システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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この女、危険すぎる!

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「ところで、興味本位で聞くんだけど…超小型ポジトロン電子頭脳って、どうやって脳から吸い出すの?」

 きっと高性能な医療機器とかものすごいテクノロジーだと思うんだよね。
 仕組みとか分からないけど、やっぱメカメカしたのを見るのは楽しいからな。
 男って、そんなの好きだからなあ~。子供の頃は、色んな物を分解しては組み立ててたなあ。もちろん、元には戻らなかったが(笑)。
 もし出来るなら、ちょっと見せて欲しいなあ…分解せんから。

「吸い出す方法ですか? ごく簡単ですよ。これを使って吸い出すだけです」
 そう言ってリリアさんが虚空から取り出したのは、俺が子供の頃から良く目にしていたアレだった。
「えっ!? マジでソレで吸い出すの!?」
「ええ、そうですよ? こっちの管を鼻孔から挿入して、こう…きゅぽきゅぽと…」
 リリアさんが、特徴的なあの手の動きを見せてくれる。
 ソレの赤い部分をニギニギと…
 もうお分かりだろうか? ソレとは日本で有名な発明家、ドクター中松の代表的な発明品である、醤油ちゅるちゅる…分かりやすく説明すると、灯油をストーブに入れるときに使う、手動ポンプだ。
 このポンプの真っ直ぐな方の筒を、どうやら鼻から入れてきゅぽきゅぽすると、超小型ポジトロン電子頭脳が吸い出せるというのだが…

「めっちゃ嘘っぽい!」
 そんな物で脳の中から何かを取り出せるって、有りえねえだろ?
 そもそも、そんな太いパイプが鼻の穴に入るのか?
「本当ですよ? 鼻孔よりも太いパイプですが、入らなければ舐めてやればいいんです。ほら、覚えがありませんか? 舐めると滑りが良くなるんですよ」
 これ、下ネタだよな…絶対に!
「こんなに大きいの入るかしら…? だったら滑りを良くすればいいんだよ。え、どうやって? ほら、口を開けてごらん…そう、歯を立てないようにな…って感じの経験、前世で無かったのですか?」
 やっぱ下ネタだよ!
「ねーよ!」
「あ、小さかったんですね…ちんちん」
「普通サイズだったわ!」
「ふっ…そういう事にしておきましょう…」
 ちくそー! 鼻で笑いやがって! 俺はごく普通の日本人サイズだった…よ?
 あれ? なんか自信なくなってきた…いや、でも今世も思ったより、ごにょごにょ…
「大きくする器具もありますよ? あ、ついでに剥けます」
 どこの雑誌の広告だよ!
「包茎ボーイでは、モテないゾ!」
「ビガ〇パンツかよ! めっちゃ懐かしいな、オイ!」
「お一ついかがですか? 初夜の時に恥をかかないように」
「いらんわ!」
 こいつ、サラよりも恐ろしいかもしれない。
 まさか、あんな話題からここまでの下ネタになるとは…この女、危険すぎる!

 脳内から電子頭脳の摘出方法は分かった…理解は出来ないが、まあ想像できた。
 あの謎のポンプには、きっと高度なテクノロジーが詰まっているのだろう。
 では、埋め込むときはどうすんだ?
「もちろん、こっちの蛇腹のホースを鼻腔に突っ込んで…」
「ポンプを逆にするだけかよ! 本当にそれで脳への移植なんていう繊細な施術できるのか!?」
「なにせ、地球より遥かに進んだ未来のテクノロジーですから。あと、この作品はファンタジーですから、基本的に何でもありです」
 この作品って…オイ! ここは俺にとっての現実だ!
「お前の頭の中がファンタジーなんじゃないのか!?」 
「ちなみに、私は超現実主義です」
 ………もうこいつの言葉は信じないぞ。
「何故なら、私の好きな画家は【サルバドール・ダリ】です」
「それは、シュルレアリスムだ! 確かに超現実主義と訳すけど、それは違う!」
「何を仰いますか、心外です。【記憶の固執】という有名な絵画をご存知ないのですか? あれほど私を如実に表現した絵画はありません」
 …確か、時計がぐにゃやぐにゃ溶けてるような絵だった気が…違ったかな?
「あの絵画は、柔らかさと硬さを表現た物です」
 確かぐにゃぐにゃの時計が、固い机とか木の枝から垂れ下がってた様な…
「つまり、柔らかさは女性を、固さは男性を暗示しているのです」
 哲学的だな…
「すなわち、そそり勃つ男根と女陰の柔らかい肉を象徴していると言えるのです!」
 ヤメロ! マジでヤメロ! その解釈は、絶対におかしい!
「何故にそう考えるのです? 偉大なる画家であってもエロ心はあったはずです」
 偉大なる芸術家と作品を、勝手にエロ解釈すんな!
 お前はやっぱりサラの同僚だよ! 間違いなくポンコツだよ!
 何でもかんでもエロに繋げる発想が、残念すぎるよ!
  
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