システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児

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出来は上々!

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 さて、リリアさんのお部屋を造っちゃいますかね。
 幸いな事に、むっつり女子連合はミルシェの部屋で鼻息を荒くしている最中で、邪魔者は居ない。

 精霊さ~ん! ちょっち手伝ってくださ~い!
 俺の呼ぶ声に応じて、わらわらとそこかしこから集まってくる可愛い精霊さん。
 あれ? 今日のファッションは、法被にねじり鉢巻きっすか?
 ああ、なるほど! 本日のテーマは大工さんなんですね…地下室をいじるんで、どっちかってーと土建屋さんなんだが…まあいい。

 え~では本日の作業です。この図面をご覧ください。
 ちゃちゃっと書いた地下室の図面を取り出して、精霊さん達が見える様に広げる。
 地下室の端っこに、サラとリリアさんが暮らすに十分なスペースを考えてみたのだ。
 なんと12畳相当のリビングと、個室12畳を2室! 畳提供はドワーフさん方です。まあ、この世界の畳ってイグサじゃないし、畳床がないからペラペラのゴザみたいなものだけど。何かの毛皮が裏に縫い付けられてて多少の断熱効果もあるから、冬でも使えそうで…いいな、コレ。
 そう言えば、前世で住んでたアパートの洋間に畳ラグを敷いてたけど、あれと似たような感じかな。
 基本的に食事も排泄もしないらしいので、キッチンもトイレも不要。
 なので、あとはシャワースペースがあれば十分だな。
 どう? 精霊さん…簡単でしょ? 
 え、ベッドはどうするのかって? え~それではベッドと机は部屋に造り付けで壁面収納とか出来ると有り難いかな。
 あ、OKなのね。でも造り付けだと、ここの壁の厚さを調節が必要と…なるほど! うん、任せます!
 そんなわけで精霊さんが、あっという間に造り上げちゃいました。さすがは万能精霊コーポレーションですな。
 
 照明は、おしゃれな間接照明風に取り付けてもらった魔道具。良い味だしてます。
 ベッドと机は不要な時は壁に収納できるので、収納すれば部屋を広々と使う事が出来ます。
 2人の部屋はリビングを挟んで左右に位置しておりまして、2人の部屋の扉の無い方は出入り口とシャワールーム。
 つまり、リビングを中心に十字に扉が配置されております。
 出来は上々! これで2人が気に入らないわけがない。
「気に入る訳ないでしょー! このサラちゃんとリリアが同室って、マジで言ってんですか!?」
「お、復活したのか? もちろんマジだ!」
「本当に本当のマジっすか?」
「もちろん!」
 もの凄く泣きそうな顔してるけど…
「サラ、うれし泣きか?」
「んなわけあるかー! 毎夜毎夜リリアに弄り倒されるのが目に浮かぶわ!」 
「本望だろ?」
「大河さん、本日限りでお暇を頂きとうごじゃりまする」
 ふっ…お前の考えなどお見通しだ。
「いいぞ。だが、我が家を出た瞬間に、ガチャ玉で【サラ探知装置】を創って、リリアさんに渡すからな。逃げられると思うなよ?」
「あ、悪魔か!?」
 絶望に染まった顔で俺を睨むサラ…おもろい!
「他人の不幸は蜜の味」
「こ、この悪魔め!」
 何とでも言うがいい。俺はお前の苦しむ姿を見たいのだ!
 がっくりと床に手を付き頭を垂れる、いわゆる乙ポーズで固まるサラを見下ろすのは、実に愉快だ!
 リリアさん、来てくれてありがと~!
「ちくせう! こ・の・う・ら・ み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か!」
 おお! かかってこい、魔〇郎!

 何故かつやつやとした女性陣が食堂に戻ってくる中、サラは食堂の隅っこで壁と戯れていた。
 そんなサラに優しい笑みを浮かべて近づくリリアさん。
 そしてそのリリアさんの後姿を、何かを期待するかのような目で、ワクワクしながら見つめる女性陣。
「サラ、何時までそうしているつもりですか。貴女はこの屋敷で仕事があるのでしょう? 私も手伝いますから、さっさと終わらせますよ」
 何故か優しい言葉を掛けるリリアさんに、訝し気な目を向けるサラ。
 期待していた言葉と違うリリアさんの優しい言葉に、怪訝な顔の我が家の女性陣。
「早く終わらせないと、貴女との時間が取れませんからね。今夜も寝かさないよ、サラ…」
『きゃ~~~~~~~!!』
 しかして、リリアさんの口から出た次の言葉は、我が家の女性陣が待ち望んだ言葉だったようだ。
「だろうと思ったよ、こんちくせう!」
 サラにとっては、最も聞きたくない言葉だった様だが。

 
 女性陣の喜ぶ姿を見たサラの目は、まるで鮮度の悪い青魚の様に濁っていた。
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