320 / 1,466
移住第一陣、出発します!
しおりを挟む
孫娘の処遇を聞いたカパス老は、何やら一気に老け込んだ様だ。
いや、元から爺さんだったから、更にと言った方が正しいだろうか。
そんな爺さんは無視して、集まった人々に訊いてみた。
「え~皆さんにお訊きしたいのですが、ここに居られる方は、移住希望者第一陣で合ってますでしょうか?」
すると群衆から、父さんと同じぐらいの年齢かな? 男性が進み出て、
「はい、使徒様。ここに居るのは、全て移住希望者です。4つの集落で約1200名です。他の集落の約1700名もこちらに向かって移動している所です」
実は神国へ行く前に、希望者が全部で何名になるか申告する様に言っておいたのだが、結構な人数になったな。
カパス老の所が最大集落で700名って言ってたから、他は思ったよりも小さな集落だったのか。
それでも3000人近い民族の大移動ともなると、荷物の量もそれ相応になる。
第一陣だけでも2往復ぐらい必要なのだが…仕方ない、半分はキャンプしてもらうとすっか。
あのレースで折り返し地点として使ったオアシスで1日野宿してもらってればいいかな。
「え~この人数を一度には運べませんので、半分の方には1日ほど待っていただく事になります。皆さんがバラバラになると、あまりよろしくないので、あちらのオアシスで野宿をして頂けませんか? 大急ぎで往復すれば、明日のこの時間は戻って来れるはずですので、居残り組と出発組で別れてください。方法はお任せしますので600名ほどを選出してください。残った方も、明日には出発ですので、決して揉めない様に。神々は見ておりますからね」
そう伝えると、あっという間に選別が完了した。
あ、カパス老のとこの700人ほどと、残りの3つの集落500人に別れたのか…狭くなるけど、我慢してね。
取りあえず、本日出発組をカーゴスペースに順次、文字通り詰め込んだ。
まあ、倉庫スペースなので床に座ってもらう事になるのだが、一日だけ我慢して欲しい。
意外な事に誰からも不平不満も出ず、乗り込んだ人々は奥からスペースを詰めてくれたので、何とか全員と荷物を収納する事が出来た。
倉庫内には、食料や蒸気自動車、その他にも細々とした俺達の荷物もあったが、それに手を出す様な人も居らず、全員とても大人しいものだった。
神の世界の乗り物って認識らしく、畏れ多いらしい。
注意事項として、食料は好きにしてくれたらいいけど、倉庫内は火気厳禁なので、本日は保存食でも齧って我慢してもらう事と、倉庫内のトイレには数に限りがあるので、喧嘩しないでちゃんと順番に綺麗に使ってね、とだけ言っておいた。
俺達のいる居住スペースと違って、窓の無い倉庫の扉を閉じてしまうと、外が全く見えないので不安だろうけど…まあ、信じてもらうしかないな。
ちなみに俺達の居住スペースと同調している倉庫の照明は、自動的に明るさが変わるので、寝る時に明るすぎたりすることは無い安心設計となっております。
残った人々に、後続の移住希望者が来たら、5~600人のグループに分けておいてほしいと伝え、ダッシュで神国に割り当ててもらった土地へと出発だ。
今回だけは仕方ない、ちょっとスピードを上げて行くか。
この地点から、神国の移住予定地までは、直線距離では短いものの、ぐるりを取り囲む山脈のせいで、かなりの大周りをしなくてはならない。
ホワイト・オルター号が空を飛ぶ船ではあるのだが、あまり高度は上がらないのだ。
ガスを使用した地球方式の最新式飛行船でも、高度4000mぐらいは挙がれるのだが、この船では2000m程度が限界。
何故なら、精霊さん達がそこまで高く飛べない事が原因。
このホワイト・オルター号は、精霊さんの力をフル活用しているので、精霊さんの限界以上の高さでは飛べないのだ。
んで、この地を取り囲む山脈は2~3000m級の連峰となっている。
この峰を越えるポイントが限られているため、遠回りしなくてはいけないって事なんだよ…面倒だが、仕方ないのさ。
だが、今回はスピードアップする予定。
快適な空の旅をする時の巡航速度は、40~60km/hに設定しているのだが、今回は150km/hまで頑張ってもらう予定だ、主に精霊さんに。
そうすれば、一日で往復が可能になるはず…理論的には…帰ってきたら真夜中になるので、帰りはゆっくりと飛ぶけどさ。
んじゃ倉庫内も落ち着いた様だし、家族も全員乗り込んだ様だから、そろそろ出発すっか!
まずは、移住第一陣、出発します!
いや、元から爺さんだったから、更にと言った方が正しいだろうか。
そんな爺さんは無視して、集まった人々に訊いてみた。
「え~皆さんにお訊きしたいのですが、ここに居られる方は、移住希望者第一陣で合ってますでしょうか?」
すると群衆から、父さんと同じぐらいの年齢かな? 男性が進み出て、
「はい、使徒様。ここに居るのは、全て移住希望者です。4つの集落で約1200名です。他の集落の約1700名もこちらに向かって移動している所です」
実は神国へ行く前に、希望者が全部で何名になるか申告する様に言っておいたのだが、結構な人数になったな。
カパス老の所が最大集落で700名って言ってたから、他は思ったよりも小さな集落だったのか。
それでも3000人近い民族の大移動ともなると、荷物の量もそれ相応になる。
第一陣だけでも2往復ぐらい必要なのだが…仕方ない、半分はキャンプしてもらうとすっか。
あのレースで折り返し地点として使ったオアシスで1日野宿してもらってればいいかな。
「え~この人数を一度には運べませんので、半分の方には1日ほど待っていただく事になります。皆さんがバラバラになると、あまりよろしくないので、あちらのオアシスで野宿をして頂けませんか? 大急ぎで往復すれば、明日のこの時間は戻って来れるはずですので、居残り組と出発組で別れてください。方法はお任せしますので600名ほどを選出してください。残った方も、明日には出発ですので、決して揉めない様に。神々は見ておりますからね」
そう伝えると、あっという間に選別が完了した。
あ、カパス老のとこの700人ほどと、残りの3つの集落500人に別れたのか…狭くなるけど、我慢してね。
取りあえず、本日出発組をカーゴスペースに順次、文字通り詰め込んだ。
まあ、倉庫スペースなので床に座ってもらう事になるのだが、一日だけ我慢して欲しい。
意外な事に誰からも不平不満も出ず、乗り込んだ人々は奥からスペースを詰めてくれたので、何とか全員と荷物を収納する事が出来た。
倉庫内には、食料や蒸気自動車、その他にも細々とした俺達の荷物もあったが、それに手を出す様な人も居らず、全員とても大人しいものだった。
神の世界の乗り物って認識らしく、畏れ多いらしい。
注意事項として、食料は好きにしてくれたらいいけど、倉庫内は火気厳禁なので、本日は保存食でも齧って我慢してもらう事と、倉庫内のトイレには数に限りがあるので、喧嘩しないでちゃんと順番に綺麗に使ってね、とだけ言っておいた。
俺達のいる居住スペースと違って、窓の無い倉庫の扉を閉じてしまうと、外が全く見えないので不安だろうけど…まあ、信じてもらうしかないな。
ちなみに俺達の居住スペースと同調している倉庫の照明は、自動的に明るさが変わるので、寝る時に明るすぎたりすることは無い安心設計となっております。
残った人々に、後続の移住希望者が来たら、5~600人のグループに分けておいてほしいと伝え、ダッシュで神国に割り当ててもらった土地へと出発だ。
今回だけは仕方ない、ちょっとスピードを上げて行くか。
この地点から、神国の移住予定地までは、直線距離では短いものの、ぐるりを取り囲む山脈のせいで、かなりの大周りをしなくてはならない。
ホワイト・オルター号が空を飛ぶ船ではあるのだが、あまり高度は上がらないのだ。
ガスを使用した地球方式の最新式飛行船でも、高度4000mぐらいは挙がれるのだが、この船では2000m程度が限界。
何故なら、精霊さん達がそこまで高く飛べない事が原因。
このホワイト・オルター号は、精霊さんの力をフル活用しているので、精霊さんの限界以上の高さでは飛べないのだ。
んで、この地を取り囲む山脈は2~3000m級の連峰となっている。
この峰を越えるポイントが限られているため、遠回りしなくてはいけないって事なんだよ…面倒だが、仕方ないのさ。
だが、今回はスピードアップする予定。
快適な空の旅をする時の巡航速度は、40~60km/hに設定しているのだが、今回は150km/hまで頑張ってもらう予定だ、主に精霊さんに。
そうすれば、一日で往復が可能になるはず…理論的には…帰ってきたら真夜中になるので、帰りはゆっくりと飛ぶけどさ。
んじゃ倉庫内も落ち着いた様だし、家族も全員乗り込んだ様だから、そろそろ出発すっか!
まずは、移住第一陣、出発します!
2
お気に入りに追加
1,833
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。

死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

外れスキル『収納』がSSS級スキル『亜空間』に成長しました~剣撃も魔法もモンスターも収納できます~
春小麦
ファンタジー
——『収納』という、ただバッグに物をたくさん入れられるだけの外れスキル。
冒険者になることを夢見ていたカイル・ファルグレッドは落胆し、冒険者になることを諦めた。
しかし、ある日ゴブリンに襲われたカイルは、無意識に自身の『収納』スキルを覚醒させる。
パンチや蹴りの衝撃、剣撃や魔法、はたまたドラゴンなど、この世のありとあらゆるものを【アイテムボックス】へ『収納』することができるようになる。
そこから郵便屋を辞めて冒険者へと転向し、もはや外れスキルどころかブッ壊れスキルとなった『収納(亜空間)』を駆使して、仲間と共に最強冒険者を目指していく。
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!

くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる