事は理解出来た。
もしかして、管理局の局員って、エロ方面に特化した奴ばっかりなんじゃねーのか? ものすごく怪しい機関に思えてしまう…。
何の話してたっけ? そうだ、思い出した! UFOだよ!
前世で大好きだったUFO特番の事件の数々は、実は管理局の仕業だったって話だったな。
実は俺…UFO見た事あるんだよね。
あれは小学校の夏休み…何年だったかは忘れたけど、田舎へ向かう電車での事だった。
誰が最初に気付いたのかは定かではないが、車窓から見える遠くの山の上に、何やら変な物体が浮かんでいたのだ。
それは奇妙な光を放っていた。そう、まるで当時当たり前の様にあった、派手派手なパチンコ屋のネオンの様に、色取り取りに光り、それが空に浮かぶ物体の下部から上部へと移動していた。
問題はその物体の形と大きさだ。完全な球体であり、近くの山と比較しても、非常に大きい事が分かる。
「あれは何だ?」
車内の誰かが呟いた。そう電車の中なのに、その呟きがはっきりと聞こえる程、誰もが声を押し殺し息を飲みそれを見つめていた。
誰もが、そう車内の誰もがそれを見ていたんだ。
それは浮かびつつ回転している様だった。
当時、良く空を飛んでいた飛行船とは明らかに違う。もちろん大きさ的に考えて、気球なんかである訳が無い。
しかも車窓からずっと同じ位置を飛んでいた。つまり、電車と同じ速度で並走していたのだ。
あまりにも非常識なその浮遊する物体に、誰かがこう叫んだ。
「UFOだ!」
その一言で、車内に音が戻った。
夏休みという事も有り、旅行などで乗車していた人も多かったんだろう。
多くの人々がカメラを取り出して、シャッターを切った。そのバシャバシャというシャッター音が、一瞬車内を覆った。
カメラを取り出した父さんも俺を押し退けて、シャッターを切った。
誰もがUFOに遭遇した事に興奮していた。
そして、唐突にUFOは消えた。
何の前触れも無く、唐突に、実に静かに空から消えたのだ。
あれは、何十年経った今でも忘れる事の出来ない夏の想い出だ。
ちなみに写真はピンボケではあるが、確かに空に浮かぶ不思議な物体を捉えていた。父さんは、会社でその写真を自慢げに披露してまわったそうだが…俺も焼き増ししてもらい、学校で自慢したな、うん。
「え~、またまたファンタジーな回想をされているようですが、私のエロい話の何処に妄想に到るポイントがあったのでしょう? ムッツリニストですか? 現実逃避ですか? 理解できません。エロは赤裸々なのが一番快感なのですよ?」
はっ! 思わず懐かしい思い出に浸ってしまった! って言うか…
「あんたは、明け透けすぎるんだよ! それにエロい妄想じゃねーし! ムッツリニストって何だよ!」
「まあ、それは良いとして、もうそろそろ話を続けさせてもらっても宜しいでしょうか?」
え~何の話だったっけ…もう横道に逸れすぎて…
「あ、ああ。どうぞどうぞ」
「では、もう一度サラへの施術に関してですが…よいしょっと!」
あ、そう言えばそんな話でしたね。マジで閑話が長すぎて忘れてたよ…。
唐突にリリアさんが、虚空から引っ張り出したのは、素っ裸のサラだった。
あんた、一体何してんの!?
「これが現地活動用のサイバネティックス・ボディの素体です。現在、電源はOFFになっておりますし、精神体をインストールした超小型ポジトロン電子頭脳も移植していないため、オリエ〇ト工業のラブドールとかわりません」
おま、何を言い出すんだ! 良い子…じゃなかった、大人の高級な玩具と一緒にしてやるなよ! ってか、固有名詞を出すな!
「……ちょっと確認したいんだけど…」
「こんな、何の反応も示さないボディーを抱いた所で、何の愉しさもありません。そもそもツルペタですが…あ、もしかして興味がおありです? ロリですか? ご使用になられますか? 今でしたら新品ですよ、色々と。」
何を言いだすんだ、このポンコツは! 婚約者~ずが聞きつけたら、俺の命が危ういわ!
「絶対に使わんわ! そうじゃ無くて、そのボディーって人造なんだよな?」
「ええ、そうですよ。だから、思う存分に猛るナニでナニしても、私は一向に構いませんが?」
うがーー! 話が進まん!
「使わねーよ! 何があろうともな! そうじゃなくて、人造ならそのデザインって変えられないのか?」
「ああ、そういう事ですか! ツルペタは好みではないと! そうですね、確かにオ〇エント工業のラブドールにも色々なボディータイプがラインナップされてましたね。ボンキュッボン! がお好みですか?」
「違う! そうじゃない! そこから離れろ!」
何でこいつ、こんなにその方面に詳しいんだよ!
「そうじゃない? はて…では一体?」
「サラは、好みのボディータイプになる事も出来るのかって事だよ! 何で全く同じボディーなんだ? 人の世界では、みんな少なからず成長するもんだ。だがサラは出会った時から、ずっと同じ見た目なんだよ! 人の世界では違和感バリバリだ!」
そう、サラは出会った時から全く姿形が変わってないのだ。髪の毛の長さすら一緒。
うちの妖精達も一見して何も変わらない様に見えて、実は微妙に成長している(本人弁)らしいのに、サラは全く一緒。
ネスの遣いっていう設定だから、まあそれでも良いんだが…
「確かに仰ることは理解できますが、変える事が出来ないのです」
「物理的に?」
「ええ、物理的に」
サラの、『成長したらナイスバディーになるんです!』という淡い夢は、どうやら物理という巨大な壁に阻まれている様だった。
もしかして、管理局の局員って、エロ方面に特化した奴ばっかりなんじゃねーのか? ものすごく怪しい機関に思えてしまう…。
何の話してたっけ? そうだ、思い出した! UFOだよ!
前世で大好きだったUFO特番の事件の数々は、実は管理局の仕業だったって話だったな。
実は俺…UFO見た事あるんだよね。
あれは小学校の夏休み…何年だったかは忘れたけど、田舎へ向かう電車での事だった。
誰が最初に気付いたのかは定かではないが、車窓から見える遠くの山の上に、何やら変な物体が浮かんでいたのだ。
それは奇妙な光を放っていた。そう、まるで当時当たり前の様にあった、派手派手なパチンコ屋のネオンの様に、色取り取りに光り、それが空に浮かぶ物体の下部から上部へと移動していた。
問題はその物体の形と大きさだ。完全な球体であり、近くの山と比較しても、非常に大きい事が分かる。
「あれは何だ?」
車内の誰かが呟いた。そう電車の中なのに、その呟きがはっきりと聞こえる程、誰もが声を押し殺し息を飲みそれを見つめていた。
誰もが、そう車内の誰もがそれを見ていたんだ。
それは浮かびつつ回転している様だった。
当時、良く空を飛んでいた飛行船とは明らかに違う。もちろん大きさ的に考えて、気球なんかである訳が無い。
しかも車窓からずっと同じ位置を飛んでいた。つまり、電車と同じ速度で並走していたのだ。
あまりにも非常識なその浮遊する物体に、誰かがこう叫んだ。
「UFOだ!」
その一言で、車内に音が戻った。
夏休みという事も有り、旅行などで乗車していた人も多かったんだろう。
多くの人々がカメラを取り出して、シャッターを切った。そのバシャバシャというシャッター音が、一瞬車内を覆った。
カメラを取り出した父さんも俺を押し退けて、シャッターを切った。
誰もがUFOに遭遇した事に興奮していた。
そして、唐突にUFOは消えた。
何の前触れも無く、唐突に、実に静かに空から消えたのだ。
あれは、何十年経った今でも忘れる事の出来ない夏の想い出だ。
ちなみに写真はピンボケではあるが、確かに空に浮かぶ不思議な物体を捉えていた。父さんは、会社でその写真を自慢げに披露してまわったそうだが…俺も焼き増ししてもらい、学校で自慢したな、うん。
「え~、またまたファンタジーな回想をされているようですが、私のエロい話の何処に妄想に到るポイントがあったのでしょう? ムッツリニストですか? 現実逃避ですか? 理解できません。エロは赤裸々なのが一番快感なのですよ?」
はっ! 思わず懐かしい思い出に浸ってしまった! って言うか…
「あんたは、明け透けすぎるんだよ! それにエロい妄想じゃねーし! ムッツリニストって何だよ!」
「まあ、それは良いとして、もうそろそろ話を続けさせてもらっても宜しいでしょうか?」
え~何の話だったっけ…もう横道に逸れすぎて…
「あ、ああ。どうぞどうぞ」
「では、もう一度サラへの施術に関してですが…よいしょっと!」
あ、そう言えばそんな話でしたね。マジで閑話が長すぎて忘れてたよ…。
唐突にリリアさんが、虚空から引っ張り出したのは、素っ裸のサラだった。
あんた、一体何してんの!?
「これが現地活動用のサイバネティックス・ボディの素体です。現在、電源はOFFになっておりますし、精神体をインストールした超小型ポジトロン電子頭脳も移植していないため、オリエ〇ト工業のラブドールとかわりません」
おま、何を言い出すんだ! 良い子…じゃなかった、大人の高級な玩具と一緒にしてやるなよ! ってか、固有名詞を出すな!
「……ちょっと確認したいんだけど…」
「こんな、何の反応も示さないボディーを抱いた所で、何の愉しさもありません。そもそもツルペタですが…あ、もしかして興味がおありです? ロリですか? ご使用になられますか? 今でしたら新品ですよ、色々と。」
何を言いだすんだ、このポンコツは! 婚約者~ずが聞きつけたら、俺の命が危ういわ!
「絶対に使わんわ! そうじゃ無くて、そのボディーって人造なんだよな?」
「ええ、そうですよ。だから、思う存分に猛るナニでナニしても、私は一向に構いませんが?」
うがーー! 話が進まん!
「使わねーよ! 何があろうともな! そうじゃなくて、人造ならそのデザインって変えられないのか?」
「ああ、そういう事ですか! ツルペタは好みではないと! そうですね、確かにオ〇エント工業のラブドールにも色々なボディータイプがラインナップされてましたね。ボンキュッボン! がお好みですか?」
「違う! そうじゃない! そこから離れろ!」
何でこいつ、こんなにその方面に詳しいんだよ!
「そうじゃない? はて…では一体?」
「サラは、好みのボディータイプになる事も出来るのかって事だよ! 何で全く同じボディーなんだ? 人の世界では、みんな少なからず成長するもんだ。だがサラは出会った時から、ずっと同じ見た目なんだよ! 人の世界では違和感バリバリだ!」
そう、サラは出会った時から全く姿形が変わってないのだ。髪の毛の長さすら一緒。
うちの妖精達も一見して何も変わらない様に見えて、実は微妙に成長している(本人弁)らしいのに、サラは全く一緒。
ネスの遣いっていう設定だから、まあそれでも良いんだが…
「確かに仰ることは理解できますが、変える事が出来ないのです」
「物理的に?」
「ええ、物理的に」
サラの、『成長したらナイスバディーになるんです!』という淡い夢は、どうやら物理という巨大な壁に阻まれている様だった。
2
お気に入りに追加
1,833
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる